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PS Vita「リッジレーサー」で「DAYTONA USA×RIDGE RACER」!!

ホーネット号&光吉猛修ボーカルの「Ridge racer」がDLCに!


6月6日 配信予定

【エクストラソング “Ridge racer (RIDGE RACER USA MIX)”】
価格:150円

【エクストラマシン “ホーネット号”】
価格:250円



 株式会社バンダイナムコゲームスが発売中のPlayStation Vita「RIDGE RACER」。「アイドルマスター」とのコラボカラーマシンやコラボソング、「悪魔のギフト」など多数の仕掛けで話題となったこのタイトルが次に放つ驚きのコラボレーション、それが「DAYTONA USA×RIDGE RACER」だ。

 「DAYTONA USA」といえば、株式会社セガの業務用基板「MODEL2」を採用したポリゴンによる3Dレースゲームとしてあまりにも有名な1作。1994年にリリースされたアーケード版をはじめ、セガサターン版などに移植されつつ、同「2」などシリーズ作をリリース。2011年10月26日には、プレイステーション 3/Xbox 360に対応したHD画質に生まれ変わった「DAYTONA USA」がダウンロード販売されたことは記憶に新しい。

 かたや「リッジレーサー」はSYSTEM22を搭載した3Dレースゲームの雄として登場し、こちらも同「2」をはじめ、多数のシリーズタイトルを生み出してきた歴史に名を残す名作だ。この2タイトルがコラボレーションすることになろうとは……。

 コラボレーションの内容がまたにくい。

 まずはエクストラマシンとして「ホーネット号」がPS Vita「RIDGE RACER」に登場! 今回の参戦にあたり、MODEL2バージョンの外見を可能な限り再現しつつも、ニトロシステムに対応した“エクストラマシン”仕様となっている。直進性が高く、ドリフト時のコントロール特性も独特な為、乗りこなすには高いテクニックが要求されるという。

【エクストラマシン「ホーネット号」】

 そしてもう1つ、エクストラソングもリリース。「Ridge racer (RIDGE RACER USA MIX)」がそれ。なんと、初代「リッジレーサー」の象徴的ナンバーである「Ridge racer」を大久保 博氏がボーカルバージョンにアレンジし、セガ所属のサウンドクリエイターであり同社のサウンドユニット[H.](エイチ)のボーカル・光吉猛修氏が熱唱、という、驚くべきコラボレーションが実現しているのだ!

 とにかくまずはこの記事のスクリーンショットと、プロモーション映像を見てもらいたい。

【「DAYTONA USA×RIDGE RACER」プロモーション映像】

■ コラボレーション記念インタビュー!

左より山崎氏、光吉氏、大久保氏

 さて、このコラボレーションを記念して、株式会社バンダイナムコスタジオの大久保 博氏、そして株式会社セガの光吉猛修氏、さらにPS Vita「RIDGE RACER」のDLC関連のディレクターであるバンダイナムコスタジオの山崎正通氏、そしてセガ側の交渉窓口を担当された山下 靖氏をお迎えしてお話を伺う機会を得た。

――それでは、このコラボレーションのきっかけからお話を伺えますか?

大久保 光吉さんと最初はいつお会いしたんでしたっけ?

光吉 そもそも大久保さんとどこで初めて会ったのかが思い出せなくて……飲み会ですよね? 新年会かなんかで。

大久保 そうですね。で、飲み会でお会いして……あと、「EXTRA」のときにいっぱいお話させていただいたかもしれない。[H.]のライブに感動して……だってもう、「DAYTONA USA」とか「カルテット」とか最高すぎて……。

光吉 先日お話したときにわかったんですが、大久保さんは世代的にその辺がどストライクなんですよね。

大久保 アルファレコードからリリースされていた「G.M.O」レーベルのアルバムは、「ファンタジーゾーン」(Vol.2)も「アウトラン」(Vol.1)もレコード持ってます。当時は大型可動筐体の全盛期で、「スペースハリアー」は1コインでクリアしてましたし、「バーチャレーシング」、「ギャラクシーフォース」、「パワードリフト」、「ダークエッジ」とか(笑)いろいろ遊んでました。「ファンタジーゾーン」も1コインクリアしてましたね。

光吉 ガチ(のプレーヤー)だったんですね(笑)。

大久保 それは置いといて(笑)……。ライブを拝見して、いろんなお話をさせていただいていたんですが、CEDECのときに、別の企画だったんですが……「光吉さんに歌ってもらえませんか」って相談させてもらったのが最初かもしれません……。3年前ぐらいですか(2010年と思われる)。

光吉 ちょうど、僕もその頃から、仕事として、「歌だけでできる案件はないかな」と思っていたんですよ。大久保さんからお話を頂いた後に、例えば「スペランカー先生」のOPだったり、ちょこちょこ(他社の仕事)もできるようになっていったんですが、大久保さんから最初にお話を頂いたタイミングでは、開発の人間が歌だけを歌う、という事例が無かった事もあって、話としては会社を通せなかったのですが、個人的にはすごくやりたくて、「申し訳ないんですけれども、タイミングをみて、できそうだったらすぐにお声がけします」と話をあっためておいたんです。で、先ほどのような案件が出てきて「そろそろなんとかなりそうなんじゃね?」って感じで、大久保さんのほうに、僕のほうから催促というか、「あの話どうなりました?」みたいな感じでいろいろお話させていただいた中で、機が熟したというか、今回の「リッジレーサー」のお話を頂いた、という形ですね。

大久保 僕はセガさんの音楽がすごく好きだったんで、「あの光吉さんが歌ってくれたら、すごく面白いし、自分的にもすごくうれしいし……何かやりたいな」ってお話をさせて頂いていて。

――光吉さんのほうで話をあっためておいて、逆アプローチしたっていうのは、すごく面白いですね(笑)。

光吉 僕もすごくやりたかったんで。っていうのは、大久保さんともそういう話がもちろんあったんですけれども、その前に、(株式会社)DETUNEの佐野さんも、「EXTRA」かなにかのときに……あの方も本気で言ってんのかどうなのかわからないときがありますが……「『リッジ』の曲で『リッジレーサー!』なんて歌ったら面白いっすよね〜!」なんて言ってたんですよ。その話を聞いて僕も半分本気にして、「佐野さんお願いしますよそれ!」っていう話をしてたんですけれども、その当時もう佐野さんもナムコさんを退職された後でしたし、半分冗談で半分本気、みたいな、そんなトリガーが僕の中にあって。「リッジレーサー」に関しては、「DAYTONA USA」を開発しているときにはいろんな意味で思い入れがあるゲームだったので……そんないろんな思いも込めて、僕の中でいろんなことが結実したというか……(笑)。

――こうしてみると不思議ですね。あの当時だったら絶対にありえない組み合わせですよね。“巨人と阪神”みたいな……(一同爆笑)。「時期が経つとこうなるんだ……」ってデモ映像を見ながら思ってしまいました。実際に「リッジレーサー」と「DAYTONA USA」をプレイしていた人間からすると「ありえないだろ!」っていう驚きがあります。

光吉 当時だったらそうですよね。佐野さんにも「実は昔……」って話をされまして、「DAYTONA」って歌が入ってるじゃないですか。それを見て「『何歌入れちゃってんの』って思いましたよその当時は」って結構言われましたね。当時はお互い情報がない時代でもあったので……。

AC版「DAYTONA USA」

大久保 あれは当時、プレーヤーだった僕らにも衝撃的だったんですよ。まだ当時は学生だったので、レースゲームから歌が流れてくるじゃないですか……あそこまで歌ってるのは、当時はあまり無かったんじゃないですかね。

光吉 あの当時、MPEGみたいな圧縮技術はあまり一般的じゃなくて、「DAYTONA USA」のボードだったMODEL2は、ちょうどギリギリその技術が入れられなくて、声を切り貼りする力技で歌みたいに聴かせる、ということをやっていたんです。ちょうどその時期にサウンドのドライバーが変わって、それまではPCで数値を直接打ち込んでいたものが、シンセで作曲してシーケンサーで作ったものを、わりとそのままボードで出せるというシステムが構築されはじめた頃だったんですね。自分が「歌を入れたい」という希望と、今みたいにストリームではないですが、違った形でできそうだ、という状況もあって、歌を入れたという経緯がありまして……。結局それも、そこまでやらないと「リッジレーサー」に勝てないっていうですね(笑)、それぐらい「リッジレーサー」は僕らから見ても完成されたゲームだったので。

大久保 「カルテット」とか、「極悪同盟ダンプ松本」のサンプリング音声は、結構カリカリだったじゃないですか(笑)。そこから「アフターバーナー」のギターサンプリングとか「サンダーブレード」のベースとか、サンプリング音源を多用した音楽がセガさんのタイトルで目立ってて……それもドラムだけじゃなくて、ギターやベースなど、結構楽音をガッツリ作ってたり。「ギャラクシーフォース」のステージセレクトのベースなんてかっこよすぎて……「そういう流れの中で歌も(サンプリング音を)切って作ったんだろうな」って当時は思ってました(笑)。僕の中では「DAYTONA〜♪」の後は「Weh, hey, hee」って歌詞が全部なんです(笑)。

光吉 ちょっと話それますけれども、「Weh, hey, hee」ってところを外国のスタッフに聞いてもらったんですよ。そうしたら、「Don't play」(遊ぶな)って聞こえるから……って言われて「えー!」みたいな。それでやむなく、本当はもう1つフレーズが多かったはずなんですが、削ったか消したかしたんですよ(笑)。

――MODEL2では、サンプリング音の音階を変えられたりしたんですか? ギターもそれで作られてたんですか?

光吉 できました。はい。一応、ポイントポイントで素材はあるんですが、この音域に対してこの楽器音だけで、ピッチを変えて使うということができたんで。歌も工夫して作ればラップっぽくなったり。あとは容量次第ですね。

――その当時だとそれほど余裕がないんじゃないかと想像するんですが?

光吉 でも、その当時からすると“すごく入れられるようになった”という印象で。「今まで入れられなかったものが、この音質で入れられるようになった」というのはありましたね。あれは全部44.1kHzか何かにして出していたと思うんですけれども、1回(サンプリング)レートを落としてみたら、抜けが悪くて。筐体にツイーターが付いているんですけれども、やっぱり44.1kHzぐらいにしないと、抜けて聞こえてこないという話があって、そのまま出したんですよ。

大久保 MODEL2はFM音源も積んでたんでしたっけ?

光吉 全部サンプリング音源でしたね。


AC版「リッジレーサー」

大久保 「リッジレーサー」のSYSTEM22もサウンドボードは全部PCMでしたね。

――確か、テキストデータでサウンドデータを打ち込んでいたんですよね。

大久保 ナムコフォーマットと言われるMMLみたいなというかアセンブラに近いかな。低級言語で組まれていて、その分、好きなことができるというか、すごく自由で……プレイするたびにパラメーターが変わったりフレーズが変わったりというインタラクティブなことができていたんですよね。初代「リッジレーサー」の「Ridge racer」という細江さんがプログラムした曲データの中身を見ると、数式だらけで(笑)。解析するのが大変なんですよ。すごい組み方をしていて「細江さんすごいな……」って。

光吉 ナムコさんのは音がよかったですよね。うちのサウンドは「ナムコさんの音がいい」ってずっと言ってて。「どうやったらあんな音が出せるんだ」って言ってて、まったく違う方向に行っちゃったんだと思うんですけれど(笑)。同じような音を出そうとして、まったく違う方向に(笑)。

――各社それぞれ、志向している音が違うというか、その当時から面白かったです。全然音が違うというか、工夫もありきで……。聴いてる分には楽しいんですが(笑)。

光吉 オリジナルで音源チップを作っちゃう場合もありましたしね。たぶんセガでは「アフターバーナー」あたりまではカスタムチップだったと思います。FM音源部分はYAMAHAさんでしたが。で、MODEL1あたりから、カスタムチップじゃなくなっていったと思います。

――NAOMIあたりまではそれぞれが別のアーキテクチャーの上でゲームを作られてましたよね?

光吉 結局、ボードのスペックが上がってきて、特別に何かをしなきゃいけない、ということで出した音ではなくて、レコーディング技術さえあれば、共通の機材というかやり方でできるようになったという意味では、大久保さんもそうだとおもうんですけれども、現場的には、またすごく面白いことができるようになってきたよな、と思いますよね。



■ ロックサウンドの「Ridge racer」アレンジ

――さて、今回のコラボレーションですが、例えば、イベントで対バンじゃないですが、お互いの曲を演奏する、という話とかならやりやすいと思うんですが、こうして形に残す、というのは大変なことなんじゃないかと思うんですが?(一同苦笑)。

光吉 やっちゃえばいいじゃん、という感じですよね(笑)。

――光吉さんは過去にカプコンさんの「ストリートファイター」シリーズのトリビュートアルバムでボーカルを入れられていたりしましたよね? だから、コラボレーションもやりやすい、ということなのかな? と思ったんですが。

光吉 あの当時はセガが分社化していて、Hitmaker時代は比較的裁量が自由で、当時の社長である熊谷(美恵氏)がOKを出せばよかったんで。分社時代のほうがそういうところが緩かったですね。その分、責任は分社にかかってくるんですけれども。でも、今回の話に関連して言うと、うちのタイトルだと「スパロボ」だったり「アイドルマスター」だったり、いろいろコラボレーションをやってますよね。

大久保 これまでいくつかのコラボレーションがあって、「できそうだ」と社内的なムードが見えたんですね。「スパロボ」に「バーチャロン」が出たり、「アイドルマスター」の中に「Project DIVA」の曲が入っていたりとか。「うん、この流れこの流れ……今だっ!」みたいな感じで(笑)。

光吉 本当そうですね。それもあったんで今回、割と説明がしやすいところはあったのかなと思いますね。

――そして実際にコラボレートするとなって、「どういう方向でいこうか?」というのはお2人で打ち合わせなどされたんですか?

光吉 いや、もう大久保さんにお任せですね。

大久保 僕はとにかく「面白く」したかった(笑)。お客様として遊んでいた当時の思い出もありますし……当時の思い出の中では絶対に交わらなかったものなのに、こんなことになるなんて……的な。今回の曲を聴いてくれる人たちには、当然思い出として、「DAYTONA USA」のあの曲たちが頭に残っていると思ったので、それを、佐野さんと同じ発想なのかもしれませんけれども(笑)、光吉さんに「リッジレーサー!」って歌っていただけたら絶対面白いよなって(笑)、お祭り気分で。新曲を書くのもいいんですけれども、アーケードの「リッジレーサー」のタイトル曲でもある、あの「Ridge racer」を光吉さんが歌ってくださったら、タイトルの歴史的にもこんなに面白いことはないだろう」と思ったんで、「新曲とか作ってる場合じゃないこれは」って(一同笑)アレンジにしたんです。

――そのプランを聞いて、光吉さんはどう思われました?

光吉 僕的には、最初(曲を)書き下ろすのかと思っていたんですよ。でも、「実はアレンジです」って話をいただいて、アレンジされる楽曲が「Ridge racer」ということで、「DAYTONA USA」でいうところの「Let's Go Away」みたいな扱いの曲という認識だったので、「面白いな」と思って。実は、大久保さんからいただいたデモの曲を聞いたとき、どの曲か思い出せなくて、聴いているうちに「あの曲か!」って思い出して。最初のAメロはすごく覚えていたのですが、逆にレコーディングのときも苦労して申し訳なかったんですけれども、Bメロが思い出せなくて。

大久保 Bメロは新しく付けたんです(一同笑)。

光吉 そうですよね!(笑) 「あれ? 全然思い出せないな」って思ってたんですよ。

大久保 あれは、原曲のままの展開だと持たせきれないかなと思ったのと、「Let's Go Away」を意識して……Aメロの流れの中に、Bメロを挟んだんです。

光吉 Bメロは大久保さんのオリジナルなんですね。でもBメロがかっこいいんですよ。難しかったんですけれども、僕の中にないグルーブというか、フレーズで。人と仕事すると、こういう発見があって楽しいんですよ。自分だけでやっていると、それ以上のフレーズはなかなか出てこないんですけれども、こうして大久保さんとお仕事させていただくと、自分の中に絶対ないフレーズが出てきて。そのときは苦労するんですけれども、その後自分の糧になっていくという。なんていうんですか、人の中華なべに残った調味料を指ですくって舐めて「んまい! この味か!」みたいなね(笑)。洋楽っぽい感じになってますね。

――大久保さんがアレンジしたものを、光吉さんが歌う、という流れですね。

大久保 初代「リッジレーサー」のタイトル曲をアメリカンにアレンジにして、それを光吉さんに「お願いします」と歌っていただきました。

――レコーディングはどちらで?

大久保 日比野(則彦)さんのスタジオで……収録しました。

光吉 あのスタジオ、雰囲気いいですよね。

大久保 家庭的でいいスタジオでしたね。

光吉 そのとき、大久保さんがものすごく体調を崩されていて。大変でしたよね。

大久保 風邪ひいちゃって、体調悪かったので、スケジュールを後ろに調整していただきました。

――ちなみに、それはいつごろだったんですか?

光吉 桜が咲いてましたよね。目黒川の。4月の頭ぐらいだったと思います。

大久保 「RIDGE RACER NIGHT」の後の仕事ですね。

山崎 DLC用のデータ化のこともあるんで、とにかく早くレコーディングを終えてもらわないと、スケジュールが……ていう話をしていたと思います。

――けっこうタイトなスケジュールだったんですね。

大久保 構想は前からあったので、あれこれ悩んだりすることなく、完成するまではそれほど時間がかかってないですね。原曲がありますし、作る目標もほぼ決まってましたから。それで、急いでギターを録ったり、ベースを録ったりして。

――アレンジの方向性として、「リッジレーサー」と「DAYTONA USA」の要素をどこまでどう取り入れるかというのはすんなり決まったんですか?

大久保 シーケンサーの1トラック目に、「Let's Go Away」を貼るところから曲作りを始めました(一同笑)。それをちょこちょこ聴いたりして……ってやってましたね。

光吉 アレンジで行くって話を聴いてから、あれほどロックサウンドで行くって思ってなくて。大久保さんのイメージって「DJ」というか。ギターは入れてくるとしても、4つ打ちとまではいかないけれど、そっちよりかなと思っていたら、送られてきたデモが完全にギターサウンドだったので「おおーっ」って気合が入る感じでした。

――「こんなに『DAYTONA USA』寄り?」って不思議な体験をしました(笑)。

大久保 実は僕もロックが好きで、大学の頃はIRON MAIDENとか、Judas Priestとか、Metallicaのコピーバンドとかやってたんです。まぁ、それはそれなんですけど、「リッジレーサー」といえば、4つ打ちのイメージがあるじゃないですか。そこをあえて「DAYTONA USA」寄りにしたほうが、いろんな違和感があって面白いだろうなと。実際にやってみると「あれ?」ってなってニヤニヤするじゃないですか(一同笑)。

光吉 それは「おっ!」ってなりますよね。

大久保 言い方がこれでいいのかわかりませんが、フェイク感というか……、複雑な気持ちになるものも含めて、遊んでくれた人に「何やってんの?」って突っ込まれたほうが面白いかなと。

光吉 それは褒め言葉ですよね。僕も最近よく言われるんですけれど(笑)。「光吉さん何やってんすか? 何体操してるんすか?」って(笑)。それも褒め言葉だと思っていて。なので、今回の「DAYTONA×RIDGE」も、Twitterとかで「何やってんすか!」って突っ込まれるといいですよね。

大久保 それが目的ですね(笑)。

光吉 それが目的だと理解できたんで。だったらもうとことん、って感じですよね。

――いっぱい草(www)が生えていたほうがいいですよね(笑)。

光吉 いっぱい草が生えていたほうがいいですねー。非常に楽しみですね。

大久保 楽しみですね。配信が始まったときの声はすごく楽しみです。


■ ホーネット号も登場!

PS3/Xbox 360「DAYTONA USA」

光吉 そして、音の部分では僕と大久保さんですけれども、ちょっと前に弊社でもプレイステーション 3とXbox 360で「DAYTONA USA」の配信ができまして、そこから派生して「ホーネット」がPS Vitaの「RIDGE RACER」に登場するということで、さらにびっくりしてもらえると思うんですよ。

山崎 そうですね!

大久保 最初は予定に入ってなかったんですよね?

光吉 はい、最初は項目の1つ……みたいな(一同爆笑)「できたら、いいですよね〜」みたいなね。

山崎 うちの開発スタッフの間では「どうせやるなら、音以外の部分でも「面白い」コラボができたらいいな」っていう意見もあって、セガさんに1番最初にお伺いしたときにダメ元で「今回、ホーネット号を使わせていただくことはできますか?」ってお話をさせていただいたところ、ひょうたんからコマというか、その場では好意的に受け止めていただけたみたいで。

光吉 僕も山下(靖氏)にすぐにメールを送りまして。「どうですかねー」って話をしたら、意外とこっちも……。

山下 「どうですかね」っていうよりも「宇宙の意思によって決まりました」(一同笑)っていう感じで……。

光吉 そんな感じでしたっけ(一同爆笑)。

山下 「後は実行に際して……」みたいな話になってましたよ。

山崎 うちのマシンのモデリングを担当したスタッフが昔から「DAYTONA USA」のことが好きで、「当時のまんま(のホーネット)を出したい」ということで、外見についてはなるべくアレンジせずに再現することを目指して作りました。……で、マシンのモデルが完成したら今度は「ホーネットは4速ミッションじゃないとダメだ」ということで(一同笑)、急遽4速ミッションで再調整しまして。PS Vita版では4速ミッションのマシンが存在しなかったので、限られた時間の中で4速でもちゃんとバランスを取って走れるようにするっていうのはスケジュール的にも想定外だったものですから。でも、そのほうが「面白い」ですからね(笑)。

――動画で見ると、ホーネットの存在感がすごいです。

山下 2012年の「RIDGE RACER」の最新のマシンの中に、ポツンと15年以上前のマシンがいるという。しかも普通に競っているという(笑)。

――「Redstone Thunder Road」をホーネットが単体で走っていると、「DAYTONA USA」っぽくって違和感があまりないんですが、そこに「RIDGE RACER」のマシンが一緒に走っている状況になると、思わず突っ込みたくなっちゃうというか(笑)。

大久保 本当に出せてよかったです。ありがとうございます。

山崎 ありがとうございます。因みに「DAYTONA USA」のポスターやパッケージにあるホーネットのボンネットに描かれているマークの色って、ゲーム中に出てくるものと違うじゃないですか。

光吉 (笑)。

山崎 うちのスタッフが「ゲーム中のマークの色はこうですから。パブリシティ素材のマークの色とは違うんです」って(笑)。プレイしていただくファンの皆さんに喜んでいただけるように、細かいところまでこだわりました。

大久保 モデリングを担当したスタッフも、配信されたHD版の「DAYTONA USA」をダウンロード購入して、それを元に見ながら……、あと、昔の写真と比較したりとかして「ポスターなどのホーネットにはこれがあるけど、レース中のモデルにはない」とか。

山崎 デバッグチームから「(ホーネットの)タイヤが外側にはみ出ています」って指摘があったんですけれども「いやいや、これはセガサターン版ではなく、業務用版のホーネットですから」って(一同爆笑)。あと、「トンネルでライトが点灯しないんですけれど……」って指摘が来て「いやいや、ホーネットにはライトは装備されていないから」って説明したり(笑)。

――世代的に知らない人もいますよね(笑)。業務用は後輪が太かったりしてますよね。

山崎 当時の写真とかをデバッグチームに見せて「業務用のホーネットではこうなっています」って説明したり。制作工程も楽しかったです。あとは実際にプレイされるお客様が楽しんでいただければ。

――ホーネットのモデリングはいわゆる「目コピー」なんですか?

山崎 セガさんからMODEL2のホーネットのデータをお借りしまして、それをゲージに、極力再現、という方針でPS Vita用に新規作成しています。とはいえ、こちらの都合で新規にマフラーを付けさせていただきましたが……。

――ニトロの使用シーンで、「ここに付いてるのか!」って思いました。

山崎 PS Vitaのリッジでは、見えるところにマフラーが付いていないといろいろな意味で困りますんで(笑)。

光吉 あれ、カッコいいですよね!

――空も窓ガラスに映り込んでるんですよね?

山崎 映り込んでいます。空の映り込みがちゃんと目立つように、他のマシンに比べてボディへの映り込みを少なく設定してあって、逆に窓はテカテカという……当時の「DAYTONA USA」の思い出がフラッシュバックするように調整しています(笑)。

大久保 これをやりたかったんですよね。だって、きっとセガさんがこだわって作った部分ですから……。

山崎 我々としてもそこはリスペクトして。

山下 タイミングもよかったですよね。うちも去年「DAYTONA USA」をリリースさせていただきましたが、それまでは社内で「デ」の字もなかったですからね。

光吉 たまたま山下がダウンロードコンテンツを手がけていて、(お話を頂いて)僕はいの1番で山下に連絡して……話によるとかなり押しの強い感じだったらしいんですけれども(笑)。

――で、「OK」と(笑)。

山下 「面白いし」と(笑)。

光吉 曲もやりたかったんですけれども、山崎さんから頂いた、「ホーネットも出る」という部分が僕も絶対面白いな、と思って、無理言って山下にまとめてもらって。移植を担当したAM2研の移植チームも乗り気だったりしてましたよね?

山下 そうですね。「DAYTONA USA」移植を手掛け、同じ6月6日に発売する、「バーチャファイター5 ファイナルショーダウン」を担当しているAM2研の移植チーム(野良)は、こういう面白いことが大好きで。山崎さんにモデリングデータをお送りするときに、「一緒に参考になると思って、ペーパークラフトのデータも入れておきました」って(笑)。「参考になるのかなー?」って思ってましたが。

山崎 いやいや、大変参考になりました。ああいうのがあることが非常に助かるんですよ。再現するにあたってのネタがグッと広がりますので(笑)。

山下 あのHD版の「DAYTONA USA」がなかったら、「誰にこの話を聞けばいいの?」ということから始まっていたかもしれませんね。

光吉 確かにタイミングがよかったですね。

――逆に、あのHD版があってからのこのコラボレーションか? とも思いました。

大久保 PS Vitaで「RIDGE RACER」がリリースされた後、当時はDL配信用のBGMの作業とかをしながらHD版「DAYTONA USA」の配信開始記事を見て、「あ、出た!」と(一同笑)。「これはっ……」ということで、会社内のダウンロードコンテンツの案件をいろいろ考えた上で「やってみよう!」と。

山崎 自分は、今回のPS Vita「RIDGE RACER」の案件では、DLC関連のディレクターとして途中から関わっているんですけれども、入った途端に大久保のほうから「コラボがね……」って言われて、「何すか?」って。自身もセガさんのゲームとかゲームサウンドが大好きなので、「ぜひ、面白いネタは……」と思いまして。

大久保 社内も、もう「やる」ってことにして進めるぐらいのイメージで。

山崎 ということで、今回のコラボについても、DLC計画の割と初期段階からスケジュールに入ってました(笑)。スケジュール表にタスクバーだけは引いてあるんですけれども、締め切りが決まってない(笑)。

大久保 「セガさんコラボ」って書いてある行がずーっと引っ張ってあって。

山崎 わりといろんなところから突っ込まれましたけど(笑)。「この件なんですけど、いつ終わるんですか?」、「いや、待って」って(笑)。

光吉 本当は、「RIDGE RACER NIGHT」のときに曲ができてれば、僕が「RIDGE RACER NIGHT」に出て、生で歌うって流れでいけば美しかったんですけれどもね。

大久保 それも狙っていたんですけれどね……。あの会場に光吉さんが出て、「リッジレーサー!」って歌ったら、「こんなに面白いことはない」って(笑)。

光吉 「どよっ」とか「ザワっ」て感じですよね。

――いやいや、あの会場でそれがあったらヤバかったですよ! 「リッジレーサー」、「DAYTONA USA」リアル世代はもうヘロヘロだったんですから、それが入ったら大事ですよ!

大久保 実現したかったなぁ……。まぁいろんな都合で無理でしたけど。

――逆にそのおかげであの会場で生き延びられた気がしました。あの1日だけで「死ねる!」って思ったんで(笑)。あのイベントもファンの方々は相当体力的にきつかっただろうなって振り返ると思いましたし。[H.]のライブでも後半みんなヘロヘロですからね。「明日筋肉痛ってレベルじゃねえっ」ていう。もし実現していたら、みんなひっくり返ってると思います(笑)。

光吉 チャンスがあったら、大久保さんと2人であの曲をどこかでやれたらいいですね。Ustreamとかで。

大久保 僕、ギターとか弾けないんですけれども大丈夫ですかね……。

光吉 大丈夫っす!(笑) 佐野さんの番組とかでもいいですね(笑)。なんかどこかで演れたらな、と思います。

――どこかでまだ、「ありえない」っていう驚きがあるんですよね……。

光吉 それを言ったら先日の弊社とZUNTATAさんのコラボレーションもそうですよ。ありえないシリーズ第2弾ということで、今度はバンダイナムコさんとという……。

――変な言い方ですけれども、「長生きはするもんだ」って思いました(一同爆笑)。2、30年前の自分に言ってやりたいですもん(笑)。こういう出来事ってファンからしたらうれしいですよやっぱり……。

光吉 うれしいですよね。今回こういうお話があったので、次からまたやりやすくなると思うんですよ。タイミングだったり案件だったり細かいことはあると思うんですけれども。今後もいろいろ大久保さんたちと面白いことがやりたいなと。今度はこちらから提案することもあると思いますし。それの第1歩的な感じかなと。

――「リッジレーサー」は大久保さんはじめみなさんが「面白いことをやりたい」って今までもいろいろやってきた経緯があると思うんですが、「また1つ壁を壊したな」と感じますね……。

大久保 いつも「面白いことをやりたい!」って思っていて、それを言い出して、ちょっと面倒くさいことになって、それを越える喜びみたいなものがあるんですよ……(笑)。「RIDGE RACER NIGHT」もそうです。あれは「絶対おもしろい」って言い出しちゃって、なんだかんだ、大人の事情のいろいろな壁があったんですよ。それを越えていく面白さがあったりして。今回も言い出したものの、「できるのかこれ?」みたいなところから始まってて、前から是非、光吉さんと一緒にやりたい、と言っていたこともあったので、どうにか実現したいという一心でした。「デイトナ」と「リッジ」のファンだった自分が、夢を「ただ、かなえたい」という(笑)。

光吉 少年のままじゃないですか(一同笑)。

大久保 「アイドルに会いたい」みたいなことですよね。

――それができてしまうからすごいんですよね。

大久保 後は、みなさんが「ええー!Σ(´∀`;)」ってなってくれれば(笑)。

――これをきっかけにまた音でのコラボレーションなどもやれたらいいですよね?

大久保 そうですね。今回のも「やれた」というか「やっちゃった」んで(笑)。

光吉 やっちゃったんで(笑)。まだ言えないんですけれども、これからもいろいろありますので、お楽しみにしてください。

――楽しみにしてます! ありがとうございました。


【リッジレーサー】
(C)2011 NAMCO BANDAI Games Inc.
【DAYTONA USA】
(C) SEGA
DAYTONA(R) is a registered trademark of the International Speedway, Inc.
and licensed to International Speedway Corporation.

(2012年 5月 31日)

[Reported by 佐伯憲司]