高い志を持っていた画家は作品が売れず、やがてこだわりを捨てて大衆に媚びるようになった。題材にしたのは、自分が見た「卑猥な夢」。これが飛ぶように売れた。売れっ子になった画家は鑑賞者に飽きられることを怖れ、自身の卑猥な夢を、もっともっと正確に描きたいという欲望を抱いた。その欲望が自らの身体をキャンパスに変え、やがて鑑賞者をそこに取り込み、卑猥な夢の内容を「実際に体験できる」ようにしたのであった。(右は人間の頃の姿)