インタビュー

キャラクター&ストーリーが光る「箱庭のフォルクローレ」の魅力

不具合ラッシュについてディレクターに聞く。コスプレ姿のPR大使へもインタビュー

10月 収録

キャラクターの会話劇を楽しみながら、ゲームは進行していく

 世界各国の童話をモチーフに、通常の童話とは異なるストーリーとシミュレーションバトルが楽しめるNHN PlayArtの基本無料のブラウザゲーム「箱庭のフォルクローレ」。かわいらしく描かれたキャラクターだけでなく、同じストーリーを違う登場人物の視点から楽しめる「アナザーストーリー」が用意されているなど、キャラクターや世界に感情移入しやすい作りが特徴だ。またバトルではストーリーに登場したお気に入りのキャラクターを集めてバトルに使え、やればやるほどキャラクターに愛着が湧きやすくなっている。

 すでにサービスインしているためすぐに楽しめる(利用料金は無料で、ビジネスモデルはアイテム課金制)本作だが、その一方で、サービススタート直後から不具合が生じ、メンテナンスのラッシュやゲーム内通貨が増殖するバグが発生するなど、ゲームシステムと関係のないところでユーザーの不満を募らせているのも事実としてある。

 そこで今回は本作のディレクターを務めるNHN PlayArtの星野忠行氏にインタビューを行ない、本作の面白さを改めて伺うと共に、不具合発生と対処、また今後の方針について聞いた。また「箱庭のフォルクローレ」PR大使へのインタビューや、11月7日に追加される新エピソード「桃太郎」についてもお話を聞けたので、この模様をお伝えする。

不具合について陳謝。キャラクターの魅力がウリの1つ

「箱庭のフォルクローレ」ディレクターの星野忠行氏
こちらは「シンデレラ」。独自のタッチで描かれるキャラクターたちに人気がある
バトルシーンではSD化されたキャラクターも見られる。バトルに勝つと、先のストーリーが読めるというシステム

――すでにサービスされているタイトルですが、改めて本作の概要を教えていただけますか?

星野忠行氏: 「箱庭のフォルクローレ」は、「シンデレラ」や「白雪姫」などの絵本の中で起きた歪みを正していきながら、話を追っていくというタイトルです。

 ウリは、綺麗で細かい線で描かれたキャラクターのかわいい造形で、それをフォローアップするためにUIの1つまでこだわっているところです。バトルはユニットを集めて戦略を考えながら強くしていくというものですが、手軽に遊べるものになっています。童話の世界ということで複雑なものではなく、ストーリーを進めていくと自然にユニットも強くなっていきます。世界観と遊びやすさが本作の強みになっていると思います。

 このバトル部分では、「英雄」(バトルに使用するユニット)をマネージメントして自分好みに育てていくという楽しみがあります。「英雄」はストーリーの登場人物をSDキャラクター化しており、お気に入りを見つけていくことができます。

 お気に入りのキャラクターにスキルをくっつけて強化もできるので、そこはプレイスタイルによって自由に遊べます。バトルに勝つとストーリーの先が進められるので、そのためには勝たなくてはならない(笑)。実際のバトルはほぼ自動なので、その前のチーム編成と戦略の部分で頭を捻るようなイメージです。

――ユーザーからは特にどこが評価されていますか?

星野氏: キャラクターに対する肯定的な意見が多いですね。ストーリーでの言い回しやシナリオ、キャラクター同士の掛け合いが面白いと。不満な点としては、「英雄」を持てる数に制限があるので、もっと増やしてほしいという意見があります。

――そんな本作ですが、オープンβテストスタート直後に不具合が起きてしまいました。

星野氏: これは本当に皆様に謝るしかありません。このタイトルは台湾ですでに問題なくサービスされているものですし、開発の台湾Fun Yours Technologyは日本でいくつものタイトルをリリースさせているという信頼関係がありました。

 決して油断していたわけではないのですが、クローズドβテストよりはオープンβテストの方がユーザーの反応もいいということもあり、そのような信頼関係の中で今回はオープンβテストからスタートさせることにしました。それでいざ始まってみると、サーバーダウンが起きたのです。

 200人、300人規模でダウンしてしまうという状況が断続的に続いてしまって。クローズドβテストでも同じようになったので、調査してみるとゲームのシステムとハンゲームのシステムが上手く噛み合わなかったことが原因でした。社内総出で200人規模の社内テストもして、そのときは上手くいっていたのですが……。

 誤算だったのは、Fun Yours Technologyは本作のために初めてゲームエンジンに「Unity」を使い、様々なシステムを本作のために作り直していたという点です。そのため予期せぬ不具合が色々と起きてしまい、ユーザーの皆様には非常にご迷惑をおかけしてしまいました。

――ゲーム内通貨の増殖バグも同じでしょうか?

星野氏: これも同じ理由です。ゲーム内通貨が多く取れるとその分「英雄」獲得のガチャを何度も回せることになります。中には800回以上も回している方がいて、見ると手持ちの「英雄」は全てレアリティSになっていたと。

 現時点ではユーザー同士が対戦するシステムはありませんが、ほかのユーザーのモチベーションが下がってしまうというのと、正規に英雄を獲得していただきたいということで、今回はバグを利用して取得したカードは全部削除という措置を取らせていただきました。

 ほかの不具合についても、保証や対応策を明示していきます。それができないものについては、調査を続行して随時対応していきます。

――最近では不具合も少なくなってきた印象です。

星野氏: 先日やっと平穏な週末を過ごせました(苦笑)。今後は品質管理を十分にやっていきます。今までもリリース時の条件は厳しくしていて、ほとんどバグは出ない状態で出していたのですが、それでも……という感じでしたので。

――予定していたiPhone版、Android版についてはいかがですか?

星野氏: 不具合の対応にかかりっきりなので……。年内を予定していましたが、年明けになりそうです。

毎月1本、新しい童話が導入。第1弾は鬼がセクシーな「桃太郎」

星野氏お気に入りの青鬼「ソウラキ」

――今後の展開についてはいかがでしょうか?

星野氏: 毎月1本の新しい童話と、季節ごとのイベントを展開をしていきます。先日実施したハロウィンイベントでは、日本のライターに季節もののシナリオを書いてもらいました。文字数で言うと1万字くらいにもなって、気合も入れたものでしたね。今後もクリスマス、お正月と季節ごとのストーリーを入れていきます。

 新しい童話としては、11月7日に「桃太郎」が入ります。詳しい内容やキャラクターは見てのお楽しみですが、ここでは赤鬼と青鬼のビジュアルをお見せします。私は特に青鬼の「ソウラキ」がお気に入りで、見た目は派手でセクシーなのに、引っ込み思案な博愛主義というキャラクターです。ボイスも含めて楽しんでいただければと思います。ぜひほかのキャラクターにも注目ください。

 また台湾の開発と調整中の機能としては、GvGやPvPも入れていきたいと考えていきます。コミュニティーが活性化するようなイベントも仕掛けていきたいので、実現できるよう話していきたいですね。

 サービス開始当初から不具合が多く発生してしまいましたが、これらの再発防止に努めながら新しい機能やサービスを提供していくのがミッションだと思っています。新しい施策から取り組みによって、飽きさせないような運営体制を敷いていきます。

――それでは最後にメッセージをお願いします。

星野氏: ユーザーの皆様、正式サービス化してからもご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。童話の世界を安全に遊んでもらうため、仕掛けや仕組みを誠心誠意、積極的に採り入れていきたいと思います。忌憚ない意見をいただきながら、クオリティの面を磨いていきますので、引き続きご愛顧いただければと思います。

――ありがとうございました。

青鬼のソウラキ(CV:山本亜衣さん)
赤鬼のクラキ(CV:石上静香さん)

セクシー系からロリっ子まで。脇役まで愛着が湧くキャラクターの魅力をPR大使が解説

PR大使のみなさん。なおオーディションでは「白雪姫」を担当する橘結衣奈さんも選出されていたが、今回は体調不良によりお休みとのこと。

 今回のインタビューでは、「箱庭のフォルクローレ」PR大使へもお話を聞くことができた。

 今回集まってくれたPR大使は、「シンデレラ」を担当するアイシスさん、「赤ずきん」を担当する叶恵まそらさん、「眠り姫」を担当する荒木奈々さん、そして「魔法使いロゼッタ」役兼声優を担当するタレントの有川知里さん。有川さん以外はオーディションによって10月にPR大使として決定されたばかりで、今回が初めての活動になるという。それぞれ担当キャラクターの衣装を身にまとい、「箱庭のフォルクローレ」に対する思いやPR大使としてのアピールポイントを語ってくれた。

――それぞれのキャラクターの自己紹介からお願いします。

有川知里さん: 「魔法使いロゼッタ」は、ほかのお姫様とは違い、色々なストーリーにちょこちょこと登場するキャラクターです。プレーヤーとしては「英雄」を召喚したり強化できる湖で会えるほか、英雄としても召喚できて一緒に冒険ができるので色々な面でお得なキャラクターです。

荒木奈々さん: 「眠り姫」は、周りの人に祝福を受けて、甘やかされて育ったわがままな少女です。15歳の時に100年の眠りにつき、起こすと癇癪を起こすほどずっと寝ています。ストーリーの中では第3章に登場しますが、2章の白雪姫に比べて敵が強いので、強化してから挑んでもらえればと思います。英雄として召喚すると動きがかわいいので、そこにも注目してください。

叶恵まそらさん: 「赤ずきん」は、無邪気で素直でホワっとした女の子です。周りの大人から心配されるくらい素直な子なのですが、大きな武器を軽々と振り回すような危険な面も持っています。

 森の仲間も怖がって近づいてこないくらいの危険さなのですが、本人はあくまでホワホワしているので、そこがかわいい所になっています。ストーリーとしては4章に登場するので、結構鍛えなくてはなりません。

アイシスさん: 「シンデレラ」は、最初のステージで会えます。妄想癖があってみんなに怪しまれるくらいなのですが、継母やお姉さんに意地悪なことを言われながら一生懸命お掃除を頑張るような優しさを持っています。お城に自分が嫁ぐ時も、継母やお姉さんを一緒に連れていくくらい、心優しい女の子になっています。

「魔法使いロゼッタ」役兼声優を担当するタレントの有川知里さん
「眠り姫」を担当する荒木奈々さん
「赤ずきん」を担当する叶恵まそらさん
「シンデレラ」を担当するアイシスさん

魔法の杖を指し棒代わりに、有川さんがキャラクターの萌えポイントを解説している様子

――それぞれのキャラクターが深く掘り下げられているような印象ですね。

アイシスさん: 1つのキャラクターに思い入れできるくらい、愛着を持ってプレイできます。お姫様ごとにも萌え属性がバラバラなのもポイントですね。

 お姫様じゃなくても、キャラクター1人1人にストーリーがあったり、キャラクターが濃かったりするんです。例えば「シンデレラ」に登場する継母の「アニーラ」は人間らしくてとてもいい女なんです。

有川さん: 「箱庭のフォルクローレ」では、同じ章の中でもメインのストーリーとは別に、継母視点だったり、王子様視点だったり、同じストーリーを違う視点から見られるようになっています。それぞれのストーリーで印象が違ったり切なかったりして、ほかのゲームで言えば「街」のような感じでストーリーが楽しめます。段々と話の真相が明らかになっていくようなちょっとした謎解き要素もあります。シナリオは超ボリュームですね。

――「街」とは渋いチョイスですね(笑)。

有川さん: ゲームが好きなものですから(笑)。

――キャラクターの見た目からも様々なバリエーションがあるのがわかります。

荒木さん: これから出てくる「桃太郎」の青鬼さんは、かなりセクシーです。これまであまりセクシーな人はいませんでしたね。

アイシスさん: セクシーからロリっ子まで幅広く選べます(笑)。

――これからのPR大使としての活動は決まっているのでしょうか?

有川さん: 今後の活動としては、今ちょうど話し合っている段階です。みなさんにどんなことをして欲しいかとか、どんなところで会いたいとか意見を伺って、活動やアピールをしていけたらなと考えています。

――では最後にそれぞれ読者とファンにメッセージをお願いします。

アイシスさん: オーディションの時から私は「シンデレラの衣装が着たい!」と言っていたので、それが実現して投票してくれた方には感謝しています。これからバッチリ、シンデレラとしてPRしていくので、よろしくお願いします!

叶恵まそらさん: 最初はほかの衣装もいいな……と思っていたのですが、赤ずきんを着てみるととても可愛くて、気に入っています。PR大使として、一緒に遊んでいってください。

荒木さん: 私はゲームの中の人になりたいという、夢に見ていたことが現実になってとても嬉しく思っています。ゲームが本当に大好きなので、新しいストーリーに間に合うようにチームをレベル上げしたいです。

有川さん: 実は今回のお話をいただくまで、ブラウザゲームというのはプレイしたことがなかったので構えていた部分があったのですが、プレイしてみるとストーリーが面白いし、キャラクターもかわいいしでとっても面白いゲームだと思っています。一緒にプレイしていきましょう!

――ありがとうございました。

(安田俊亮)