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有機EL×光沢加工が生む“極上の色彩”。LGモニター「UltraGear OLED 27GX704A-B」で体験するワンランク上の世界
2025年11月28日 10:30
- 【UltraGear OLED 27GX704A-B】
- 2025年9月25日発売
- メーカー希望小売価格:オープンプライス
ゲーミングモニターを選ぶ際、画面の美しさにこだわりたいなら有機EL(OLED)モニターは真っ先に検討するべき候補だろう。その引き締まったブラックが生み出す鮮烈な印象と立体感、そして高フレームレートの心地よいレスポンスは、ゲーム体験のステージを一段上へと引き上げてくれる。
今回紹介する「UltraGear OLED 27GX704A-B」は、LGエレクトロニクス・ジャパンのゲーミングモニターブランド「LG UltraGear」シリーズから発売されている、26.5インチの有機ELゲーミングモニターだ。
本製品を製造しているLGエレクトロニクスは2009年に有機ELの開発を開始し、2013年に世界で初めて55インチの大型有機ELテレビを発表した先駆者であり、10年連続で世界シェア第1位を維持しているリーディングカンパニーでもある。本製品にはそんなLGエレクトロニクスが培ってきた技術が多く搭載されている。
そんな特長の1つがグレアコーティングだ。多くのゲーミングモニターで映り込みを抑えるノングレア(非光沢)コーティングが採用されている中、本製品では敢えて光沢のあるグレアコーティングを選択している。これは有機EL最大の長所である漆黒の表現をより際立たせるためだ。
今回は「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)や「Clair Obscur: Expedition 33」(Kepler Interactive)など映像美に定評のあるゲームと、「VALORANT」(ライアットゲームズ)、「フォートナイト」(Epic Games)などのプレイを通じて、本製品の映像体験について紹介したい。
自発光する有機ELが生み出す圧倒的な美しさ
“映像美”という言葉は有機ELパネルの枕詞的に使われることが多いように感じる。なぜ有機ELパネルはそれほど美しいのか、従来の液晶とどう違うのかについて、改めて説明しておきたい。
以前から使用されてきた液晶ディスプレイ(LCD)は、液体と固体の中間的な性質を持つ物体に電圧を通すことで、分子の向きを変えて色を表示する。液晶自体が発光するわけではないので、背面からバックライトで照らす必要がある。ただし、バックライトの光が画面の黒い場所にも漏れてしまい、黒が真っ黒に表現されない、いわゆる「黒浮き」という弱点がある。
対して有機EL(OLED)は電気を流すと光る有機物を使用して、各ピクセルが自ら発光する「自発光型ディスプレイ」である。すべてのピクセルが自ら発光する有機ELでは、必要な部分のみを光らせることができるため、「黒浮き」がそもそも起こらない。コントラスト比が高いくっきりした画面や、深い漆黒を表現することが可能になる。
視野角の広さや色再現度の高さも特徴だ。また、液晶に比べて発光と消灯の切り替えが早いため、応答速度が非常に速いというメリットもある。
有機ELは液晶に比べて価格が高い傾向にあるが、本製品は9月に発売され、現在の価格は11月時点で64,800円(公式ECサイトのもの。12月8日までのブラックフライデーセール特別価格)。有機EL=高級というイメージもあるが、決して手の届かない価格ではなくなっている。
また画面の焼き付きについては「ピクセルクリーニング」や「スクリーンセーバー」などのパネル保護機能がデフォルトで搭載されているため、有機ELパネルの良いところを安心して堪能できる。
映像へのこだわりが選んだグレアコーティング
有機ELのメリットを最大化するために、敢えてグレアコーティングを選んだこだわりからも、映像美への自信を感じさせる。
一般的なゲーミングモニターで使用されているノングレアコーティングのパネルは、表面に施された微細な凹凸テクスチャで光を拡散することで映り込みを防いでいる。だが拡散した光のために画面の鮮明さやクリアさが多少犠牲になる。
対してグレアコーティングされたパネルは表面が比較的ツルツルとしてクリアであり、映像の鮮明さや透明感を表現しやすいという特徴がある。光を拡散させないため、映像本来の色純度やコントラストをダイレクトに目に届けることができ、有機ELらしい色彩の鮮やかさがより際立つ。
後述するが、「マイクロレンズアレイ(MLA)」技術が採用されていることで、最大輝度も従来品より向上している。映像美を追求した結果のグレアコーティングとなっており、豊かであり、なおかつくっきりとした映像表現はまさに“極上”。こうした色彩へのこだわりが、本製品最大の特長となっている。
ミニマルでスタイリッシュなデザイン
ここからは本製品の具体的なスペックを紹介していきたい。まずは主要なスペックの一覧見て欲しい。
- 画面サイズ:26.5インチ(アスペクト比 16:9)
- パネル:OLED
- 表面加工:グレア
- 解像度:2,560×1,440ドット(WQHD)
- 輝度:275cd/㎡ ピーク輝度1300cd/㎡(APL 1.5%)
- 視野角:178度/178度(水平・垂直)
- 応答速度:0.03ms(GtG)
- コントラスト比:1,500,000:1
- 色再現性:DCI-P3 98.5%
- リフレッシュレート:最大240Hz
- 可変リフレッシュレート:AMD FreeSync テクノロジー(AMD FreeSync Premium Pro テクノロジー)
- HDR:HDR10 VESA DisplayHDR True Black 400
- 映像入力端子:HDMI×2、DisplayPort×1
- その他の端子:USBアップストリーム×1(USB 3.2 Gen1x1)、USBダウンストリーム×2(USB 3.2 Gen1x1)、オーディオジャック
- 発売日:2025年9月25日
- メーカー希望小売価格:オープンプライス
- 公式ECサイト価格:79,800円(12月8日まで64,800円)
外見はUltraGearに共通している4辺フレームレスのスタイリッシュかつミニマルなデザイン。没入感を削ぐ余計な装飾はなく、画面だけに集中できる。
ディスプレイのサイズは26.5インチのWQHD(2,560×1,440)解像度、リフレッシュレート240Hz、応答速度0.03ms(GTG)という、現在のハイエンドゲーミングモニターのトレンドをしっかりと押さえている。
横から見ると、バックライトがない有機ELならではの薄さが際立つ。背面上部にはUltraGearのブランド名をかたどったロゴがあり、I/Oポートは背面下部に配置されている。スタンドに邪魔されないよう左側にはHDMIが2つ、DisplayPort(Ver.1.4)が1つ、右側にはUSBアップストリーム(USB 3.2 Gen1x1)が1つ、USBダウンストリーム(USB 3.2 Gen1x1)が2つ配置されている。
底面にはヘッドホン用のステレオミニジャックと、OSDを操作するためのジョイスティックが配置されている。
スタンドは他のシリーズモデルに比べて細身なデザイン。130mmの高さ調整に加え、チルト(-5°~21°)、スイベル(左右30°)、さらにはピボット(左90°)にも対応。デスク環境やプレイスタイルに合わせて最適なポジションを確保できる。もちろんVESAマウント(100×100mm)にも対応しているため、モニターアーム派のユーザーも安心だ。
ACアダプタの他、HDMIケーブル、DisplayPortケーブル、USBアップストリーム用のUSB Type-A-Type-Bケーブル、ケーブルをまとめるためのプラスチックパーツが付属している。
マイクロレンズアレイが生み出す高いピーク輝度
写真ではなかなか伝わり切らないかもしれないが、実際に映像を映し出すとその美しさは一目瞭然だ。
ピーク輝度は1,300cd/㎡(APL 1.5%)とゲーミングモニターとしては最上位レンジに位置する高さで、VESAの「DisplayHDR True Black 400」認証も取得している。ピーク輝度が高いほどHDRの再現力が上がるため、深みのある黒と広いダイナミックレンジの色彩を楽しむことができる。
この高輝度を実現しているのが「マイクロレンズアレイ(MLA)」技術だ。従来の有機ELパネルでは、発光した光の一部がパネル内で反射してしまい、そのため最大輝度が弱くなるという弱点があった。マイクロレンズアレイは、1ピクセル当たり1,300個以上、合計500億個の目に見えないほど微細なレンズの層を取り入れることにより、反射した光を画面側に屈折させることで、効率的に光を出力できるようになる。この技術によってカタログスペックでは従来より30%も輝度を向上させている。
色の再現度も高い。本製品は一般的な色域であるsRGBよりも広域なDCI-P3を98.5%(標準値)カバーしている。また「Live Color Low Blue Light」という、正確な色を極限まで維持しながらブルーライトを軽減する機能もあり、色再現度にシビアなクリエイティブ環境でも威力を発揮してくれそうだ。
0.03msという非常に高い応答速度も自発光する有機ELならではのメリットだ。 高速で映像が動くときにどのくらいクリアに見えるかという指標である「VESA ClearMR」では最高値の「VESA ClearMR 13000」を取得しており、FPSなどをプレイすると残像感のなさに驚く。激しい視点移動でも背景や輪郭がブレずにくっきりと見える。240Hzという高いリフレッシュレートも相まって、勝利のカギを握るファクターになりそうだ。
ワンタッチのゲーミングモードでオリジナルのプリセットを作成可能
ジョグダイヤルで操作するOSDは非常に洗練されている。ボタンを押すと、すっとフェードインしてくる。モニターの操作パネルは武骨なデザインのものが多い中、さすが家庭用TVを作っている企業だけあり、使いやすくデザイン的にも凝った作りになっている。
最初の画面では、「設定」、「入力」、「ゲーミングモード」と電源オフが選択できる。「設定」では、輝度や色味の細かい画像調整、FPSカウンターや、クロスヘア、ブラックスタビライザーといったゲーム機能設定やサウンドなどのカスタマイズを行なうことができる。
「ゲーミングモード」では「ゲーマー1」、「ゲーマー2」、「FPS」、「RTS」という4つのプリセットがあり、ジョグダイヤルで簡単に切り替えることができる。デフォルトでは「ゲーマー1」は暗い場所をしっかり締めて黒の美しさを際立たせている。「ゲーマー2」はコントラストが高く全体的に明るめの設定。「FPS」は暗すぎる場所や白飛びする場所のコントラストを敢えて落とすことで画面のメリハリを抑えて敵を発見しやすくなっている。「RTS」は「ゲーマー1」よりもやや明るめだがメリハリの利いた設定となっている。
映画的フォトリアルからアニメまで、すべてが美しい
今回使用した「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」は小島秀夫氏率いるコジマプロダクションによるプレイステーション 5用のアクションゲーム。前作同様、崩壊した世界を巡って荷物を運びながら、立ちはだかる敵やBTという異形の存在と戦いながら哲学的なテーマを読み解いていく。
主人公サムが旅する世界は、厳しいがとても美しい。オープンワールドは気象も環境も刻々と変化しており、本当にそこにいるような没入感を味わえる。
もう一方の「Clair Obscur: Expedition 33」は、Sandfall Interactiveが作成したターン制のRPG。日本のRPGに影響を受けたフランス産のJRPGであり、2025年の「The Game Awards」で12のノミネートを受けるなど、世界中で話題になっている。
舞台は崩壊しかけた世界。ペイントレスという謎の少女の呪いによって、毎年一定の年齢に達した人々が削除されていく。ルミエールという島に住む人々は、ペイントレスを倒すための遠征隊を何十年も送り出してきたが、戻ってきた人間はいない。そしてついにギュスターヴたち第33遠征隊の番がやって来る。
絶望的だが、どこかユーモアがあり、恐ろしくも美しい不可思議な世界は隅々までが作りこまれており、まるで現代芸術の中を旅しているような気分になる。
こうした映像美を売りにしているゲームは、有機ELの性能を存分に引き出してくれる。高い輝度とコントラスト比、そして引き締まった黒が映像に奥行を生み出して、リアルな風景を見ているような感覚を抱かせてくれる。
「VALORANT」と「フォートナイト」は言わずと知れたFPSの人気ゲーム。リフレッシュレートの高さ、応答速度の速さのほか、遅延を最小限に抑える「DAS(Dynamic Action Sync)モード」、暗くて見えづらい部分を認識して明るく映し出す「ブラックスタビライザー」といったゲームのための機能が、勝利を支援してくれる。
「フォートナイト」では現在シンプソンズとのコラボで「スプリングフィールド島」が実装されている。主線がはっきりしており、色彩豊かで彩度の高い今回のようなマップも、色の純度が高い有機EL向けといえるだろう。
色彩に心を震わせる。この鮮烈さをぜひ体験して
「UltraGear OLED 27GX704A-B」は程よい広さのWQHDに、240Hzという高リフレッシュレート、0.03msという応答速度で競技シーンでも威力を発揮する。だが、本製品の持つポテンシャルを100%発揮できるのは、やはり映像美を売りにしているゲームをプレイしたときだろう。
MLAによる高輝度とグレアコーティングによる透過性によって、有機ELパネルのメリットを最大化している。黒浮きが一切ない深い闇と、高輝度が生み出す鮮烈な色彩がゲームへの没入感をさらに高めてくれる。グラフィックスのために高価なパーツを揃えているなら、映像美の出力にもこだわるべきだ。「UltraGear OLED 27GX704A-B」が有する、最高峰の技術が生み出す鮮烈さをぜひ体験してほしい。
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