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待望の「人喰いの大鷲トリコ」体験プレイ&ムービー掲載!
“かわいさ”と“怖さ”も併せ持つ大鷲トリコとの関係性が独特な面白さを生む
2016年9月17日 00:00
ソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジアは、12月6日に発売予定のPS4用ソフト「人喰いの大鷲トリコ」のメディア向け体験プレイを実施した。本稿ではそのプレイの印象をお伝えするとともに、プレイ動画を掲載しているので、ぜひご覧頂きたい。
この日にプレイしたバージョンは、発売延期の大きな理由であるバグフィックスの真っ最中ではあるが、それを除けばほぼ製品版と言っていいもの。ゲーム本編の中盤だというシーンをプレイさせて頂いた。
朽ちた遺跡のような建物のなか、たたずむ少年とトリコ。遺跡内の部屋は高さは十分にあって上方向には結構広いのだが、隣のフロアなど先へと進むところには鉄格子つきの扉や、鎖で引っ張っている間だけくぐり抜けられる扉など、何かしらの障害がある。
そういう扉は少年だけなら通れるけれど、大鷲であるトリコの巨体は通れない。そういうところをいかにして乗り越えるか、パズル的な要素でクリアしていくことになる。
重要なのはプレーヤーが動かす少年と、その少年の呼びかけや動きに反応して動くトリコを、上手く協力させること。例えば、何かの仕掛けを少年が操作している間だけ開く扉があったとして、それをいかにトリコに操作してもらうかが鍵。何かトリコが興味を持ってくれそうなものを仕掛けの近くに置いたり繋げたりして、トリコがそれにじゃれついている間に少年を扉の向こうへと移動させる。結果的にトリコに協力してもらったような形にしていくわけだ。もちろんその後には、トリコを扉の向こう側に上手く連れてきて、合流させていく。
このあたりを具体的に知りたいという方は、本稿の1番下に掲載しているプレイ動画をぜひご覧頂きたい。ゲームデザイナー上田文人氏の「ICO」を思わせるような謎解きは、とても良くできているし、なにより大鷲のトリコと力を合わせるという本作最大のポイントが新しい面白さを生んでいる。
トリコの反応が本作の何よりの魅力だ。トリコはまるで本当の生き物のようでもあり、でもそれほど予測や制御のできない動きをするでもない。どことなく「ここをこうしたら、こうやって動いてくれそう」が想像できる、絶妙なバランス感をしている。もちろん、こちらの想像を上回る意外な動きをしてきて驚かされたりというところもある。
また、かわいいとも思えるし、怖いなと思えるときもあるし、謎めいた一面を感じさせるときもある。その体の大きさがまず迫力があるし、顔つきもかわいいと同時に怖さも感じさせるものがある。そんな同居した気持ちで接するものの、うまく協力して難関を乗り越えたときにはとても愛らしい唯一のパートナーと思える。だが、不思議な力を発してとてつもない破壊力を見せたときには、油断のできない恐ろしい生き物のようにも思えてしまう。そんな不思議な“コワかわいい”的な生き物だ。
操作としては、R1ボタンでトリコに呼びかけられるのだが、R1を押しながら方向キーの上下左右を押すと、上なら上空に飛び上がったり、左右や下でもその方向になんらかのアクションをしてくれる。R1ボタンを押しながら△ボタンで前へとジャンプもしてくれる。基本的に少年を乗せたまま移動してくれるということはしてくれないが、ここぞという時には背中に乗って、そうした指示をするのもポイントのようだ。
ときには、少年がピンチを迎えてしまうときもある。落下の危機が迫るなか、ジャンプしても届くか届かないか微妙なところにいるトリコに向って決死の大ジャンプをする……というシーンでは、ジャンプ中は画面がスローモーションになり、少年の動きとそれに反応するトリコの様子がゆっくりと見られる。そのときに自分がどんな操作をするのか……危機を乗り越えられるかはプレーヤー次第だ。
最後に本作の雰囲気の良さ、楽曲の良さをぜひともお伝えしたい。こちらも下の動画を見てもらうのが1番いいが、文字的な説明なしに、手探りの探索やトリコの動きから直感的に、何をすべきか閃いていける作りになっていて、アーティスティックなセンスのグラフィックスも相まって、独特な魅力を作っている。そこに、普段は静かだけど“ここぞ”という場面に流れる美しい楽曲が組み合わさって、強い魅力を放っていた。
発売が延期されてしまったのは残念だが、着実にその完成度は高まっているのが感じられた。他にない独特の魅力を家庭でじっくりと楽しめる日が本当に待ち遠しいタイトルだ。