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PS4「GUNDAM VERSUS」CBTレポート
アニメ好きにも楽しめるユニークなギミックが盛りだくさん!
2017年3月24日 18:08
1979年に放送を開始したアニメ「機動戦士ガンダム」。筆者はガンダムが好きだ。特に「機動戦士ガンダムZZ」までに強い思い入れがある。そしてガンダムは今もシリーズとして新作アニメが作られ続けているが、筆者はやはりその中でも戦闘用ロボット、モビルスーツが大好きである。戦争用の兵器として描かれるモビルスーツはシリーズごとに特色のあるデザインが魅力で、主人公機以外の敵のメカも人気があるのはつくづく感心させられる。
そして、これらモビルスーツを思う存分操り、戦えるのが「機動戦士ガンダム VS.」シリーズなのである。本シリーズは2001年から続く長い歴史を持つ。シリーズの魅力は何といってもモビルスーツを自分の手で操作して、他のプレーヤーと対戦できる点にある。幼い頃に憧れた「モビルスーツを自分の手で操作する」という“夢”を実現できるのだ。その最新作「GUNDAM VERSUS」のCBTが開催されたのだ。見せてもらおうか、「GUNDAM VERSUS」の素晴らしさとやらを!
今回筆者はシリーズ最新作となるPS4版「GUNDAM VERSUS」のCBTに参加し、モビルスーツを操り戦う感触を体験できた。今回の体験をレポートしたい。なお、システムの説明などについては過去記事(http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1033656.html)に詳しいのでそちらを参照してほしい。
合体変形から岩投げまで! モビルスーツの操作が満喫できる
本作では、シリーズ1作目の「機動戦士ガンダム」から最新作の「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」まで、多数のシリーズタイトルからモビルスーツをピックアップして選択できる。CBTでは選択できる機体に制限があったが、そのラインナップはシリーズ毎に幅広く機体が用意されていると感じた。
今回のCBTでは他のプレーヤーとオンライン対戦する「プレイヤーマッチ」のほか、様々なモビルスーツが出現するステージを次々とクリアしていく「トライアルバトル」、CPU戦の相手やその条件を自由に設定して戦闘できる「フリーバトル」シリーズ初の3on3バトルを実現した“3on3スタンダード”や複数のモビルスーツで1体の巨大モビルアーマーと対戦する“ボスハンター”など、色んなルールのエクストラバトルが楽しめる「アルティメットバトル」の4モードが用意されていた。
アルティメットバトル以外のいずれのモードでもプレーヤー側は味方とともに2機で戦闘に挑む。プレイヤーマッチの場合はもう1人の味方は別のプレーヤーだが、CPU戦の場合は味方もCPUとなる。
モビルスーツの操作は基本的なところは全て共通で、モビルスーツごとに複雑な操作を覚える必要がないのはわかりやすい。モビルスーツのビジュアルは非常に洗練されており、どのモビルスーツもアニメ本編で見る以上にリアリティがあると感じた。動作についても機敏で躍動感があり、まさにモビルスーツを「操縦している」感覚が味わえる。
また、モビルスーツ毎の個性的なアクションについては「特殊射撃」、「特殊格闘」のいずれかに割り振られていて、このモビルスーツ毎のアクションがどれも遊び心満載で最高に面白い。オーソドックスな武器から奇想天外なアクションまで、いずれも本編をよく見ていなければ思い浮かばないようなアイデアがたくさん盛り込まれていて、いい意味での「マニアックさ」を感じさせてくれる。
例えば「ガンキャノン」の特殊射撃はいきなり岩を投げつけるのだ。確かに本編でガンキャノンが敵に岩を投げつけるシーンは存在する。だが全編通して1度か2度くらいしかやってないようなアクションを技の1つとして利用できるようになっているとは想像もつかなかったので、初めて見た時は爆笑と同時に感心してしまった。
他にも劇中では合体変形が特徴の「ZZガンダム」の場合、特殊格闘の操作で、モビルスーツが3体の飛行ユニットに分離し、空中を旋回しながら地上の敵に攻撃を仕掛ける。こうした合体変形をゲームでうまく活用するのは難しいと思っていたが、「GUNDAM VERSUS」での使い方は見事で、決まると爽快感がものすごい。合体変形の活用法として、個人的には今まで見た中で最高の見せ方だと感じた。
同様に「百式」なら特殊射撃で、どこからともなくメガ・バズーカ・ランチャーを取り出して一定時間放射し続ける。撃ち終わったメガ・バズーカ・ランチャーをその辺に投げ捨てる動作も、莫大なエネルギーを必要とするため連続使用できないからで、本編中ではよく見かけたアクションだ。ゲームの演出がちゃんと理にかなっていて、感心してしまった。
このようにガンダムシリーズが好きな人がニヤリとするような派手な演出が各モビルスーツに仕込まれており、これらのアクションを見るだけでも十分に楽しめる。なお、本作の武装はいずれも弾数が設定されており、弾切れになると一定時間使えなくなるが、割とすぐに回復するので、細かいことは気にせずガンガン使って戦える。
ゲームを触ってみて、まず各MSの“アクション”に夢中になってしまった。どんな操作で、MSがどんなアクションをするか? 覚醒ゲージを消費して行なう「覚醒システム」についても覚醒技などは実際試しておかないと、いざというときわからないので、かなり積極的に技を試してしまった。「この操作は……こうなるのか!」という感じで、まるで「ガンダム大地に立つ」で初めてガンダムに乗ったアムロのように、戦いながらMSのポテンシャルを探っていくのはとても楽しかった。
プレーヤー対戦の勝利のカギは回避行動の慣れと冷静な判断
本作の最大の特徴がプレーヤーとオンライン対戦する「プレイヤーマッチ」だ。マッチングではまず部屋を検索するか、作成する。この部屋の検索条件も初心者向けから上級プレーヤー向けまで、幅広く設定できるので、自分にマッチした部屋を検索できるし、好みの部屋がなければ自分で立てることもできる。部屋に入ると、複数の2人1組のチーム枠があり、そこでモビルスーツを選択して参加を表明すればあとは同じ部屋の中の他チームとのマッチングが終わるのを待つのみとなる。
先に参加表明したプレーヤーは、マッチングの間、障害物が何もない空間で、自分が選んだモビルスーツ同士でCPU相手に戦うことができるようになっている。ここで各種操作を確認しておけるほか、相手もこちらに攻撃をしてくるので、敵弾のかわし方などのちょっとした訓練にもなる。今回はテストのためか、マッチングが合わずに待たされる事もあったので、こういう形で待ち時間が潰せるのは大変ありがたかった。
今回筆者が選択したモビルスーツは「ガンキャノン」、「シャア専用ザクII」、「グフ」、「ガンダムMK-II」、「百式」、「ZZガンダム」で、いずれも「機動戦士ガンダム」、「機動戦士Zガンダム」、「機動戦士ガンダムZZ」の3作品に登場するモビルスーツばかりをチョイスした。また好みで、ZZガンダム以外はあえて主人公機を使わずに挑戦してみた。こういう偏った好みで選べるのも使用可能な機体の数が多い本作ならではの魅力だろう。
さて、自分の思い入れのあるモビルスーツでいざ実戦に挑んでみたものの、これらモビルスーツで勝つのは非常に厳しい。というのもこれらモビルスーツのうちガンキャノン、シャア専用ザクII、グフはいずれも今回選択できるモビルスーツの中ではコストが低い300しかない。そのため火力も高く、動きも機敏な高コストのモビルスーツに立ち向かうのは至難の業だったからだ。
これら低コスト機で勝つ方法はとにかく慣れだ。特にジャンプを2度押しすることで高速に移動する「ブーストダッシュ」はタイミングを誤るとブーストゲージをいたずらに消耗してしまう。筆者は敵が迫ってくると慌ててしまい、ついつい連続でブーストダッシュを繰り返してしまい、移動した先を狙われてダメージを蓄積した挙句、ブーストゲージを使い切って動きが鈍くなったところをさらに狙い撃ちにあうという状態によく陥ってしまった。
本作のビーム兵器類は、ある程度慣れてくれば自分に向かって発射されたことを確認してからでも避けられる。そう「当たらなければどうということはない」のである。敵の動きを俯瞰で見る冷静なプレイを心掛けることで敵弾をかわしやすくなった。敵が接近した時に反射的に格闘攻撃ができるように体を慣らすことも重要と感じた。
また、仲間同士でやる場合ならともかく、完全にフリーの状態でプレイヤーマッチに挑む場合、仲間の実力もわからないため、仲間の実力次第で勝敗が決まることもある。今作では、チームの勝敗を分ける「戦力ゲージ」は1,000しかないため、たとえこちらが低コスト機を選択したところで、仲間が高コスト機を使って派手に玉砕してしまえば、あっという間にコストオーバーしてしまう。最初のうちは勝ち負けにあまりこだわらずに自身のモビルスーツ操作の腕を磨くつもりでプレイするのが最大のポイントだと感じた。
ソロプレイで腕を磨け! アルティメットバトルではまさかのサプライズも
プレイヤーマッチに挑む自信がない場合や、初めて使う機体の操作を試すにはCPU戦でソロプレイを遊ぶのも面白い。3種類用意されているCPU戦のうち、「トライアルバトル」はステージごとに様々なモビルスーツがセッティングされており、色んなモビルスーツと対戦できるようになっている。
例えば「機動戦士ガンダム」がテーマの最初のステージではモビルスーツの登場前に「マゼラアタック」や「ボール」など、劇中でも最弱の兵器が出現する。それら全てを撃破すると「ガンキャノン」と「ガンダム」が出現し、最後は「シャア専用ザクII」と「グフ」が登場、これらを撃墜することでステージクリアとなる。このようにステージ構成がきちんと考えられているので楽しくプレイできた。
CBTのトライアルバトルでは、その後、「機動戦士Zガンダム」のステージ、「新機動戦士ガンダムW」のステージと進んでいく。後半になると複数のシリーズのモビルスーツが混合で登場するようになっており、各ステージのバランス調整もしっかりしている。最終ステージでは、「機動戦士ガンダム 第08MS小隊」に登場する巨大モビルアーマー「アプサラスII」を倒すことでクリアとなる。
CPU戦の場合、パートナーのモビルスーツもCPUが操作する。本作ではトライアルバトル時もプレーヤー側は同じシステムのため、コスト上限は変わらず1,000だ。そのため、戦闘が順調なうちはいいのだが、敵が強すぎる場合など、CPUが勝手に自滅してしまうことがある。もちろん相手がCPUなら人間ではないので、行動パターンなどは読みやすいし、与しやすい相手でもある。コツを掴めれば低コストのモビルスーツでも最終ステージまでいけるようになる。
同様に「アルティメットバトル」も面白かった。選択したモビルスーツで戦っていく展開はトライアルバトルと同様だが、WAVE毎に区切られてどんどん投下される敵モビルスーツを撃破しながらステージが進んでいき、その合間には、複数のモビルスーツで共闘して巨大モビルアーマーと戦う「ボスハンター」、3機編成チーム同士の対決バトル「3on3 スタンダード」などこれまでと異なるルールのモードがプレイできた。
特にボスハンターは筆者はソロプレイを選択していたため複数の味方モビルスーツが全てCPUだったが、オンラインプレイを選択すると、複数のプレイヤーで共闘することができる。対戦以外も楽しめるようになるので是非これだけ単体で実装してほしいモードだ。
また、サバイバルステージの途中には「BOSS WAVE」として「機動戦士ガンダム」に登場する初期の巨大モビルアーマー「アッザム」が登場したのには驚いた。最終的に「アッザム」が他のモードなどで登場するのかは不明だが、正式サービスでこうした巨大モビルアーマーの種類を更に増やすのか、など期待が膨らむ。
以上、駆け足で「GUNDAM VERSUS」のCBTについて紹介してみたが、これまで見たガンダムを素材にした3Dアクションの中では抜群の出来と感じた。特にCBTの段階で既にこれだけ豊富な収録機体があるのに驚いた。正式サービス時にどの程度実装されていくのかは非常に気になるところだ。
システム面について大きな不満はないが、個人的に、プレイヤーマッチの最終的な勝敗についてはちょっとわかりにくいように感じた。モビルスーツを撃墜されるとコスト分の「戦力ゲージ」が消費され、マイナスになったところで勝負がつくのは理解できるが、2機のうち1機が健在の状態でもコストがマイナスになるタイミングで瞬時に敗北が決まってしまうのは「機動戦士ガンダム VS.」シリーズのお決まりとは言え、ちょっと寂しく感じた。残った1機で逆転、といった要素があっても良いのではと思ったので、この辺は再度検討してほしいポイントだ。
対戦が中心となる「機動戦士ガンダム VS.」シリーズでは機体を1体増やすだけでも、バランス調整など膨大な労力が必要になると思われるが、それでいて既にこれだけ多くの機体が使えるようになっているのは本当にすばらしい。シンプルな操作で、躍動感溢れるモビルスーツの動きが楽しめるこの操作感は、本シリーズのファンだけでなく、昔からガンダムシリーズが好きな人にこそ、ぜひ気軽に触れてほしいタイトルだ。ゲーム本編の発売が待ち遠しい。
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