使って試してみました! ゲームグッズ研究所

連載第384回

重量級&ノアール配置!「リアルアーケードPro.N」を使って試してみた
余裕のある天板スペース、安定性の良さと、ハイクオリティなアーケードスティック

 当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。

ノアール筐体ボタンレイアウトの良さをしっかり活かせる天板の広さと安定性を持つアーケードスティックコントローラー

ノアール筐体のボタンレイアウト、重量級な大型筐体を採用したリアルアーケードPro.N

 「リアルアーケードPro.N」は、「鉄拳」シリーズや「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス」シリーズなどで採用されている「ノアール筐体」のボタンレイアウトになっているのが特徴のアーケードスティックコントローラーだ。

 リアルアーケードProシリーズの中でもスタンダードモデルと言える「Pro.V」とは筐体デザインが異なっているのがポイント。広い天板と約2.9kgの重量によって高い安定感を実現している、久々の大型サイズ&重量級の製品だ。

 「Pro.V」は横長な長方形の筐体だったが「Pro.N」は横幅は手前にも広さがある。天板が広いぶん手を置くスペースにたっぷりとした余裕があるのがポイントで、面積が広いぶん接地面も広くなって安定性も高まっている。

 重量もたっぷりあって、これぞ「リアルアーケードPro」と思えるヘビー級だ。「Pro.V」シリーズが約2.2kgなのに対し、「Pro.N」は約2.9kg。前述のように面積が広いのに加え、底面には滑り止めのマットも備えているので、激しいプレイでもずれない安定性の良さがある。

 重さ、大きさ、滑り止めの3つで、膝上でも、テーブルに置いてでも、がっちり動かない安定感を実現している。

「リアルアーケードPro.N」の筐体は、長方形な「Pro.V」シリーズよりも縦幅が広く四角くなっている

 機能面では、操作中にOPTIONSボタンを誤って押さないための「スライド式ボタンカバー」を備えているほか、「ステレオヘッドホン/マイク端子」、「ボタンアサイン機能」、「連射機能(毎秒5回/12回/20回の速度調節可能)」、「スティック切替機能(方向キー、右スティック、左スティックの3種類に切替可能)」、「タッチパッド機能」を搭載している。

 なお、Xinput対応なのでPS4/PS3だけでなくWindows PCでも利用可能だ。

各種機能用のボタンは左上に、OPTIONボタンは誤動作防止用にスライド式カバーを搭載している。また、背面には滑り止め用のマットも貼られている

 レバーとボタンは、HORIオリジナルのHAYABUSAユニット。ボタントップを1.4mm低くしていてボタンの戻りが早く、素早い入力を可能にしているという。また、ボタントップの角を丸くしてあって擦り連打をしやすくしているほか、ボタンの表面も梨地のついたツヤのないマット加工になっている。

 根本的な入力精度や応答速度についても、電子回路やレバーユニットの設計を見直し、向上させているという。この「Pro.N」をはじめ、2017年版の「リアルアーケードPro」では、この入力精度/応答速度の向上が計られたのが大きなポイントになっている。

レバーとボタンの手前側のスペースが広くて余裕があって手を置きやすい。ノアール配置の良さを活かせる筐体だ

 実際にゲームプレイに使って試してみた。この「リアルアーケードPro.N」の最大の魅力は、やはりその大きさと重さによる安定感だ。底面の滑り止めの効果も大きい。

 レバー/ボタンの手前のスペースが広いので、手首ごと余裕をもって筐体に置けるし、そこからそのままノアール配置のボタンへと指を自然に置けるようになっている。ノアール配置の良さを天板の広さでさらに活かしているという印象だ。

 各種機能のボタン類は「Pro.V」とは違い、かつての「リアルアーケードPro」シリーズのように左上に配置されている。「Pro.V」シリーズのように側面に配置されていると、慣れるまでは横を覗きこんでボタンを確認することになるが、この左上レイアウトならそのままスッと扱える。天板が広くてスペースに余裕があるので、誤操作も起きないだろう。また、OPTIONSボタンも誤って押さないための「スライド式ボタンカバー」が採用されていて、こちらも触りやすい。

 レバーとボタンの感触に入ると、ここはやはりHAYABUSAユニットに対して好みのわかれるところだ。

 まずレバーの感触はというと、反発が軽めで、レバーを倒したストロークの感触も浅めになっている。軽さと浅さによって素早い入力が可能なレバーとなっているが、そのぶん繊細な入力操作が求められるレバーになっている。

 また、ボタンにおいても近い傾向があり、ボタントップそのものが低く、ストロークも浅いため、レバー同様に素早い入力ができそうだと思える。ただ一方で、反発やクリック感が非常に薄いため手触りが独特。しっかりとした押下感を求める人だと、慣れるまで違和感が強いかもしれない。

 レバー、ボタンともに、軽く浅い手触りでクイックに反応するものになっていて、操作の力加減が柔らかくて小さな人と相性の良さそうなものになっている。別の言い方をするとピーキーなユニットと言えるところもある。

 例としては、レバーはつまみ持ちで軽く入力する人には合うが、ワイン持ちなどでグイグイ入力する人だと軽すぎるという感じで、好みの別れるところ。ただ、このユニットの感触に慣れてくると、余計な力の入らない省エネルギーな入力操作になっていくところもあるかもしれないのだが。どちらにしろ個性の強いユニットだ。

 ノアール筐体のボタンレイアウト、広い天板、たっぷりの重量がポイントの「リアルアーケード Pro.N」を試してみたが、筐体の形状や、そこからくる安定性の高さなど、いずれにおいても非常に優れたアーケードスティックコントローラーとなっていた。ノアール配置を求める人にとって最適なだけでなく、「Pro.V」シリーズ以上に本格派の製品を求める人にもオススメしたい製品だ。

「Pro.N」と同じく2017年7月に発売された、2017年版の「リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA」と並べてみた。筐体の高さと横幅は変わらないが、「Pro.N」は手前側がかなり広くなっている。なお、2017年版「リアルアーケードPro.V サイレントHAYABUSA」も試してみたが、操作のレスポンスや精度が以前のモデルよりも良くなり、問題のない感触となっていた。静音性を求める人にオススメだ