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【連載第138回】 あの、おもちゃを徹底レポート




超小型ラジコンを盛り上げる音響システム
コナミ「iRサウンドシステム」

iRサウンドシステム
発売 コナミ
価格 4,179円(税込)
電源 アルカリ単3電池×4(別売)
発売日 発売中



 コナミが開発した赤外線遠隔操作システム「マイクロiR」。「デジQR」をはじめ、「コンバットデジQ」や「デジQフォーミュラ」、そして「デジQトレイン」と、このテクノロジーを使ったトイがたくさん発売されてきた。今回紹介する「iRサウンドシステム」は、その「マイクロiR」シリーズのラインナップにあって、もっとも異色な存在だ。だけど、飛び切りイカす商品でもあるのだ。遊び心があるなあ、とか、わかっているなあ、とか、見知らぬ開発者たちに拍手を贈りたい。そんな気分にさせてくれる。

 ひと言でいえば、これまでのラジコン群の操作に合わせて、効果音を鳴らすアイテムだ。「へっ、たったそれだけ?」という輩は、なーんにも分かっていない。ラジコンを遊ぶ際、それを“本物”と見立てて真剣に遊ぶ。ラジコンが効果音を発さなくても、心の中では大音響が響いている。それこそがラジコン愛好者のサガ。この「iRサウンドシステム」は、そうしたラジコン愛好者の夢を叶えてくれるアイテムなのだ。不景気の最中、伊達や酔狂の塊といえるこのようなトイが商品化されるのは、ある種の奇跡といえなくもない。しかし、これを使えばラジコンプレイが今までの2倍、3倍、いや10倍はおもしろくなる。


カードによって音源の変更が可能

 熱い語り口となったのは、「iRサウンドシステム」の衝撃が余韻となってまだ体の中に残っているから。ここで少し落ち着いて冷静にレポートしていこう。

 「iRサウンドシステム」は、スピーカーや再生機能を備えた本体と、サウンドデータを収録した「サウンドカード」から成り立っている。「サウンドカード」を取り替えることで、様々な効果音を楽しめるようになっている。ちなみに現時点では、「コンバットデジQ」「特撮デジQ」「デジQフォーミュラ」のそれぞれに対応したカードが発売されている。筆者は迷わず「コンバットデジQ」対応の「サウンドカード」を購入した。

 「コンバットデジQ」は、手のひらに乗るほどに小さなボディを持った戦車のラジコンシリーズだ。当初は前進や後退、そして超信地旋回といった移動のギミックだけだったが、最新シリーズでは砲塔の旋回機能を搭載するほどの進化を遂げている。この最新機種を操作して、キャタピラによる地響きや砲塔が旋回する駆動音を堪能したい! それが購入決定の理由だった。

「iRサウンドシステム」。ブリスターパック仕様だ 「コンバットデジQ専用サウンドカード」は、1枚1,575円(税込)

 遊び心溢れるコンセプトとは少し異なり、「iRサウンドシステム」の本体のデザインはクールテイスト。高級オーディオを思わせるスタイリッシュな雰囲気を漂わせている。

 まず目に付くのがスピーカーだ。縦長のボディの上部に大きめのスピーカーが内蔵されており、大音量に期待が持てる。その上の最上部にあるクリスタルの小さなパーツは、「チョロQR」や「コンバットデジQ」などで見慣れたもの。そう、赤外線の受光部だ。

 裏面には、「サウンドカード」を挿すスロットが4基。最大4台までのラジコンの操作を感知し、それぞれに合った音を奏でるというわけか。今回は1台だけのプレイだが、4台同時プレイでは効果音が重なりあい、さぞかしド迫力の音響が楽しめることだろう。

 スロットに「サウンドカード」を挿し、アルカリ単3電池を4本セットして、準備は完了だ。

「iRサウンドシステム」本体。海外のオーディオメーカーのスピーカーのようなテイスト スピーカーの上に赤外線受光部。「iRサウンドシステム」の中核だ 背面には「サウンドカード」を挿すスロットが設けられている
「サウンドカード」は、このようにキャプを外して使用する 合計4枚までの「サウンドカード」を挿せる仕組みになっている


操作に合わせてリアルなサウンドが鳴り響く!

 使用する戦車は、以前紹介した「パンターG型」。専用コントローラーにセットして充電を完了。さあ、爆音よ、鳴り響け! と期待度満点で操作をしたのだが、うんともすんとも言わない。説明書を熟読すると、電源スイッチをオンにする順番がポイントだと判明した。まず最初に「iRサウンドシステム」の電源をオンにする。そうして「コンバットデジQ」の電源を入れる手順が正解なのだ。

 音が鳴り響いた瞬間、恥ずかしながら「うわっ!」と悲鳴を上げてしまった。事前に音量ボリュームを最大にしていたのが要因だが、こんなにも大きいとは! 「ダダダダッ……」と戦車のエンジン音が低く鳴り響き、筆者の仕事場に重苦しい雰囲気がたれ込めた。

 コントローラーを操作して戦車を前進、そして後退させる。とたんに、「キュルルルル……」とキャタピラが高い金属音を鳴り響かせる。音質のリアルさもさることながら、音が鳴り響くタイミングも秀逸。こちらの操作に一瞬も遅れることがなく、あたかも戦車自体が音を発しているかのような臨場感がある。主砲を放つと、ひときわ大きな爆発音が聴こえてくる。そして、最後はいよいよ砲塔を旋回させてみる。「ウィーン」。モーターがフルに駆動し、重厚な金属物を動かしているサウンド。「これだ、これ!」と思わず納得させられる迫真性がある。

砲塔旋回機能を搭載した「パンターG型」。別売だ 「コンバットデジQコントローラー」。こちらも別売 電源をオンにすると本体のランプが赤く点灯する

【ムービー】
迫力の音に包まれながらラジコン操作を楽しめる(MPEG、1.77MB)


 さんざん遊び倒した「コンバットデジQ」だが、「iRサウンドシステム」のおかげで、はじめて遊んだトイのように新鮮な気分で長時間楽しんだ。一度この「iRサウンドシステム」を体験すると、これなしでは物足りない体になってしまうだろう。コナミには、このような遊び心溢れるアイテムを今後も作り続けていただきたい。


□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□「iRサウンドシステム」のページ
http://www.micro-ir.com/product/soundsystemu/top.html
□関連情報
【2003年10月9日】気になるe-Toy遊んでレポート 連載第127回
あの大人気トイが魅力的な進化を遂げた!
コナミ「コンバットデジQ 砲塔旋回仕様 パンターG型」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031009/toy127.htm


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(2004年3月11日)

[Reported by 元宮秀介]


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