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「CEDEC AWARDS 2016」最優秀賞、「スプラトゥーン」が3冠達成!
特別賞受賞のコーエーテクモ襟川陽一氏も登場
2016年8月25日 22:03
CEDEC 2016の2日目となる8月25日、毎年恒例となっている開発者の功績を称える受賞式「CEDEC AWARDS 2016」が開催された。
「CEDEC AWARDS 2016」は、コンピュータエンターテインメント開発の進歩へ顕著な功績のあった技術にフォーカスした受賞式。あらかじめ選出されたノミネーションリスト(優秀賞)からCEDEC受講者の投票を募り、各部門で最優秀受賞者を決定する。
なおビジュアル・アーツ部門、ゲームデザイン部門、サウンド部門の3つの部門は、任天堂の「Splatoon(スプラトゥーン)」が最優秀賞を獲得し、3部門続けて「スプラトゥーン」プロデューサーの野上恒氏がコメントする異例の事態となった。
著述賞、特別賞
著述賞には、CG技術の専門雑誌「CGWORLD編集部」が受賞。代表として登壇したCGWORLD編集部の沼倉有人氏は、「CGWORLDはCG業界紙と言われている変わった雑誌だが、映像表現が高度になってきて複雑化しているからこそ今回の賞に選ばれたと思う。これからもお役に立てるはず。それと、ライターさんも絶賛募集中です」と述べた。
また特別賞には、コーエーテクモホールディングス代表取締役社長の襟川陽一氏が受賞。襟川氏は、「36年間応援され、叱咤激励されてきた。まずはファンの方に感謝を申し上げたい。それと私が同士と考えている、ゲームソフト開発を共にしてきた役員や社員にも感謝したい」とした。
また「やっと『仁王』のベータ版ができあがってきた。卒業が目前で、やっと肩の荷が下りる。しかし、うちの家内、会長である上司(編集部注:襟川恵子氏のこと)に『スマホのゲームで目立ったのが出ていない』と尻を叩かれている(笑)。まだまだがんばらなくてはと思う」と述べた。
エンジニアリング部門最優秀賞
NVIDIA GameWorks(NVIDIA Corporation)
・受賞経緯について
登場したのは比較的近年だが、ライブラリやツール、ブログでの情報発信、また支援体制などは、昔からずっと積み上げたもの。改めてGameWorksという形で再構築して体系化して、より支援を受けやすくしていただいた。これが開発者のみなさんの評価に繋がったと思う。
・受賞コメント
ゲームの描画を美しくすることをがんばって作っている。認めてくれて感謝している。これからもっと頑張ります。
ビジュアル・アーツ部門最優秀賞
「スプラトゥーン」開発チーム(任天堂)
・受賞経緯について
ポップで独創的なビジュアル。SNSでファンアートも盛り上がるなど、ビジュアルがゲームの楽しさを高めることに成功している。あえて「アート開発チーム」としなかったのは、このような楽しいグラフィックス構成はエンジニアリングが欠かせない要素であり、そうした分野を超えた融合も評価したいという意図が含まれている。
・受賞コメント
アートについては、開発スタッフの若い人たちも含めて、思い出の中に残っているような、昔憧れたものをふんだんに盛り込んでいる。そうした思いが、高い評価に繋がったのかなと思う。
ゲームデザイン部門最優秀賞
「スプラトゥーン」開発チーム(任天堂)
・受賞経緯について
コアユーザー向けと言われていたFPSやMOBAといったジャンルのシステムを、日本らしい発想で、みんなに愛されるゲームに作り上げた。開発者として見ても、プレーヤーとして見ても、素晴らしい作品だと思っている。投票者の意見からも、子どもとの会話が増えた、色を塗っているだけで楽しいといったようなこれまでのシュータータイトルとは一味違うコメントが出てくるのが特徴だと言える。
・受賞コメント
コアゲーマー層も真剣に遊び、またお子さんや家族でも遊んでくれて、色々な方に受け入れられているのは喜ばしいことだと思う。本作ではアップデートだけでなく、外にも出て楽しめるような企画を実施している。ゲームがすごく良い思い出になって、ゲームがより世の中に認めてもらえるような後押しになれば。ゲームの発展の一部になればと思う。
ビジュアル・アーツ部門最優秀賞
「スプラトゥーン」開発チーム(任天堂)
・受賞経緯について
まずは三冠おめでとう。「スプラトゥーン」では、架空のバンドを設定したり、シオカラーズのライブを実施したりして、他社とは1つも2つも違うメディアミックスの方法を提示した。それがノミネーションの激戦を勝ち抜いた理由だと思う。ところで、シオカラーズのネーミングの由来を聞いてもいいですか?
・受賞コメント
イカなんでシオカラという……(笑)。あと、実は英語で書くとSea of Colors、色の海ということで、ダブルミーニングになっています。
作品紹介の映像でシオカライブの様子が流れたが、ああいった取り組みは初めての経験で、暗中模索でコンテンツを作っていった。協力してくれたドワンゴさんをはじめ、関係各者にお礼を申し上げると共に、この喜びをわかちあいたい。