コーエーテクモ、「信長の野望 Online~新星の章~」“第二陣”開発者インタビュー
伊達政宗を援護する新ダンジョン「人取橋」。PS3版最新情報も
「第二陣」ではいよいよ伊達政宗と会える |
コーエーテクモゲームスがサービスしているWIN/PS2用MMORPG「信長の野望 Online(以下、信On)」の拡張パック「新星の章」第2弾となるアップデート「第二陣」が7月末に実装される。
「新星の章」は「合戦」や「拠点戦」といった対人戦コンテンツをメインに各勢力が天下統一を目指す「天下人システム」と、NPCとの戦闘がメインとなる「独眼竜の野望」の2つを柱としている。チャプター制をとる「新星の章」では、定期的に大型アップデートが実施され、その際に「独眼竜の野望」の新ステージも追加されることになっている。2回目のアップデートとなる今回は、ようやくタイトルにもなっている独眼竜、伊達政宗が登場する。
そんな「第二陣」の内容について、開発プロデューサーの渡辺知宏氏と、開発ディレクターの今村一太氏に話を聞いてきた。「独眼竜の野望」やバランス調整、そして気になるPS3用の最新開発情報を聞くことができた。
■ 新ダンジョン「人取橋」は7人徒党で攻略が可能に
コーエーテクモゲームス「信On」開発プロデューサー渡辺知宏氏 |
コーエーテクモゲームス「信On」開発ディレクターの今村一太氏 |
大黒天からは、これまでの「独眼竜の野望」のあらすじを確認することができる |
編: 「第一陣」を振り返ってみていかがですか?
渡辺知宏氏: 「第一陣」では皆さんから本当にたくさんのご意見をいただきました。最初考えていたダンジョンの設計思想が、ある程度成功した部分もありますし、今ひとつ受け入れられなかった部分もあります。その両方を理解したうえで、「第二陣」につながるような形を考えています。
編:第一陣の良かった点と反省点をそれぞれ教えてください。
渡辺氏: 「第一陣」では、多くのプレーヤーに遊んでもらえるようなものを目指していました。1人でも、徒党でも狩りができて、一門を使った規模の大きな盛り上がり方もできる。そういう幅の広いダンジョンとして設計したのです。ただ、その中でそれぞれのコンテンツに対する遊び方が偏ってしまったところがあります。特定のボスに人気が集中する一方で、人数が必要になるコンテンツでは、人を集めるのが難しいというところもありました。そういった理由で、遊び方が狭くなってしまったのは反省点です。
今村一太氏: 具体的に話しますと、プレーヤーからの意見で「独眼竜の野望」ダンジョンに関して最も多かったのが、「ストーリーの区切りになるボスの攻略に大人数を必要とするものが多くて、そのために人数を集めることへの負担感が大きい。もし失敗してしまうと、何時間もの苦労が水の泡になるし、自分だけではなくて手伝ってくれた人まで失敗となって責任を感じてしまうので行きにくい」というものです。そこの反省を生かして、今回の「第二陣」のダンジョンは7人徒党でも進めていけるかたちの難易度を考えています。
渡辺氏: 前回まではプレーヤーのニーズにハイエンドからローエンドまで応えられるようなものを目指しましたが、今回はより一般的なレベルのコンテンツをというところで設計しました。
編: 「破天の章」で追加された陸・海・空のダンジョンのようなものになるのですか?
渡辺氏: そういった7人限定のダンジョンではありませんが、7人での攻略が可能な形になります。
編: 「第一陣」にあったような、ソロでの遊びも残した形になる?
渡辺氏: ソロで遊びたいという要望は常にいただいていますし、1つのダンジョンの中でみんなでワイワイ遊ぶというのが「新星の章」のコンセプトですので、ソロでも遊べるし多人数での攻略もできるという連携の面白さが今回も出せるといいなと思っています。
編: 「第二陣」で追加される「人取橋」ダンジョンはどういう場所なのですか?
渡辺氏: 皆様お待ちかねの伊達政宗がついに登場します。人取橋の戦いは伊達政宗の飛躍の転機となった大きな戦いで、父親の弔い合戦であったりと、ドラマチックなストーリーがあります。プレーヤーの皆さんも、悲しみであるとか怒りであるとか、政宗の強い想いを体感できるようになっていると思います。
編: まるで大河ドラマのような雰囲気ですが、演出面で何か特別な仕掛けは入っているのですか?
渡辺氏: 最大の演出はステージ中のギミックだと思います。ステージをただ進行するだけでなく、人取橋を巡っての攻防そのものが体感できるダンジョンを目指しています。橋を取ったり、取られたりといった手に汗握る展開がストーリーの中で再現できているのではないかと。
編: プレーヤーが橋を取るために侵攻するのですか?
渡辺氏: 今回は新しいギミックとして、武将を助けて戦うというものがあります。プレーヤーは武将の侵攻を助けながらゲームを進めることになります。
編: それは「高千穂」ダンジョンで、狐を助けながら進めるシステムと同じようなものですか?
渡辺氏: 少し違います。高千穂はどちらかというとストーリー連動型でしたが、今回はもっと自由に動けます。拠点戦で楽しめるような武将との共闘ができるようになっています。
今村氏: 人取橋という史実にもあった戦いの中にプレーヤーが身を投じて、史実ではこうなったけれど、プレーヤーが動くことで別の結果になるといったように、プレーヤーに合戦を楽しんでもらうのがコンセプトです。
「人取橋」の風景。「人取橋の戦い」の合戦場として、史実でも知られた場所だ |
ストーリーの中には、伊達家の有名武将たちも登場して、プレーヤーと共に戦いを繰り広げる |
編: ストーリーがプレーヤーの行動によって変化していくということですか?
渡辺氏: まさにそういう要素があります。
編: 人取橋マップはどのようなマップなのですか?
今村氏: 人取橋は北にあるので、雪が積っています。エリアはいくつかに分かれていて、少人数でも遊べるエリアや、砦などもあります。橋では、伊達方の武将との掛け合いがあったりします。今回は、単純に奥へ行くだけではなく、平面を行ったり来たり広く使おうと思っています。橋は行きには簡単に渡れるけれど、進捗が進んでいくと状況が変わって……、という具合です。
編: 完全にリアルタイムに進むのですか?
今村氏: あまり勝手に進みすぎても困るので、そこはちゃんとプレーヤーの皆さんにトリガーを引いてもらって試練が進むという形で考えています。
編: 今回追加されるダンジョンは人取橋だけなのですか?
今村氏: 人取橋は7月28日からを予定していますが、「第二陣」はその1回のアップデートだけではなくて、さらにその後の何回かのアップデートも含めて総称することになります。
渡辺氏: 「第二陣」はダンジョンのリリースを定期的に行なう形で進みます。ですから、ダンジョンは「人取橋」以外にも登場します。
編: 今回の人取橋は、「第一陣」で実装されたダンジョン1つ分のボリュームと言うことですか?
今村氏: たぶんそれよりも大きいですね。試練の数も多いですし。
渡辺氏: 今回はオプションクエストを充実させています。前回、大人数で攻略しなければならなかった部分は7人徒党で進む設計になっていて、それよりは若干高位なものをオプションクエストとしてチャレンジ要素になるように入れています。
今村氏: 例えば今、松島ダンジョンにある「不落の試練」の中には「お神酒クエスト」というオプションクエストがあります。今回はそのオプション部分のメリハリをもっとつけようと思っています。基本的にはすべて7人用ですが、それだけだとただの7人用ダンジョンと変わらなくなってしまいます。友達が8人いたら1人遊べなくなってしまう。ですから、そこを含めた一門ダンジョンの狙い、1人でも遊べるし、皆でも遊べるというところをオプションとして切り離した感じです。
今回も、前回までのダンジョンと同じように様々な試練がプレーヤーを待ち受けている |
たどり着けるプレーヤーもまだそれほど多くない、強敵「大黒天」 |
渡辺氏: 1つのコンテンツを出したから後はずっとそれというわけではなくて、少しずつバランスの違う形でダンジョンを設計しています。今回は特に一般的なレベルにフォーカスした形でのリリースになっているというわけです。そしてもう1つ、人取橋は松島を攻略していなくても、すぐに始められるようになっています。
編: 大黒天を倒さなくてもいいのですか?
渡辺氏: 大丈夫です。倒してなくても、それぞれの皆さんの進行度に合わせてストーリーが進んで「人取橋」にいけるようになります。
編: 大黒天は強敵として知られていますが、倒せるように調整するのではなく、倒さなくてもいけるようにしたのはなぜですか?
今村氏: みんなでいっぺんに遊んでいただきたいという狙いがあります。そして一段落したところで次のダンジョンを入れていくという感じです。もちろん大黒点を倒せるようになるのは重要だと思っていますので、それについては今後攻略できるような形になると思います。
編: あまり分散させないようにするということですか?
今村氏: そうですね。まずは分散しないで遊んでいただいて、その中でまたプレーヤーの方から意見が頂けると思います。それが「第二陣」、「第三陣」と分けていく最大のメリットだと考えていますので。
編: 大黒天は現状難しすぎるという声もありますね
今村氏: プレーヤーの皆さんもどんどん強くなっていきますので、将来的にはある程度のレベルの人であれば倒せるようになると思います。「第二陣」ではまだかもしれませんが「第三陣」、「第四陣」と進んでいく中で技能が追加されていく可能性もありますので、そういった中で調整していきます。
編: 昔でいうところの「大物主」的なポジションということですか? 倒してもいいし、倒さなくてもいい
今村氏: 「大物主」も昔は強かったけれど今は誰でも倒せるようになりました。大黒天は強いですが、報酬もそれなりのものが入っていますので、ぜひチャレンジしていただきたいですね。遊んでもらえなければ、存在しないも同然なので、そういう意味では救済措置も考えてプレーヤーがもっと遊びやすいようにしていくつもりです。先ほどお話ししたように、プレーヤーが強くなるのも1つの方法ですし、6月に入れた「鬼門比叡山」の調整のような方法も考えています。
編: 今、大黒天はどのくらいの人が倒せているんですか?
今村氏: ……四捨五入すると0%くらいです(笑)。
編: 倒している人はいる?
今村氏: 具体的な数はお伝えきでませんが、いるかもしれない……ということで勘弁してください(笑)。今「松島」が入って3カ月くらいですが、かつて「凶変イザナミ宮」が追加されてから3カ月間はイザナミは倒されていませんでした。ですから、そのくらいの難易度です。
渡辺氏: 「第一陣」ではかなりハイエンドなコンテンツも思い切って入れたのです。
編: では、かなりラスボスに近い存在なのですか?
渡辺氏: ラスボスの1人だと考えていただいていもいいと思います。
編: 将来の目標というわけですね。
■ 一門で育て、成長していくNPC「足軽六右衛門」
「足軽六右衛門」は「独眼竜の野望」のストーリー展開にあわせて成長していく |
メンバーが足りない時には「足軽六右衛門」を連れていこう |
編: 「人取橋」のNPCは「松島」や「鬼門比叡山」のように、倒すたびに敵の構成数が増えていったりするのですか?
今村氏: 今回は少し方針を変えていまして、エリア分けのような形で考えています。今回はNPCを随伴できるのですがそのNPCと2人で狩れるような少人数徒党のNPCが多いエリアがたくさんあります。でも7人徒党で狩りをする時には、1体とか3体の敵って邪魔じゃないですか。ですからエリア分けをしてもう少し遊びやすくしたいと思っています。
編: 随伴できるNPCはどういったものになるのですか?
今村氏: 人取橋ダンジョンの初期位置に何体か立っています。最初の段階では3体配置されていて、そのNPCに話しかけると拠点戦と同じようについてきます。タイプは1番使いやすい、汎用的な侍タイプです。「拠点戦」と違うのは、戦闘が終わるとNPCの体力が自動的に回復します。そのうちの1人が成長要素のある「足軽六右衛門」というキャラクターです。
編: 回復をしてくれるNPCはいないのですか?
今村氏: 今回は侍タイプだけですが、将来的にはほかのタイプが増えていって、また戦い方が変わってくるかと思います。
編: 「足軽六右衛門」はどんな風に成長するのですか?
今村氏: 「六右衛門」という人物には、壮大な野望があります。彼が成長していくことで、その壮大なストーリーが進んでいきます。もう少し具体的に言いますと、名前や見た目が変わっていったり、技能も成長するようになっています。最初は今ひとつなのですが、ストーリーを進めて行く中で、例えば「四連撃」を使っていたのが「八箇必勝」を使い始めたり、更に強くなれば「天地二段」を使うようになったりします。アルゴリズムも成長して、最初は侍のくせに術も止めないのが、気がついたら「我武者羅」で止めていたという形に成長を感じていただけると思います。
編: どういう条件で成長するのですか?
今村氏: プレーヤーが一門で試練をクリアしていくことで段階的に成長していきます。一門の誰かがクリアすれば、他のプレーヤーも強い「六右衛門」が使えるようになります。
編: 「六右衛門」は1人しかいないのですか?
今村氏: そうです。
編: 誰かがずっと連れて歩いていると、ほかのプレーヤーは「六右衛門」では遊べないということになってしまいますね。
今村氏: 仲間内で遊ぶ場所になりますので、その辺りはプレーヤー同士のコミュニケーションで解決していただきたいと考えています。ただ、基本的には早い者勝ちです。
編: つまり「六右衛門」は最初はほかの随伴NPCよりも弱いけれど、成長すれば強くなるということですか?
今村氏: 進捗が進んでいくと強くなります。そのシステムは今後も使って行こうと思っていまして、「足軽六右衛門」だけではなくて色々なタイプのNPCが増えていくと楽しいかなと思っています。
編: 1人のプレーヤーが連れて歩けるNPCは何人までですか?
今村氏: 徒党で1人のNPCを連れて行くイメージです。ですので、プレーヤー6人に1人NPCを入れた7人徒党が最大になります。全員がNPCを連れてバラバラに遊んで欲しいと思っているわけではなくて、せっかく同じ一門で一緒に入ったなら、徒党を組んで欲しいのです。ただ人数が少なくて大変な時NPCを連れていくというふうに遊んで欲しいです。
編: 基本的には徒党の穴埋めに使うような存在なのですか?
今村氏: そうです。プレーヤーの席を奪うようなものとは考えていません。
編: 攻略についてお伺いします。「第一陣」の攻略方法だと、人数の多い一門の場合、まったく攻略に参加しないままクリアだけしていく人が多かったと思いますが、今回はどうなるのでしょうか?
渡辺氏: 今回は沢山の徒党がチャレンジできるような形で設計しています。「第一陣」のように攻略したら終わりというコンテンツではなく、何度もやってみなさんが恩恵を受ける形になっています。難易度的にも、前回のように一部の人たちが挑戦するというコンテンツではなくて、一般的なプレーヤー誰もが倒していくことができるようなレベルを目指しています。7人徒党でチャレンジできるので、それぞれの徒党がチャレンジすることで一門全体として楽しめるのではないかと思います。
編: 一門単位のダンジョンだと、先にボスと戦っている徒党がいた場合、後から来た徒党はどうなるのですか?
プレーヤーは苦境に立たされる伊達政宗に加勢して戦う |
今村氏: まさにそこが問題になると思いました。7人用にしたことで、前の徒党がボスを倒してしまったら次は何時間後にしか倒せないとなるとみんな困ってしまいます。ですからそこは結構手をいれていますので安心していただきたいですね。あとはやはりできるだけ多くの方にボスを倒してもらいたいと思っているので、ボスを倒した人数が多くなると一門全員の報酬にうま味がでる、みたいな仕組みを入れています。今まではついて行けばいいやと思っていた方も、もう少し積極的にチャレンジしてもらえるようになるのではと思います。それを一門の上の方にいる人たちが引っ張っていってくれるようになるといいですね。
編: 例えば2徒党で行くとき、徒党Aが倒している間、徒党Bが同時に戦うことができるのですか?
今村氏: 同時には闘えません。例えば、最初のボスを徒党Aが倒して、徒党Aが次のボスを倒している間に徒党Bが最初のボスと戦うことはできます。
渡辺氏: リポップ時間を調整してマルチポップのような仕組みになっているので、徒党が順番にチャレンジしていくことができます。なるべく大勢の人数で倒せば倒すほどもらえる報酬にうま味がでるという仕組みです。「第一陣」は、それぞれのプレーヤーの役割が明確なコンテンツでしたが、やはりいろいろと手を出してもらう方がみんなで遊ぶメリットが大きくなるので、その点は改善されているのではないかと思います。
■ 「天下人システム」は今後さらにスピーディーになっていく
「天下人システムはよりスピーディーなものにしたい」と両氏 |
天下の覇権をかけて拠点を取り合う「天下人システム」は「新星の章」の目玉システムだ |
編: 新しい評定クエストにはどういったものが追加されるのですか?
渡辺氏: 今回は各地の伝承とか、領国が成長するようなクエストなどを追加しています。
今村氏: 評定クエストはソロで遊べるというところでご支持をいただいていると思いますので、職によってやりやすい、やりにくいというのがなるべくないように調整したものを用意していきたいと思っています。
編: この新しいクエストは、いまある分類の中に追加されるのですか?
渡辺氏: そうです。今後も定期的に、ソロで遊べる新しいコンテンツを追加していきたいと思っています。
編: 一門が合併できるようになりますが、こちらは何か条件があるのでしょうか?
渡辺氏: 人数の上限を超えることはできませんが、それ以外には特に条件はありません。
編: 名前や筆頭はどうなるのですか?
渡辺氏: お互いに話合って決めることになります。主従はないので、どれほど数の違う合併でも対等合併になります。
「第二陣」では新しい武器が追加される |
編: 「第二陣」で入る新しい生産品についても教えてもらえますか?
今村氏: 「第二陣」では、いくつか武器を出そうと思っています。敵の武将が持っている武器をドロップし、それを解体すればその武器を作ることができるようになります。
渡辺氏: ドロップアイテムを生産に絡めていくのがこのゲームの特徴だと思っています。やはり拾ってきたものよりも、作ったものの方が嬉しいですから。作ったものをカスタマイズする楽しさを常に味わってもらって、どれだけ強くできるかを楽しんで頂きたいと思います。
編: 「拠点戦」には人数差がつきにくくなるような調整が入るということですが、どういった調整になるのですか?
渡辺氏: 人数が多い方には入れなくなり、中立の方は少ない方のみ登録可能となります。直接的ではあるのですか、互角の人数で白熱した拠点戦を遊んでいただきたいです。
編: 人数差が大きすぎて、やることがないまま相手勢力の本陣前に並んでいる光景をよく見かけますね。
現状の「拠点戦」は人数差がついてしまうと、一方的な展開になってしまう |
渡辺氏: あれはお互いに面白くないだろうと思うのです。
今村氏: プレーヤーも勝ちたいという気持ちがあるので、どうしても人数の多い方に入ってしまう部分があります。そこをシステム的に調整することで、しのぎを削ってくださいという形ですね。
編: 「天下人システム」はある程度想定通りに動いていると思いますか?
渡辺氏: 思った以上に動きが緩やかというところはありますね。もっと白熱した天下取りの戦いを想定していますので、これからもっと盛り上げていきたいと思います。
編: 確かに動きが緩慢な印象はありますね
渡辺氏: 拠点の数が多いので、各地域では結構楽しく戦っているのですが、局所的な戦いだけではなくて、もっと全体のバランスが大きく傾くようなところが欲しいなと感じています。
編: 例えばどういった形になるのですか?
渡辺氏: まだ具体的にお話できないのですが、いろいろと時間がかかる部分を洗い出して、改善していくことで白熱した戦いができるのではないかと考えています。もう少しスピーディーになるような形で調整していきたいと思っています。
今村氏: 最初ですから、少し慎重に調整してしまった部分があります。1番激しく動くであろうという部分を目指して調整したのですが、思っていたよりは緩やかめなので、今後はもっとスピーディーに進めていけるように調整していこうと思っています。
編: その変更は今回は入らないのですか?
渡辺氏: そうですね。ただ、せっかくの「天下人システム」がまったりになってしまうのは避けたいので、できる限り早く対応していきたいです。
編: 以前のインタビューで、わかりにくい部分を改善していくと話しておられましたが、そういった部分でなにか変更されるところはあるのですか?
渡辺氏: 7年も続けているタイトルですので、さすがに初心者に敷居が高くなっている部分があると思います。PS3版もリリースすることですし、そこをもっと時代に合わせてリフレッシュして、初心者の方がスムーズに戦国の世に入ってゲームを楽しんでいけるようにしようと考えています。
編: どういった部分ですか?
渡辺氏: 例えば、今は色々なコマンドがどんどん増えていますが、それを初心者でも把握しやすいように、システムを再考します。アシストも今後はどんどん追加していきたいと思っています。これはまだ具体的にはお伝えできないのですが、例えばクエストがどこにあるのかわかりづらいということに対して「評定クエスト」という形である程度システム的なサポートを行なっています。生産に関しても、クエストと一体型にすることで、もっと身近にしました。どんな材料がどこから取れるのかをわかりやすくするのは、絶対にやっていかなければならないと思っています。そうすれば今の「信On」世界の中のものが、全部生き生きとして、つながりが見えてきますので。
■ 待望のPS3版は、東京ゲームショーでお披露目?
「新しい信Onを早く見て欲しいです」と渡辺氏 |
編: PS3版の開発状況はいかがですか?
渡辺氏: 今は画面を見て、ここがまだちょっとだめだよとか、例えば影の表現でもきっちりとPS3の機能を使って、PS3のクオリティを目指しているところです。ぱっと見ではかなり変わったなという印象がありますが、まだまだPS3としては足りない部分があるので、ブラッシュアップしています。
編: テクスチャーは新しくなるのですか?
渡辺氏: キャラクターも背景も新しいものに変えたところもありますが、全く違う見た目になるわけではなく、「信On」の世界はそのままです。ただ解像度と色数が変わっているので、メガネをかけてすごく目が良くなったような感じになります。ライティングや天候の表現、空の風景などもエンジンを変えて完全に作り直しています。
編: 情報はいつくらいに出そうですか?
渡辺氏: もうすぐにでもスクリーンショットをお出ししたいと思っています。
今村氏: ただ実際に出そうとすると、やっぱりここをもうちょっと、と色々と欲が出てくるので、一生懸命ブラッシュアップしています。もう少ししたらという感じですね。
編: いつごろ見られますか?
渡辺氏: 東京ゲームショーでは実機でプレイしていただきたいと思っています。
編: 最後に読者へのメッセージをお願いします
今村氏: 「第二陣」からはいよいよ「独眼竜の野望」本編に入ります。皆さんご存じの伊達政宗と対面していただき、史実にもある人取橋の合戦に身を投じて楽しんでいただきたいと思っています。
渡辺氏: いつも遊んでいただいてありがとうございます。おかげさまで7周年を迎え、私も7年間ずっと「信On」とともに歩んできました。「新星の章 第一陣」を出して、皆さんからたくさんの要望を頂きました。良かったと思える部分もあり、こうしておけば良かったと思える部分もありましたが、今後のアップデートの中でその要望に応える者を出していくつもりです。
PS3版は、今まで「信On」に触れていなかった方にも遊んで頂けるように、より遊びやすい形で提供したいと考えています。古くから遊んでいただいている方も新しい方も一緒に、PS3発売をお祭り気分で楽しんでいただきたいと思っています。よろしくお願いします。
編: ありがとうございました。
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(2010年 7月 7日)