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【特別コラボ企画】雪山遊びゲー「STEEP」はスキー上級者でも楽しめるか?
「山と渓谷社」スタッフ参上! リアルプレーヤーは「STEEP」をどう見るか
2017年1月16日 00:00
昨年末に発売されたユービーアイソフトのプレイステーション 4/Xbox One/PC用オープンワールドアクションスポーツ「STEEP(スティープ)」。雪の積もる広大なアルプス山脈を舞台に、「スキー」、「スノーボード」、「ウィングスーツ」、「パラグライダー」の4つの競技種目を選び、自由に遊びまわるスポーツゲームだ。
日常では滅多に足を踏み入れることのない雪山で、命を危険にさらす心配もなく、自らのテクニックを突き詰め、ひたすらに爽快感と達成感を追い求めていくというゲームデザインが本作の最大の魅力だが、ではもしリアルな「雪山上級者」が本作をプレイしたらどう感じるのだろうか?
そこで今回は、山岳や自然に関する雑誌・書籍の出版販売を行なう山と渓谷社の中橋秀和氏をお呼びして、「STEEP」を実際にプレイしてもらった。中橋氏はスキー歴45年で今もなおバックカントリースキーにも積極的に挑戦するというリアルスキー上級者。しかし一方で、ゲーム経験はほぼゼロとのこと。そんな中橋氏でも「STEEP」を楽しむことはできるのだろうか?
中橋秀和氏プロフィール
株式会社山と溪谷社所属。スキー歴45年、ダウンヒル競技やスラローム競技などの競技スキーから、ここ数年はバックカントリースキーにもはまりまくっている中年スキーおやじ。ゲームの舞台となっているヨーロッパ アルプスのスキー場も20カ所以上で滑走経験あり。現在は日本国内の雪山に出没する。
フリーライドスキー/スノボの世界選手権イベントが長野県白馬で開催中!
プレイできる4つの競技は、ウィングスーツとパラグライダーが空の競技、スキーとスノーボードが陸の競技と2つに分類でき、それぞれ違った山の景色を味わえるが、スキーやスノーボードの場合、自然そのままの雪山にアタックし、コース取りのユニークさや技術の高さを競うスポーツは、フリーライドスキー/スノーボードと呼ばれている。
「STEEP」がこのフリーライドスキー/スノーボードに大きな影響を受けていることは間違いないが、偶然にもこの1月11日から18日まで、長野県の白馬にてフリーライドスキー/スノーボードの世界選手権「Freeride World Tour」(FWT)のイベント「Freeride Hakuba」がアジアで初めて開催されている。
「FWT」の公式サイトを覗いてみると、壮大な雪山を滑走する選手たちの多数の写真や動画を見ることができるが、これらをチェックしていくと雪山を滑ることの格好良さや、何より「STEEP」の狙いがより深く理解できるだろう。「FWT」の白馬開催に際しては、リアルな競技としてのフリーライドスキー/スノーボードに触れる良い機会ともなっているので、「FWT」の方もぜひチェックしていただきたい。
チュートリアルで躓く! ゲーム経験ほぼゼロのスキー上級者の運命は?
まずは中橋氏のリアルスキーヤーとしての実力だが、ご本人撮影による動画をいただくことができたので、まずはこちらからご覧いただきたい。
動画をご覧いただければお分かりの通り、中橋氏は「STEEP」がモチーフの1つとしている雪山でのスキーをまさに自身の趣味としている人物だ。そんな中橋氏が「STEEP」の映像を見た第一声は、「とてもリアル!」だった。
特に中橋氏がポイントとして挙げていたのが風景と雪原の表現で、アルプスの雪山は「正にこんな感じ」であり、また滑ることで描かれていくシュプールの表現にもスキーとしてのリアルさを感じ取ったという。
そこでさっそく中橋氏に本作をチュートリアルからプレイしていただいたのだが、ここで最大の問題が発生。中橋氏の場合、経験的にゲームに触れたことがほとんどなかったため、チュートリアルで指示されたボタンと手元のボタンの位置の認識を一致させるところから始めなくてはならなかった。
これは特段不思議なことではなく、知らなければ当然のこと。我らゲーマーはすでに感覚が麻痺してしまっているが、チュートリアルがいかに丁寧に作られていても、そもそも操作の仕組みを知っていなければどんなゲームも楽しめない。「STEEP」のようなコアゲーマー層以外にも訴求力のあるタイトルには、「楽しそうだけど操作が難しい」というハードルは常につき纏う問題と言える。
というわけでチュートリアルの初っ端から躓いてしまった中橋氏だったが、プレイがスキーに及ぶと目の色が変わる。チュートリアルの課題は、スキー/スノーボードに用意された「斜面のチェックポイントを通過しながらゴールを目指す」というものだったが、中橋氏はおぼつかない操作ながらも続々とチェックポイント通過を成功させていく。
中橋氏はプレイの途中からはしゃぎだして、「(チェックポイントに)入れー!」と声を出したり、「左右の操作にあわせて自分の体も左右に倒れる」というゲームあるあるも披露しながら、見事に最後のゴールに入ることができた。
「自分で滑ったほうが上手いなあ(笑)」と笑う中橋氏だったが、引き続きプレイすることで段々とスキーの操作に慣れていく。その後もしばらく滑走を続けてもらったところ、本作からは「実際に滑った時に近いイメージをゲーム体験から得られる」とその感触を述べてくれた。
斜面だけでなく、板が岩肌に乗った時の滑る感覚など細かいところも再現されているし、実際には行けないような複雑なクリフ(ジャンプができる突起)などがある地形に挑むこともできるため、時間があればのめり込んで遊べそうという。またオンラインで他のプレーヤーが随時表示される点についても「刺激的」であり、魅力的な部分だと話してくれた。
ただしキャラクターのストックのタイミングが「リアルとは違う」とスキー上級者らしい違和感も得たそうで、「ストックを突くタイミングが遅くて、上手く使えていないように見える。自分の方が上手い」というのがプレイ中に気になった部分だそうだ。
一通りのプレイ終了後、中橋氏に「他のスキープレーヤーにオススメできるか?」と聞いたところ、「できる。例えば冬山で、天気が悪くて山に入れないような時に本作を楽しむといいのではないか」と応えてくれた。
リアルのスキーができないときの第二案というのがいかにもスキーファンらしいが、雪山のロッジなどに本作が置いてある風景は非常に自然に感じられるし、そこでスキー/スノーボードファンが盛り上がっている様子というのも想像すると楽しい。
ひたすら雪山と戯れる構成が「STEEP」の魅力だが、雪山の再現度やゲーム体験は中橋氏が太鼓判を押してくれているので、「この冬、雪山で滑りたいけど予定がない……」という人は、まず本作を手に取ってみてはいかがだろうか。
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