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Nintendo Switch「スプラトゥーン2」、新登場「スプラマニューバー」に病みつき!
「スプラトゥーン2 先行試射会」での注目ポイントを再チェック
2017年3月27日 11:56
任天堂は、2017年夏にNintendo Switchで発売を予定している「Splatoon2(スプラトゥーン2)」の体験イベント「スプラトゥーン2 先行試射会」を 、3月25日~26日の2日間にかけて開催した。
この先行試射会は、Nintendo Switchに専用のソフトをダウンロードして各日の4時、12時、20時から1時間ずつ、合計3回の時間帯にインターネットにアクセスすることで、プレイが可能になるものとなっていた。Nintendo Switchユーザーなら誰でも参加が可能な体験会ということで、この2日間は多くのプレーヤーが対戦に興じていた。ここではそのプレイレポートをお届けしていこう。
シリーズ最新作となる「Splatoon2」では、人間の姿に変身できるイカ「インクリング」たちが、インクを発射するブキを使ってステージ上を塗りつぶして戦うという前作からの基本ルールを踏襲しつつ、新しいブキやギア(装備品)、ステージなどが用意される予定の本作。この先行試射会では、4対4のチームに分かれて、制限時間内にステージを塗りつぶした広さを競う「ナワバリバトル」のルールのみが体験可能だった。
イカたちが装備するブキは「メインウェポン」、「サブウェポン」、「スペシャルウェポン」がそれぞれセットになっている。1月の体験会で出展されたときとは組み合わせが一部異なっているが、基本的な性能に大きな変化はないようだ。通常はメインとサブを使用してステージを塗りつぶしたり、敵を攻撃したりして、溜まっていくゲージがいっぱいになるとスペシャルを使えるようになるルールは従来通りだ。
ブキは本作から追加された「スプラマニューバー」のほか、「スプラシューター」、「スプラローラー」、「スプラチャージャー」が選択でき、インクリングの性別と装備しているギアはランダムで選ばれる。なおギアに付随するギアパワーについては、「インク回復力アップ」(アタマ)、「復活時間短縮」(フク)、「スペシャル減少量ダウン」(クツ)がメインスロットに付いていて、サブスロットには何も付いていないという内容で統一されていた。
基本ルールはWii Uで発売された前作を踏襲しているものの、Nintendo Switchになったということで、一部仕様に変更があり、これによりプレイ感覚が少々異なっている。
前作は操作にWii U GamePadを使っていた関係で、タッチスクリーンに常にステージのマップが表示され、タッチすることで味方やスタート地点の場所に大ジャンプする「スーパージャンプ」ができた。本作にももちろんマップ表示やスーパージャンプは健在だが、ゲームが2画面ではなくなったことにより、マップはXボタンでプレイ中の画面全体に表示されるようになった。スーパージャンプは、その時に方向ボタンかジャイロ操作で位置を指定し、Aボタンで実行するという操作になっている。
1レスポンスでスーパージャンプができなくなったのは残念なところだが、これはもうハードの仕様なので慣れるしかないだろう。またこの仕様変更に伴い、ジャンプボタンがXボタンからBボタンに変更となっている。欲を言えば、これを変更できる簡単なキーコンフィグもほしかったところだ。
筆者は今回標準のJoy-Conを使ってプレイしたのだが、操作は非常に快適だった。やはりWii Uと比べてコントローラーが軽いというのが圧倒的に大きく、ジャイロ操作もしやすくなっていた。なおJoy-Conを分離して使う場合、ジャイロは右手用のJoy-Con(R)のほうで働くようになっている。スプラチャージャーのチャージ中の射線を上げ下げするときなど、特にジャイロをクイックに動かしたいときには有効で、これはこれで楽しめそうな予感もしている。
またテーブルモードや携帯モードでのプレイも試してみたが、持ち運べる小さな画面で遊べるナワバリバトルはかなり新鮮だった。ただしこれらのモードは、通信が無線に限られるので、対戦するときは安定した通信環境を確保するようにつとめたいところだ。チームプレイが主となる本作にとって、プレイ中の通信切断はクリティカルな問題であり、前作でもプレーヤーの間でずいぶん議論が重ねられてきているが、テーブルモードや携帯モードでは、出先などでの無線接続が必要となる場合も出てくるだろう。事前に接続先の回線の安定性は確認しておくようにしたい。
そして今回、大きな注目点となったのは、新いカテゴリのブキ「スプラマニューバー」の存在だろう。このブキは両手に個別のシューターを持ち、交互にインクを連射するという特徴を持っている。撃つときのエイムも2つが横に並んでいて、スプラシューターよりもわずかに横に広い範囲を塗れるので、塗りの性能は高いと言える。その分射程は短いようで、スプラシューターと正面で撃ち合うと負けてしまうことも多かった。
そしてこのブキのもう1つの大きな特徴が、他のブキではできない「スライド」というアクションができるということ。インクを撃っている最中にLスティックを入れながらBボタン(ジャンプボタン)を押すと、その方向に素早くローリングして移動するスライドができるのだ。スライドした直後はインクの射線が1本になって連射力が強化され、動くかインクがなくなるまでこの状態で撃ち続けられるという特性も持っている。
このスライドは動きが素早く、正面から敵が来ているときやチャージャーに狙われたときなどに意識して使うと、瞬間的な回避アクションとして非常に優秀だ。やみくもに出すと、足場から落下してしまったり、敵のインクの上に乗ってしまったりすることもあるわけだが、周囲をよく見て繰り出すことで、敵を翻弄する立ち回りができるのがかなり面白いものだった。なおこのスライドがあることより、このブキに限っては、インクを発射している間は移動しながらのジャンプができなくなっている。
またサブウェポンの「カーリングボム」も特徴的で、カーリングのストーンのようなボムが地面を滑っていき、一定距離を進むと爆発するというもの。地面を滑る様子は前作の「チェイスボム」と似ているが、こちらはホーミング性がなく、壁にぶつかると反射し、敵に当たっても爆発しないという性質がある。狙って使うのではなく、敵が来そうなところに滑らせるような使い方をするのがいいようだ。もちろん滑っていく軌道は塗られていくので、単純に前方へ道を切り開くために使ってもいい。
スペシャルウェポンの「ジェットパック」は、インクを噴出させるジェットパックで空中を飛行し、強力なランチャーを発射するというもので、本作で初めてイカが空中を飛ぶ手段が用意された。撃ち出すランチャーは単発ながら強力で、敵に直撃させれば1発で倒せ、地面に当たったときに塗れる範囲も大きいが、積極的に攻めすぎると逆に撃ち落とされてしまう危険もあるため、今いる場所からの離脱や、攻撃に自信がなければランチャーによる塗りを主体としても良いように思えた。なお飛行のために噴出するインクのパワーは一定のため、地面からは常に同じ高さを移動し、金網のようなインクをすり抜ける足場の上では飛行できずに着地してしまう。
残る3つのブキは前作から引き続き登場するものだが、今回初めて本作をプレイする人のために、改めて紹介したい。
スプラシューターは、インクをまっすぐに撃ち出す単純明快なブキで、塗ることにも攻撃にも向いている。投げつけることでインクが飛び散るサブウェポン「クイックボム」とともに、クセがなくて使いやすく、初心者から上級者まで向いている。性質が前作とほとんど変わらないのに、新たな操作が加わったブキと対等に渡り合えるのは、それだけこのブキが優れていることを表わしている。
スペシャルウェポンの「マルチミサイル」は、ロックオンした場所にいる敵のもとにミサイルの雨を降らせるというもの。対象の敵は壁の向こうにいてもロックできるが、発射後のミサイルにホーミング性はなく、着弾地点も表示されるので、避けられてしまうこともある。それでも大量のミサイルが敵の周囲をインクで塗りつぶすので、敵の行動範囲を狭めつつ塗ることが可能だ。なおロックオン時は動けなくなるので、使用する場所を考えることも必要だ。
スプラローラーはローラー型のブキで、地面をゴロゴロと転がすことでその範囲を隙間なく塗れる、塗りに特化したブキだ。敵を攻撃するときはローラーで踏みつぶすか、ローラーを出すときに飛ばすインクのしぶきでダメージを与えられる。ジャンプ中にローラーを振りかぶると、ローラーを縦にしてインクを飛ばす「タテ振り」という新たなアクションが追加された。
地上での「ヨコ振り」よりも範囲が狭く、その分遠くにインクを飛ばせるので、状況によって使い分けが可能だ。タテ振りは範囲が狭い分、狙って当てるにはコツがいるが、思わぬところから降りかかってくるインクは、敵にとって脅威となるはず。「サブウェポン」は前作から引き続いて登場の壁などに貼り付く「キューバンボム」となっていた。
スペシャルウェポンはその場で飛び上がって大量のインクを地面に叩きつける「スーパーチャクチ」。使用すると自分の周囲に効果のある接近戦に特化した攻撃ながら、スーパージャンプ時にも使えるのが非常に有効だ。味方の援護に駆けつけるときなどにくり出すことで、着地先の敵に脅威を与えつつ安全な着地が行なえる。
スプラチャージャーは、いわゆるスナイパーライフルであり、今回登場したブキの中では1番射程が長い。ただし遠くまで撃つためには、ZRボタンを押したままにしてチャージする必要があり、チャージした時間が長いほど多くのインクを発射して遠くを撃てるという仕組み。チャージ中の射線は敵にも見えるため、狙いながらチャージすると避けられるどころか逆に狙われてしまうので、チャージ中は射線を下方向などへと向けるのが定石となる。
本作ではそれをカバーできる、チャージをした状態を一定時間キープしたままインクの中に潜れるという特性が追加されている。これによりチャージしたままインクに潜り、敵の近くに現われて撃つなど、前作ではできなかった戦術も可能となった。サブウェポンは投げて一定時間で爆発する「スプラッシュボム」だ。
スペシャルウェポン「ハイパープレッサー」は、直線上に高圧のインクを途切れなく射出する。壁も無視して通り抜けるパワーを持つが、射出中は向きを変えるスピードが極端に遅くなり、接近戦はほぼ不可能となる。敵の攻撃が及ばないような安全なところで撃つか、周囲の味方の援護してもらいたい。
4つのブキだけでも十分に楽しめる内容で、発売されたばかりのハードながら、対戦相手にも困らない(ほどの人が参加したと予想される)今回の先行試射会となった。筆者はスライドの新しい感覚が病みつきになり、試射会2日目はほぼ全てのプレイでスプラマニューバーを使っていたわけだが、参加していたプレーヤーがこの新ブキだけに偏ることなく存在していたのも面白いところだった。
今回は新ハードにあわせた体験版という意味合いも強く、ルールがナワバリバトルに特化していて、これだけだと前作とさほど変わらない印象もあったのが正直なところだ。製品版ではそれらを踏まえつつ、Nintendo Switchの機能をイカした機能やモードの充実など、イカたちの新しい活躍にも期待しようではなイカ!