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「NieR:Automata ディスカッション」ボスバトルの映像を初公開

デモプレイで多彩なアクションや敵を披露、最後には「2B」のフィギュアも

6月14日~16日 開催

会場:Los Angeles Convention Center

 スクウェア・エニックスは、ロサンゼルスで開催されている「E3 2016」内のブースにて、イベント「NieR: Automata Discussion with the Developers and PlatinumGames' Takahisa Taura」を行なった。

 このステージは、2017年初頭にプレイステーション 4用アクションRPGとして発売予定の「NieR:Automata」(ニーアオートマタ)について、インタビュー形式で最新情報を紹介するというもの。

 プロデューサーの齊藤陽介氏、ディレクターのヨコオタロウ氏、ゲームデザイナー田浦貴久氏(プラチナゲームズ)が登場した。ヨコオ氏はもはやお馴染みの感もあるマスクを被ってのスタイルだ。

 「ニーア オートマタ」は、ヨコオ氏の作る世界観、プラチナゲームズの作るアクション、吉田明彦氏のキャラクターデザイン、岡部啓一氏の音楽と、個性的な才能が集結した「ニーア」最新作。世界観は前作と共通しているものの、直接的な関連は持たない、新しい物語となっている。

 「タイトルの由来について」。ヨコオ氏は当初、今作にはアンドロイドが登場するので「ニーア アンドロイズ」というタイトルを考えていたという。だが、スマートフォンのOSを連想させるという理由から変更になったのだとか。だが、今の「オートマタ」になってむしろ良かったとも感じているそうだ。

 「ストーリーについて」。本作は異星人が地球を侵略しようと機械生命体を送り込んできたという世界。人類は機械生命体から逃れるため金星へと移り住んでおり、地球を奪還するためにアンドロイドの部隊を送り込んでいる。機械生命体とアンドロイドの戦いの物語となっている。

 そのストーリーのバックボーンを踏まえつつ、「E3 2016」にあわせて公開されたトレーラーについて質問されると、ヨコオ氏からは機械生命体とアンドロイドの戦い自体はあまり意味を持たない、「無意味」、「無駄」というキーワードがあるということ、そしてそれは物語全体としても重要なキーワードになっていることが語られた。

 ただ、そうしたキーワードは味気ない簡素な意味合いではなく、より広い意味でプレーヤーに訴えかけるものになっているということだ。

 「公開されているコンセプトアートに込められたコンセプトやテーマについて」。世界はすごく遠い未来の地球であり、近代的な建築は全て廃墟となっている。そうした廃墟が時間の経過とともに森に包まれていき少しずつ自然へと還っていく途中にある。そうした退廃感を描いているという。

 「キャラクターについて」。少女のような外見の「2B」は戦闘タイプのアンドロイドであり機械生命体と戦う兵士。少年の「9S」もまた2Bと同じ部隊に所属するアンドロイドでこちらはスキャナータイプ。二人は友達と呼べるほど親しくはなく、知り合い程度の仲だという。

 2人とはちょっと様子の異なるのが「A2」。彼女はプロトタイプのアンドロイドであり、彼女の姿がボロボロなところや、なぜ「2B」や「9S」とは違ったアンドロイドになっているのかは、物語中に明らかになっていくという。

 キャラクターについてヨコオ氏は、デザイナーの吉田氏に「目隠し」や「黒い服装」をお願いしたのだという。「2B」や「9S」は目隠しをしているが、「A2」はしていないところに物語の暗喩があり、皆が黒い服装なのにも、物語のテーマが込められているということだ。

少女のような外見のアンドロイド「2B」
少年のような外見の「9S」
上の2人とは外見や雰囲気の異なる「A2」

 プレイのデモンストレーションも行なわれた。

 この日は、「RPG感のあるシーンをお見せする」ということで、レジスタンスキャンプという、野営地が紹介された。そこには他のキャラクターの姿も多数見られた。本作にはアイテムの要素もあり、サブクエストもあり、武器の強化という要素もある。前作にあったRPG的な要素は今作にも全て存在すると考えていいとのことだ。

 ヨコオ氏は、「プラチナゲームズさんが開発ということで、作品全体がアクション寄りになっているのではないかと思った人もいたかもしれないですが、前作に近いRPGの要素もたくさんあるバランスになっています」と、ファンの方からの心配の声を払拭するように紹介していた。

RPGの要素を感じられる場所ということでレジスタンスキャンプを紹介

 そうしたRPGらしさを保ちつつ、今作では前作よりもアクションの魅力が増しているところが、やはりポイントのひとつだろう。

 アクションの紹介では、2Bは剣を2本持っていて、□ボタンと△ボタンで使い分けてのコンボ攻撃を披露。さらに剣の1つを違う武器に持ち帰ることもでき、この日はグローブ型の格闘武器が公開された。

 2Bや9Sのそばに常に浮いている「ポッド」は、射撃攻撃をしてくれる。ポッドは敵に自動で狙いをつけてくれるので、敵を狙って射撃という要素が苦手な人でも手軽に楽しめるとのこと。

 また、ポッドにつかまって空中を滑空するというアクションも可能で、その最中に攻撃することもできる。今作ではそうした移動アクションを活かして探索していくような作りのマップ・ダンジョンなどもあるということだ。

 敵である機械兵にも様々なタイプがいる。

 盾を持っている機械兵は、ポッドの射撃攻撃を跳ね返されてしまう。まずは直接攻撃で盾を破壊してから攻撃するのが有効だという。また、武器を持っている敵もいるので、そうした敵に合わせて戦い方を変えていくことも必要になっていく。

 ここで「巨大な敵も見せようよ」という齊藤氏の提案で、ボスではないものの雑魚敵のなかではかなり巨大な敵も披露された。円筒型のパーツがいくつも組み合わさったような巨大な敵で、腕を振り下ろすような強力な攻撃や、四つん這いになって触手のようなアームを伸ばしてくるなど、機械兵ならではなパワーとトリッキーさを併せ持ったような敵だった。

 こうした巨大な敵は厚い装甲に覆われていることが多いということで、各部位の装甲を破壊してから攻撃していくことになるという。

 なお、現在の開発状況は、バトルについては基本的なところがほぼ出来上がってきており、ブラッシュアップやチューニングに入っているという。ストーリー等のRPG的な部分については、イベントシーンや台詞などが入り始めたところだという。2017年初頭の発売に向け、まさに進行中というところだ。

 短時間ながら、「ニーア オートマタ」についておさらいをしつつ、新情報も公開されていったという放送になった。齊藤氏からは、制作中だという2Bのフィギュアの試作品らしきものも紹介。こちらはヨコオ氏も監修しているということで、現時点でも造形が細かくクオリティも高いという。ファン垂涎の品となっているようだ。

 放送の最後には本邦初公開の「ボスバトル映像」が上映された。E3トレーラーにも少し登場していたボスとのロングバージョンのバトル映像となっている。

 このボスは、「BGMとタイミングをあわせて展開していく」というコンセプトのボスだという。映像をみると、曲のリズムや進行にあわせてボスが動き、攻撃を展開しているのがよくわかる。

 その姿も、機械兵ながらドレスを身にまとった歌手のような雰囲気がある。こうした独特なセンスとコンセプトの戦闘や、物語が楽しめる作品となりそうだ。