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Oculus Touchデモに長蛇の列。Oculusブースレポート
2016年6月18日 12:17
VRシステム「Oculus Rift」を開発・販売するOculusは、E3 2016の会場で大型ブースを出展。昨年に引き続き、Oculus RiftやGearVRに対応する多数のVRコンテンツをプレイアブルで披露していた。
3月末のOculus Rift販売開始から2カ月が経過したこともあり、体験を求める行列の熱量は、昨年のE3に比べるとやや落ち着いた雰囲気。それでも行列はブースの周囲を取り囲み、常時1時間半から2時間の待ち時間。相変わらずの注目度の高さを伺わせていた。
出展の中心はOculus Touch対応コンテンツ
今回のOculusブースで出展内容の中心となっていたのは、今年後半の発売を予定しているOculus Rift用モーションコントローラー、Oculus Touchを使ったコンテンツだ。
今回Oculus Touchの発売日や価格が正式発表されなかったことは残念だが、OculusではOculus Touchのローンチに30タイトル(そのうち20タイトルが完全新作)を用意するとしており、早期の発売が期待される。
今回、Oculus Touch対応のデモとして披露されていたタイトルは以下のとおり。どのタイトルもOculusストアでエクスクルーシブ配信予定だ。
・Dead&Buried
・Unspoken
・Ripcoil
・Medium
・VR Sports
・The Climb
これまでのOculus Touchデモでは定番だったOculus謹製の「ToyBox」がリストから外れたのは、サードパーティによる対応コンテンツ開発が進み、ラインナップが拡充しつつあることの現われだろう。リストのうち「Dead&Buried」と「Ripcoil」はオンライン対戦プレイをフィーチャーしており、ブース内でもマルチプレイ状態で披露。「ToyBox」でアピールされていたソーシャルVR要素を楽しめるものになっていた。
そして今回、筆者が体験することができたのは、Crytekが開発するVRロッククライミングシミュレーター「The Climb」。Oculus TouchでVR空間内に持ち込まれた両手を使ってボルダリングをするというもので、両腕を一杯に使ったスリリングなVR体験ができるコンテンツだ。
Oculus Touchは、HTC ViveのViveコントローラーと同じく“手に持って使うモーションコントローラー”だが、手に持った時の感覚はもう別物というほど違う。Viveコントローラーが“手に持った道具”とすれば、Oculus Touchは“手そのもの”という感じがする。
当然、手そのもので岩を掴むボルダリングを再現するには、Oculus Touchが最適だ。腕をいっぱいに伸ばし、岩の出っ張りを掴む。周囲に頭を振って地勢を確認し、次の出っ張りに手を伸ばしてどんどんと岩場を登っていく。こういった操作がなんの練習もなく、ただ直感にしたがうだけでできてしまうのだ。
ふと下を見てみると、地面ははるか下方、自分の足元はスカスカだ。下半身がヒュッっとするような感覚。岩を掴む手には自然と力がこもる。CryEngineで美しく描かれたアルプス山脈の雄大な風景が、目に眩しい。ボルダリングのファンなら、自家用シミュレーターとしてOculus RiftとOculus Touchのセットが欲しくなってしまいそうである。
今回挑戦した“中級コース”では、両手を離して岩の裂け目を飛び越える必要のある箇所があったりと、現実には実現が難しい危険なアクションも体験できた。実際に命を危険にさらすことなく、どんな危険なシチュエーションにも挑戦できるという、VRの醍醐味。Oculus Touchがあればそこに両手の運動感覚がプラスされるので、さらに実感が深まりそうだ。
HTC Viveとはまた違った形で“手”をVR世界に持ち込ませてくれるOculus Touch。現在Oculusが約束している通り、2016年内に発売されることを期待して待ちたい。