先行レビュー

「ブリガンダイン アビス」先行プレイレポート。新要素「支援・展開」による戦術の幅が増した本格ウォーシミュレーション

リーダーとモンスターの運用が鍵を握る「ブリガンダイン」シリーズ最新作

【ブリガンダイン アビス】
8月27日 発売予定
価格:
9,020円(通常版)
18,480円(Limited Edition)

 ハピネットは、プレイステーション 5/Nintendo Switch 2/Xbox Series X|S/PC用ファンタジーウォーシミュレーション「ブリガンダイン アビス」を8月27日に発売する。価格は9,020円より。

 「ブリガンダイン」シリーズは、騎士とモンスターで部隊を編成し、拠点や軍隊を管理しながらHEX(六角形)の戦場でターン制バトルを繰り広げるウォーシミュレーション。本作では、25の勢力が割拠する大陸を舞台としており、プレーヤーは1つの文明を選択し、悪の帝国に立ち向かうこととなる。また、キャラクターデザインが一新されているほか、戦闘では「支援」と「展開」といった新システムが登場する。

 ストーリーモードでは6カ国それぞれに主人公が用意されており、プレーヤーは選択した国・主人公の視点から物語を進めていくことになる。また、ミッションモードでは、大陸に属する24カ国それぞれのサイドクエストが存在。ストーリーモードとあわせて、200時間以上のプレイボリュームになるとのことだ。

 今回はそんな本作の先行プレイの機会を得ることができた。限られたプレイの中ではあるが、本稿では本作の戦闘の手触りや、大陸マップでの拠点の管理、そして新たに導入された「支援」と「展開」がもたらす戦術性などについて紹介する。なお、今回プレイしたのは製品版とのことだが、発売に向けて調整が入る可能性がある。その点、留意していただければ幸いだ。

【「ブリガンダイン アビス」1stトレーラー】
なお、試遊会場では初回限定版に付属するボードゲームも展示されていた
展示されていたボードゲームは伝統的な「十六むさし」をもとにした内容になっているとのこと

25の勢力が割拠する大陸が舞台。勢力ごとの展開が楽しめそう

 本作の舞台となるのは、25の勢力が割拠する「メルティーテ大陸」。大陸一の強国「ソルジュナート王国」で起きた謀反により建国された「新生アビスローア帝国」の侵攻を食い止めるべく、プレーヤーは6つの勢力のいずれかを率いることとなる。

 今回の先行プレイでは、ストーリーモードでプレイできる文明のうち、将軍・ザイルザートを主人公とする「ミスティアン」を選択した。ミスティアンのストーリーは、少なくとも今回プレイした範囲では王道路線という印象で、ザイルザートは若き王太子・クレストや、女王・ミストファーネと共に帝国に立ち向かうこととなる。

今回、ストーリーモードでは将軍・ザイルザートを主人公とする「ミスティアン」をプレイした
現在配信中の体験版でもプレイできる「グラン・ドラグニカ」はドラゴンとの関係が深い勢力
妖精たちの隠れ里「ピュリファーノ」。「安息の地を求めて」とあるので、「ミスティアン」とはまた違ったストーリーが楽しめそうだ

 ストーリーモードでは、様々な文明が関わり、時に協力し、時に敵対することとなる。主に戦闘の前後にストーリーを描くパートが挿入され、ミスティアンのストーリーでは、雪の民「ブリガンド」と協力関係を結ぶ一方、ゲーム終盤には隠れ勢力「レシャンナ」とは敵対しそうな展開が予想された。最初に選択する文明によってまったく異なるストーリーが用意されており、この選択によって、異なる関係性や物語の展開が楽しめる。

協力関係を結ぶブリガンド
隠れ勢力「レシャンナ」はこちらに対して不穏な雰囲気だ……

 一方、ミッションモードでは「バンリエンシェン」を体験できた。ミッションモードでも舞台となる世界観はストーリーモードと同一だが、帝国の侵攻を食い止めるのが目的ではなく、あらかじめ設定された条件や目標に挑むことになる。

 「バンリエンシェン」の目的は「借金の返済」で、若く美しき芸妓・ミオランを中心とした物語を楽しめる。金策や報酬を意識しながら、限られた戦力や条件の中で部隊をどう運用するかという、この勢力ならではの戦略性も味わえそうだ。このようにミッションモードでは、本作の世界を別角度から楽しみつつ、世界観を掘り下げるモードになっていそうだと感じた。

「バンリエンシェン」のキャラクター
ミッションモードでは、国ごとに異なった目標を達成を目指す

HEX戦場で展開するターン制バトル。位置取りが攻略の鍵に

 そんな本作の戦闘は、六角形のマスで構成されたHEX戦場で進行するターン制バトルとなっており、「敵を全滅させる」などの決められた勝利条件を満たすことでクリアとなる。ユニットごとに移動できる範囲や攻撃範囲が設定されているので、どの位置から攻めるか、どの味方を前に出すか、どの敵を優先して狙うかが重要になる。

 マップには高低差や地形効果が存在し、地形によって移動に制限がかかったり、戦闘での有利不利が生まれたりする。さらに特殊な効果を発揮する障害物も存在するため、単に敵へ近づいて攻撃するだけではなく、マップ全体を見ながら、ユニットが得意な地形を活かして戦闘できるよう部隊を動かす必要がある。

キャラクターの移動の際には、高低差や地形、障害物などを意識する必要がある
戦闘の結果を予測する機能もしっかり搭載。地形などの影響も表示される

 また、本作にはユニットの周囲1マスが敵対ユニットの移動を制限するいわゆる「ZOC(Zone of Control)」も存在。こちらはシミュレーションゲームで登場する用語で、この各ユニットの周囲1マスの範囲を活用すると戦況を有利に運ぶ事ができる。敵ユニットのZOCを意識しつつ部隊を進行させる必要がある一方、こちらの前衛ユニットで移動を妨害し、後衛ユニットを守るといったことも可能だ。

 本作には敵対ユニットの周囲を囲むことで「包囲状態」が発生し、ダメージや命中率が上がるので、これを意識した位置取りの攻防も重要となる。

敵味方が密集する場所では、お互い移動がままならなくなることも
敵を包囲できる移動先はガイド表示される
敵ユニットに囲まれると、こちらのユニットも包囲状態に。こうならないよう、ZOCを意識したユニットの配置が重要となる

 部隊は、リーダーユニットとモンスターユニットで構成される。ユニットにはそれぞれ属性や特性・スキルがあり、攻撃役・回復役・補助役といった役割も異なるため、各ユニットの特徴を把握して部隊を編成し、状況に応じた立ち回りが重要となる。

 また、ストーリーモードの主人公や主要キャラクターにはオリジナルスキルが用意されている。こうしたキャラクター固有の能力をどう活用するかも攻略の鍵になりそうだ。

 なお、リーダーが倒されると、その部隊に所属する残されたモンスターは撤退する。そのため、戦闘では味方のリーダーを守る必要があるものの、敵のリーダーを倒してしまえば一気に戦力を削ぎ、戦況を有利にすることができる。一方で、撤退したユニットからは経験値を得られないため、勝利を優先して敵リーダーを早めに倒すか、周囲の敵を倒して育成を進めるかという判断も必要になる。

スキルにはさまざまなモノが存在。近接・遠隔攻撃はもちろん、複数を攻撃できる範囲攻撃スキルもあるようだ
主要キャラクターにはオリジナルスキルが用意されている。ミオランの固有スキルは、相手を状態異常「魅了」にできる
回復スキルは敵ユニットも容赦なく使用してくる。先に回復役を倒すか、リーダーを倒して撤退させるか、といった判断も必要だ
属性相性。今回のプレイでは把握しきれなかったが、相性表を見る限り黒属性がかなり強そうだ

新システム「支援&展開」でより戦略的なプレイが可能

 こうしたリーダーとモンスターの関係性に、新たな選択肢を加えているのが、本作で導入された「支援&展開」システムだ。

 「支援」は、部隊内のモンスターを1体選び、リーダーを強化するシステム。支援中のモンスターはリーダーに「支援能力」を付与する一方、その間は戦場で通常のユニットとして行動できず、フィールドにいるユニットは減ってしまう。

 一方の「展開」は、支援中のモンスターを戦場へ戻す操作となっており、支援能力による強化を維持するのか、展開してZOCでの移動妨害や包囲による優位を得るのかといった判断が必要となる。

 今回のプレイでは、移動力をアップする支援能力を活用し、後に展開。相手を囲んで殴るような戦法を取ってみたが、属性を付与する支援能力などを活用した方が優位に戦闘を進められる場面もありそうだ。また、ライフの少なくなったモンスターを支援に回し、まだライフの残っているリーダーを強化するという戦術は分かりやすく強力だと感じた。

同じ部隊のモンスターを「編成」することで、支援能力を付与できる
支援能力には、移動力をあげるものや、属性を付与するもの、ステータスを上下させるものなどさまざまなものが存在

大陸マップで拠点を運営。領土拡大と防衛の判断も重要

 本作では、3つのフェイズで構成される「節」を繰り返しながらゲームを進めていく。フェイズは編成・攻撃・侵攻の3つに分かれており、これらを終えると次の節へ移行する。ストーリーモードでは、特定の節が経過するとイベントバトルが発生し、物語が進行していく。

広大な大陸マップを舞台にゲームは進行

 基本的には、編成フェイズで部隊や拠点を整え、攻撃フェイズで攻める場所を決定し、侵攻フェイズで実際のバトルへ移行するという流れになる。中でも編成フェイズは、名前の通り部隊の編成を行なうだけでなく、新たなリーダー・モンスターとの契約、拠点のアップグレード、行商(ショップ)での武器や防具、アイテムなどの購入、戦闘に参加しないリーダーを「探索」に向かわせ資源や資金、経験値を獲得させるなど、さまざまなことを実行できる。

編成フェイズでは、各リーダーにモンスターを編成して部隊を作る。各部隊には最大5体のモンスターを編成できるが、リーダーごとに統率コストが設定されており、その数値内で編成しなければならない。また、各ユニットの役割を意識しつつ、バランスよく編成していくのがコツになりそうだ
資金を払ってリーダーやモンスターを戦力に加える「契約」では、滅びた国のリーダーと契約を結べることも。また、戦闘で倒れたユニットの復活も可能だ
戦闘に参加しないリーダーは「探索」に派遣できる
行商では、リーダーやモンスターに装備させる武器、防具などの装備品を売買できる
今回は体験できなかったが、拠点強化も用意されている。拠点を強化することで、戦略面にどのような影響が出るのかは製品版で確認したい
同じく今回は十分に確認できなかったが、一定以上のレベルに到達すると、より強力なクラスに成長させられる「クラスチェンジ」が可能になる

 続く攻撃フェイズでは、どの敵拠点を、どのような部隊で攻めるかを決定する。とはいえ、必ずどこかを攻めなければいけない訳ではないので、レベル差があったり、相性が悪そうな拠点へ無理に攻撃をしかけなくてもいい。また、部隊の配置や育成を重視する場合も攻める必要はなさそうだと感じた。

 また、攻撃フェイズではほかの国々がプレーヤーの拠点へ侵攻してくることがある。この際には、攻められた拠点に配置した部隊しか防衛に参加できないだけでなく、攻撃に参加した部隊も防衛には参加できないので、守りを意識した立ち回りも必要となる。なお、本拠地を落とされるとゲームオーバーになる点には注意が必要だ。こまめなセーブを心がけよう。

攻撃フェイズでは、侵攻に参加する部隊を決定。なお、攻撃に参加する部隊は、隣接する拠点に配置したものから選択できる
敵拠点に駐留する部隊や、ユニットの初期配置は事前に確認が可能

 侵攻フェイズでのバトルは上述した通りの戦闘になるが、必要に応じて撤退することもできるため、無理に戦い続けるのではなく、戦力を温存する判断も選択肢となっている。

 こうしたフェイズ進行では、目の前の戦闘だけでなく、部隊をどの拠点に配置するか、どのリーダーやモンスターと契約を結ぶか、資金を何に使うかといった判断が重要になると感じた。とくにネームドリーダーとの契約には多くの資金が必要となるため、戦力を増やしたい一方で、資金繰りにも気を配る必要がありそうだ。

今回は隣にいた「バンリエンシェン」を攻撃してみた
ほかの文明も領土を広げようとする。自国が関わらずに、勝手に滅びる勢力も少なくなさそうだ

 今回、大陸マップにおける拠点の管理は十分に行なうことができなかったものの、領土を広げれば収入の増加が見込まれる一方、防衛すべき拠点も増えていく。拠点を増やすほどそこに配置する部隊も必要になるので、敵が攻めてくる可能性も増えるためユニットの数と質を考えながら拠点を増強していくのがよさそうだ。

他国を滅ぼしたら、その国に所属していたリーダーが仲間になることも。契約には資金が必要なため、無料で加入してくれるのには助けられそうだ

 また、進行によっては飛び地に自拠点ができることもあるが、この場合、ユニットの拠点移動は拠点同士が繋がっていないと不可能。そのため、まずは各拠点を繋げるように領土を広げていくのが大切だと感じた。

 このように、戦闘単体の駆け引きだけでなく、大陸全体を見ながら中長期的に方針を考える戦略性も、本作の大きな魅力になり得るはずだ。

遊びやすく、じっくり考えられるウォーシミュレーション

 このように、ウォーシミュレーションらしく、様々なシステムが用意されている本作だが、チュートリアルは過不足なく、難易度も選択できるため、この手のゲームを初めてプレイする人でも問題なく楽しめそうだ。一方で、全体的な難易度はやや高めに設定されている印象だが、シリーズのシステムを踏襲している部分も少なくないため、ウォーシミュレーションに慣れている人や、「ブリガンダイン」ファンでも手応えを感じられるはずだ。また、移動や演出の速度を調整できるため、テンポよくプレイできる点も好印象だった。

 実際にプレイしてみるとHEX戦場での位置取り、リーダーとモンスターの運用、領土の拡大と防衛など、ウォーシミュレーションとしての考えどころが各所に用意されている印象だった。そこに新システムとして「支援」と「展開」が加わることで、戦闘中の判断にも新たな駆け引きの面白さが生まれている。限られた試遊時間ではあったが、じっくり遊び込める作品になりそうだ。製品版では多くの文明をプレイできるため、さまざまな展開や戦略を楽しめる点にも期待したい。

 なお、本作はSteamにて体験版が配信されている。こちらは今回プレイした製品版と比較して、より難易度が高めに設定されているとのこと。とはいえ、体験版でもイージーモードを選択できるので、気になる人は是非プレイしてみてほしい。