「Halo: Reach」開発者インタビューおよび先行体験会を開催
襲い来る敵軍を惑星リーチで阻止せよ! チームの絆を描くシリーズ最新作


8月24日収録

会場:マイクロソフト代田橋オフィス


  マイクロソフト株式会社は8月20日、東京・代田橋オフィスにてXbox 360向けFPS「Halo: Reach」の開発者インタビューおよび先行体験会を開催した。イベントでは開発元の米Bungieからマルチプレーヤーのプロデューサーを務めるデイビッド アレン氏、キャンペーンデザイン担当のクリス オブダール氏が来日し、説明を行なった。

 「Halo: Reach」は9月15日に発売を予定しており、価格は通常版は7,140円、設定資料やゲーム内に登場するエンブレム、ゲーム内アイテムなどが同梱された「リミテッド エディション」が8,610円、マクファーレン トイズのフィギュアが付属する「レジェンダリー エディション」が16,590円となっている。さらにゲームソフトと限定デザインのXbox 360 250GBをセットにした「Xbox 360 Halo: Reachリミテッドエディション」を39,800円で発売する。会場では、これらのパッケージも見ることができた。

 今回の体験会では、キャンペーンモードの「ナイトフォール」、そしてマルチプレイの「ファイアファイト」、さらにステージを自由に作ることができる「フォージ」を体験でき、さらにアレン氏、オブダール氏の作品への思いを聞くことができた。

会場に展示されていた「レジェンダリー エディション」と「リミテッド エディション」。ノーブルチームの5人のフィギュアや、スパルタン開発に関する極秘資料が同梱される
こちらは、「Xbox 360 Halo: Reachリミテッドエディション」。これまで無かったシルバーのXbox 360だ。トレイの空く音がシールドの回復音だったり、スイッチを入れるとオーバーシールドの音が鳴ったりと、細かいところまでゲーム仕様になっている



■ 6人のスパルタン特殊部隊が侵攻してくるコヴナントに立ち向かう。圧倒的な敵の前に彼等の運命は?

開発元のBungieで、マルチプレーヤーのプロデューサーを務めるデイビッド アレン氏
キャンペーンデザイン担当のクリス オブダール氏
今回の体験会ではWEBメディアが10社参加した。シングルプレイだけでなくマルチプレイも体験し、対戦や協力プレイを行なった

 「Halo: Reach」はこれまでの「Halo」シリーズの“前”の時代を描く。宇宙に進出した人類と、その植民星を次々と侵略してくるエイリアン種族の軍事同盟「コヴナント」。UNSC(国連宇宙司令部)は「惑星リーチ」を最終防衛ラインに定め、全戦力を結成し、この脅威に対抗していた。

 主人公は肉体改造による強化兵士“スパルタン”で結成される6人の特殊部隊「ノーブルチーム」の1人、「ノーブルシックス」だ。コヴナントの侵攻を食い止めるため、仲間と共に様々な任務に向かうこととなる。この後のストーリーを描くシリーズ第1作「Halo」では、この時代には大量にいるスパルタンがたった1人の生き残りだけになる。彼こそがこの後の戦いの鍵を握る「マスターチーフ」だ。「Halo: Reach」では、この「Halo」の物語へどう続いていくのかも注目のポイントだ。

 体験の前に、アレン氏、オブダール氏によるデモンストレーションが行なわれた。ここでは体験する各モードの概要と共に、「Halo: Reach」のキャンペーンモードのオープニングを見ることができた。そこではプレーヤーキャラクターがノーブルチームに入るシーン、そして、3人で乗る垂直離着陸機「ファルコン」で戦場に向かう。

 ノーブルチームは個性豊かなメンバーで構成されている。責任感の強いリーダーの「カーター」、戦略的でクールな女性メンバー「キャット」、スナイパーライフルを使う「ジュン」、ヘルメットに大きくドクロを描いた「エミール」、年長者でチームを支える重機銃使いの「ジョージ」、そしてプレーヤーの「ノーブルシックス」だ。キャンペーンデザイン担当のオブダール氏はこの6人が集まり、戦場に向かうシーンがお気に入りだという。

 体験できたミッションは3章に当たる「ナイトフォール」。ここではチームの狙撃手ジュンと共にコヴナントに占拠された地域へ向かう。プレーヤーもスナイパーライフルを装備して向かう。小さな街にはコヴナント軍の兵士達がいて、倒された兵士の死体が転がっている。離れたところから、スナイパーライフルで倒しつつ進む、というのが有効な方法だ。

 「Halo: Reach」では、「ビギナー」、「ノーマル」、「アドバンス」、「レジェンダリー」という難易度設定があり、今回は開発元の要望でアドバンスでのプレイとなった。開発元が考えるゲーム本来の遊び方はアドバンス以上で、ノーマル以下は初心者向けに用意してあるモードだという。アドバンスでのプレイはかなり手強かった。敵が堅く、そして素早いため、なかなか倒しきることができない。

 敵は攻撃を受けるとシールドが外れ、さらに攻撃を加えることでダメージが与えられる。しかしシールドが外れるとすぐに物陰に引っ込み、シールドを回復する狡猾さを持っていて、しかも違う方向からも包囲するように向かってくるため、接近戦が難しい。遠距離からのスナイパーライフルが有効だが、それでもシールドのためには1発では倒しきれず、こちらの射線から逃れるように動くので、難しい。かといって武器を持ちかえ接近戦を挑んでも蜂の巣にされてしまう。体験会に参加した他のメディアも最初の戦闘にかなり手こずっていた。

 「Halo: Reach」では「アーマビリティ」という様々な特殊能力が使える。「ホログラム」というアーマーアビリティーは自分の分身を出すスキル。分身はプレーヤーが指定したポイントを目指して歩く。分身は数発撃たれると消えてしまう。このホログラムをうまく使うことで有利に戦えると感じた。苦戦していた戦いも、距離を意識し、確実に仕留める感触を覚えて、進められるようになった。

 今作では「現住生物」も注目だ。惑星リーチにはダチョウのようなモアや、巨大なグータといった生物がいる。グータがコヴナントと戦っている場面があり、こちらが攻撃をしなければ頼もしい味方になってくれる。モアには残念ながらまたがれないようだった。他にもこの星の生物が出てくるという。

 地形の描写も、これまで以上に緻密になっていると感じた。占拠されている建物や、バラバラと兵士を落としていくコヴナントの輸送艇、水源施設、これらの作りが前作よりも細かくなっており、臨場感が増している。また、生き残りの兵士と協力し、建物の屋根に上って、下から来る敵を迎え撃つ、といったシーンなどもある。ここに空から敵の輸送艇が来る絶望感、萎えそうになる気持ちを抑えつけて敵を倒していく戦いも、グッと気持ちが盛り上がった。一緒に動いた「ジュン」は敵にいくら攻撃されても倒されないようだ。

 今回は余裕がなかったが、ジュンとの連携を意識すればさらにうまく戦えるかもしれない。「Halo: Reach」のキャンペーンモードは、展開、演出、そして戦いの感触とこれまでのシリーズを受け継ぎながらさらにパワーアップしていると感じた。「アドバンス」以上で遊んで欲しい、という開発者の想いも受け止めて製品版に挑戦したいと思う。


「ナイトフォール」ではスナイパーのジュンと共に占拠されている住宅施設や、水処理施設へ向かう。
今回、アドバンスの戦いなため、かなりの苦戦となった。新エイリアンの「スカーミッシャー」も登場し、驚異的なジャンプ力でプレーヤーを翻弄する
左がアーマーアビリティーのホログラム。中央がアーマーロック。これらの特殊能力でプレイはこれまでのシリーズとはひと味違ったものに
左が現住生物のグータ。惑星リーチの描写も注目だ



■ 波状攻撃に立ち向かうファイアファイト。フォージではサッカーボールを使ったプレイも可能

「ファイアファイト」では波状攻撃してくる敵を迎え撃つ。彼等の揚陸艇を打ち落とせれば、高得点が狙えそうだ

 キャンペーンの他にも、「ファイアファイト」、そして「フォージ」を体験した。ファイアファイトは敵が波状攻撃してくる中、どれだけ敵を倒せるか、というマルチプレイのモードだ。プレーヤーが協力してコヴナントに立ち向かうことになる。細かいカスタマイズが可能で、ウェーブごとの敵の出現タイミングや敵のタイプ、プレーヤー側の設定や武器など様々な条件で戦える。

 最大4人でプレイ可能で、敵の数の方が遙かに多い。今回の設定では敵の波状攻撃のタイミングがかなり短く次から次へと襲いかかってくる敵と激しい戦いが楽しめた。ちなみにこちらは「ノーマル」でプレイしてみた。敵の耐久力がキャンペーンと比べるとグッと低く、改めてアドバンスの難しさを実感した。だからこそ彼等を撃ち倒したときの爽快感は大きそうだ。

 ファイアファイトではさらに敵と味方に分かれてもプレイできる。敵側のプレーヤーはエリートとなり、コヴナント軍と協力して他のプレーヤーに立ち向かう。NPCを撃つのに夢中なプレーヤーを倒したり、協力してもう1人を追いつめたりと、さらなる駆け引きが楽しめそうだと感じた。うまいプレーヤーはコヴナントを味方として巧妙に使いそうだ。友人とプレイして盛り上がれそうなモードである。

 フォージは広大な空間を自由にカスタマイズし、ゲームとしてプレイできるモード。カスタマイズの幅は広く、建物の壁1枚1枚設定してビルを造ったり、NPC、敵の配置、ビーグル、武器、アーマーアビリティーの設定、これらのオブジェクトは、角度から空中での配置などほんとうに自由に設定できる。

 テレポートフィールドや、キャラクターを上に跳ね上げる反重力リフトなどキャンペーン、マルチプレーヤーで登場するオブジェクトのほとんどは使用可能。エディットモードとゲームモードはいつでも切り替えることができ、実際のゲームプレイの視点で検証できる。反重力リフトに戦車で乗ると、戦車ごと浮かび上がって大ジャンプできたりと、通常では体験できないシチュエーションを作り出すことも可能だ。

 さらに巨大なサッカーボールなども用意されている。プレーヤーの創意工夫で無限の可能性を持つモードだが、一方で厳密な設計図やプランなどを検討しておかなくてはうまく作れなさそうだ。こちらもマルチプレイで、8人でマップが作れる。これらのデータは他のプレーヤーとBungie.net等で共有することが可能だ。


ファイアファイトは数種類のマップが用意されている。最大4人のプレーヤーが参加可能だが、4人全員が協力するだけでなく、片方がエリートとなって対戦することも可能
こちらは自由にカスタマイズができるフォージ。4人で協力して作業ができる。下段はプレイイメージ。ルールと組み合わせてユニークな戦いを作り出せそうだ



■ アレン氏、オブダール氏インタビュー。初代「Halo」へ繋がるプロローグが幕を開ける

アレン氏は今作で追加された武器「グレネードランチャー」が好きだという
ストーやテーマを熱をこめて語ったオブダール氏
メディアから寄せられる質問に、応えるアレン氏とオブダール氏

 インタビューは合同で、マルチプレーヤーのプロデューサーを務めるデイビッド アレン氏、キャンペーンデザイン担当のクリス オブダール氏にいくつもの質問をぶつけるという形で行なわれた。

 最初の質問は、キャンペーンモードでの敵キャラクターのAIについて。オブダール氏は「『Halo: Reach』では、AIキャラクターの動き、に新しいチームを起用し、作り直しています。プレーヤーの攻撃に対する反応も、迅速に、そして巧妙になっています。ゲームエンジンは一部は前作からのものを受け継ぎ、そして新しい要素も大量に投入しています。ほとんどのところで手を加えた形になっています」。

 さらにオブダール氏は「AIの設定は、プレーヤーに楽しんでもらうことを第1に考えています。AIの正確さ、目標に向かって動くだけでなく、慣れてきたプレーヤーが敵の動きを予見し、そして勝てるように、楽しんでもらえるようなAIにしました」と語った。

「キャンペーンを通じて伝えたいテーマ、メッセージは何か?」という質問に対して、オブダール氏は「リーチは呪われた運命にさらされた惑星です。そこで私達は、一般市民や戦闘員の犠牲、そして戦う人々の英雄性をテーマにしています。襲い来る強大な敵に対しリーチの住人と軍はどう立ち向かい、ヒーロー達はどう活躍するかそこを感じて欲しいです」とオブダール氏は語った。

 何故過去の話にしたかは、「マスターチーフを話の中心にしたくなかった」という。「Halo」には様々なバックストーリーがあり、「Halo: Reach」ではその設定を活かしたかった。そしてリーチは大変魅力的な場所であり、ゲームでこれらの要素を取り上げていった。また、「Halo 3: ODST」での経験から、「チームで戦う」という部分をクローズアップするために、「Halo: Reach」のストーリーは組み上げられた。ステージで様々なノーブルチームのメンバーが活躍するとのことだ。

 また、COOPモードではオンラインだけでなく画面分割による4人プレイも可能だ。COOPの場合は、プレーヤー達全員がノーブル6となる。進行状況はホストに従い、ゲストがステージをクリアしても、ゲストのキャンペーンデータが侵攻することはないとのこと。また、画面分割による4人同時プレイは最初の「Halo」からこだわった、同じ場所でプレイする楽しさを提供したいからだ。COOPでは参加人数に合わせて、スケーラブルに難易度が変わり、人数が多かったらゲームが簡単になったり、倒す敵がいなくなる、ということはないという。

 マルチプレーヤーβでのフィードバックについて、アレン氏は「本当にいろいろのフィードバックが寄せられました。これらの情報は武器の性能や、ジャンプの高さなど細かいところまで活かされています。スナイパーライフルの反動を大きくして連射しにくくしたり、ネットワーク機能の強化なども行ないました。いくつかのバグも見つかり、アーマーアビリティーに関しての意見も予想していなかったものが寄せられましたね」と応えた。

 マルチプレイに関しては、「Halo: Reach」は全く新しく、「Halo 3」と「Halo 3: ODST」のようにお互いのユーザーが対戦できたようにはならず、独立している。「ストッキクパイル」、「ヘッドハンター」などいくつもの新しいゲームモードが入っている上に、「アリーナ」でプレーヤーが実力を試し、さらに高みを目指すこともできるからだ。また、マッチメイキングは、プレイスタイルなど自分の好むポイントを提示することが可能で、より快適なプレイができるような工夫もしている。

 「Halo 3: ODST」では経験値が2倍になるマッチメイキングリストや、アメリカのプロゲーマーが集まるリストなど、ユーザーを呼び込む施策をやっていたが、いまのところ「Halo: Reach」では最初からそういった施策を行なう予定はないとのこと。「アリーナ」でユーザーをよびよせ、そしてパーティーゲーム的な側面でユーザーを呼び寄せたいとのこと。また、フレンドがゲームに繋いでいるならばそのままパーティーが組めるように、繋がりも強化しているので、パーティーをより組みやすく、楽しめる。キャンペーン、ファイアーファイトもパーティーを組みやすく、ハードルを下げている。

 アレン氏、オブダール氏は2人ともローターで飛び上がる3人乗りの乗り物「ファルコン」がお気に入りだという。また、宇宙空間での戦いの部分も是非見てもらいたいという。アレン氏は今作で追加された武器「グレネードランチャー」も好きだとのこと。オブダール氏のお気に入りのシーンはオープニングのノーブルチームが並び、戦場に向かうシーン。彼等が戦場に向かうときの声を掛け合うシーンも好きだという。

 最後に日本のユーザーへのメッセージとしてアレン氏は「日本の皆さんにこのゲームをお届けでき、光栄に思っています。われわれの3年間の開発の成果を、ぜひ楽しんでください。そして私達Bungieは10年『Halo』に関わってきました。この10年の蓄積を見てみてください」。オブダール氏は「『Halo: Reach』はキャンペーン、ファイアファイトなど様々な楽しみ方があり、プレーヤーの様々なニーズに応えているゲームだと思います」と語った。


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