インタビュー

【BFG 2013】「PsychoBreak」プロデューサー木村雅人氏インタビュー

PC版のUIにも対応。「E3後の発表にも楽しみにして欲しい」

PC版のUIにも対応。「E3後の発表にも楽しみにして欲しい」

逃げ出したくなるような不快な空間による恐怖体験。これが三上氏が提示したいサバイバルホラーだという

――近接攻撃について。ナイフで倒したりできるのか、それとも押し戻すだけになるのか。

木村氏:両方がある。場合によって色んなことができるようになっているが、ナイフだけで倒すこともできる。

――チェーンソー男のシーンのスイッチは機能するか?

木村氏:スイッチはいくつかあるが、あの部屋のスイッチは機能しないはず

――チェーンソー男は視覚を持っているのか?

木村氏:視覚と聴覚を持っている。聴覚があるから、ビンを投げて誘導したりできる

――あのチェーンソー男は倒せるのか?

木村氏:倒せる。あのシーンは武器を持っていないので倒せないが、別のシーンの武器があるところで倒すことができる。ただ、奴は1人ではなく複数いる。汎用というほど“安い”敵ではないが、複数いるとだけお話しできる。

――血の洪水シーンの手前でワープしていたがあれは何か?

木村氏:ああいうことはいろんなところで起こる。それが果たして現実なのかそれとも何か別の世界なのかわからない。わからないがゆえに怖いし、そこから抜け出したいと思うことが、怖さの表現になっている。怖さの表現と自由度を持たせる事象。それが本当に何なのかわからないので、なんでも起こりうるし、何でもできるようになっている。あの血の洪水も説明はない。

――デモ後半の小屋のシーンでは、トラップを仕掛けた後全滅させずに階段を下りていってしまうが、あれはなぜ下りるのか?

木村氏:それは実際にプレイするのが1番理解が早いが、トラップを入れたことで、色んなクリアの仕方を用意している。たとえば、チェーンソー男のシーンひとつとってもプレーヤー毎にクリアの仕方が異なる。あの小屋のシーンでは、あれ以上見せてしまうと、答えを示す形になってしまうので避けたかった。そこは各プレーヤーに楽しんで貰いたいところ。

――小屋のシーンで、カンテラを手に持っていたり、腰に据え付けたりしていたが、あれはどういう仕様なのか?

木村氏:武器を持つと腰に据え付けるようになっている。武器をしまうとカンテラを持つようになっている。なので、武器をしまったほうがよく見えるし、それによって何かの発見に繋がることもある。

――明暗のはっきりとした絵作りをしていて、最初見たときに画面が汚いなと思った。それはごちゃごちゃしていたり、情報量が多くてつるんとしてない。日本のゲームはスッキリしていて綺麗なことが多いが、雑然としていて綺麗じゃないのは狙ったところか?

木村氏:その通り。色んな怖い場所を用意していて、まさにチェーンソーのシーンは、ごちゃごちゃしていてじめじめしていて気持ち悪くてここから逃げ出したいという、嫌悪感を抱く場所を作り出したいと思って意図的に作っている場所。なので場所によっては、凄くクリーンで新しいのに、不安で怖い場所というところもある。その時々でユーザーに感じて貰いたい怖さや、我々が演出したい怖さによって表現が変わっている。

――綺麗で無機質だから怖いという怖さは表現が難しいと思うが?

木村氏:そこは説明するより自分の目で確かめて欲しい。公開を待って欲しい。

――ベセスダのゲームは長く遊んで貰うための工夫がこらしてあるが、このゲームではどうなるか?

木村氏:大きな何かを足すというよりかは、戦略性がサバイバルホラーより上がっているので、ひとつのハードルを越えるための攻略を沢山用意しているので、そこを試すのもリプレイバリューのひとつだし、わからないからこそ怖い部分を解き明かせる深みを持たせているので、見たり来たり調べたりして掘り下げていってほしいと考えている。

――E3バージョンより新しいバージョンはいつ公開されるのか?

木村氏:E3以降のイベントになると思う。そこで行なうデモでは、E3にプラスアルファしたものを出すと思う。

――東京ゲームショウは?

木村氏:未定だが、期待していただいて良いと思う。

――ゲームプレイのビデオはいつ公開されるのか?

木村氏:E3で公開予定なので楽しみにしてほしい

――PC版のUIはどうなるのか?

木村氏:それはもちろん対応する。PC版だからおもしろくない遊びにくいとなるのは問題なので。

――NextGenの対応プラットフォームは?

木村氏:NextGenと言われるものは、全部。Wii Uは含まない形になる。

――次世代機対応について、現行機は720p、次世代機は1080pになるということだが、それぞれどのような形でコンテンツを供給するつもりか?

木村氏:そこに関しては今まさに調整中の所。次世代機は、確実に現行機版よりデータ量は増えるので、何らかの対策を考えていかなければいけないと思う。ただ、メディアの制限によってコンテンツを妥協するつもりはないので、そこはあまり心配していない。

――PS4版で動画が共有できたりするのか? あのPS4の動画共有機能はサバイバルホラーと相性が悪い気もするが。

木村氏:そこもいま色々妄想というか企画をし始めているところなので、現時点でこうなるという話はまだできない。ただ、いずれにしてもユーザーのゲーム体験の妨げになるようなことはしたくない。ネタバレは避けたいし、怖さがなくなってしまうような施策は採りたくない。

(中村聖司)