今回紹介するのは、アーケードのレースゲーム「R改：アルティメット ストリート レーシング（以下：R改）」。本作は街中でのストリートレースを題材としており、いかにもゲームらしい、爽快感抜群の走りが楽しめる。ICカード「ガレージカード」を使うことによりさまざまなクルマをコレクションすることができ、それも魅力のひとつとなっている。家庭用のレースゲームにはない迫力と楽しさを兼ね備えているので、ぜひ注目して欲しい作品だ。

※注 ……　実際にプレイした画面を撮影しているため、本記事中において使用されている画面写真の一部は、機材の都合上画質が粗くなっております。あらかじめご了承ください。

　「R改」にはシングルモードと対戦モードのふたつが用意されている。対戦モードでは、店舗内の４台をリンクしてバトルが楽しめる。環境が整っていれば、友人との熱いバトルを楽しんでもいいだろう。だが、ひとりのプレイでもやりこみ要素があるのが特徴といえる。

　ポイントとなるのは、レース結果によって賞金が得られたり、クエストが達成できたりするところだ。レースによって得た賞金を使えば、新車を購入することができる。これらのデータはICカードを使えば保存できるので、やりこんだ結果が無駄にならないのだ。それでは以下に、簡単なゲームの流れを紹介していこう。

【車種、カラー、コースを選ぶ】	【ゲームモードを選ぶ】	【レース開始】
ハンドルとシフトレバーで選択しよう。ICカードにコレクションしているクルマから好きなものを選び、自由にカラーリング、ネオンを選べるのがいい。舞台は渋谷、新宿、香港、ニューヨークで、各4コースずつ、計16コースある	シングルの場合は、バトルかタイムアタックかを選択する。このとき、ハンドルのフォースフィードバックを指定できる。弱くしておくと、とても操作しやすくなる	レースをスタートする。ゴールまでたどりつくか、規定の時間をオーバーすると終了となる。規定タイムはそれほどシビアではないので安心だ
【結果画面の確認】	【賞金で新車を購入】	【クリアーしたクエスト表示】
レースの結果、それによって得られた賞金、ランキング登録用のパスワードなどが表示される	賞金で新車を購入する。1レースで買えるクルマは1台のみ。安いクルマも多いので、最初のうちは確実に1台ずつ買っていくことをお奨めする	さまざまな条件を満たしたときに達成される、クエスト一覧が表示される。クエストの内容は、クルマの購入やスコア、走行距離、獲得ゴールドなどさまざまだ

【コース】
渋谷

新宿

ニューヨーク

香港

■ ブーストボタンとドリフトが生み出す、強烈な走行感

　ひととおりのゲームの流れを理解したところで、本作の魅力をより深く探っていくことにしよう。レースゲームとしての最大の特徴は、豪快なドリフトを中心とした、パワフルな走りを楽しめるところだ。シミュレーション的なレースゲームとは違い、ちょっとしたミスでクラッシュしてしまう走りにくさはない。ガンガン飛ばし、あり得ない速度でコーナーをクリアする気持ちよさを味わうことができる。

　その爽快感の源となっているのが、ブーストとドリフトである。ブーストボタンはハンドルに取り付けられており、これを押すだけで超加速を生み出すことができる。普通のレースゲームなら、使える回数になんらかの制限が加えられているもの。しかし本作では、制限なくいくらでも使えるという大盤振る舞い。その結果直線コースでは、常にブーストボタンを押しっぱなしにするという、とんでもない走りが可能になる。

　もちろん、コーナーでむやみにブーストを押せばオーバースピードとなり、壁にぶつかってしまう。そこでドリフトの出番だ。ブーストボタンを離してコーナー手前でハンドルを切るだけ（本当にそれだけ）で、クルマは簡単にドリフトして横滑りしていく。もっとも重要なポイントはハンドルを切るタイミングだ。コーナーには必ず緑色の標識があるので、これが目についたらすぐにハンドルを切ろう。それでも曲がりきれないコースであれば、一瞬アクセルを離してから再び踏み込んでみるとよい。するとパワースライドを起こし、高速ドリフトが可能になる。走りを極めるなら、体得しておきたいテクニックだ。

直線では迷わずブーストボタンを押すべし。ただしほかのクルマにぶつかってしまうと大幅に減速するので注意が必要だ	コーナーではドリフトの出番。緑色の標識を意識し、早めにハンドルを切るのがコツだ。それだけで自然に車体は横に滑っていく	ドリフト中にアクセルを離し、すぐに踏み込めばパワースライドが可能。コーナーごとに脱出速度を確認しながら走るといい

■ すべて集められるか？ 高性能で魅力的なクルマの数々

　本作の楽しみのもう1つの柱は、バイナルグラフィックに彩られたさまざまなクルマをゲットすることだろう。

　用意されているクルマは20車種×10種類の計200台。レースで賞金を稼ぎ、これらのクルマを1台ずつ集めていくのだ。ただしこれらのクルマは、賞金さえあれば買えるというものでもない。1車種だけに集中して高いクルマを目指しても、買えないときがくるだろう。こんなときは、ほかの車種のクルマも買ってみよう。お目当て以外の車種も広く買うことにより、ハイグレードなクルマの条件が解除され、買えるようになるはずだ。

　同じ車種でも、値段が高くなるとグラフィックスが派手になり、性能が段違いに上がっていく。また、有名ゲームキャラクターや電脳歌姫のデザインがペイントされたクルマも登場する。これらのハイグレードなクルマは、見た目も凄いが性能も凄い。ありえない加速力を生み出す走行性能は、新たなハンドル操作を要求し、異なったゲーム性を生み出す。操作こそ難しいが、それまでとは段違いの爽快感を感じることができるはずだ。

日米の名車が勢ぞろい。最初は値段が安いのでどんどん買っていこう。安いクルマは控えめのデザイン、高いクルマほど派手になる傾向がある	セガの有名キャラクターも続々登場。ゲーム中に登場するソニックカーは、カリスマショップ、アートファクトリーが実車に描いたものと同じ絵柄だ	某動画サイトのファンならば、ぜひとも手に入れたいクルマがこれ。お気に入りの曲をヘッドホンで聞きながらプレイするもよし

■ 賞金を稼ぐためのポイントとは？

　クルマを多くゲットするには、たくさんの賞金を稼がなければならない。そのときにポイントとなるのが、ライバルやクエスト、コーススキルなどだ。

　バトルでライバルを倒したり、事前に通達された条件でレースに勝ったりすると賞金がアップする。このうちひんぱんに登場するのが、クルマのグレードを指定した条件のレースだ。この条件を発生させるためには、ある程度グレードの高いクルマを持っている必要がある。つまり、横一列に安いクルマだけ買っていても効率が悪いのだ。クルマの選択画面で言えば、横方向（車種）と縦方向（グレード）の両方を伸ばすように注意して買っていくとよい。

　また同じコースで勝ち続けると、コーススキルがランクアップする。コーススキルとはプレーヤーのコースに対する習熟度を示すもので、これが上がるとライバルのクルマが速くなっていく。一見不利なように思えるが、それに勝てば賞金が上乗せされるのがポイントだ。また、グレードの高いクルマに乗れば、扱いづらいがそれだけで賞金が上乗せされる。つまりコーススキルを上げ、高いクルマに乗って勝てば賞金が上がっていくというわけだ。恐れずに、どんどんチャレンジしていこう。

ときおり乱入してくるミスターRを倒すと、多額の賞金を得ることができる。思ったほど強くないので、まさにネギを背負ったカモ状態だ	クルマのグレードを指定したレースを出現させるには、そのグレードのクルマを持っていないといけない。1車種に絞って、高いグレードのクルマを買うことも必要だ	コーススキルは、バトルのライバルに勝つなどの条件で上がっていく。少しずつライバルは強くなるが、賞金が上がるので止められない

■ クエスト一覧

■ もしかすると、身近にあるかもしれない「R改」

　アーケードならではの豪快さと、ICカードを使ったコレクション要素を兼ね備えた「R改」は、まさに時代に合ったレースゲームといえるだろう。しかしこれだけの魅力があるに関わらず、本作はそれほど目立たず、ゲームセンターで地味に稼動しているのが現状だ。筆者らは、本当の意味で「隠れた名作」になってしまっているこの現状を、とても残念に思っている。

　実際は人が多く集まる中心街のスポットよりも、意外な穴場に設置されていることが多い。公式サイトには設置店が紹介されているので、興味を持った人はチェックしてみて欲しい。近くで稼動しているなら、ぜひICカードを購入してプレイしてみることをお奨めする。

　本作は、パスワード形式のインターネットランキングに対応している。やりかたは、レース終了後にボタンを押してパスワードを表示。あとは、公式サイトのパスワード入力画面で控えた文字列を入力すればいい。パスワードの文字数は、その場で覚えるには少々多すぎるため、手書きよりはケータイのカメラなどで撮影しておくほうが簡単かつ間違いが減っていい。機会があれば、こちらにもぜひチャレンジしていただきたい。

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