インタビュー

“純国産ストラテジー”の真骨頂! 「クリスタル オブ リユニオン」インタビュー【前編】

世界で1番わかりやすいストラテジーゲームを作りたい!

世界で1番わかりやすいストラテジーゲームを作りたい!

特に序盤は、丁寧に解説が入る
迷わないための「ヒントボタン」が画面左下に見える。プレイ状況に合わせて内容が変わるのが特徴

――その他の部分について、ゲームのポイントをお聞かせ願えますか。

瀧澤氏: まずチュートリアルや導入部分に関しては、今まで自分が作ったゲームと比べてもそうですし、その他のストラテジーゲームと比べても最も手厚くてわかりやすくなっていると思います。

 これまでは、導入部分を抜けたあとのコンテンツに力の比重を高くしていたところもあったのですが、今回に限っては今年に入ってぐらいから、ずっと導入部分にこだわって作っていました。なので、テストプレイも何度も実施し、わかりにくいという意見は積極的に汲みとって修正を重ねています。

 機能の1つに「ヒントボタン」というものがあるのですが、これは単純につぎに何をやればいいか、という順序を追って説明するだけではなく、そのときのプレーヤーの状況に応じて内容も変化するようになっています。

 例えば、魔獣を攻撃するためのパワー「オーラ」がマックスの状態であれば「魔獣を攻撃しよう」と言ったり、何もしていない兵士がいれば「採取に行こう」となったり、英雄のスキルポイントが余っていれば「スキルポイントを振ろう」など。その辺りはとてもわかりやすくなってるなと思います。

――たしかに、あのヒントボタンの機能は自分も「なるほど」と思いました。

瀧澤氏: チュートリアルで説明しきるのはむずかしいので、困ったときに押せば、やれることを提示してくれる機能を目指しています。また街の中を歩いている人の会話バリエーションもかなり増やそうかと思っています。そこで世界観に触れていただいたりとか、「あの魔獣はああいう素材を落とすらしいぜ」、「それを使ってこの武器作るといいよ」みたいなRPGっぽさも出していきたいなと。

――確かに会話だけじゃなくてTIPSみたいなものが出ると面白いですね。しゃべっているだけでも楽しかったり。

瀧澤氏: 私はヘルプを全然読まないので、そういう人も普通にプレイしているだけで遊び方がなるべく頭に入ってくるように、とは意識してますね。

結城氏: でも、このカスタマイズは本当にこだわりました。結局、ヒントボタンを押しても、言うことが決まっていると、右も左もわからないユーザーさんは当然ながらそれに従うだけになってしまうんです。

 そうすると何も覚えられずに、ポチポチと押してずっと建設だけをやって、レベルを上げ続け……それができなくなったときに「どうすればいいの?」となる。

瀧澤氏: 最初はその方式で、ヒントボタンには建設のガイドだけを入れていたんです。困ったときがあってもこれを作っておけば大丈夫だろうと。そうしたら、テストプレイの感想で「ヒントボタンを押して建設しているだけで全部終わりました」と(笑)。

結城氏: 「何が面白かったのかまったくわかりません」って(笑)。

瀧澤氏: そう来たか! と(笑)。

――ほかのシステムに気づいていないんですね。

瀧澤氏: そうですね。便利すぎて押したくなって、それだけをやってしまう。挙句の果てに、「このゲーム、何をやるゲームなんでしょうか」となる。なので、現在の状況に応じてガイドが入る、という仕様もかなりの開発の終盤に入れたんですよね。

結城氏: そうですね。これでだいぶ変わりました。(実物を見せながら)さっきはヒントで研究のことを言っていましたが、オーラを回復してからマップに出てみると、戦いに行こうみたいな内容に変わる。最初はわけがわからなくても、じゃあやってみようか、という体験をしてもらうことでだんだん何が起こっていくかを理解できるようになればと思っています。

――だいぶハードルが下がっているように思います。

瀧澤氏: 何をするか迷ったときに押してもらって、自分が慣れてきたと思ったら無視して好きなことやってもらえれば。慣れた人のために、設定でヒントボタンは消せるようになってもいいかなとも考えています。

 「クリユニ」以前に自分が考えていたストラテジーゲームは、同盟チャットとかで知識を教え合っていく、っていう考え方が中心になっていて……それはそれで楽しいのですが、あまり良い同盟に入れなかったり、深夜で誰も反応してくれないときはわからないまま終わってしまう。「クリユニ」では、そういう人たちを救えたら、と思います。そのような意味でも、導入部分とわかりやすさに関してはとくにこだわっていますね。

(後編に続く)

(安田俊亮/泊 裕一郎)