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「ストリートファイターV」、Ver.02.000をプレイ感から解説!
新バージョンでの変更点と、既存ファイター22人の変化をまとめて紹介!
2016年12月29日 00:00
「ストリートファイターV」が発売された記念すべき2016年も終わりに近づき、2017年には、豪鬼を含む追加キャラクター6人が参戦する新たな戦いの幕が開こうとしている。そんな新局面に先駆けて、去る12月21日には今年最後のアップデートが行なわれた。これまでも何度かアップデートやメンテナンスはあったが、それは新キャラクターの追加や不具合の修正など。しかし今回のアップデートはバージョンも「Ver.02.000」となり、システムの変更やキャラクターのバランス調整までも視野に入れた大規模アップデートとなった。
そこで弊誌では、今回のアップデートで何が変わったのかをご紹介していきたい。「ストV」の公式ページに掲載されている「2017年バランス調整リスト」をもとに、調整されたシステムををプレイ感から解説する。さらに、各キャラクターの変更点を踏まえたうえでの感想もまとめてみた。あくまで一個人としての見解ではあるが、「ストV Ver.02」を知る一助としていただければ幸いだ。なお、新キャラクターの豪鬼については、ファーストインプレッション記事を見てほしい。
「Ver.02.000」のポイントをプレイ感から解説
強力な基本技がマイルドに
本作は極端に強力な技がないように調整されているが、それでもこれまで一部のキャラクターは非常に性能の高い基本技を持っていた。が、今回のアップデートではこれらの技の性能が軒並みダウン。リュウの基本技を例にあげると、立ち強Kは動作時間が長く、しゃがみ強Kは発生が遅くなった。この調整により、地上戦での差し合いで一方的に負けて、理不尽に感じることが少なくなるのではないだろうか。
立ち弱Pの攻撃判定&食らい判定の調整
リュウやネカリの超お手軽対空として機能していた立ち弱Pの対空は、攻撃判定&食らい判定の変更によりやや使いにくくなった。また、ヒットしたときも横方向への吹き飛び方が大きくなり、「空中の相手に立ち弱P→前方ダッシュして表裏の2択を仕掛ける」という戦法も難しい。とはいえ、どちらも「使いにくい」、「難しい」というだけで不可能ではない。また、一部のキャラクターは調整前と同じ感覚で使っていける。
通常投げが弱体化
リュウの投げ→投げ→投げ……などに代表される「投げループ」、「柔道」と呼ばれる連係ができなくなった。一部のキャラクターは今バージョンでも実行可能だが、ダメージやスタン値が低下するなどの調整が施されている。一方、ループ性のない投げ技については、大きな変更はない。
リカバリアブルダメージの回復速度が低下
中や強の基本技をガードしたときに受けるリカバリアブルダメージ(白ダメージ)の回復速度が遅くなった。前バージョンでは4フレーム(60分の4秒)につき1回復していたが、現行バージョンは8フレームで1回復。投げ、中段、すかし下段などでリカバリアブルダメージを確定させるテクニックが重要性を増した。総じてリカバリアブルダメージに関する駆け引きが深くなったと言える。
Vリバーサルは発生が鈍化
キャラクターによって差はあるが、Vリバーサルは全体的に発生が遅くなった。個人的にはアーケード版「北斗の拳」のガードキャンセルのような印象を受ける。Vリバーサルはヒットが確定する技に対して使うか、相手が予想しない場面で狙いたい。
無敵技が大幅に弱体化
今回のアップデートにおける1番の目玉かもしれない要素。リュウやケン、ネカリなど、強キャラの強キャラたるゆえんだった無敵技が大幅に弱体化した。食らい判定が拡大したり、無敵時間が削除または短縮されているため、攻撃を完璧に重ねられると一方的に打ち負ける。これにより、無敵技を持っているキャラクターと持っていないキャラクターの格差はかなり解消された。……が、それでも、まだまだ強い無敵技。もとはどれだけ強かったのかがうかがい知れる(笑)。
ホールドボタン技が先行入力可能に
ボタンを押しっぱなしにしてから離す長押しタイプの必殺技が先行入力で出せるようになった。ボタン離し系の必殺技はずらし押しなどができず、リバーサルで出すのが難しかったが、それに対する救済措置だろう。筆者が試してみたところ、バイソンのターンパンチはそれほど大きく変わったようには感じなかったが、バーディーのブルホーンはかなり出しやすくなっている。
既存ファイター22人の変化ポイントを一挙ご紹介!
以下では豪鬼以前に参戦していたファイター22人について、「Ver.02.000」における変化のワンポイントを一挙にご紹介していく。あくまでワンポイントだが、今後のプレイの際の参考にしていただければ幸いだ。
リュウ
以前のバージョンではトップクラスの性能を誇っていただけに、ほかのキャラクターよりも弱体化された印象を受ける。投げの弱体化は上でお伝えしたとおりだが、これによって画面端で攻めを継続性するのが難しくなった。昇龍拳の無敵時間と食らい判定の調整も弱体化に拍車をかけている。
春麗
全体的に微調整が施されているが、最大の変更点は必殺技の百裂脚だ。従来のコマンドのほかにKボタン連打でも出せるようになった。そのほか、気功拳と百裂脚はVトリガーの発動で動作をキャンセルできる。コンボルートが大幅に増えた半面、状況に応じてベストの連続技を選ぶのが難しくなったか?
ケン
リュウと同じく昇龍拳の無敵時間&食らい判定は調整されたが、以前が以前だっただけに少々の弱体化ではビクともしない。立ち弱Pやしゃがみ弱攻撃ヒット時の有利時間が増えたり、ジャンプ中Pの攻撃判定が大きくなったりといった強化点もある。ファーストインプレッションでは本バージョンでも最強キャラクターの一角になり得そうなポテンシャルを感じたが、果たして?
ベガ
ベガ使いが渇望していたであろう3フレーム技が追加。立ち弱Kのため下溜めは解除されてしまうものの、相手の連携に割り込みやすくなり、結果的に防御面が強化された。Vスキル「サイコリジェクト」は追加攻撃を出さなかった場合、中P+中Kでいつでも弾を発射できる。また、一部の特殊技・必殺技はスタン値がアップした。
ナッシュ
前ダッシュは動作時間が長くなり、バックダッシュは移動距離が短くなった。Vトリガーも無敵になるまでの時間が4フレームに伸び(前バージョンは2フレーム)、つかまりやすくなった印象がある。ソニックブームのヒットorガード時の硬直差の改善やトラジティアサルトのスタン値アップなどの強化点もあるが、キャラクターとしての強さは未知数だ。
かりん
けん制の主力を担っていた長いK系の基本技は変わらず。立ち弱Kはカード時の有利時間が1フレームだけ減ったものの、それほど大きな影響はないように思う。筆者がプレイしたかぎり、前バージョンとの大きな差異は感じられなかった。
キャミィ
やはり1番のポイントはキャノンスパイクの弱体化か。弱~中は3フレーム目から無敵で、強は投げ無敵しかないため、完全に重ねられた攻撃には出際を潰されるようになった。そのほか、Vリバーサルはヒット効果が吹き飛びダウンからのけぞりに変わったが、そのぶんスキが小さくなったので、こちらについては一概に弱体化とは言えないかもしれない。
バーディー
全体的に各技のダメージ・硬直差が調整されている。大きな変更としては立ち強P(ガードされても有利に)、ブルスライダーとブルドロップ(どちらもガード時の不利フレームが増大)、EXブルヘッド(スキが激減)あたりだろうか。とくにEXブルヘッドはほぼ反撃を受けなくなったので、利用価値が大幅に増している。
ネカリ
必殺投げの大地の仮面は暴発の防止からか、コマンドがPからKに変更された。猛る灯火は無敵時間が調整されているものの、それほど弱体化した印象は受けない。戦い方が変わってしまうほど大きな変更点はなさそうだ。
バルログ
爪を装備して立ち中Pやしゃがみ中Pをガードさせたときの有利フレームが延長。そのほか、立ち強Pやしゃがみ中Kはヒット時の有利フレームが増えている。一方、素手での立ち中Pとしゃがみ中Pは攻撃判定の発生が遅くなった。空中投げの投げ判定拡大もあり、数値上は強化も目立つのだが、素手攻撃の弱体化が痛い。
ラシード
ほかのキャラクターが軒並みダメージダウンするなかで、ラシードは一部の必殺技のダメージが上昇し、クリティカルアーツも据え置き。弱体化した技もないわけではないが、総合的にみると上方修正なのではないだろうか。イウサールが飛び道具無敵で抜けられなくなったのも、一部のキャラクターにとっては苦しいか。
レインボー・ミカ
大きく弱体化したキャラクターの1人。情熱プレスをガードされたときのスキが大きくなり、情熱ロープ投げも画面中央では相手が跳ね返ってこなくなった(見えない壁がなくなった)。とはいえ、立ち弱P、立ち中P、しゃがみ中Kはガード時の有利フレームが増加。コマンド投げの発生にも調整が入っていないため、荒らし能力と画面端での爆発力はまだまだ健在だ。
ザンギエフ
基本技をガードさせたときの有利時間の増加、Vトリガーやシベリアンエクスプレスのダメージorスタン値アップ、ヘッドバットで飛び道具を打ち消すとゲージが溜まるなど、右を見ても左を見ても強化要素しか見当たらない。なかでもダブルラリアットは大幅に強化され、対空に連続技に飛び道具抜けにゲージ溜めにと大活躍する。唯一の不安は、リカバリアブルダメージの回復速度が低下したため、Vスキルのリスクがやや大きくなったことくらいか。
ダルシム
ヒットさせたとき先に動けるようになる基本技が増えたほか、一部の技は攻撃判定の発生も早くなった。わずかとはいえ体力が増えたのも地味にうれしい。本バージョンではリカバリアブルダメージの回復速度が低下したため、Vトリガー「ヨガバーナー」も相対的にかなりパワーアップしている。
ファン
使い手にとってうれしい調整がそこかしこに施されている。基本技はヒットorガード時の有利が全体的に大きくなった。Vトリガー中は溜め系の必殺技をキャンセルで出すさい、溜めの必要がなくなる。ベガのVトリガー中と同じような能力だが、必殺技をキャンセルできるわけではないため、効果のほどは未知数だ。
ララ
一部の基本技の発生が早くなったりヒット時の有利時間が増えたりなど、強化点が目立つ。とくにコマンド投げのサンセットホイールは、つかみ判定の出現が早く、投げたあとの硬直が短く、ダメージが増加と、大幅にパワーアップ。打撃と投げの2択がますます猛威を振るいそうだ。
アレックス
しゃがみ中Pとしゃがみ中Kは発生が遅くなったものの、しゃがみ強Pは逆に早くなった。立ち弱P対空は弱体化したとはいえ、間合いとタイミングしだいではまだ十分に機能する。Vトリガーおよび発動中の攻撃には変化なし。
ガイル
Vゲージが2ブロックでMAXに! もともとソニッククロスで能動的にゲージを溜められるキャラクターだっただけに、かなりのパワーアップと言えそうだ。ソニックブームをガードさせたときの有利時間の増加(ヒット時の有利は逆に減少した)、サマーソルトキックの攻撃判定拡大も追い風。立ち弱Kの必殺技キャンセルが可能になったのも地味にうれしい。ただ、個人的には、ほかの部分はすべて弱体化しても構わないので、ソニックブームのスキをもとにもどしてほしかった……。
いぶき
もともとやれることの多いキャラクターだったが、今回のバージョンアップで選択肢がさらに増えた印象。体力増加、前ダッシュとジャンプの動作時間短縮、一部の基本技の硬直差改善など、強化点も多い。ヒットorガードを問わず大幅有利になる立ち中Kを中心とした連係で相手を固め、霞駆けや投げ・中段でかく乱するという、変幻自在の立ち回りが予想される。個人的には、超強力なキャラクターの1人だと思う。
バイソン
ほかのキャラクターとは異なり、攻撃力が低下するどころか、逆に上昇。ヒットさせたりガードさせたりしたときに有利になる技も増えた。必殺技で大きく変わったのはスクリュースマッシュで、溜め技から昇竜コマンドへ変化。バイソンのファーストインプレッションでは「パワーファイターからテクニカル・ボクサーへ」と評したが、本バージョンでは「パワーがありあまるテクニカル・ボクサー」と言えそうだ。
ジュリ
基本技の多くはフレームまわりが強化され、地上戦で闘いやすくなった。天穿輪のコマンドが、KボタンからPボタンにかわったのもうれしい変更点。天穿輪を出したいときに風破連脚が暴発する心配がなくなるからだ。中or強・風破連脚のスキの減少、EX両断殺がコマンド完成の瞬間から飛び道具無敵になった点も見逃せない。
ユリアン
ユリアンにまさかのめくり攻撃が!! これによって起き攻めの幅が広がることは間違いない。基本技のフレームが微調整され、強くなった技も弱くなった技もあるが、Vスキル、Vトリガー、必殺技はおおむね強化された。
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