「エミル・クロニクル・オンライン」、「SAGA11:覚醒の刻」先行体験レポート&インタビュー
ユーザー待望の“上位種族”や“三次職クロニクルジョブ”を実装、舞台はいよいよタイタニアへ!
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社はMMORPG「エミル・クロニクル・オンライン(以下、『ECO』)」において8月19日、大規模アップデート「SAGA11:覚醒の刻」(以下、「SAGA11」)を実装する。
今回のアップデートではより上位の種族へ生まれ変わる「上位転生」と、それに伴う「三次職クロニクルジョブ」が実装される。また、これまで結界で閉ざされていた「タイタニア」へ行くことが可能になった。全体的には上級プレーヤー向けの要素だが、上位転生を行ったキャラクターはレベル1に戻る。彼等と初心者プレーヤーの交流も注目したいところだ。
今回はアップデートに先がけ「ECO」開発担当の寺田美絵氏と、マーケティング担当の榊田毅氏の解説の元、コンテンツに触れることができた。
■ さらなる高みを目指してレベル1からの再出発「上位転生」、そして姿を現わしはじめたタイタニア世界
ハイエミルでは背中や足に光のエフェクトをつけることが可能に。専用のペットも多数追加される |
上位転生をするためには、各職業を象徴する武神と対決しなくてはならない |
今回実装される「上位転生」とは、これまでのエミル、タイタニア、ドミニオンという種族から、更なる大きな力を得るため、上位種族「ハイエミル」、「アークタイタニア」、「イクスドミニオン」という存在に生まれ変わることだ。
ゲームルールとしては「エミルドラゴンを1度でも倒したことがある」、「レベルが100以上」、「二次職エキスパートジョブか二次職テクニカルジョブの職業レベルが『50』まで到達している」という3つの条件をクリアすれば条件が整う。ちなみに転職をしない「ノービス」でも職業レベルが50まで到達していれば転生できる。他の職業に比べ、ノービスでここまで育て上げるのはかなり厳しい道である。
条件を満たすと、北の街ノーザンで半透明の「ネコ」が見えるようになる。ネコは「ECO」の世界では既に絶滅した存在だ。半透明な上、王冠をかぶり、言葉もしゃべるこの不思議なネコについていくと、いつしかプレーヤーは真っ白な不思議な空間に出る。ここでネコはプレーヤーを「プロデュースしたい」と言ってくる。
ネコはプレーヤーを一冊の本がある場所に導く。この本には最初は何も書かれていないが、プレーヤーがのぞき込むと赤く輝く文字が浮かび上がる。本にはプレーヤーの職業に応じた武神が宿っており、プレーヤーに条件を指定してくる。プレーヤーは本を通じてモンスターのいるフィールドでアイテムを集め、再び本に宿る武神に出会う。彼と戦い、勝つことで「転生の資格」を手に入れるのだ。
転生して上位種族になるプレーヤーは新たな姿に変わる。この時、転生前のレベルによって“選択肢”が変わってくる。レベル110ならば全てのオプションが選べるが、レベル100ならば特典は1つしか選べない。具体的にはアークタイタニアは羽根と天使の輪が、イクスドミニオンは羽根としっぽが選べる。色も数パターンあり、イクスドミニオンが白い羽根を持ったり、アークタイタニアが黒い羽根を持つことも可能だ。
ハイエミルは、エフェクトをまとったり専用の「ペット」が特典となる。背負い魔の「メダマー」や、この世界にはいないはずのネコを連れ歩けるようになる。レベルが高ければ騎乗ペットも入手できる。この騎乗ペットを装備すると、巨大なネコに乗ることができる。このインパクトは非常に大きく、この騎乗ペットのためだけにエミルのキャラクターをレベル110まで育てる、というプレーヤーも出てくるのではないだろうか。
転生するとキャラクターそのものはレベル1に戻り、ステータスはリセットされる。しかし、スキルそのものは転生前のものが使えるため、当初から強力なキャラクターとなっている。さらにパーティーメンバーの力を底上げする「コミュニオン」、職業の特性を生かした、それぞれの職業名がついた様々な「クロニクルスキル」を得ている。マエストロの場合、これまでNPCしかできなかった「武具強化」が可能になるなど、さらに職業としての特色が強まっているのだ。
転生することで強力な低レベルのキャラクターが登場し、プレーヤー達の社会は大きな変化を迎えそうだ。転生キャラクター達が「ECO」全体にどんな影響をもたらしていくか、そして今後クロニクルジョブのキャラクター達がどんな役割を果たしていくのか、注目したい。
青と緑が美しいタイタニア世界 |
今回のアップデートで謎に包まれたタイタニアの世界へも踏み込むことができる。これまでタイタニアの世界は「ウォーターレイアー」という限られた場所しか明らかになっていなかった。この場所は何らかの理由でタイタニア世界から隔絶されており、物語はそのままドミニオン世界へ向かってしまったため、タイタニア世界は謎のままだった。
今回はメインストーリーを進めていくことで、ウォーターレイアーからタイタニア世界の街「エル・シエル」に行くことができる。ここではどんなドラマが待ちかまえているのだろうか。タイタニアの街エル・シエルは清浄な、そのかわりに人の息吹も感じない美しいが静かな街だ。ここにはどんなドラマが待ち受けているのか。ちなみに、ドミニオン世界に行くためには「次元転生」が必要だったが、タイタニア世界はそういった手順を踏まなくても行くことができる。
また、ウォーターレイアーへたどり着くためにも強敵の「タイタニアドラゴン」と戦わなくてはいけなかったが、今回、低レベルのキャラクターでも戦いやすくする方法も提示されるという。タイタニア世界は中~上級者向けのフィールドとなるようだ。さらに、「忘却の庭園」というインスタントダンジョンも用意されている。プレーヤー達はここでどんな秘密と出会うのだろうか。
これまで閉ざされていたタイタニアフィールドへ。美しいフィールドの秘密とは | ||
冒険の拠点ともなるエル・シエル。アップタウンとダウンタウンがあり、これまでの都市と同じ機能が用意されているが、無機質さも感じさせられる | ||
インスタントダンジョン「忘却の庭園」。パーティーでの挑戦が可能だ |
■ 上位職の特色はこれから、今後も繋がりを前面に出したコンテンツを
「ECO」開発担当の寺田美絵氏 |
「ECO」マーケティング担当の榊田毅氏 |
今回は、新コンテンツとこれまでの「ECO」について「ECO」開発担当の寺田美絵氏と、マーケティング担当の榊田毅氏に話を聞いた。ここ1年で榊田氏が印象に残っているのはなんといっても前回のアップデートで追加された新種族DEMだという。ユーザーの反応がかなり良く、新しい遊びを提示できたという。さらにストーリー要素としても今回のSAGA11に密接に繋がってくる。
寺田氏は基本プレイ無料に移行した「イリスアップデート」が印象に残っているという。ゲームバランスも大きく変わり、「イリスカード」でのゲーム性でのユーザーのアプローチも感心させられた。また、ユーザーのカードを集める熱意にも驚かされたという。課金プランが変わり、ユーザーが増えたという点でも、既存ユーザーからも好評だ。
新規コンテンツに関しては、「新しく実装されるタイタニア世界は、レベル30以上のキャラクターならば行くことができるので、ぜひ訪れてみてください」と寺田氏は語る。3月に実装されたプレーヤーを補助する妖精「プリムラ」の助けもあり、レベル30くらいまではキャラクターを育てやすくなっている。また、従来はタイタニアドラゴンと戦わなくてはウォーターレイアーには行けなかったが、タイタニアドラゴンを弱くしたり、戦いそのものを回避することもできるようになったため、間口がグッと広がった。エル・シエルは、実は「空に浮いている」という設定になっており、何ヵ所かで「下」を感じさせる場所がある。空の上を意識させるため、鮮やかな空と、緑をイメージカラーにしている。
今回のタイタニア世界はドミニオン世界のような次元転生がない。この問題に関しては、「ドミニオンはDEMとの戦争状態のため、次元を隔てるという隔離方法を行なっていました。このため次元転生が必要だった、というところです。ゲーム的な視点に立ってみれば、ユーザーにまた1からキャラクターを育てるというのは、上位転生ともかぶってしまいますし、次元転生はしないという判断になりました」と寺田氏は語った。
上位転生に関しては“クロニクル(年代記)”という考え方があり、転生するためのアイテムが「本」であることも、転生時のスキルが「クロニクルスキル」と呼ばれるところもそこに由来している。プレーヤーは自分の年代記に自分のことを記録していく。「クロニクル」や「次元」といった概念は、今後実装を計画している「エンシェント・アーク」といった要素に絡めていきたいとのことだ。
三次職クロニクルジョブは、99レベルを超えたユーザー数を見た上で、今後プレイを続けてもらうために必要な要素だという。上位転生したキャラクターは、8月19日の段階では3つのクロニクルスキルを獲得できる。これまでの職業をさらに強化するマスタリー系と、パーティーを強化する「コミュニオン」、そして特性を活かしたスキルの3つだ。
みんなで遊べる要素というのは、今後実装予定の「飛空城」でも強調されていく。「飛空城」はリング(ギルド)で所有できる巨大な空を飛べる建物で、リングメンバーみんなで組み立てていくことになる。リングメンバーそれぞれの特性を生かして飛空城の建設に関わっていく。リングメンバーみんなで自分たちだけの城を造っていくのだ。
「飛空城は、『ECO』の今年のテーマである“みんなと繋がる”に沿ったものになります。敵対種族であったDEMのプレーヤーキャラクターとしての登場、レベル1に戻り初心者と繋がることができる上位転生もこのテーマの上で考え、制作していったコンテンツなのです。今後もコミュニティー要素は強化していきたいと思っています」と榊田氏は語った。
上位転生で気になるところはレベル100と、レベル110で特典に大きな差があるところだ。差をつけることそのものはプレーヤーの目標を提示する上では納得なのだが、例えば友人がみんな転生してしまったので合わせて転生したが、あの時早めに転生したばかりに特典を得る機会を永遠に逃してしまった、と悔やむプレーヤーも出てくるのではないだろうか。救済措置などは準備しないのだろうか?
この質問に対して榊田氏は「レベル110まで頑張ったプレーヤーに対してのご褒美として特典は用意していますが、今のところそういう措置は考えていません。ユーザーの要望で考えていきたいと思っています」と応えた。
この他、今回の体験会では見ることはできなかったが、「クエスト」の要素も今回のアップデートで変わるという。「ECO」では毎日受けられるクエストだけをプレイしてログアウトする、というユーザーも多かった。しかしそれではクエストだけをクリアして、1人でプレイして1日が終わり、というプレイスタイルを固定させてしまう傾向にあった。このため、クエストを受けられる数を制限して、その代わり報酬を2~3倍にすることで、他のコンテンツを遊んでもらえるようにしたという。
今後の予定としては、プリムラに続き、初心者をさらに応援していくような施策も考えている。プレーヤーが一時的にパワーアップし、レベルアップをさせやすくする施策を考えたいという。この他、アップデート時期には合わせて「怒涛の11大祭」を行なう。詳細は今後のリリースだが、その中には「みんなで作ろうキャンペーン」もあり、三次職クロニクルジョブ専用のコスチュームそのものはデザインが進められているが、このコスチュームに絡むNPCやモンスターなどを、ユーザーからアイデアを募っていくとのことだ。
最後にユーザーへのメッセージとして寺田氏は「大変お待たせしましたが、ついに上位転生を入れることができました。『ECO』は壮年期に入ってきましたが、これからも楽しんでいただけるようにがんばっていきます」。
榊田氏は「今回上位転生が入り、これまでのユーザーさんと、新規の方が一緒に遊べる良いタイミングだと思っています。この先5年、10年と遊んでいただくために、今後とも『ECO』をよろしくお願いします」と語った。
今回追加されたレベル110武器。転生すると武器は装備できなくなるが、専用のエクストラアイテムを使用すると、パートナーを呼び出すことが可能だ。左より、楽器、弓、剣 | ||
細剣、銃、杖・本 | ||
槍、短剣、鎚 | ||
爪、斧、鞭 |
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※画像は全て開発中のものです。
(2010年 8月 16日)