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特別企画「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド」で学ぼう! “来るべき未来とその明日”

3月22日 配信予定(ダウンロード版)

3月23日 発売予定(パッケージ版)

価格:
7,800円(税別・パッケージ版)
6,800円(税別・ダウンロード版)
CEROレーティング:Z(18歳以上対象)

プレイ人数:1人

 「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド」がついに来週、3月23日に発売される。本作は前作に当たる「デウスエクス」の続編であり、主人公は引き続きアダム・ジェンセン。ストーリー自体も直接の続きとなる。もちろん今作は作品としては独立しているが、前作の知識があればゲームはいっそう楽しめる。

 そこで、今回の特別企画「『デウスエクス マンカインド・ディバイデッド』で学ぼう! “来るべき未来とその明日”」では、本作をプレイする前準備として、前作からのゲーム世界の基本設定や、ゲーム要素における最大の魅力「自由度」をピックアップしていきたい。

 「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド」は、サイボーグ技術が実用化した未来の世界を描くサイバーパンクSFだ。その世界観は練り込まれており、オブジェクトからゲームルールの隅々まで本作ならではの味がある。そして様々な解法を提示するゲーム性も面白い。独得な感触にハマる人には特に楽しいゲームとなるだろう。

【デウスエクス マンカインド・ディバイデッド: 101トレーラー】

未来に起こりかねない悲劇と苦難。「人類の明日」を鋭く描く圧倒的な描写

 「デウスエクス」シリーズの世界は、「オーグメンテーション」という人の体の一部を機械化し、、人間としての機能を補う技術が広まっている。オーグメンテーションは「オーグ」と呼ばれ、軍人などの一部は高性能なオーグを身につけ常人を超える力を身につけた。「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド」では、ゲーム冒頭、ダイジェストムービーという形で世界の基本や、前作でどんな事件が起きたかを知ることができる。

主人公のアダム。全身にオーグメンテーションが施された強力なサイボーグだが、その改造は望んだものではなかった
本作ではプレイ前に前作のダイジェストムービーが入り、これまでのことをしっかり学べる
オーグ・インシデントにより人々のオーグへの嫌悪はあからさまになっている。この世界でアダムはどう生きていくか、世界はどうなるかが本作の大きなテーマだ
オーグを収容する施設。住環境はとても快適とは言えず、脱走者の監視など、絶えず警官が目を光らせている

 オーグによる強力な力を活かす重労働を斡旋する企業なども生まれ、オーグは普及していった。オーグという言葉はオーグメンテーションによって機械化された人そのものを指す言葉にもなっていった。

 主人公アダム・ジェンセンはオーグメント技術の最大手サリフ・インダストリーの警備部門の主任として雇われていた。しかしオーグのテロリスト達の襲撃を受けアダムは重傷を負い、元恋人のミーガンも目の前で殺されてしまう。そしてアダムは、サリフ・インダストリーの社長であり友人であるデヴィッド・サリフの指示により、体のほとんどを最高級のオーグに変えられ、死の淵より蘇った……アダム自身の意思に関係なく。

 前作「デウスエクス」では、アダムはオーグにまつわる大きな陰謀を追っていく。アダムは変わってしまった体に戸惑い、悩みつつも、サリフへの再度のテロ事件をきっかけに活動を開始する。そしてテロリストの黒幕を暴き出す。この陰謀の中心人物の企てによって、世界中のオーグが暴走する事件が発生。しかし、アダムの活躍によりこの事件は終わった。

 このオーグの暴走事件は、一般市民にも多数の被害を出し、オーグ化した人々への恐怖と嫌悪が表面化してしまう。後に「オーグ・インシデント」と呼ばれたこの事件はオーグの人々の生活を変えた。オーグは政府によって厳格に監視され、収容施設に隔離されてしまう。人々のオーグへの嫌悪はあからさまで、オーグの人々は苦しんでいる。

 昨年のE3で公開された実写ムービー「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド - The Mechanical Apartheid」は、オーグの人々が直面した悲劇を描いている。ムービーではオーグの女性が高まっていく偏見にさらされ追い詰められていく情景を描き、ついには恋人と引き離され隔離されてしまう物語が展開する。「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド」はこの、変わってしまった世界を描く作品となる。

 「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド」でアダムが歩く世界は、オーグの人が生きにくい世界だ。オーグは乗る電車の車両さえ区別され、街のベンチですら「オーグ用」が指定されている。一般の人々に話しかけるとオーグであるアダムに侮蔑的な言葉をかけてくる人も多い。仕事も制限され、収容所へ送られる恐怖から路上生活者に身を落とすオーグもいる。そしてそんなオーグの苦境を利用しようとする人々もいる。オーグと一般人を対立させようとする者も……。プレーヤーはアダムとして街を歩きこれらの状況を1つ1つ見ることとなる。

 アダムは望まずにオーグとなった人間だ。しかし、オーグを取り巻く状況を見てその心は大きく揺れているのが伝わる。世界そのものへの怒り、人間の醜さ、弱さ……オーグメンテーションのひとつである、ゴーグルの上からは、アダムの細かい表情は確認できない。しかしプレイしているプレーヤー自身には様々な思いが浮かんでくる。このリアリティあふれる街の描写、世界観の伝え方はとても見事だ。

 「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド」は探索が楽しいアクションRPGでもある。プレーヤーはアダムとなって、自由に街を歩き回れる。人々と会話を交わすだけでなく、新聞やテレビ、NPC同士の個人的な会話、様々なミッションを通じて世界の情報を得て、“この世界の住人”として溶け込んでいくこととなる。オーグの人々を苦しめるているこの状況に胸をえぐられ“何とかしなくてはならない、何をすべきか”と思うことになるだろう。「何か大きな変化がある」、そう予感させられる世界の描写は非常に見事だ。そしてその“何か”こそが、本作の大きなテーマとなるのである。

【デウスエクス マンカインド・ディバイデッド - The Mechanical Apartheid】

【前作のあらすじ】
ダイジェストムービーで見ることができる前作のあらすじ。オーグメンテーションはプラス面だけでなく、社会不安を助長させる部分もあった
テロによりオーグとなったアダムは、テロリスト達を追う
徐々に明らかになる真実。そしてある日、「オーグ・インシデント」が引き起こされてしまう

【マンカインド・ディバイデッドの世界】
前作から2年後、オーグへの差別はあからさまになり、オーグは電車の車両すらわけられている
人々から嫌悪を向けられる。そしてその差別を利用しようとする者も……

自由度の高さこそ魅力! ミッションそっちのけの街歩きも楽しい

 世界観の魅力と共に、「ゲーム性の魅力」も大きくピックアップしていきたい。「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド」はとても自由度が高いゲームだ。プレーヤーは序盤からかなり広範囲の地域を歩き回ることができる。

街を自由に歩き回れる
高い足場に乗って、ルートを見つける
交渉で事態の突破をはかる

 街を歩いて、NPCと会話したり、様々な状況に出会うことで、「ミッション」が発生する。ストーリーを大きく動かすメインミッションだけでなく、世界観を掘り下げるサイドミッションも魅力的だ。クリアすることで経験値を得ることができ、アダムは様々なオーグメンテーションをアンロックし、より強力な存在へと成長することができる。

 特に、ミッションへの解法が1つでないところが本作、そして「デウスエクス」シリーズの大きな特徴だ。1つのミッションをクリアする際、武器や装備を調えて、正面から敵を打ち倒しても良いし、ステルスで忍び込み、敵に見つからずに目的を完遂することも可能。ミッションによってはNPCに論戦を挑み、会話で事態の突破をはかることもできる。こういった様々な解法が提示されているのが本作の楽しさである。

 しかも、ミッションだけでなく、ただ探索するだけでもとても楽しいのだ。マップ上には上ることができる屋根や足場があったり、ふとしたところに「ダクト(換気口)」があったりする。足場によじ登ったり、ダクトを通ると、意外な場所にたどり着けたりするのだ。

 住人が使っているコンピューターはハッキングに成功するとパスワードが書いてあるメールを盗み見たり、ミッションのヒントが入手できたりする。「目の前の者に集中するだけでなく、まず周囲を見て回ろう」というのが本作のプレイの基本である。ミッションそっちのけで探索に夢中になってしまうのもアリ。新たなルートを発見することで得られるボーナス経験値や、様々なアイテムなどが散りばめられており、探索することでゲームが有利になる要素もたくさん盛り込まれている。世界観を楽しむだけでなく、こうした報酬が用意されているのが地味に嬉しい。「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド」は本当に“街歩き”が楽しいゲームである。

 今回は街の様々な探索の楽しさをスクリーンショットで提示したい。ゲームのより突っ込んだ解説や、濃くプレイすることで得られる楽しさ、ユニークなミッションなどは発売日に掲載予定のレビューで紹介していきたい。「デウスエクス マンカインド・ディバイデッド」の発売を心待ちにしてほしい。

【探索の楽しさ】
時には強引な突破法も
様々な隠しルートが存在する
ハッキングでメールを盗み読む
危険な場所を突破することで道が開けることも
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