【本日発売!】セガ、DS「歴史大戦ゲッテンカ 天下一バトルロイヤル」
体験プレイ&開発者インタビュー!


11月18日収録

場所:セガ本社

 

 11月25日、株式会社セガはニンテンドーDS用バトルアクション「歴史大戦ゲッテンカ 天下一バトルロイヤル」(以下、本作)を発売した。本作は、アーケードで稼働中の超速カードバトル「歴史大戦ゲッテンカ」(以下、アーケード版)を題材にしながら、複数のキャラクターが入り乱れてバトルロイヤル形式で戦う、バトルアクションというシリーズの新たなジャンルとして登場した。

 今回、編集部では発売直前の本作を、1時間程度体験プレイするとともに、本作のプロデューサー、渡邉氏にインタビューする機会を得ることができた。本稿では、体験プレイしてわかったゲーム内容の詳細と、インタビューからわかった本作の魅力についてレポートしていきたい。



■ 4つのゲームモードの内容について詳しく紹介

 本作のゲームモードは大きく分けて4つ。1人でプレイしながらストーリーを楽しめる「天下布武」、4人までのプレーヤーで対戦を行なえる「フリーバトル」、アーケード版やホームページなどで発表されるパスワードを入力することでカードをゲットできる「アーケードくじ」、現在所持しているカードのイラストや情報を確認できる「カードライブラリー」となっている。ここからは、1人でストーリーを楽しみながらカードを集めていく「天下布武」モードのゲームの流れと、バトルアクションがどのような内容になっているかを中心に、そのほかのモードについても紹介していこう。

■ 楽しみながら歴史上にあった出来事を学べる「天下布武」モード

まずは、どのストーリーを遊ぶか選ぼう。実際の史実に基づきゲッテンカの世界観にあわせたストーリーが展開される

 本作のストーリーモードの「天下布武」では、歴史上で実際にあった出来事をモチーフにしたストーリーが展開される。まずはフィールドマップ上を移動しながらイベントで戦いが起こった背景を知っていこう。フィールドマップ上のマスにはバトルが発生する合戦場のマスのほか、イベントが起きたりアイテムを入手できるマスも用意されている。

 合戦上のマスを選ぶとバトルの準備が開始となる。持っているカードの中からキャラカード、武器カード、アイテムカードを選択してデッキを作成しよう。最初は持っているカードの種類は少ないが、「天下布武」でストーリーを進めていく中で新しいカードを入手できるようになっている。新しいカードを手に入れたら、ここでデッキを変更してどんなカードか試してみよう。


イベントシーンでは、主要な登場人物たちによる会話が展開される下に表示されているのがフィールドマップ。足軽がいるマスを選択するとバトルの準備となるバトル前に、3種類のカードを使ってデッキを組もう。ここで、キャラクターの能力や必殺技が決まる

 デッキを作ったら、いよいよバトル開始。バトルはサイドビューで表示されるマップの中を、4人までのキャラクターが入り乱れて戦うアクションゲーム。基本的には、自分以外のすべてのキャラクターは敵となるが、「天下布武」モード中には、味方キャラクターとともに2対2のチームで戦う場合もある。

 バトルモードでの操作についても説明しよう。十字ボタンの左右でキャラクターを左右に移動させることができ、Bボタンでジャンプ、Aボタンでキャラクター固有技を使用できる。攻撃は弱攻撃がYボタン、強攻撃がXボタン。弱攻撃は連打することができ、敵に連続して攻撃を当てるとコンボが発生し、大ダメージを与えることができる。強攻撃は弱攻撃よりもスキが大きいものの、その分威力も大きくなっている。さらにXボタンを押し続けることでチャージ攻撃を出すことが可能だ。チャージ攻撃は、ダメージを与えるだけでなくほかのキャラクターが持っているR(RUSH)玉を吐き出させることができる。

 そのほかに、装備している武器カード、アイテムカードの必殺技の名前と残りの使用回数が下画面に表示されている。必殺技を使うには、下画面を直接タッチすればいい。そのほか、時折現われるレキシ仙人がバラまくR(RUSH)玉をとることで、下画面中央のRUSHゲージがたまっていき、RUSHゲージが満タンになるとラッシュが自動的に発動する。

 ラッシュ画面では下画面に表示されたカードの数字をつなげていき、撃ボタンを押すことで、ラッシュに必要なポイントであるラッシュ数を貯めることができる。制限時間に規定のラッシュ数に到達すると、奥義が発動し、他のキャラクターのポイントを1ずつ奪うことができる。

上画面でキャラクター同士のバトルが行なわれ、下画面にはキャラクターのステータスやRUSHゲージ、必殺技の残り回数が表示されるバナナソードの必殺技“そんなバナナ”。一定時間、攻撃力が大幅にアップする上に、キャラクターが巨大化するので、攻撃が当てやすくなるR(RUSH)玉を集めてRUSHゲージを貯めると、ラッシュに突入。上画面に書かれた分のポイントを集めるとキャラクター固有の奥義が発動する

 このように戦っていき、一定時間が経つと戦闘終了となる。戦いながらほかのキャラクターのを倒すことでポイントを稼ぐいで、戦闘後のリザルト画面で、もっとも多くのポイントを持っていると勝利となり、ストーリーを進めることが可能だ。

 このようにして戦闘を進めていき、最後に待ち構えるボスを倒すと1話が終了、次のストーリーを選択できるようになる。

戦国最大の逆転劇といわれる“桶狭間の戦い”も再現! ストーリーを楽しみながら、実際の歴史で起こった出来事を知ることができる敵よりも多くのポイントを集めるとバトルに勝利できる。ポイントが同点の場合は、サドンデスに突入、生き残ったキャラクターが勝者となるバトルに勝利すると、新しいカードが手に入ることもある。早速手に入れたカードをデッキに組み込んでみよう

 「天下布武」モードの序盤をプレイして感じたのは、バトルがテンポよく進むことと、バトルロイヤルゆえに、立ち回りや位置取りが重要だということ。集中攻撃を受けないようにするためには、ほかのキャラクターから攻撃を受けないような位置取りを心がける必要があるが、人がいないところで安全に過ごしているだけでは、ポイントを稼ぐことができない。バトル中に時折現われるレキシ仙人の投げるアイテムをうまく集めて奥義を発動させるなど、マップ全体の状況を判断することが大事になりそうだ。



■ 4人までのプレーヤーで対戦できる「フリーバトル」

 「フリーバトル」では4人までのプレーヤー同士でバトルロイヤル形式の対戦ができる。人数が少ないときはCOMを参加させることもできるほか、COMの強さやマップ、タイム設定のほか、使用するカードを指定することも可能だ。

 さらにダウンロードプレイにも対応しており、本作のソフトが1本あれば、友達と4人対戦プレイを楽しむこともできる。ダウンロードプレイでの対戦の場合は、各カード4枚ずつ、12枚でデッキを組むことになる。カスタマイズの部分では限定はされているが、友達とバトルアクション部分の面白さを手軽に楽しみたいときは、嬉しい要素となりそうだ。

■ 「カードライブラリー」ではカードの細かい情報を確認できる

 「カードライブラリー」では現在所持しているカードの情報を見ることが可能だ。単純に能力を確認できるほか、カードイラストを楽しんだり、キャラカードの武将に関する解説を読むこともできる。解説では、武将の本名や生きていた期間、どんな武将だったかも記載されているので、気になる武将については調べてみるといいだろう。

■ パスワードを入力することでカードを手に入れられる「アーケードくじ」

 「アーケードくじ」では、アーケード版をプレイ後に表示されるパスワードや、ホームぺージで公開されるパスワードを入力することで、カードを入手することができる。

「フリーバトル」では、ひたすらバトルロイヤルが楽しめる。複数の相手から攻撃を受けないように注意しつつ、逆転を狙っていきたい武将キャラクターの解説も見ることができる「カードライブラリー」。ゲームで楽しむだけではなく、実際の歴史について詳しくなれるのも「ゲッテンカ」の魅力だ。「アーケードくじ」では手軽にカードをゲットできる。アーケード版をプレイするときは、即座にDSにパスワードを入力できるように、DSを持っていこう




■ 「ゲッテンカ」で子供たちに歴史を好きになってほしい!
  渡邉プロデューサーインタビュー

株式会社セガの「歴史大戦ゲッテンカ 天下一バトルロイヤル」プロデューサー、渡邉正勝氏

 体験プレイ後には、本作のプロデューサーである株式会社セガの渡邉正勝氏にインタビューを慣行。プレイ後に感じた疑問から、DS版ならでは魅力や今後の「ゲッテンカ」についても答えていただいた。

――アーケード版「歴史大戦ゲッテンカ」はカードゲームですが、ニンテンドーDSへとハードを変える中でアクションゲームにしようと思ったきっかけや狙いはどこになりますか?

渡邉正勝氏: これはアーケード版、DS版に限らず一貫したことなのですが「ゲームの本当の面白さを子供達を伝えたい」というのが「ゲッテンカ」プロジェクトの目的になっています。アーケード版を立ち上げたときは「カードゲームの本当の面白さを子供達に伝えたい」というのがありました。自分なりの戦略を立てて、どうやって相手に勝っていこうかとか、ピンチになったらどうやって切り抜けようとかを考えながらデッキを組むというカードゲームの“濃い”部分がありますよね。その濃い部分を子供達に手軽に楽しんでもらいたくて、アーケード版を開発しました。

 DS版を作るにあたっては、子供に人気のあるジャンルのアクションゲームでゲッテンカらしいものが作れないかと考えていたんです。ディレクターを始め、開発チームと色々悩んだ結果、ゲッテンカの濃い部分であるデッキを組むというカスタマイズ的な要素を融合させたら、アーケード版のゲッテンカの良さも活かせるし、今までにない知力でも勝てる面白いアクションゲームができるのでは思ったんです。

 アーケードでは実際に武将を動かして遊べない分を、家ではアクションで武将を実際に動かしたいという声も多かったので、それをDS版でかなえてあげよう、というところもありましたね。

――DS版では、カード自体の集め方などはどういう風に落としこまれたのでしょうか?

渡邉氏: 「三国志大戦」のDS版である「三国志大戦・天」など、DSでカードゲームを開発しており、そのノウハウを生かしています。ゲッテンカのDS版では「天下布武」というストーリーモードを用意して、アーケードではできなかった戦国時代に実際にあったドラマの部分を伝えることと、そこでうまくカードを集めてもらおうと考えました。基本的にカードを集めるのは、「天下布武」ですので、出てくる敵に合わせてデッキが組みやすいようにカードを出しています。もちろん、ユーザーがゲームに慣れていくにつれて、デッキが組みやすくなるような仕組みも入れてあります。

 レア度が高いものは、もちろん、何回かプレイしてもらわないといけません(笑)ただ、ゲームはさくっと遊べるアクションで何度も遊びやすくなっていますから、そんなに苦労しないと思います。また、アーケード版とのパスワード連動とかもありますから、そちらでいち早く手に入れられるものもあります。

――「天下布武」は大体どれくらいのプレイ時間を想定していますか?

渡邉氏: 普通にプレイして大体20時間くらいですね。プレイしていただく方々によって差はあると思いますが、結構のボリュームを用意しました。

――アクションゲームにするにあたって、バトルロイヤルという形になっているのですが、武器の優劣とかアイテムとか必殺技のバランス調整というか……。カードでは3すくみがあったりしますが、近距離型と遠距離型、中距離型など武装の種類的にDS版はもっと多くなっています。このあたりのバランスどりは、どのようになっていますか? それぞれの特性があって、キャラクターづけがされているな、と感じたのですが

渡邉氏: 特性やキャラクターづけを感じていただけたのはうれしいです(笑)。バランス取りは開発チーム一同でやっていましたね。武器の系統毎にパターンを作って、個々に特徴を出すしていくというような形でやりました。とにかく何回もプレイをしてバランスを取りました。

 「ゲッテンカ」は操作のテクニック以外にもカスタマイズすることによって、デッキを組むという知能戦のところで勝てるというのも、今回のDS版のウリですから、そのあたりをうまく表現しつつ、後はバランスというか、能力的に突出しないようにしつつ、かつ特徴が出るようにしていく……という作業を何回もチームでやりました。とにかくプレイするしかないです。本当ギリギリまで調整していました(笑)。ゲームシステム自体は早く出来ていたので、このバランス調整には時間を割くことができましたね。

――ちなみに開発期間はどれくらいかかっていますか?

渡邉氏: アーケード版が稼働したのは、去年の11月ごろなんですが、それより前に立ち上げをしています。最初は「アクションにしよう」というコンセプトはなくて、「DSを作って外でも家でもゲッテンカを楽しんでもらおう」というものだけでしたけどね。アーケード版の開発している上でゲーム内容だけでなく、プロジェクト全体の計画を立てているときに「DS版はこのタイミング、2010年冬に出そう」というのは決めていました。という感じでプロジェクトが動き出して、本格的に開発が動き出したのは2010年になってからですね。

――その開発期間の中で、バランス調整というのは半分いくかいかないかぐらいですか?

渡邉氏: 企画・立案のところが1番時間かかるんですが、本格的に動き出してからの期間だけで考えると、半分以上は使っているかもしれませんね。あっ、バランス調整しながらシステムも直したりしているので、半分はいいすぎかもしれません(笑)

――結構かけられているんですね

渡邉氏: 開発中に「もうできているじゃないですか」「いやいや、まだまだ!」というやりとりを何回もやりました(笑)。

――コンシューマーもアーケードもバランス調整に時間がとれなくなってきていると思うのですが……納期的な意味も含めていろいろな事情で。

渡邉氏: 実際、冬、できれば11月に出そうということは、ずっと前から決まっていたんで、それを守りつつ、ゲームとして面白いものを出すというのは大変でした。スタッフにはスゴイ苦労をかけてしましましたね。ただ、このスケジュール通り出す自信はスタッフ一同持っていたので、私としては安心していました。

 元々セガにはいろいろな制作ノウハウがあります。カードゲームだけでなく、アクションゲーム、RPG、クイズゲームなど幅広いジャンルの制作ノウハウがあります。もちろん、対戦アクションのノウハウもあります。こういった社内のノウハウは本当に助かります。ある意味、土台はあるといってもいいかもしれませんね。この山を登るには、この道筋でいけばいいというみたいなものは見えている……といっても、実際に山を登ってみるとスゴク大変なんですけどね(笑)。

――4人まで同時にDSでプレイできるところまで来ると、ハードウェアスペック的には結構厳しいんじゃないかなと思うのですが……。

渡邉氏: きっぱりといいますが、そのとおりです(笑)。

――実際DSで作ってみて、ここまでいけるだろうという枠組みで作り始めると意外と大変だった、という話はよく聞くのですが……

渡邉氏: 技術的にいけるだろうという枠組みより、4人で対戦させたいという企画があって、さらにカスタマイズもさせたい。この面白さを実現するにはどうしようか? というところからスタートしています。その上で、カスタマイズを楽しむには3Dモデルにする必要がある。しかも4体表示する。最初は不安なところも正直ありましたが、実際に4体のモデルが出たときには驚くとともに、スタッフの面白さの追求する心には頭が下がりましたね。

 技術的な詳しいことは具体的にはわかりませんが、DSで出せる普通に出せる限界の倍出せるようにシステムを組んでいます。このシステムができたおかげで、一気に企画内容が進んだ感じはありますね。

――先ほどの構想の話からすると、この「ゲッテンカ」という素材で、もっと他にいろいろできそうじゃないですか。このDS版は全体の構想の中で2個目のステップみたいな形なんですか?

渡邉氏: そうですね。今のタイミングでちょうどDS版が発売されるのは、今後の世界観の広がりや展開から考えると、いいタイミングかな、と思っています。DS版が戦国武将達を良い形でまとめてくれたという感じです。

 これをステップとして次どういった展開があうかというのは、特典として(サンライズ)龍馬のカードがついているので、次の展開が大体みなさん想像つくのかなと思います。 “歴史”がついているのでわりと自由度は高い展開ができるのがゲッテンカの強みです。

――アーケード版からの話になりますが、イラストのテイストや、歴史ものというカテゴリーなど、どのあたりのユーザー層を狙っていたのですか?

渡邉氏: イラストのテイストについては、実際キッズで親子で遊んでいる風景が見られるので、そのお父さん、お母さんの大人の方々にも突き刺さるイラストにしたいというのがありました。このイラストをきっかけにゲームの世界観をわかってもらいたい、親子でゲームを遊んでもらいたいとのが狙いでした。小学校では5、6年から歴史を学ぶので、ターゲットとしていた3、4年生には歴史という題材は少し早いんですが、ゲームの面白さには自信があったので、ゲームそのものは子供達には受け入れてもらえるだろうと思っていました。

 その子供のプレイやデッキを組んでいる姿をみて、お父さんとかが「信長には火縄銃がいいと思うよ」と言うと、子供のほうは「なんで?」と聞くと思うんです。で、お父さんは「信長は鉄砲をつかって戦を勝ち抜いたというエピソードがあるんだよ」と説明できる。こういったゲームを通じて親子でのコミュニケーションをとってもらいたいというのが狙いです。これを実現するため、親の世代に受け入れられるテイストのイラストで、かつ誰もが知っている戦国武将をキャラにしました。

――狙い通りお客さんにリーチしているな、と思うのですが?

渡邉氏: うれしいことに、実際、イラストをきっかけにゲームを始めましたという声が幅広い年齢層から多数きているので、うまくリーチしたかなと思います。

――細かい話になるのですが、武将と武器とアイテムのカードがあって、武将はHPとか攻撃力や防御力、武器は攻撃方法に関係するとして、アイテムはどのような要素になるのでしょうか?

渡邉氏: DS版のアイテムは防御力だけでなく、「HP10%増し」といった補助効果があるものがあります。アイテムの使い方も、戦略的に重要ですね。

――この武将には、この武器とこのアイテムだよね! といったセット効果的なものはありますか?

渡邉氏: キャラクターによってなじみのある武器というのはありますが、それが絶対強い、という設計にはしていません。相手の組み合わせを見て、こっちの組み合わせを変えるというカスタマイズの面白さ、デッキの読み合いを楽しめるように作っています。このカスタマイズのプラス要素として、アーケードでもDSでもレジェンド化というものを付けています。

――レジェンド化することで見た目は変わるけれども、性能的に突出するというわけではない?

渡邉氏: 性能的に突出することは特にはない…はずです(笑)。実際「レジェンド化したほうが強い」ってアーケード版でも言われていますし、DS版でも……真実は皆さんの目で確かめてください(笑)。

――レジェンド化することで強くなる部分はあるけれども、他の部分で弱くなる、といった形ですか?

渡邉氏: 実際にデッキを組むことによって性能が全部上がることが理想だとは思いますが、なかなかそうはさせないバランスにしています。そこはデッキが勝敗を左右するというつくりにしています。

――十字ボタンと攻撃ボタンの組み合わせでいろいろな攻撃が出ますが、こういった操作をすると面白い、といったものはありますか?

渡邉氏: 武器の系統によっては連続突きとか特殊な操作があって、あとはキャラクターごとにキャラ固有技というのを持っていますので、そのあたりを楽しんでもらえると思います。また、DSのキャラにも実はアーケード版と同じくキャラタイプが設定されています。奥義を決めるときも、ファイヤータイプでファイヤーカードを使うとボーナスが入るといった設定があります。こういった情報は、ぜひお友達と情報を交換しあってもらえればと思います。

――アーケード版プレーヤーに対して、「DS版のこういういいところがあるよ」という点や、逆にDS版から入る人にはDS版で世界観などに慣れた後、「アーケード版をやるとこういういいところがあるよ」といった要素はありますか?

渡邉氏: アーケード版を遊んでくださっている方々には、「天下布武」でストーリーを楽しんでいただいて、カードでは語り切れていない部分に触れてもらい、よりキャラを好きになってほしいですね。また、「戦国時代には実際にこんなことがあったんだ」というところも感じてほしいなと思います。あと、自分がカードで遊んでいた武将が十字ボタンで操作できるというのは楽しいと思うので、そこも楽しんでいただければと思います。

 DS版をきっかけに「ゲッテンカ」を始めた人は、ゲッテンカの世界観を楽しんでいただきつつ、戦国武将の以外な一面を発見してもらいたいですね。そこからさらにデッキをカスタマイズする遊びがあるので、実際にリアルなカードを手にとってもらってアーケード版で楽しんでもらえればと思います。特に透明な3枚のカードを重ねるという驚きをぜひ、味わってほしいです。

左からキャラカード、武器カード、アイテムカード、3枚を重ねたデッキ。武器とアイテムを変えることで、同じキャラクターでもさまざまな攻撃手段をとることができる

――対戦についてなのですが、ダウンロードプレイができて、1台あれば4人までできるようになっていますが、これを作る際に苦労した点等はありますか?

渡邉氏: 技術的にはあまり苦労することはなかったようですね。ダウンロードプレイは1本あれば友達を誘いやすいということで導入しました。容量の関係でダウンロードプレイでは全部のアイテムを使わせることはできないので、使えるカードを選抜というか、「ゲッテンカ」の面白さをわかりやすく味わってもらうにはどのカードを選んだらいいのかは悩みましたね。

 ノブナガはすぐ決まったのですが、「ノブナガを入れたなら、このキャラを入れないとダメだよね」とか、タイプが偏らないようにとか、結構悩みましたね。ダウンロードプレイだけでも何回でも遊べるのを目標として選んでいきました。

――各自が1本ずつ持っていると、自分の装備の中から選べるようになっていますか?

渡邉氏: そうですね。自分のデッキを使えます。「そのアイテムどこで手に入れたの?」、「ストーリーモードのあそこだよ」とか、コミュニケーションをとりつつ楽しんでもらいたいですね。

――普通のフリーバトルモードのときは、それぞれのROMの進行度の中のカードのみで戦うわけですか?

渡邉氏: そうですね。

――ストーリーモードは全部で20時間くらいとのことでしたが、全部のカードを集めるのには大体何時間くらいかかりそうですか?

渡邉氏: 人それぞれですね。コンプリートしたときに達成感を感じられるちょうど良い時間に設計はしてあります。デッキを組んで戦うことが一番の楽しさなので、ストーリーモードを1話ずつクリアしていけば、必要なカードはすぐに集まるようになっています。レアリティが高い、レジェンド化する武器などは出にくくなっていますが、それがないから対戦に勝てないということはありません。そのようにカードが集められるような設計になっています。

――タッチスクリーンを使う要素が、奥義発動時の「ラッシュ」と「ど根性ゲージ」になるかと思うのですが、このほかに何かありますか?

渡邉氏: あとは必殺技が、タッチ1つで簡単に出せるようにしています。それ以外は基本ボタン操作ですね。

――アーケード版ではボタンを順番に押したり、ボタン連打だったと思うのですが、それをあえてタッチスクリーン操作にしたのには何か理由がありますか?

渡邉氏: 「DSだから」というところが1番大きいですね。簡単に操作ができるアクションゲームという目標もあったので。シンプルに遊べる操作系を追求した結果です。

――カードゲームだとスターターデッキみたいなものがありますが、これからDSから入るユーザーさん向けに、このキャラだとこういうセットがオススメ! といったものはありますか?

渡邉氏: そういう意味では、最初に持っているカードが遊びやすいカードですね。個人的には弓が好きなので、弓を生かすデッキをおすすめしたいのですが、人それぞれプレイスタイルがあるので本当のオススメにはなってないと思います。逆にオススメがないのがウリなので、いろいろ試して、思わず他人に勧めたくなるデッキを探してもらえればと思います。

――刀は割と初心者向きというか、わかりやすいように感じましたが、どうでしょうか?

渡邉氏: たしかに刀はわかりやすいですよね。武器としてもポピュラーですし。敵に突っ込むと逆にやられちゃったりするときもあります。このへんもわかりやすいですよね(笑)

――遊ぶ前はカード的な深い要素があったりして、操作がシンプルな分、デッキを組むのが難しいのかなと思っていましたが?

渡邉氏: アクションゲームの部分は敷居は低くなっているのですぐに直感的に遊べると思います。アクションで戦って戦闘を積んでいった中で、さらに勝ちたい!というときにデッキの組み方が効いてくる。デッキの組み方はストーリーモードをやっていく中で自然と学べるようには作っていますので、難しさは感じないと思います。

 あとは、アーケード版のあるところに行けばDS版で遊んでいる人もいると思うので、思い切って聞いてもらえればと思います。「ゲッテンカ」に関してはアーケード版というコミュニティの土壌もありますので、そこも活用してもらえるとうれしいですね。

――アーケードくじというのは、どういった要素になるのでしょうか?

渡邉氏: パスワードでの連動です。アーケード版でクリアすると、「DSで入れてね!」というパスワードが出るんですね。それをDSで入力するとカードが手に入ります。逆にDS版をクリアすると出てくるパスワードをアーケードで入力すると、シークレットな敵と戦える、という要素も用意しています。

――先ほどの質問と重なりますが、今後の「ゲッテンカ」ワールドはどういったものを予定していますか?

渡邉氏: 「ゲッテンカ」は「歴史大戦」というタイトルが頭についてますので、サンライズ龍馬(坂本龍馬)、DS版オリジナルキャラの浅井三姉妹のプリンセス江(江姫)、メルヘン初(初姫)だけでなく、歴史的に有名で皆が知っている人はどんどん出していこうかなと思っています。とにかく歴史上の人物を楽しんでもらいたいと思っているところもあるので、こういう広がりを考えています。アーケードの開発も進んでいますが、「サンライズ龍馬」あたりから、今後どうなっていくのかは想像していただけるんじゃないかと思います。 それと、世界観的な広がりではないですが、発売日に公式モバイルページも公開されます。壁紙なども手に入るように作っていますので、イラスト好きの人には訪れてみてほしいです。

――そういえば、先ほどプレイしたときに気づいたのですが、DS版ではペリーもいますね。ペリーはどういう条件で使えるようになりますか?

渡邉氏: 今のところは秘密です(笑)

――個人的には鎌倉時代あたりに行って、源義経とかも期待したいですが……

渡邉氏: そのへんも将来的には考えたいと思います。まずは龍馬からですね。龍馬には色々な人物が関わっていますから、そこから順序よく出せていければと思います。イラストもご期待ください。「ゲッテンカ」ならではのものをお届けできるかと思います。

――なかなか、イラストも面白いですよね(笑)

渡邉氏: キャラデザインはその人物のエピソードを元に作り上げています。石田三成はがお腹が弱かったというエピソードがあるから、このように腹巻きをしていたりと、イラストには各武将のエピソードがちりばめられています。

――実際のエピソードを記号化しているわけですね?

渡邉氏: そうですね。「なんでこれ持ってるの?」といったことはエピソードを読むとわかるようになっていますし、DS版でもストーリーモードをやるとわかるようになっています。

【反逆の明智】【タヌキ家康】【エリート三成】
【蘭丸】【甲斐虎シンゲン】【越後龍ケンシン】
実際のエピソードをもとにディフォルメ化された武将たち。戦国時代の武将のファンならば、彼らの持っているアイテムや服装を見てニヤリとさせられることだろう

――DSオリジナルキャラの江姫と初は、やはり来年のドラマなどにも関連しての登場ということになったのかと思いますが、そういった流行のようなものはすぐに対応できるような体制になっているのですか?

渡邉氏: 面白いと思ったら、すぐに動いちゃいますね。

――そのあたりのフットワークは軽いと?

渡邉氏: 私の部署では「三国志大戦」、「WCCF」、「Answer×Answer」最近では「戦国大戦」と常にイベントなどを運営していくアーケードゲームが何本も動いており、土壌的にはフットワークは軽いと思います。

――それでは、最後に楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします。

渡邉氏: アーケード版を楽しんでいただいている方にはDSで武将たちを実際に動かして遊べる、新しいカスタマイズ、デッキを組むという遊びを楽しんでもらいたいと思います。ストーリーモードもあるので、アーケードではなかなか知ることのできなかった武将のエピソードやドラマも楽しんでもらえればと思います。

 DS版をきっかけに「ゲッテンカ」を遊んでくれる方に関しては、アクションバトルの面白さをまず楽しんでください。そして、そこでカスタマイズの面白さも味わってもらえればと思います。また、カードライブラリーなどで「日本には昔、戦国時代に面白い人たちがいたんだな」「この武将にはこんなエピソードがあったんだ」ということを知って貰えればと思います。また、実際のカードで遊びたくなったら、アーケード版をプレイしてもらえたらと思います。

 DS版、アーケード版、問わず子供達には歴史の面白さをこのゲームで感じとってもらって、将来に役立ててもらえれば嬉しいですね。「ゲッテンカ」で歴史が好きになった、という子供たちが出てきてくれるとうれしいです。

――本日はお忙しいところ、ありがとうございました。


(C)SEGA

(2010年 11月 25日)

[Reported by 菅原哲二]