ガンホー、「ECO」「SAGA10:偽りの神と機械の記憶」先行体験レポート
機械生命体DEMが使用可能に! 心が生まれた機械の物語が始まる
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社はMMORPG「エミル・クロニクル・オンライン(以下、『ECO』)」において12月17日、大規模アップデート「SAGA10:偽りの神と機械の記憶」(以下、「SAGA10」)を実装する。
SAGA10ではこれまで謎の敵であった機械生命体DEM(デウス・エクス・マキナ)にフォーカスが当てられ、第4の種族のプレーヤーキャラクターとしてDEMが使用可能になる。2つの姿を持ち、装備だけでなく、体のパーツそのものを変えるパワーアップや、経験値を消費して“チップ”を購入して成長していくシステムなどこれまでとは全く違った感触のキャラクターとなっている。
さらにドミニオン世界でのレベルキャップが30から50に引き上げられ、DEMの本拠地に近いフィールドが開放された。今回はこれまで淺間教授として「ECO」ファンを導いてきたガンホー ゲーム事業部オンライン本部ゲームサービス部二課課長の淺間達雄氏と、新たに教授の称号を受け継いだ寺田教授ことゲーム事業部オンライン本部ゲームサービス部二課主任の寺田美絵氏の説明により、新要素DEMを体験することができた。
■ 機械の兵士から心を持った存在に。奇妙なDEMがたどる“心”への道
ガンホー ゲーム事業部オンライン本部ゲームサービス部二課課長の淺間達雄氏(右)と、ゲーム事業部オンライン本部ゲームサービス部二課主任の寺田美絵氏 |
DEM作成画面。他キャラクターとあまり変わらない雰囲気だ |
フォームチェンジ。マシナフォームに変わると人間から一気にロボットらしい外見になる |
DEMとは「デウス・エクス・マキナ」の略で、「ECO」の世界における機械生命体を指す。DEMは人間族エミル、天使族タイタニア、悪魔族ドミニオンの3つの種族によって作られている「ECO」の世界を侵略しようとする謎の種族であり、ドミニオンの世界は現在かなりの部分を侵略されてしまっている。
DEMの脅威は2008年5月に実装された「SAGA8:戦歌の大地」から詳しく語られていく。ここでプレーヤーは「次元転生システム」によってドミニオンの世界に旅立つことができるようになったが、ドミニオン世界はDEMとの戦いの真っ最中であり、ドミニオンの世界の多くはDEMの支配下にあるという状況に置かれていた。プレーヤーはドミニオン達に力を貸し、DEMの侵略を食い止める、というのがこれまでのストーリーだった。
今回、そのDEMがプレーヤーキャラクターとして使えるようになる。DEMとは何なのか、世界はこれからどうなるのか。SAGA10はその大きな変化の始まりとなる章である。ゲーム的にはこれまで3つだったキャラクタースロットが追加され、DEM専用のキャラクタースロットが追加される。「ECO」のコアプレーヤー達は3キャラクター全部埋まっている人も多いが、今回のスロットの追加で全てのプレーヤーがDEMでプレイできる。もちろん既存のキャラクタースロットでもDEMは作成可能で、複数のDEMキャラクターを持つことも可能だ。
キャラクター作成画面でのDEMはこれまでのキャラクターと変わらないかわいらしいデザインだ。大きなヘッドフォンのような耳と、頬に金属のプレートのような物がついている以外は人間とそれほど変わらない姿である。顔や髪型には数パターン用意されていて、大きな瞳を持った専用の顔パターンが用意されている。耳の飾りを別とすれば見た目だけでは一見「機械生命体」とはわからない、ドミニオン世界で戦っているDEMとは異なるイメージだ。
プレーヤーがキャラクターを作りスタートすると、タイタニアの少女ティタのいる不思議な空間が現われる。ここで謎めいた会話の後、プレーヤーキャラクターは禍々しい雰囲気の機械に囲まれた場所に出る。目の前にはプレーヤーキャラクターと同じようなDEMがいて、自分が「マザー」と呼ばれる存在によりこの世界に生み出され、ドミニオンと戦うために戦場に送り出されることを知らされる。
次にチュートリアルも兼ねたDEMの基地で基本的な操作を教わる。DEMキャラクターは「フォームチェンジ」という特殊能力で機械の体「マシナフォーム」に変身できる。この姿は全身を金属に覆われたロボットそのものの姿で、「ECO」プレーヤーが戦っているDEMに近い姿だ。基本的な戦い方を覚えた後、プレーヤーキャラクターはすぐに戦場に送られることになる。
プレーヤーキャラクターは早速最初の任務を命じられる。それはドミニオンの親子を撃つという任務だ。マップのすぐ上にDEMに包囲されたドミニオンの親子がいる。ドミニオンの親子は既に抵抗する力を失っており、父は必死に娘をかばいDEMに倒される。怯える娘をDEMは包囲し、冷ややかに見つめている。
DEMはプレーヤーキャラクターに「娘を殺せ」と命じる。この時複数の選択肢が出るが、プレーヤーキャラクターは“何故か”娘ではなく、仲間を攻撃してしまう。DEMはプレーヤーキャラクターを敵と認識し追いかけてくる。生き残るには逃げ出すしかない。
逃げるプレーヤーキャラクターの前に翼を持つ謎の女性が現われる。彼女は「自分の道を進みたいのであれば、向こうへ進め」といって1つの方向を示す。そこにあるのは「次元の狭間」と呼ばれる異空間だ。DEMに追われるプレーヤーキャラクターが生き残るにはその道しかない。次元の狭間に飛び込んだプレーヤーは光に包まれる。
目覚めたところはアクロポリスシティのダウンタウンにある研究所である。これまでの「ECO」のキャラクターはエミル世界のアクロポリスシティのアップタウンがスタートになるが、DEMはタウンにある研究所からスタートとなる。研究所の女性「クォーク博士」は、プレーヤーキャラクターは遺跡でスリープ状態でいるところを発見されたという。「とりあえず、あなたはこの世界で生きていくわけだし、色々見聞を広めないとね。あとはあなたの好きなようにしなさい」とクォーク博士は語る。プレーヤーキャラクターはこうしてアクロニア大陸へと旅立っていくことになるのだ。
どうしてDEMである自分がドミニオンの少女を救ったのか、その時代は現在とリンクしているのか、なによりも自分は何をすればいいのか? プレーヤーはDEMキャラクターのオープニングを体験することで、さらに増えた謎だらけの状況に放り出される。どうやらこの問いこそが今後の「ECO」のストーリーの鍵となりそうだ。DEMキャラクターがたどる運命はとても興味がそそられるところだ。
夢を通じて語りかけてくるティタ。機械の兵士として生まれたプレーヤーキャラクターは訓練を通じて基本システムを学ぶ | ||
理由もわからずドミニオンの少女を助けてしまう。仲間から追われるプレーヤーキャラクターは、謎の女性の導きで次元の狭間へ。再び意識を取り戻したとき、研究所にいる自分を発見する | ||
修理された「奇妙なDEM」として、新しい世界に踏み出す。どんな出会いと冒険が待ち受けているだろうか |
■ 2つの姿を持つフォームチェンジ、チップを追加していくDEMICなど、独特なキャラクターシステム
心の繋がりによりスペースを空け、経験値を消費してチップを埋め込んでいく成長システムDEMIC |
背中に背負ったコンテナからミサイル発射。マシナフォームは様々な新兵器を使える |
パーツそのものを変えていくマシナフォーム。全く違うキャラクターの姿になる |
DEMはこれまでの種族と違うユニークな特徴を持っている。最大の特徴が「フォームチェンジ」だろう。人間そっくりだったDEMが金属に覆われたロボットの様な姿に変わる。DEMでは人間の姿をしたノーマルフォームと、ロボットそのものの姿をしたマシナフォームの2つの姿を使いわけることができる。
ノーマルフォーム時は、これまでのキャラクターが使っていた武器や防具を装備することができるほか、ペットも扱うことができる。しかしDEM特有のスキルやステータスボーナスが能力に反映されないため戦闘は不向きだ。ノーマルフォームはどちらかといえばおしゃれを楽しむための姿だといえる。
マシナフォームでは後述する「DEMIC」によるステータスアップ、スキルが追加でき、さらにDEM専用の様々な武器を付けることができる。このフォームの特徴はキャラクターの服を着せ替えるのではなく、まるまるパーツを交換するというところだ。腕そのもの、体そのものがダイナミックに変化する。通常のマシナフォームは金属そのものの無骨な姿だが、三種族のような頭やパーツも用意されており、そのバリエーションは実に多彩だ。
生身の体に見えるようなパーツ、武器そのものの姿のパーツ、下半身は人魚型パーツや4足型のパーツなども用意されている。DEMには職業の概念が無くDEMICによるスキルとステータス、そしてパーツによって戦い方が変わる。プレーヤーによって様々なカスタマイズが可能だ。さらにDEMは背中に大型武器を背負うことができる。ミサイルを発射するコンテナや、巨大なガトリングガンなどロボットアニメに出てくるようなごつい武器も用意されている。
DEMは成長システムも特殊だ。DEMは本来心を持たない種族とされており、プレーヤーキャラクターは何故だかわからず心を持ち始めたDEMと設定されており、これまでのキャラクターが繋がりを強めて使うことができた「H.E.ARTスキル」を使うためのポイントエンゲージポイント(EP)を消費させて強くなることができる。EPはクエストをこなしたり、他プレーヤーに対して“挨拶を行なう”ことで増える。挨拶によるEPの獲得は1日に1回可能で、プレーヤーキャラクターを右クリックすることでできる。EPの上限値はリング(他ゲームのギルドに相当)に入ることで上昇する。
DEMは、「DEMIC」という四角いパネルに様々な形をしたパネルに“チップ”をはめ込むシステムで、様々な能力を発揮できるようになる。チップの種類には、経験値を消費してショップで購入できる「ステータスチップ」、職業経験値を消費して購入できる「スキルチップ」そして戦闘スタイルに合わせて補正効果を得ることができる「リミテーションチップ」がある。「STR+2」のチップをDEMICにはめ込 むとDEMのSTRが2つ増えるというように、チップを増やしていくことでDEMは強力な存在になっていくのだ。
チップをはめ込むパネルはEPを消費して拡張していく。チップは凹型など様々な形があり、多くのチップをはめていくにはパズルゲームのような工夫も必要だ。DEMICのパネルにはランダムで「エンゲージタスク」というマスが現われることがある。ここにはチップを置くことができないが隣接するチップの力を増してくれる力がある。うまく使うことで大きく能力をアップすることができる。
DEMの特性をまとめると、DEMはEPを消費してDEMICのパネルを広げ、経験値や職業経験値を消費してステータスチップとスキルチップを購入し、はめ込むことで強化していく。これらのカスタマイズはアクロポリスシティーのダウンタウンにある「カスタマイズ部屋」で行なうことができる。なお、DEMはマリオネットに憑依ができず、キャラクターへの憑依もできない。
なお、DEM用のエクストラアイテム(有料アイテム)としては、パーツやチップのセットなどが販売予定だという。また、本来DEMICやパーツ交換といったカスタマイズはダウンタウンのカスタマイズ部屋でしかできないが、これをどこでもできるようにするアイテムを販売する予定もあるという。アイテムを使ったカスタマイズで様々な特性になるDEMは「ECO」に新たな面白さを追加することになるだろう。特殊なキャラクターのため初心者にはちょっとハードルが高いかもしれないが、あえてDEMでゲームを初めてみる、というのも楽しいかもしれない。
■ 戦いはDEMの勢力下へ。厳しい攻撃をくぐり抜けたプレーヤーを待ち受ける敵は?
メカに対するこだわりを感じさせられるDEMのデザイン。奥に行くほど強力な敵が |
DEMとの戦いは全ての兵士を疲弊させている。この戦いに終わりはあるのだろうか |
今回のアップデートではDEMに加えて、ドミニオン世界のレベルキャップがレベル30からレベル50に引き上げられることになる。これによりプレーヤーはこの世界の中央地点といわれる、ドミニオンのアクロポリスシティへの道に挑戦可能となるのだ。
これまでドミニオンの世界ではDEMの襲撃に防戦一方だった。しかし今回、DEMの世界奥深くに侵入していくことになる。DEMの抵抗は厳しい、道は困難なものとなる。パーティーでの協力は必須となる難易度だという。DEMの道に通じる場所は軍艦島の地下から向かう。この先に進むにはストーリークエストを進めておかなくてはならない。道に繋がる基地では傷ついたマシンナリーのロボットがあったりと、激戦を予感させる。
基地からDEMの勢力に向かう。蟻のロボット「アーリー・ダイナー」やカエルの「ドミニオントード」などのモンスターが行く手を阻む中、雪だるまをサイボーグ化したような新モンスター「メタヴォーラ」が巨大なハンマーで打ちかかってくる。下水道のような通路を抜けると、緑の光に照らされた無機質な通路に出る。
ここでは大量のDEMがプレーヤーを待ち受ける。浮遊砲台のような「キラーシーカー」、機械化した昆虫のような「DEM-ヴィェルヴェイン」、飛行機のような翼を背負った「DEMフリューゲル」。レベルキャップであるレベル50のキャラクターでも少人数では厳しそうな場所だ。さらに奥にはボスモンスターが待ち受けているという。DEMとの戦いは新たな局面を迎える。ストーリー要素は大きく注目していきたい。
今回、ゲームを説明してくれた淺間氏は「オフラインイベントでは教授を引退という話をさせていただきましたが、こんな風にこれからも後ろの方にはいます。是非触っていただいて、面白かった、つまらなかった、ここをこうした方が良い、というように忌憚のない意見をいただきたいと思います。よろしくお願いします」とコメントを寄せてくれた。 寺田氏は「DEMはちょっと難しく感じるかもしれないですけど、実際触ってみれば直感的に楽しめるシステムになっています。1度触っていただければと思います。自由度の高い遊びにもなっています。12月17日からは経験値2倍などのキャンペーンも予定してますので、これを機会にはじめる方にもオススメです」と語った。軍艦島の地下からDEMの勢力下に。基地では3つの種族が協力し合っているのがわかる | ||
地下水道のようなフィールド。DEM以外にも強力なモンスターが待ち受ける | ||
いよいよDEMの勢力下に。最奥部にはどんな敵がいるのだろうか |
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(2009年 12月 15日)