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「CEDEC AWARDS 2015」各部門の最優秀賞を発表
ゲームデザイン部門は「ねこあつめ」が受賞!
(2015/8/27 21:25)
CEDEC 2015の2日目にあたる8月27日、「CEDEC AWARDS 2015」各部門の最優秀賞発表式が行なわれた。今年は著述賞と特別賞に加えて、エンジニアリング部門など5部門の各優秀賞が発表された。ノミネーションリストについては以前の記事を参考にしていただきたい。
著述賞、特別賞
著述賞には、「3Dゲームをおもしろくする技術 実例から解き明かすゲームメカニクス・レベルデザイン・カメラのノウハウ」を著した大野功二氏が受賞。本書は3Dゲーム開発について特に実装面について解説したもので、その質と量が評価された。受賞した大野氏は「日本の技術は世界に誇っていいと思うが、その知識は世界中に広げていかないといけない。関係者、家族には迷惑をかけたので感謝を述べたい」とした。
また特別賞は、「今日に続くゲーム業界発展の礎を築いた」として、「スペースインベーダー」開発者の西角友宏氏と「パックマン」開発者の岩谷徹氏に贈られた。西角氏は「テレビゲームの最初の時期に開発したが、今になって評価していただいてありがたい」と述べた。岩谷氏は「『パックマン』が業界発展に大きく貢献したのであれば幸せ。開発メンバーを代表していただいたと考えている。今後は教育と研究で、ゲーム業界にお返しをしていきたい」と語った。
エンジニアリング部門最優秀賞
「VisualStudio」開発チーム (マイクロソフト)
受賞理由
開発環境の標準としてその技術コンセプトは開発スタイルのあり方そのものに大きな影響を及ぼし続けてきた。プログラム開発現場への長年にわたる多大な貢献を評価。
受賞コメント
今のVisual Studioは、すべての開発者がアプリケーションを開発できることを目指している。開発自体は特にアメリカで数千人規模で行なっているが、PCの中で動くものからクラウド上で動くものまで様々に発展している。それがより多くの快適な環境として動作するため、機能強化できるように進めていきたい。
ビジュアル・アーツ部門最優秀賞
「GUILTY GEAR Xrd -SIGN-」開発チーム(アークシステムワークス)
受賞理由
セルアニメ調表現を描画のみならずアニメーションなど細部に至るまで追求し、ついにリアルタイムもここまできたかと唸らせる品質。 その上でゲームプレイ感覚を損なわせずにまとめあげた点を評価。
受賞コメント
びっくりしかしていない。僕たちは非常に少人数での構成で制作を進めている。時代についていくというよりは特技を伸ばすことを目指してきた。ここにいるメンバーと共に、支えてくれるスタッフのおかげだと思っている。
ゲームデザイン部門最優秀賞
「ねこあつめ」開発チーム(ヒットポイント)
受賞理由
ねこの観察という題材を最大限に生かし、従来の枠に囚われないゲームシステムと、SNSを活用した投稿機能で、普段ゲームをしない層まで広く浸透させた。
受賞コメント
猫好きのためのニッチなものを想定していたが、多くの人に遊んでもらえているのは嬉しい限り。これからもこういった形で、より多くのひとに楽しんでもらえるようなものを作っていこうと思う。
サウンド部門最優秀賞
「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / for Wii U」 桜井政博 / 任天堂 / 参加音楽家及びサウンド開発チーム(ソラ(桜井政博)/任天堂)
受賞理由
総勢約60名の著名ゲーム音楽家を起用し、400を超える楽曲数を収録した。近年人気の高まりを見せているゲームミュージックシーンにおけるファンの期待に応えつつ、規格外のボリュームをひとつの作品としてまとめあげたサウンドプロデュースを評価。
受賞コメント
音楽家の方々のコラボということで賞をいただいたが、本作は色々なキャラクター、世界観など、コンテンツがあわさって成立している。音楽に限らず色々なところから協力をいただいておりますし、ファンの方からも暖かい言葉をいただいている。もしも、みなさんの作った何らかのキャラクターが将来的に「スマブラ」に出ようとなったのならば、喜んで貸していただけると大変助かります(笑)。
ネットワーク部門最優秀賞
「Ingress」開発・運用チーム(Niantic Labs)
受賞理由
高精度のGPS補正技術を利用した地球規模の陣取りゲームを実装し、数百万のゲームプレーヤーを屋外に誘い出すことに成功しただけでなく、その実装のために、Google App Engine上で数千台のサーバーを協調動作させ、地球全体に散らばる数百万の三角形とリンクの交差判定をはじめとする複雑な処理を実装し、運用し続ける高い技術力を評価。
受賞コメント
Niantic Labsでは、これから「Ingress」の技術を用いたAPIをデベロッパー向けに公開して、拡張現実のゲームをどんどんと広げていきたい。ぜひご一報いただいて、一緒に楽しいゲームを作っていければ。