先行レビュー

“何か”が視える世界を体験「視える人には見える展・零」先行体験レポート

8月1日開催。想像以上に寒くなる体験型展示イベント

【視える人には見える展-零(ゼロ)-】
開催期間:8月1日~8月31日
会場:
福島ビル 1F/B1
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1-5-3
入場料金:
平日:2,200円
土日祝日:2,500円
※お清め塩付き/なくなり次第終了

 8月1日より、夏に最適なホラー系展示イベント「視える人には見える展-零(ゼロ)-」が、東京日本橋エリアにて開催される。

 今回は、その先行体験会に参加したので、ネタバレしない範囲で、その魅力を伝えていこうと思う。また、会場では写真などを実際に「見る」こと自体が体験価値となるイベントなので、通常のレポート記事よりも写真は少なめにしている。もしちょっとでも「気になる」なら、ぜひ会場に足を運んでほしい。

監修者二人によるトークセッション

 先行体験会のオープニングは監修者で霊能力者のシークエンスはやとも氏とMiyoshi氏が登壇。本イベントにかける意気込みや見どころなどを語ってくれた。

 まず本イベントは、4月に渋谷の古民家で開催された写真展のパワーアップ版であることが説明された。前回の写真展ではシークエンスはやとも氏やMiyoshi氏が、心霊スポットやパワースポットで、普段「見えている」景色を、写真にしたものを展示した。その際、予想を超える13,000人近い集客があり、需要があると感じたという。そこで、得た収益を元手に今回のイベント展示に踏み切ったのだそう。

 今回のテーマは、ずばり「体験型」で、パワースポットやオカルトスポットをかなり精密に再現したという。また、写真に関しては、前回展示した写真もあるが全体の8割が新規の撮りおろし。なので、前回訪れた方でも十分に楽しめるイベントになっている。

 また、Miyoshi氏が、骨董屋などから買い付けた何かが「入っている」と感じた品も多数展示されている。そのようないわくつきのものを展示するとなると、会場側に拒否される可能性もあったが、展示会場となる福島ビルは解体予定ということもあり、無茶な展示でも実現できたという。見る前から、ワクワクとガクブルが止まらなくなるようなコメントだ。

今回のイベントを監修した、シークエンスはやとも氏(左)とMiyoshi氏(右)
二人の情熱がこの大型イベントを成立させた!
普段どのようなものが自分たちに見えているかを伝えたいという、シークエンスはやとも氏
Miyoshi氏は、今回のイベントのためにさまざまな場所で何かが入っていると感じたものを購入して展示

「視える」世界を解説付きで体験

 この展示イベントでは、大きくわけて「見る」展示と「体験する」展示がある。そこで体験順とは異なるが、まずは「見る」展示パートから見ていこう。

 入場すると、いきなり目に入るのが学校のような廃墟の画像だ。ただの廃墟だと思えば何でもないはずなのに、「視える人には見える」という前提があることで、「そこに何かいるのでは?」と感じさせる。

 そして待っているのは「写真館」エリア。ここには、多数の写真が飾られており、大きく2つのカテゴリにわけられる。まずひとつめが、日常に溶け込む「何か」の存在を、実際に見られる写真。これらは、写真の上に黄色いラインで、そこに見える「人」などの「形」が描かれ、どのような人物に見えるのか……が、説明されている。

 いずれの場所も、霊能力者でない僕が見ても「何かいそう」と感じるところばかりなので「見えたら怖いだろうなぁ」と感じた。

 また、もうひとつのカテゴリでは、一見、ごくフツーの何もない写真が飾られている。黄色い線やコメントによる解説はない。が、そこに会場で渡されるフィルターを通すことで、そこに写っている「何か」の答え合わせができる、という仕組みだ。ちなみにだが、筆者は霊感ゼロのせいか見えなかった。霊感に自信のある人はもしかすると見えるかも……しれない。

入り口にある巨大なパネル。何もなさそうに見えるところが逆に怖い
多数のパネルに圧倒されるが、ひとつひとつ丁寧に見ていこう

 次の「見る」展示は、前回の渋谷にはなかった「映写室」エリアだ。ここでは、3Dメガネをかけて実際の動画を見て、霊能力者が移動しているとき、どのように「何か」と遭遇するのかを疑似体験できる。もし、見えなくても最後に答え合わせがあるので、焦らずに見ていこう。

 そして、今回マジでビビったのが「観察院-都市圏」である。ここでも、「写真館」エリア同様、日常に溶け込む「何か」の存在を写真で見せる展示方式。だが、このエリアでは誰もが知っているとある街の写真ばかりが飾られており、それが怖い。

 もちろん私も行ったことがあるし、東京に住んでいるなら一度くらい行ってる場所だ。だから見覚えのあるところが多くて、「えっ、あそこにいるの?」「ここにも?」と思わせられる。正直なところ、テーマとなったエリアには「ちょっと、しばらく行かないでいいですか?」ってビビるレベルなのだ。

 また「観察院-裏視界」では、ジャーナリストの丸山ゴンザレス氏、ルポライター等の村田らむ氏によって、都市圏の裏にある「何か」の痕跡が明かされる。ここは新規エリアなので詳しいことは割愛するが、「えっ、そんなことまでわかるの?」と思うこと請け合いだ。

 なお、このセクションで紹介した「写真館」エリア以外の「映写室」や「観察院」の各エリアは撮影禁止となっていたので、申し訳ないが画像での紹介はなしとなっている。

説明入り画像の例。こんなところにいるんだなと恐怖
ほかにも、説明入り画像はたくさんあるので、じっくりと楽しもう
そして何もない写真群
こちらは、写真ごとに使うフィルムが変えて画像を確認するタイプ
天井に違和感があったので見上げると配線がむき出した蛍光灯が。これも演出なの?

体験系展示で感じた「恐怖」とは?

 続いては、「体験する」展示を紹介しよう。これらは、すべて新エリアだが、撮影可能となっていた。ネタバレしない範囲で紹介していこう。

 まずは「再現部屋」。ここは、監修者が見た、とある建物の101号室を立体的に再現している。もう、天井や畳のシミ、破れた障子など、まさに廃墟といった感じ。そして現場で実際に何が見えていたかは、針金で編まれた立体人形を使って表現している。

 シークエンスはやとも氏によれば、天井のシミは上の階からの水漏れと思ったらしいのだが、実際は上階の部屋は綺麗だったそう。また、取材時に現場を訪れたスタッフたちは、霊感がなくても何だか気持ち悪くなったという。

 実は会場では筆者も凄く寒気がして、「これはきっと冷房のせい」と言い聞かせたが、本当にそうだったんだろうか。ちなみに、この部屋の匂いも、何となく現場と似ているとのことなので、まさに疑似体験ができるそう。

この101号室はマジで怖い。針金人形も本物の霊に見える
本物ではないとわかっていても、この畳のシミは気持ち悪くなる
試しに恒例の記念写真を撮ったが「ブレ」た。「何か」の仕業じゃないよね???

 そしてMiyoshi氏が集めた「物品庫」も見応え満点だ。彼女が何かを「感じた」というだけあって、展示しているモノ全てが、この世のものなのかどうかわからない「違和感」を放っている。

 普段の私なら「欲しいな」と思うような骨董品が並んでいるのに、「どれも欲しくない」。いや「そばにすら置きたくない」。そんな感情がジワリと心をえぐる。

 次は「観察院-パワースポット-」。各地のパワースポットの写真が、どのような「パワー」が出ているかの解説付きで飾られている。悶々とする展示を見続けたあとで、このエリアにくるとホッとすること間違いなしだ。とにかく、ここで回復しておくことをオススメする。さらにもうひとつ展示エリアがあるのだが、ここについては写真も内容も「×」なので、皆さんの目でたしかめてほしい。

「物品庫」には、面白いアイテムが多数ある
このネコの置物にも何かがいるのだろうか
戦国時代の武具っぽいのも発見
パワースポットは安心空間
写真でいろいろ解説も読める
実は裏側には白蛇様の……

夏の猛暑も涼しくなる展示

 基本的な展示は以上だが、実は物販コーナーの奥に、心霊写真コーナーが隠れている。昔ながらの集合写真に写る霊を見たい人はこちらへ。また、物販コーナーには多数のグッズもあるので、興味があれば買うといいだろう。

 いずれにせよ監修者のシークエンスはやとも氏とMiyoshi氏がセレクトしたこの展示イベントは、思ったよりも「寒くなる」イベントだった。オカルトやホラーが好きな方なら、ぜひ見に行ってほしい。

心霊写真って、やっぱり怖いね
物販コーナーも充実
お清めの塩を貰ったので、自宅前で使いました!