ゲームヤロウ、サドンアタック全国公式大会「SACTL2009」決勝を開催
延べ3,000人超が来場。優勝を決めたのはクラン「NabD」!


12月19日開催

会場:ベルサール秋葉原



 オンラインFPS「サドンアタック」のオフラインイベント「サドンアタック祭り2009」が12月19日、開催された。主催は「サドンアタック」を運営するゲームヤロウ株式会社。会場は東京・秋葉原の中心部に位置するベルサール秋葉原。中心街に面してアクセスに優れた会場には常時300~400名ほどのオーディエンスが詰め掛け、歩くのもむずかしいほどの盛況。延べ来場者数は3,000人を優に超えた模様だ。

 「サドンアタック祭り」のメインイベントは、「サドンアタック」のチーム日本一を決める対戦イベント「SACTL2009」だ。本大会では、総勢384のチームが参加したオンライン予選の勝者4チームで決勝トーナメントを戦う。その4チームは、予選リーグAグループを突破した「Nof.np」、Bグループを突破した「NabD」、Cグループを突破した「esu.jp」、Dグループを突破した「Flare.V」だ。

 また、会場には「サドンアタック」や新作オンラインTPS「鉄鬼」を楽しめる試遊台が設置されていたほか、協賛企業によるデバイス系製品の展示、販売などが行なわれ、試合以外でも多くの来場者を楽しませていた。その規模感は2007年以来開催されてきた「サドンアタック祭り」の中で最大級であり、益々人気を集めるオンラインFPS「サドンアタック」の勢いを象徴したイベントだったと言えるだろう。

【協賛企業出展】
「SACTL2009」の会場では、大会に協賛する多数のPCゲーム関連企業が出展を行なった。デバイス関連ではDHARMAPOINT、MSY(Razer)、steelseries、Zowieといったメーカーが現地販売を行なっていたほか、新ゲーミングブランドのROCCAT(ロケット)が、来春発売予定の6製品8モデルを展示し、多くのゲーマーの関心を引いていた。ゲームヤロウの出し物としては、ゲーム中のアイテムが手に入る有料のガチャガチャ「リアルサドンガチャ」が人気だった



■ 予選を勝ち抜いた4チームが、賞金と日本一の名誉をかけてトーナメントを争う

会場の様子。常に超満員の盛況で、歩くのも大変なほどだ
メインステージで「サドンアタック」の頂上決戦が行なわれる

 「SACTL」は、日本国内で数あるオンラインゲームの大会の中でも、最も「本気度」の高い大会のひとつだ。その理由として「サドンアタック」を支えるユーザー数が突出していることも挙げられるが、かつて「Counter-Strike」日本トップのクランメンバーとして活躍したKeNNy選手を本作の公式インストラクター登用するといった試みが、「真剣に取り組むべき競技としてのFPS」という場の醸成に大きく寄与している。

 こうして「サドンアタック」のオンライン空間では、固定メンバーによって構成されたチーム=クラン同士の真剣な対戦が日々行なわれるようになっており、全体的なレベルが向上している。各クランの選手層も分厚いものとなり、最もハイレベルな戦いを鑑賞できるFPSのひとつとなっているわけだ。

 11月に行なわれた予選には全国から実に384ものクランがエントリーし、最終的に4つの強豪クランが決勝トーナメントへの切符を手にしているが、各クランとも決して簡単に勝ちあがってきたわけでははない。トップレベルのプレーヤーKeNNyを擁する優勝候補「NabD」ですら、予選で敗退しそうになったことが幾度かあったという。

 それだけ厳しい予選を勝ち抜いてきただけに、決勝トーナメントに出場する4チームは文句なしの強豪揃い。それぞれのチームには固定ファンも居るようで、会場に集まったオーディエンスの中には、特定のチームを力強く応援するグループがいくつも見られた。それだけ、出場チームの各メンバーには日常感じることのないプレッシャーや緊張があったとも言えるだろう。

 決勝戦の形式は1発勝負のトーナメント制。各試合では、各5人で構成されるクラン同士が「爆破モード」で対戦する。対戦チームは前半戦と後半戦の2マッチでそれぞれ攻撃側、防衛側を交代でプレイし、各マッチはどちらかのチームが5ラウンドを先取した時点で終了。前後半の総取得ラウンド数が多いチームの勝利となるルールだ。

 トーナメントの組み合わせは以下の通り。

 このほか会場では、ゲームヤロウの新規タイトル「鉄鬼」のプロモーションが行なわれた。そこでは12月28日に実装される新ゲームモード「ボスモード」や、来年初頭に実装される予定の「キャンペーンモード」といった新規機能が公開されていたので、下図でその模様をご紹介しておこう。


オンラインメカニックアクション「鉄鬼」。巨大なボスを巡って攻防を繰り広げる「ボスモード」は12月28日に実装予定だ
「キャンペーンモード」では、大量の敵を相手に一騎当千の爽快感を楽しめる。こちらは「来年の早い時期に実装したい」と語られていた



■ 公式インストラクターKeNNy擁するNabDが力を見せる。esu.jpも見せ場を作ったが……

試合を前に壇上に立つ選手たち。先攻後攻はコイントスで決める
試合が始まる。各選手の模様は前面のモニターですべて表示される

 それではさっそく試合の模様をお伝えしよう。準決勝第1試合で対戦したクラン「Nof.np」と「esu.jp」の対決は、最後までどちらが勝利するかわからない、拮抗した内容で推移した。準決勝の使用マップは「ホワイトスコール」。込み入った構造の中央部で激しい戦闘が起こりやすいだけでなく、序盤からグレネードの投げ合いが発生し、偶発的に展開が転びやすいマップだ。

 前半戦、攻撃サイドでスタートしたesu.jpは序盤2ラウンドを連勝。しかしNof.npも2ラウンドを取り返し、5-2で後半戦へ折り返す。後半戦はNof.npが粘りを見せて3ラウンドを勝利、しかし各局面の撃ち合いで上回ったesu.jpがコンスタントにラウンドを取得した結果、総合10-5でesu.jpが決勝戦進出を決めた。

 同じく「ホワイトスコール」を使用して行なわれた準決勝第2戦はNabDとFlare.Vの対決。ここではKeNNy擁するNabDの圧倒的な強さが見られ、やや一方的な試合内容となった。ポイントとなったのはグレネード攻撃の精度とスナイパーの腕だ。

 攻撃側チームでスタートしたFlare.Vは、NabDのグレネード攻撃によりたびたび、ラウンド開始直後に全員の体力が削られるという状況に見舞われ、思うようなプレイができない。その上込み入った中央部での撃ち合いでは、NabDのスナイパーYuki.N選手が圧倒的な能力を見せ付け、Flare.Vのメンバーを着実に倒していく。特に、スナイパースコープを1瞬しか出さず即座に命中させるスキルには脱帽だ。そういった力の差が出た。結局前半戦はNabDが圧勝して5-1で折り返し、後半戦ではFlare.Vが先制したものの、そのまま押し切る形でNabDが7-3で勝利。横綱相撲を演じた。

 こうして決勝戦のカードはNabDとesu.jpの対決となった。1番人気のチームNabDが大きな歓声を集めるなか、esu.jpにもOblivious選手などには固定ファンがついており、両チームに声援が絶えることがない。そうして行なわれた決勝戦は計3試合を戦うルール。勝利試合数が多いほうが優勝するという長丁場で行なわれた。

 3試合の使用マップは「シティキャット」、「プロバンス」、「オールドタウン」の3つ。各チームの得意・不得意によって異なる結果が出ることが予想される組み合わせだ。そうして始まった決勝戦、先に試合を制したのはesu.jpだ。

決勝戦で使用された3つのマップ。3試合を行ない、2試合を勝利したチームが優勝となるルールだ



決勝戦を戦ったのはNabDとesu.jp。泣いても笑ってもこれが最後の試合だ
初戦ではesu.jpが勝ったものの、続く2試合ではNabDが完全に上回った

 他のマップに比べて狭めの「シティキャット」では全体的に交戦距離が短く、裏道も多いため背後を突く戦法が有効になる。そのメリットを最大限に生かしたesu.jpは、中央部の撃ち合いでしぶとく戦いつつ、積極的に裏を取る動きでNabDを上回った。だがNabDも自力が高く、試合はシーソーゲームに。結果としては8-6という僅差でesu.jpが先勝した。

 第2試合は開始早々の狙撃対決が見られる「プロバンス」。このままesu.jpがもう1勝を挙げれば優勝が決定するが、ここではNabDが圧倒的な力を見せた。特に大きな歓声が上がったのはKeNNy選手の「壁抜きショット」。マップ中央部を隔てる薄い扉を通し、見えない位置にいるesu.jpの選手を倒すや、会場からはどよめきが起こった。NabDのクランリーダーであるMatcha選手も、次々に飛び出すesu.jpの選手を3連続で倒すといった活躍を見せ、第2試合を6-1という圧倒的な差で勝利した。

 そして両チームの命運を決する第3試合。使用マップは本作定番の「オールドタウン」。両チームともに知り尽くすマップであるために、各選手の持つ能力がストレートに結果に影響する。

 やはりここでも圧倒的な力を見せたのはNabD。先攻したesu.jpはたびたび爆弾の設置までは成功させていたものの、そこからの拠点防衛が上手くいかない。序盤の撃ち合いで劣勢になっていることが多く、爆弾を設置したところに他方向からの攻撃を受け、対応が後手に回らざるをえないからだ。ファーストラウンドをNabDが勝利するや、挽回の余地なく連続で敗北を喫するesu.jp。そのプレイにはもはや全く余裕が感じられない。

 そうして結局、決勝戦第3試合は6-0とNabDのストレート勝ち。esu.jpは初戦を勝利してしっかりと見せ場を作ることができたが、続く第2、第3試合で総合力の部分で差が出てしまったという印象だ。それに対して、最後まで最高のプレイを見せつけたNabDのMatcha選手、KeNNy選手の落ち着きが印象的だった。特に1人だけ異次元の上手さを見せたYuki選手のスキルには、会場に訪れた全員が唖然とするしかなかったほどだ。

 こうして「SACTL2009」の優勝チームはNabD、準優勝はesu.jpとなった。ゲームヤロウでは来年以降もより多くの大会を主催していきたいとしているので、日々オンラインで「サドンアタック」をプレイしている皆さんは、ぜひ腕を磨いて日々のクラン戦を楽しんで欲しい。


優勝「NabD」準優勝「esu.jp」
3位「Nof.np」3位「Flare.V」



(2009年 12月 21日)

[Reported by 佐藤カフジ ]