先行レビュー

Switch2「Drag x Drive」体験レポート。Joy-Con 2で「両手マウス」操作が独自の体験を生む車椅子バスケ風スポーツ

【Drag x Drive(ドラッグ アンド ドライブ)】
8月14日 発売予定
価格:1,980円(ダウンロード専用)

 任天堂が、8月14日に発売するNintendo Switch 2(以下、Switch2)用スポーツゲーム「Drag x Drive(ドラッグ アンド ドライブ)」。

 本作はSwitch2の「Joy-Con 2」を両手に持ち、マウスのようにスライドすることで、車椅子のような機体を操作し、3vs3のバスケで対戦するというタイトル。オンライン上で気軽にチーム戦が楽しめる。

 最大の特徴はやはり、「両手でマウスを操作する」というこれまでにない操作方法。Switch2の新機能を活かした新感覚のゲーム体験が味わえる。

 今回はそんな本作の先行プレイ体験会のレポートをお届けする。独自の操作法や競技性などについて、実際にプレイをした印象をお伝えする。

【Drag x Drive(ドラッグ アンド ドライブ) 紹介映像】

「両手でマウス」操作を乗りこなす快感。繊細なマシンコントロールが鍵に

 冒頭でも触れたとおり、本作ではJoy-Con 2をマウスのようにスライドさせて機体を操作する。左右のJoy-Con 2は車輪とリンクしており、片方のコントローラーをスライドさせることで対応する車輪を動かし旋回できる。また、両方のコントローラーを同時に前方へスライドさせれば前進となり、長めの距離を一気にスライドさせることで高速で前進できる。単に車体がスピードに乗って走行するだけでも、ちょっとした面白さが味わえる。

※手元画像はトレーラー映像より引用(以下、同)
直進の動作は非常にシンプル

 車体を直進させるだけなら簡単なのだが、曲がる動作には慣れが必要だと感じた。例えば右に曲がる場合は、直進中に左手のJoy-Con 2だけを前に出すことで、左の車輪だけを動かす必要があるのだが、思った以上に車体が旋回してしまい、曲がりすぎてしまう場面が何度もあった。

曲がろうと思うと難易度が急上昇。思い通りの角度で曲がるには慣れが必要だ

 ちなみに、本作のブレーキは車輪と同じく左右に分かれている。急停止したい際は左右のブレーキボタン(ZL・ZR)を同時に押せばいいのだが、片側のみをブレーキすれば繊細な動きや、ドリフトのような挙動も可能になる。今回は移動に慣れるのに精一杯で、ブレーキにまで意識を割けなかったが、使いこなすことができればスタイリッシュな動きができそうだ。

 なお、Joy-Con 2をスライドさせる場所は机だけでなく、足の上などでも可能。今回はマウスパッドと太もも両方で操作してみたが、どちらでも違和感なく機体を動かすことができた。プレイ環境に合わせて、柔軟に操作する場所を変えられる点は好印象だ。

いわゆる「ロビー」に相当する「パーク」では、楽しみながら移動の練習ができる障害物が設置されたコースなどが存在
パークでは、試合以外の遊びもできる。今回はタイムアタックの「スプリント」をプレイできた

ダンク&ジャンプシュートでスタイリッシュに高得点を獲得!

 このように、本作は移動するだけでも独自の操作方法による新鮮さと難しさを同時に味わえるが、ここにバスケットボールのアクションが加わることで、さらに特有のプレイ体験が生まれる。

 とはいえ、ドリブル操作はなく、ボールは手に持ったまま移動可能。パスはL・Rボタンの同時押しで味方を自動的にサーチして行なってくれるなど、バスケの基本となる動作は簡単に行なえるので安心だ。

ボールは自動的にキャッチが可能。また、ドリブルはないので持ったまま移動できる
パスは自動的に味方をサーチするので、ノールックパスも可能。ただし、間に敵がいるとキャッチされてしまうので注意だ

 バスケの花形であるシュートは、片手を振り上げることで動作に入り、振り下ろすことでボールを放つ。こちらも自動的にゴールを狙ってくれるが、ゴールからの距離や、手を振り上げている時間の長さで精度が変わってくる。

片手を振り上げることでシュートの動作に
シュートの精度は、片手で構えている時間やゴールへの距離で変化。じっくり狙うほど得点できる可能性が高くなる

 また、コートの端はハーフパイプになっており、ここに突入することでジャンプできる。ジャンプ中にゴール付近でシュートの動作を行なえばダンクシュートが繰り出せる。ダンクはタイミングのシビアさから難易度は高めだが、成功すれば通常より高得点を獲得でき、演出も派手で達成感も大きい。積極的に狙いたくなるテクニックのひとつだ。

コート端からジャンプし
ダンクシュートを決める。タイミングはシビアだが、それだけに達成感が味わえる

 本作にはダンクシュート以外にも様々なテクニックが存在する。例えば、ブレーキを踏みながら片手を上げることで、片方の車輪だけで立つ「ティルティング」や、そこから反対側でも同様の動作を素早く行うとジャンプする「バニーホップ」。そしてハーフパイプから飛び立つ瞬間に「バニーホップ」をすることで繰り出せる高難易度トリック「バックフリップ」等々。

 特に「バニーホップ」は攻守両方で役に立つテクニックとなっており、ディフェンスの頭上を越えるジャンプシュートを放つ際や、逆に相手のシュートを空中でブロックする際にも活躍する。必要とされる場面で、瞬時に繰り出すのは難しいテクニックだが、使いこなせればプレイの幅が大きく広がるはずだ。

片側の車輪だけで立つ「ティルティング」
「ティルティング」から派生する「バニーホップ」は様々な場面で役に立つテクニック
最高難易度の「バックフリップ」に挑むも失敗し転倒。いつかは決めてみたいテクニックだ
ボールを持っていない時に手を挙げれば、味方からのパスを呼ぶ動作にもなりそうだ
指でボールをクルクル回す動作も

試合では攻撃の楽しさと防御の難しさを実感

 今回の体験会では、チュートリアルで基本動作をそれなりに覚えてから3vs3の試合に挑戦。攻めの楽しさと守りの難しさを感じられた。

 攻撃している際は、相手を追い抜いたり、パスを回しながらゴールへと攻め込み、そこからシュートへ繋ぐという流れをシンプルな操作で行なうことができるので、すぐに面白みを感じることができた。特に相手をごぼう抜きにしながらハーフパイプへと突っ込み、そのままダンクシュートを決めた際などは、高揚感を覚えるほどだ。

一度ボールを持ってしまえばグイグイ前に進めるので、操作に慣れきっていなくとも楽しめる
ボールを保持しすぎていると警告が発され、最終的にはボールをロストしてしまう。制限時間内にシュートを打つことが重要だ。また、シュートの精度を高めるには、リングに向かって投げる車体の角度も重要で、リングにできるだけ正対するような立ち回り、車体を操るテクニックが必要となる

 一方、防御に回った際は悪戦苦闘。相手からボールを奪うには、ボールを持った相手の正面に向かって体当たりすることが必要となるのだが、曲がる動作が難しいこともあってうまくアタックできず、シュートを許す場面が目立った。さらに、相手がシュートを外したあとのこぼれ球も、落下地点は表示されるものの、そこへ素早く移動するには小回りの利いた操作が求められ、ボールを拾うだけでも苦戦した。

防御時は難易度が急上昇。なかなかボールに触れない
ボールを奪うためには正面から衝突する必要がある。横からだと弾かれてしまうため、しっかりと回り込むことが肝心
落下点やボールの現在地は表示されるものの、そこまでたどり着くためには速度を下げたり、曲がったりといった動作が必要となる

 といっても、試合時間は3分と短く、その分スピーディーで攻守の入れ替わりが激しい展開になることもあって、防御がストレスにはなりにくい。むしろ、ボールを持っていない時や防御の動きは「伸びしろ」だと前向きに捉えることができた。

 試合中はボールや敵味方の動きを見ながら操作する必要があるため、曲がる動作の難しさがより際立つ。そのうえで仲間との連携や、相手のパスをカットするような位置取りを考えたり、攻守双方で「バニーホップ」のようなテクニックを取り入れることができると考えると、操作そのもののシンプルさの裏に隠れた、技術介入度の高さや戦略の奥深さが見えてくるのではないだろうか。

カメラはボールへ視点を持っていったり、フリーカメラで操作したりすることもできる。カメラの位置を変えつつ移動するのは相当な習熟が必要だと感じた
運よく敵のダンクシュートをジャンプで阻止できた瞬間。こうした激しいプレイが狙ってできたら爽快だろう
味方の派手なプレイも見ているだけで楽しめる。なお、筆者は自分のシュートがどのように見えたか知りたいので、ゴール時のリプレイカメラを実装してほしいと感じた

 また、相手からボールを奪う際の正面からのアタックに対して、攻撃側は相手がぶつかる瞬間に車体を旋回させれば攻撃を無力化できるなど、機体の向きを活かした駆け引きも生じそうだ。操作に慣れてくれば、こうした駆け引きが感じられる場面も増えてくるだろう。

 いずれにせよ、試合中に機体を手足のように動かすには相当な習熟が必要なことは間違いなく、シュートを決めたときの達成感だけでなく、上達する楽しさも味わえるタイトルとなっている。

本作は性能の異なる3タイプの機体から選んで試合に挑める。「フォワード」はバランス型。「センター」はフィジカルが強く、「ガード」は走り始めるスピードや小回りが利きやすい
機体のカスタム要素も存在。カラーリングやヘルメットなどを自分好みに変更できる。また、ランクマッチや試合後のリワードなど、継続的なプレイに繋がる要素が存在するかは気になるポイントだ

まるでスポーツのような疲労感も味わえる。8月には体験会も!

 このように、Switch2ならではの操作法で独自の体験を提供する本作だが、プレイを続けていると実際のスポーツをしているのと同じくらい腕が疲れてくる。試合中、ずっと動いているので当然といえば当然かもしれないが、本作をプレイし続けていれば「自然と腕が鍛えられるのでは?」と思えるほどで、プレイ後には運動後の心地よい疲労感が残った。

 こうした独自の操作感や、そこから生まれる特有の難しさ、そして上達を実感できたときの達成感は、本作ならではの魅力といえる。また、身体に残る適度な疲労感も含めて、実際に体験してみないと伝わりづらい部分も多いだろう。

 本作の先行体験イベント「Drag x Drive オンライン体験会 Global Jam」が8月9日から8月11日の期間に開催予定。「スポーツゲーム」としての高い競技性や、テクニカルな動きなどのやり込み要素も兼ね備えたタイトルとなっているので、気になる方はぜひこの機会に参加してみてほしい(参加にはNintendo Switch Onlineへの加入が必要)。

□「Drag x Drive オンライン体験会 Global Jam」のページ