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【連載第24回】 気になる海外ゲームをピックアップ


西尾ゆきの海外ゲームレポート

「ラグナロック オンライン」とどっちを取る?
フル3Dの可愛いくて遊びやすいMMORPG
「Shining Lore」ベータテストレポート

 昨年、「ラグナロック オンライン」や「リネージュ」などの人気で、日本でも広く注目されるようになった韓国産のMMORPG。今年も夏ごろにドーンと大きな波が来そうだ。現在、韓国でオープンベータテストが行なわれているフル3DのMMORPG「Shining Lore」が、夏に日本語版でのベータテストを予定しているのだ。当初の予定よりもベータテスト開始時期が早まるとのことで、現在急ピッチで日本語化が進められている。今回は、パンタグラムの日本語版開発陣にお話を伺うことができたので、これからの予定なども含めて、ゲーム内容を紹介しよう。

軽快で可愛らしい韓国発のネットRPG

 「Shining Lore」はフル3Dで描かれた、軽快さと可愛らしさが魅力のMMORPGだ。プレーヤーは5つの大陸を舞台に、クエストや戦闘でキャラクタをレベルアップさせながら、チャット、ミニゲームなどをあわせて楽しむ事ができる。

 戦闘はモンスターをクリックするだけのお気楽操作だが、キャラクタが様々な職業につき、職業ごとの特殊アビリティを習得すると、多様な攻撃方法でさらに戦闘や冒険を楽しめるようになっている。現在、発表されている職業は、戦士、エンジニア、料理人、錬金術師、デザイナーの5つだが、製品版ではもっと増やされる予定とのこと。

 デモで見せてもらった限りでは、生産系の名前がついた職業でも戦闘で不自由する事はなさそうで、たとえば料理人であれば、ピザなどを敵になげつけて大ダメージを与えていた。もちろん、生産系の職業には豊富に用意されたアイテム群を合成する楽しみがあるだろう。

 「Shining Lore」は転職をしながら数々の特殊アビリティを習得し、戦闘やクエスト、ミニゲームや他のプレーヤーとの交流などを楽しみがら、軽快な音楽に乗ってサクサクとゲームが進められるMMORPGなのである。

街の周りで、“みみパンチうさぎ”と戦う。敵モンスターでさえ可愛らしい 吹きだしで表示されるキャラクタの発言。1対1や複数人でのチャットもできる 料理人のピザ投げ攻撃! 職業によってバラエティに富んだアビリティを学べる

韓国でのベータテストでは、すでに数多くのプレーヤー達が気ままな冒険を楽しんでいる 鳳凰を飛ばす華麗なアビリティ。レベルがあがればそれだけ強いアビリティが身に付けられる

戦闘とキャラクタの育成が楽しい!

文字化けしていて申し訳ないが、キャラクタ作成時の質問画面。お姉さんの問いに答えていく
キャラクタが完成すると選択画面に表示される。1アカウントに3人まで登録可能
 さて、今回は取材に赴き、Phantagramの日本法人パンタグラム株式会社社長の趙さんの話を聞きながら、ローカライズ担当の金さんによる韓国語版のベータテストをデモンストレーションしてもらった。

 ゲームは、まずはプレイするサーバーを選び、プレーヤーが操作するキャラクタ(アバター)の作成から始まる。

:まずはワールド(サーバー)を選びます。韓国では3カ月前からベータテストを行なっています。当初、2つのサーバーで運営を開始しましたが、新しく入った人たちがレベル差でつまらなくならないように最近、もうひとつサーバーを増やしました。

 名前と性別を決めると、キャラ作成のガイドをする受付のお姉さんからいくつか質問を受け、それに答えることで、キャラクタの属性が決定される。属性は以下の5つだ。

・火属性……力と密接な関連がある属性で、素直で多血質的な性格が表れる
・水属性……敏捷(器用+速度)性と関連深い属性で、考えが深くおとなしい性格をしている
・風属性……健康と深い関連がある属性で、少し空想的な気質の性格をしている
・雷属性……知能と深い関連がある属性で、はっきりして冷静沈ちゃくな性格をしている
・土属性……意志と関連深い属性で、ゆったりした性格を持っている

:キャラクタのパラメータは、お姉さんの質問に答えることで決定されていきます。「あなたが好きな武器は何ですか?」といったようなものです。属性(キャラクタのパラメータ)と職業は密接に関係します。いまある職業は戦士、エンジニア、料理士、錬金術師、デザイナーです(現時点で稼動しているのは戦士、エンジニア、料理士の3つ)。

:プロデューサーはまだいくつか増やしていくつもりだと言っています。

 質問に答え終わると、今度はキャラクタの見た目を決定する。髪型、顔、着る物を自由に組み合わせて、自分好みの容姿のキャラクタを作るのだが、それぞれのパーツはバリエーションが豊富なので、どれとどれを組み合わせるかで迷ってしまう。

:めんどくさい人は、ランダムボタンを押せば適当に組み合わせてもらえます。で、キャラクタが完成するとテーブルにつきますので、それを選んでゲームを始めます。

 キャラクタを作成し終わったらいよいよ冒険だ。最初は街の中に降り立つ。街のすぐ外に出ると、素手で倒せるような弱い敵と戦いながらレベルアップしていく。戦闘は、戦いたいモンスターをクリック連打するだけ。ばしばしと叩いてダメージを与えるとモンスターは倒れ、経験値と共にアイテムやお金などが得られる。

:左上にミニマップがあるんですけど、“にこちゃんマーク”が自分で、向いてる矢印がキャラクタの方向を示しています。

:最初はこうやってモンスターと地道に戦ってレベルを上げていきます。死ぬと自動的に街に戻ります。βテストでは死亡によるペナルティは一切ありません。こうして戦闘をしてレベルアップしたり、街で買い物したり、人に会ったりします。この青い文字は他のプレーヤーのセリフで、他の人からアイテムを買うこともできます。

:レベルを上げるには、まずはとにかく戦闘ですね。あと、ペットなんかも持てるんですよ。

 ここで、小さなパンダのペットを見せてもらった。ゼンマイ式のおもちゃのような感じで攻撃能力はなく、勝手気ままに歩き回るだけの可愛らしい存在だ。

:レベルによっていろいろなものを召喚してペットにできるんですが、これは役に立たなくてグルグル歩き回るだけのパンダなんですよ(笑)。でも、もっとレベルがあがれば自分の代わりに戦うようなもっとすごいものも召喚できますよ。

:ちなみに、パンタグラムのゲームはすべて「ブルー」というグラフィックエンジンで作られてきてまして、「Kingdom Under Fire」も「Shining Lore」も「ブルー」で作られています。どんどん進化して機能は異なってきてますが「ブルー」という名前で統一しています。

パーツが豊富なため、キャラの見た目も大きく変わる。面倒くさがり屋のために1キーで、ランダム設定できる機能も用意されている。最終的にはこれに装備品など加わるため、街でまったく同じ姿のプレーヤーに出会うことはまずない

転職をしてアビリティを増やしていく

 戦闘である程度レベルアップしたら、転職することができる。まずは転職したい職業に対応したギルドの建物に行き、好きな職業に転職する。各職業には、それぞれ特殊攻撃アビリティが用意されていて、レベルに応じた特殊攻撃を習得できる。たとえば、戦士であれば、ダブルインパクトというアビリティを最初に得られる。このアイコンをアビリティ一覧から、画面右下のアビリティショートカットウィンドウ(丸が五角形に並んでいるところ)に登録すると、以降、戦闘中はいつでも右クリックでこの特殊攻撃を行なえるようになる。

 転職は、転職可能な条件さえクリアしていれば何度でもでき、たとえば戦士から料理士に、料理士からエンジニアにという風に転職できる。レベルが上がって転職を繰り返せばアビリティが増えるわけで、ゲームを飽きずに続けられるように工夫されている。

西尾:クエストなどもあるんですか?

:あります。職業ギルドに入り、そこのクエストを受けて達成すると新しいアビリティを学べたりもします。

 戦闘でキャラクタを育てながら各種アビリティを習得していき、どんどん多様な攻撃ができる強いキャラにしていくわけだが、「Shining Lore」はレベルがひとつ上がるごと、新たなアビリティをひとつ覚えるごとに、キャラクタの成長を実感しやすいゲームバランスになっている。そのため、敵をどんどん倒していく事に目的意識が持ちやすいし、また、戦闘自体の操作がとことん簡単なのもあって、無心にモンスターを倒し続けてしまった。簡単な操作や気持ちのいいBGMが心地よく、非常にリラックスして戦闘を楽しめるゲームだ。

レベルアップすると入るステータスポイントを好きなように割り振れ、プレイ合ったキャラクタを育成できる 戦士のアビリティ“ダブルインパクト”。アビリティごとに派手なグラフックが用意されている 生産系職業の材料になりそうなものが店一杯に売られている。食べ物は回復アイテムにもなる

MMORPGとしてあらゆる要素をつめこんだ贅沢な内容

 今回、パンタグラムで「Shining Lore」のデモンストレーションを見せてもらった時、ゲームフィールドがとても広いのが印象的だった。エリアとエリアの間は、「ラグナロック・オンライン」などと同様にテレポートポイントのようなものでつながっていて一定の大きさで区切られている。ひとつの大陸に複数のエリアがあり、それが製品版では5つの大陸になるというのだから、かなり広い世界になる。ちなみに、現在のベータテストの舞台になっているエンテロール大陸には5つの街が存在しているのだが、ひとつの街だけでも何十画面分の大きさがあるので、その広さを想像してもらえるだろう。

:じゃあ、お金も稼いだのでミニゲームをやってみましょうか。これがクレーンゲームです。ほかにトランプゲームなどもあります。

西尾:そのゲームの賞品の中身は何ですか?

:いろんなものがでてきます。アイテムとか。ミニゲームで一番流行っているのは、お金が増やせるカードゲームですね。

:タイピングゲームもありますよ。モンスターの上に表示された単語を打っていって、早いほうが勝つという。

 ミニゲームはクレーンゲームのようにお金を払ってやるタイプのものもあれば、プレーヤーがミニゲーム用のアイテムを買って、自分でゲームのホストとなって対戦相手を募集するタイプのものもあるということだ。

 なお、MMORPGとして気になるPK要素だが、「Shining Lore」では今のところは予定していないとのこと。プレーヤー同士の直接対決としては各種ミニゲームがその役目を担っているようだ。プレーヤー同士の争いよりは、協力的なプレイに主眼がおかれたゲームシステムになっているわけだ。

 プレーヤーがゲーム内に家や店を持てる予定もあるという。

:他の要素もどんどん追加する予定ですし、MMORPGとして思いつく限りの要素が盛り込まれるはずです。飽きることはないんじゃないでしょうか。

 自信たっぷりな金さんの発言どおり、確かに、キャラクタ育成の喜びや職業ごとの特殊攻撃、生産系の楽しみ、ディアブロタイプの手軽な戦闘、キャラクタの豊富なアクションなどなど、MMORPGでポイントとなりそうな要素を余すことなく盛り込んでいる。キャラクタが可愛い、操作体系もわかりやすい、その上、内容盛りだくさんとくれば、韓国でのベータテストであっという間に15万人の登録者を獲得したのもうなずける。

 また、以前、ECTSでの取材では「特定の職業のタイトルを複数もつと、レアな職業タイトルが得られる」とお伝えしたが、今回お聞きしたところ「それはだいぶ古い企画ですね」とのこと、当然の事ながら現在のベータテストが一番正式内容に近いようだ。また、同様に、恋愛要素を盛り込んだヒロインシステムのような構想も過去の企画で、採用されるかどうかは未定とのことだ。

ベータテストの舞台となるエンテロール。ひとつの大陸だけでもかなりの広さがある ショップでお買い物。NPCキャラクタたちも独特のファッションで可愛らしい 料理人ギルドでのひとこま。調理台があったりNPCがめん棒を持っていたり

ゲーム内では時間の経過や天候の変化があり、夜にはきちんと暗くなる 新たなアビリティを習得するため、レベルをあげてギルドに申請しに行く ミニゲームのクレーンゲームをプレイするプレーヤーを発見

日本人クリエーターも制作に参加

急ピッチで作業を進めているパンタグラムの日本語版開発陣。マニュアルなどもずいぶん日本語化されてきている
 「Shining Lore」は韓国で開発されているゲームだが、制作には日本人クリエーターも参加している。キャラクタデザインやそのプロデュースは韓国の漫画家が行なっているが、雑誌でのイメージイラストやポスターなどは、電撃文庫「シンフォニアグリーン」の挿絵などで活躍するイラストレーター秋津たいらさんが手がけている。

 また、音楽面では、グランディアシリーズなどでおなじみの岩垂徳行さん、アニメ「るろうに剣心」や「今そこにある僕」などの音楽を手がけた岩崎琢さんが参加しているとのことだ。国際市場や日本市場を強く意識しており、さまざまな方面からみての人選に腐心しているようだ。

 気になる日本語版ベータテスト開始時期だが、趙さんのお話では「夏休みが始まる前には開始したい」とのことだ。日本語版ベータテストのサーバーは日本国内に用意され、日本在住スタッフもいる状態で行なわれるため、ラグやサポート、ユーザーコミュニティへのフォローなどの面で困ることはないだろう。日本語版ベータではしっかりとしたサポートの元に安心してプレイすることができそうだ。

 韓国での製品版発売(有料化開始)は7月頃、もしくはそれ以降の予定とのことなので、もしかするとラグナロック オンラインより先に製品版でのサービスが始まる可能性もある。どちらも可愛らしく遊びやすいゲームなだけに、サービス開始時期が重なると、どちらをプレイするのか(もしくは両方プレイするのか)、大いに悩むところだろう。韓国発のMMORPGとしては、これまでにないクオリティとサポート体制でせまる「Shining Lore」。MMORPGとしての定番要素を押さえつつ、独自性をどこまで出してくるかにも期待したい。

ミニゲームには一人で遊ぶものから、プレーヤーを募って複数で遊ぶものまで様々 装備品の種類も豊富で、料理人用にフォークや包丁型の武器まである ぷよぷよと半透明のプリンスライム。ゲーム序盤においしいモンスターだ

一緒に装備する事でコーディネイトできるような装備品も数多く用意されている 道端で他のプレーヤー相手に商売をするプレーヤーが数多く見受けられる

(c)1999-2002 Phantagram Ltd. All Rights Reserved.

【Shining Lore】
  • ジャンル:ジャンル:MMORPG
  • 開発/発売元:Phantagram Interactive
  • 価格::未定
  • 対応OS:未定
  • CPU:Celeron 400MHz以上(Pentium III 600MHz以上を推奨)
  • メモリ:64MB以上(128MB以上を推奨)
  • ビデオメモリ:16MB以上(32MB以上を推奨)


□「Shining Lore」公式ホームページ
http://www.shininglore.com/Sl_japan/
□「Shining Lore Online」Opening Movie
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020416/demo0416.htm


今週の気になる直輸入ソフト

 今週の新入荷は少なめだった。現在の建物から撤退が決まっているせいか、T-ZONE本店での海外ソフトにあまり動向が見られないのが気になるところだ。また、LaOXゲーム館には「NFL Primetime 2002」(6,000円)や「Steel Beasts Gold Edition」(5,380円)等と共に、サッカーのワールドカップ開催直前の発売で話題になっている「Hooligans: Storm Over Europe」が並んでいた。暴力沙汰が絡むフーリガンを題材にしているということで、時節柄、内容を問題視されがちだが、残虐性のみを追求している「POSTAL」などとはまた異なるアプローチのゲームなので、デモ版などで一度内容を見ておくのも悪くないだろう。

Hooligans: Storm Over Europe
実売価格:5,040円 ジャンル:リアルタイムストラテジー Demo版

 乱暴も辞さない危険なサッカーファン“フーリガン”達でストレートな暴力闘争を巻き起こしつつ、ヨーロッパで一番タフなフーリガングループになることを目指すストラテジーゲーム。クオータービューのフィールドで自分のフーリガンたちを操作して、警官や敵チームのフーリガンと争う様々なミッションをこなしていく。

Die Hard: Nakatomi Plaza
実売価格:5,250円 ジャンル:アクション Demo版

 ブルース・ウィルス扮するタフな刑事のアクション映画「ダイ・ハード」を題材にしたアクションゲーム。プレーヤーは、ジョン・マクラーレン刑事となり、テロリストに占拠されたナカトミプラザビルに単独潜入して、各フロアをテロリスト達の手から開放していかなくてはならない。

(c)2002 Sierra On-Line, Inc., All rights reserved. Die Hard: Nakatomi Plaza TM & (c)2002 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.

Arabian Nights
実売価格:3,800円 ジャンル:アクションアドベンチャー

 アドベンチャーゲームを連発しているDream Catcher Interactiveから発売された新作アドベンチャーゲーム「Arabian Nights」。千夜一夜物語の世界を舞台に、プレーヤーは青年アリとなって姫君たちを救う冒険に乗り出していく。昨年にはツクダシナジーから「アラビアンナイト〜美しき5人の姫君〜」日本語版が発売された。

(c)2002 Dreamcatcher Interactive, Inc.

(2001年5月1日)

[Reported by 西尾ゆき]


ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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