ゲームポット、WIN「ウィローズ」運営・開発インタビュー
操作性を追求した横スクロールアクション。日本の声優の起用も約束
株式会社ゲームポットは12月9日、Windows用MMORPG「ウィローズ」のタイトル発表会に合わせて開発者への合同インタビューを実施した。
中国の古典「西遊記」の200年後を舞台にした2D横スクロールアクションと発表された本作は、韓国では「西遊記伝」として2010年5月から正式サービスが開始され、サービス開始1週間で訪問者40万人、同時接続数15,000人を達成したタイトルだという。12月16日から19日までの各日17時から22時まで「1stテスト ~サーバーを落とせ~」と題したクローズドβテスト(CBT)を実施予定で、公式サイトでは12月9日より募集人数制限なしでテスターを募集している。タイトル発表会の様子はこちらをご覧いただきたい。
インタビューに答えていただいたのは、同社のエンタテインメント事業部「ウィローズ」チームプロデューサーのKEMI氏、開発元であるNNG Labのプロジェクトマネージャーのウ・ジンヒョク氏、同じくNNG Labのプロジェクトマネージャーのジュ・ソンウン氏。
【スクリーンショット】 | ||
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日本でもおなじみの「西遊記」を基にした2D横スクロールアクションだという「ウィローズ」。東洋テイストの背景に2頭身のキャラクターが動きまわるゲームになるようだ。 |
■ 素早いアクションと展開を追究。英雄には日本の声優の起用も約束
ゲームポット、エンタテインメント事業部「ウィローズ」チームプロデューサーのKEMI氏 |
NNG Lab、プロジェクトマネージャーのジュ・ソンウン氏 |
NNG Lab、プロジェクトマネージャーのウ・ジンヒョク氏 |
Q: 韓国での開発状況は?
ジュ・ソンウン氏: 韓国では5月13日に正式サービスを始めて、それから日本でのサービスの準備をしてきた。ゲームポットから受けた多くの提案は、すでに韓国のサービスに適用されている。特に「英雄変化システム」では、カードシステムの大幅なリニューアルを実施して韓国のユーザーに好評を得ている。
冬のシーズンに向けては、大規模な人数で楽しめる要素や、マップの背景の更新、例えば雪の積もった村など、冬に合わせたイベントも多く考えている。
Q: アップデートの方針やコンセプトは?
ジュ氏: 現在ではレベル1から40までにコンテンツが集中していて、韓国では気づいたらレベルが上がっていたという評判が多かった。ある程度成長したレベル40以降は、皆で協力するパーティープレイやコミュニティを中心にしたコンテンツを考えている。
横スクロール方式のため、ゲームの面白さは操作性にある。いままでのMMORPGよりも楽しめる操作性を実装している。ゲームの核である英雄は、「三国志」などのセットによって馴染みのある英雄が追加されていく。
Q: 世界中の英雄が追加されるのでしょうか?
ジュ氏: その通り。中心は「三国志」など東洋の英雄たちだが、今後は西洋の英雄の実装も考えている。
Q: 変身キャラクターのコンセプトは?
ジュ氏: 変身できるキャラクターは、大きく分けて英雄とフィールド上の妖怪たちの2つある。英雄は、変身するとキャラクターの能力値が上乗せされるように上昇し、戦術的に必須になる。
妖怪への変身は、妖怪の能力値をそのまま持ってくるが、そのモンスターが持っている攻撃パターンや、飛行移動などといった特徴も使えるので、それらを活用して状況によって使い分けて欲しい。これは韓国のユーザーにも好評をいただいた。変身することでコレクションができる「妖怪百科」というコンテンツにも繋がっている。単純でつまらないプレイを防ぐために、今は様々な企画を繋げている状態。
Q: プロデューサーのNPCの登場について教えてください。
ジュ氏: 韓国では、ユーザーへ身近な意見を聞きたいのと、デザイナーの特徴を捉えたイラストが好評だったこともあって、開発スタッフのNPCを作って「開発者イベント」というのを行なっている。「ウィローズ」でもユーザーの意見を近くで感じたいということで、随時イベントなどを行なう「ケミPD」というNPCを入れることになった。
Q: 日本独自のキャラクター声優とは何でしょうか?
KEMI氏: 現在、英雄に声優とイラストレーターを起用しての日本のプロモーションを考えている。
Q: 声優とイラストレーター起用の具体名は決まっていますか?
KEMI氏: 今は決まっていないが、必ず入れると約束できる。
Q: ゲーム内のグラフィックスについて教えてください。
ウ・ジンヒョク氏: 背景のグラフィックスは、開発でも長く議論された点。パステル画と水墨画を合わせたような東洋風のテイストにすることで、他のゲームと差別化したかった。韓国のユーザーからも好評なので、ぜひ日本の皆様にも意見をお聞きしたい。
Q: セキュリティ面について教えてください。
ウ・ジンヒョク氏: 韓国の「西遊記伝」ではGameGuardを使用している。ゲーム内のオートマウス、チート、ハッキングなどについては、ゲームが単純なクリック操作ではないダイナミックなものなので、そういった行為がそもそも難しく、開発側ではこれらの不正行為の使用者を認識していない。セキュリティについてはいくら言っても足りないくらい重要なのは認識している。いつトラブルが起きても対応できる体制を整えたい。
Q: 今後の展開も含めた全体的なコンセプトを今一度教えてください。
ジュ氏: 素早いアクションとゲーム展開を追究して開発している。横スクロールアクションで感じられる楽しみ、キャラクターのかわいさなどといった要素を全て追求しつつ、また多様な遊びを作っていきたい。その1つとして、現在はPVPを考えている。
英雄だけではなく妖怪にも変身できるという「ウィローズ」。2頭身のキャラクターはかわいらしいビジュアルだ |
■ サーバーの安定度を検証するためのCBT「1stテスト ~サーバーを落とせ~」
Q: 「ウィローズ」という日本タイトルの由来について教えてください。
KEMI氏: 「ウィローズ」という名前を決める前は非常に悩んでいた。「西遊記伝」から「ウィローズ」に変えた理由は、実際にゲームをプレイしたところ、ゲームの中心は英雄にあり、それを最も上手く活かしたいと感じたので、英雄に関わるタイトルのほうがいいと思い、「ウィー・アー・ヒーローズ」、「我々が英雄」というところから取った。
水墨画や筆、墨といったものは昔から馴染みはあるが、慣れていなかったり、古いといったイメージもある。ターゲットとしている20代男性にはこれを格好よく見せようということで、ロゴを武田双龍氏に書いていただいたりといった展開になった。ティザーサイトでは書や筆というものが格好よく見せられていると思うので、ぜひそちらを見てほしい。
Q: 日本展開はどのように行なわれるのでしょうか?
KEMI氏: もちろん英雄にこだわってやっていきたい。声優とイラストを含め、英雄を中心にして、モバイルの展開や、WEBとゲームの連動システムなどを考えている。その中から収益モデルも出てくるだろうし、それによってユーザーに楽しみを提供できると思う。
Q: 運営プランは?
KEMI氏: 運営では、なるべく情報を公開していきたい。例えば運営ブログや公式ツイッターを活用することで、アップデートの際にユーザーはその報告しか見ることができないのではなく、どの部分に問題があって、どの部分を修正したかといった裏話的な要素を出していきたい。
例えばCBTは、日本ユーザーにとって先行体験という認識があるように感じられるが、我々はCBTは正式サービスに向けて安定したゲームの環境を整えるためのものだと思っている。そういった運営側や開発側の意図をしっかりと伝えられる運営をしていきたい。
Q: CBTの内容とその意図は?
KEMI氏: 「1stテスト」は、サーバーが1番大事だという考えのもとに行なう。ゲームは、安定したゲームの環境を提供する上に、楽しいゲームやコンテンツがあるとベスト。そのためには、まずサーバーが安定しているかどうかの検証が必要だった。
それは、サーバーがいくつか用意されているうちの1つだけを開いて、そこになるべく負荷をかける形になる。そうすると必ずサーバーになんらかの問題が発生するはずで、それを正式サービスまでに解決、修正した上でOBTであるファイナルテストに向かいたい。
1つのサーバーが制限人数まで増えたときに、もう1つのサーバーを開けて、そちらにユーザーを誘導し、前に開けていたサーバーを落とすというのを繰り返していく。プレイしているユーザーには大変迷惑がかかるが、その一時的なものよりも、持続的に安定した環境の提供が第一だと考えた。
Q: ティザーサイトについて教えてください。
KEMI氏: 自信を持って言えるが、本作のティザーサイトでは今までに見たことのないものになっている。遊べるサイトになっているので1度体験していただきたい。水墨画のようなビジュアルが嫌いというユーザーも必ず出てくるだろうが、そういったユーザーに向けても、なるべく慣れてもらえるようなものを作った。ティザーサイトで墨や筆を見せつつ、ゲームにすんなり入っていけるようなもので、全てのページでそれらのイメージを基にして制作している。ぜひティザーサイトは体験していただきたい。
Q: 最後に日本のユーザーに向けて一言お願いします。
ウ・ジンヒョク氏: 本当に多くの準備をしたし、現在もしている。まだ100%完成品とは言い切れないが、日本向けのゲームとして送り出せる状況を整えていきたい。
ジュ氏: 「ウィローズ」はたくさんのコンテンツを用意してきた。これから日本の公開になるが、たくさん遊んでいただいて、意見をいただきたい。意見や期待に応えられるように、開発会社でも一生懸命努力していきたい。
KEMI氏: やってみて本当に楽しいと思ったゲーム。プロモーションなど、まだ完成されていないところはたくさんあると思うが、ゲームは必ず楽しめるもの。開発会社は努力派なので、一緒にいいゲームを作っていきたい。
会場には武田双龍氏直筆だというタイトルロゴが登場。書の力強さはゲームのコンセプトと一致する | KEMI氏が「単純にサーバーを開けて楽しんでもらうことにはならない」と話す「1stテスト」は、サーバーに負荷をかけるためという一風変わったCBT |
(c)2009 NNG Lab Co., Ltd. All Rights Reserved.2010 Licensed By CJ Internet, Corp.Published By Gamepot, Inc.
http://www.gamepot.co.jp/
□「ウィローズ」のページ
http://www.weros.jp/
(2010年 12月 15日)