コーエーテクモ、「大航海時代 Online ~Tierra Americana~」発表会を開催
アメリカ開拓とルネッサンスの“新しい時代”へ変化
株式会社コーエーテクモゲームスは11月27日、本社会議室にてプレイステーション 3/Windows用オンライン海洋冒険RPG「大航海時代 Online」拡張パック第4弾「大航海時代 Online ~Tierra Americana(ティエラ・アメリカーナ)~」の発表会を開催した。「大航海時代 Online ~Tierra Americana~」の発売日は2011年2月22日を予定し、価格はパッケージ版が7,140円、ダウンロード版が4,514円。既存ユーザーを対象にしたオンラインアップデートは2,940円。
発表会は、本社会議室にユーザーを招いて開催された |
「大航海時代 Online ~Tierra Americana~」では、アメリカ東海岸が実装され、プレーヤー達は商会(ギルド)で街を造ることができる。この他、文化・芸術の中心地となる「パリ」が実装されたり、「フィレンツェ」に工房が実装されるなど新しい要素が盛りこまれる。また、国家へ貢献したプレーヤーは王立艦隊の一員になり、要塞を巡る大海戦が可能となる。「大航海時代 Online ~Tierra Americana~」もこれまでの拡張パック同様、いくつかのChapterにわけて実装されていく。第1弾は発売日当日の2011年2月22日に実装される予定だ。
「大航海時代 Online」の発表会は毎回様々な場所で行なわれているが、今回は同社が発表会用に私用している本社会議室で行なわれた。ゲームメディアの他、抽選で選ばれたファン60名のファンに向け「大航海時代 Online ~Tierra Americana~」の情報が発表された。さらに、日吉事務所地下のカフェテリアでオフラインイベントを開催した。ファン達はゲームの中に登場するお菓子や飲み物を味わいながら、クイズ大会などを楽しむこともできた。
また、TBSのTV番組「世界ふしぎ発見!」でミステリーハンターとしてレギュラーを務める女優の坂本三佳さんが特別ゲストとして登場、世界各地の場所を巡った話を聞くこともできた。
■ 商会で街を作る「アメリカ開拓」、パリ、フィレンツェ追加による新しい時代へ
コーエーテクモゲームス専務取締役ネットワーク事業部長の小林伸太郎氏 |
「大航海時代 Online」運営プロデューサー渥美貴史氏 |
「大航海時代 Online」開発プロデューサーの竹田智一氏 |
「大航海時代 Online ~Tierra Americana~」で最初に登壇したのはコーエーテクモゲームス専務取締役ネットワーク事業部長の小林伸太郎氏。小林氏は「第4弾拡張パックの発売を迎えられたのは皆さんのおかげです。『大航海時代 Online ~Tierra Americana~』では新しい時代、文化、冒険を皆様にお届けします。タイトル名はスペイン語でアメリカの大地という意味です。今回の発表会は本社で行なうことで、ユーザーの皆様と、開発サイドが近い位置でお話できるようになっております。発表会の後もお楽しみ頂けるようになっていますので、ご期待下さい」と語った。
この後、運営プロデューサー渥美貴史氏、開発プロデューサーの竹田智一氏によって「大航海時代 Online ~Tierra Americana~」の内容を紹介し、Chapter1の実装が2011年2月22日であることが発表された。
「大航海時代 Online ~Tierra Americana~」ではこれまで「地域」で拡張していった「大航海時代 Online」流れとは異なる、「時代」の流れが盛りこまれる。拡張パックのテーマは「自由と創造」であり、ポルトガルとイスパニアという2大強国が主導権を握っていた時代から、文化のテクノロジー、航海技術の発展により小国だった国が力を持ってくる。小国達に力をもたらす1つの要素が北米大陸だ。「大航海時代 Online ~Tierra Americana~」の1つめのコンセプトは、北米大陸がクローズアップだ。プレーヤー達は自由に北米大陸を開拓し、自らの手で新しい世界を作り出していくこととなる。
竹田氏はデモプレイでこの開拓要素を紹介した。新都市は商会(ギルド)で建設可能で、設置場所を選ぶことができ、街の建物も1つ1つ設定できる。デモプレイでは何もないところに建物を買い、配置していく様が紹介された。建物は、住宅や畑、採掘場や食品市場、造船所、工房など様々な者が設定可能だ。建物によって街の性格は変わってくる。これらの建物によって交易所の品目が変わってくる。住宅が増えると人口が増加し、建物の種類が増え、より立派な建物を建てることが可能になる。商会で話し合いながら、プレーヤー達の望む街を作り出すことが可能になるのだ。
2つめのコンセプトが「ルネッサンス文化」だ。芸術と文化の都「パリ」は意外以外にもこれまで実装されていなかった。パリには冒険者が発見したものを陳列できる「博物館」が登場する。博物館に様々な発見物を持って行くことで「文化貢献度」を獲得し、「文化功労者」といった称号、さらに1度に受けることができるクエストが増加するといった特典がもたらされる。また、パリでは発見物の傾向により“トレンド”が発生し、街の人々の服装が替わったりもするという。
フィレンツェも新しい街だ。フィレンツェには「メディチ家の工房」があり、ここに航海者が様々な情報を提供すると、メディチ家秘伝のレシピを教えてくれる。こちらでは「産業貢献度」が獲得できる。特別な衣装や、特別な食べ物、海戦で活躍できるアイテムなどなどのレシピがもらえるという。Chapter1ではパリとフィレンツェが追加されるが、今後もヨーロッパの有名都市がぞくぞくと追加されていくとのことだ。「大航海時代 Online ~Tierra Americana~」ではプレーヤー達のスタート地点であるヨーロッパにも大きく手を入れ、初心者にも向けたアップデートを行なっていくとのことだ。
次のコンセプトが「王立艦隊」である。王立艦隊は国から任命され、国のために様々なことを行なっていく。航海者が貢献していくことで、それぞれの国の国威が高揚していく。国威がある程度上がると、その国を攻撃目標とする「大海戦」が勃発する。大海戦はこれまではイベントのみだったが、これからはプレーヤー達の貢献によって起きるようになる。大海戦では「要塞」が戦いの鍵を握る。戦闘要素だけでなく、商人レベルが高いプレーヤーはより要塞を強くすることができ、冒険者レベルが高いプレーヤーは要塞への潜入工作ができるというように、軍人だけでなく、商人、冒険者のプレーヤーもそれぞれの方法で協力できる戦いが繰り広げられるという。王立艦隊では階級が授与され、制服が入手できる。
このほか、「大航海時代 Online ~Tierra Americana~」のリリースに合わせ、新キャラクターの追加や、お気に入りの船をさらに強化できる新システム、貸金庫の拡張、初心者を助けるという「委任航行システム」、アイテムを送付可能な「郵便システム」、世界の距離を超えて会話できる「ワールドチャット」など新しいシステムも数多く実装されるという。また時代の変化に合わせて領地の再設定も行なわれる予定だ。
■ ミステリーハンター坂本三佳さんが語る世界の驚異。オフラインイベントでは「ププランツリー」登場
ミステリーハンターとして世界を巡る女優の坂本三佳さん |
渥美氏、竹田氏が運んできたのは「ププランツリー」。ゲーム内で最も効果が高いお菓子だ |
発表会では特別ゲストとしてTBSの長寿番組「世界ふしぎ発見!」でミステリーハンターを務める女優の坂本三佳さんが招かれ、写真と共に世界を巡った様々な思い出を語った。坂本さんが最初に紹介したのは「タクラマカン砂漠」。現地の言葉で「入ったら帰れない砂漠」という意味だという。足跡も風ですぐかき消されてしまい、自分がどう歩いていたか、方向感覚を失ってしまうとのことだ。
この後、坂本さんはマチュピチュの遺跡の壮大さ、イギリスのストーンヘンジでは、思ったことが反応として現われるダウジングロッドの不思議な体験、ボツワナのカラハリ砂漠に雨期になると水が溜まるという湿地帯を紹介した。湿地帯には雨期になると南アフリカ中の象が集まり、坂本さんも象に囲まれる危険な経験をしたという。また、夜のキャンプでは、夜中にトイレに行く場合には気をつけないと野生動物に襲われる話や、パリの地下には下水道が張り巡らされていて、巨大な球のような器具で掃除すること、革命の際は通路として利用されたことなど、様々なエピソードを語った。
この後、渥美氏、竹田氏を加えてのトークセッションとなり、竹田氏の「世界での虫を使った料理」という話題では、坂本さんは「トウモロコシのように、噛むと最初にはじける。甘い味が多いが、芋虫は味から名付けたのか、本当にお芋の味がした」と語った。渥美氏の「遺跡などで恐怖体験はあったか」という質問には、「ペルーの遺跡でカメラマンの機材に骸骨の髪の毛が引っかかってしまい、蹴って外したところ、その夜高熱にうなされてしまい、撮った映像にもその部分だけ全部にノイズが入ってしまっていた。それから遺跡の取材には敬虔な気持ちで臨むようになった」という話を披露した。
発表会の後は、会場を日吉事務所地下のカフェテリアに移しての、オフラインイベントとなった。一足早いクリスマスとして、テーブルの上にはツリーが飾られ、渥美氏、竹田氏はサンタ姿で登場した。ゲーム内のカクテルを模したノンアルコールのドリンク、“マスカルポーネクリーム、フランボワーズコンフィ、ブルーベリーを飾った蜂蜜風味のパンケーキ”といった本格的なスイーツを立食形式で楽しむことができた。
メインとして渥美氏、竹田氏が運んできたのは「ププランツリー」。ゲーム内で最も効果が高いお菓子であり、形としては小さなシュークリームをチョコレートで固め、うずたかく盛りつけたものだ。ゲーム内で人気のお菓子で、実際に作るプレーヤーも多いとのこと。今回は、パティシエに実際に作ってもらったという。コーエーまでは1つ1つのシューとして持ち込み、出す直前に組み立てたとのこと。ツリーとして紹介した後、分解してユーザー達に配られた。蜂蜜、ラズベリー、チョコの3つの味を楽しめた。
オフラインイベントでは、クイズ大会や、ビンゴ大会が行なわれた。クイズ大会は「ププランツリーから派生したと言われるシュークリームの名前の元になる野菜は?」といった形のププランツリー関連の問題が多く出された。また、ビンゴ大会では最初にリーチになった女性が、結局最後までビンゴできずに、特別賞としてプレゼントが贈られる、といった場面もあった。今回抽選で選ばれた60名のプレーヤーの中には北海道から来た、という人もいた。人数が少ないため、友達と連れだって、という人は少なかったようだ。それでも同じゲームを遊んでいるプレーヤー同士、楽しそうに会話をしていた。前回の発表会にも参加したプレーヤーもいたとのことだ。
発表会、オフラインイベント共に渥美氏、竹田氏への質問・要望コーナーが設けられていた。要望では「ティークリッパーと一等戦列艦のテコ入れを行なう」、「船枠の増加は検討する」ということを竹田氏が約束した。また、新しいエモーションは実装できるか検討中のものがあり、モーションキャプチャーなど実際の作業は既に終わっており、調整中とのことだ。
筆者はこれまで何回か「大航海時代 Online」のユーザーを交えた発表会に参加しているが、やはり特別ゲストが面白い。過去にも、水中考古学者の井上たかひこ氏、海洋冒険家・白石康次郎さんといった方をゲストに招き、実際の「世界の神秘」を語ってもらうことでゲームの記憶が刺激され、さらに楽しくなる。今回の坂本三佳さんの世界を巡る話はユーザーの心に強く響いたと感じた。ゲームの世界観を大事にし、ユーザーの共感を呼ぶゲストは運営側のゲームへの強い想いも感じさせられる。他のゲームメーカーにも、このゲストの人選は参考にしてもらいたいと思った。一方で、やはりもっと沢山のユーザーを招待して欲しいとも感じた。今後の展開にも期待していきたい。
【スクリーンショット】 | ||
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アメリカの開拓。発展していく街の形がわかる | ||
パリの街と博物館 | ||
フィレンツェと新キャラクターのイラスト | ||
中央と右は追加されるアメリカの船。現在でも現役の帆船がモデルになっているという |
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(2010年 11月 29日)