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約20年ぶり「ファントム・ブレイブ」最新作、シナリオを13本から1つに絞り込む気合の1作に【TGS2024】

プレスカンファレンス&試遊レポート。マローネの見た目が変化する新要素「絆コンファイン」も登場

【ファントム・ブレイブ 幽霊船団と消えた英雄】

2025年1月30日 発売予定

価格:
7,920円(パッケージ版)
7,920円(DL版)
12,078円(Nippon1.jpショップ限定版)
10,978円(初回限定版)

 日本一ソフトウェアは、「東京ゲームショウ2024」の初日である9月26日に新作RPG「ファントム・ブレイブ 幽霊船団と消えた英雄」のメディア向けGlobal Press Confrencと試遊会を開催した。本作は2004年に発売された「ファントム・ブレイブ」以来、約20年ぶりとなる新作だ。

写真左からシナリオを担当した城花健人氏と開発責任者の細野裕矢氏

 今作で選ばれたテーマは「海賊」である。主人公のマリーネが海賊になって灼熱の島や極寒の地などを旅しながら、各地で発生したトラブルを解決。海賊としての活動範囲を広げていきながら、大切な人の手がかりを探していくという物語が描かれている。

 シナリオを担当した城花健人氏によると、これまでリメイクや移植版などがリリースされてきたとはいえ、作品としては約20年ぶりとなる完全新作でもあるため、どれだけ新規のユーザーを取り込むことができるかということを考えたという。それに加えて、長い間前作を愛し続けてくれてきたファンにも楽しんでもらえるのかというバランス取りがもっとも苦労した点であった。その両方のニーズを満たすためにシナリオを13本ほど作り、そこからふるいに掛けて現在のシナリオが出来上がっているのだ。

前作の主人公だったマローネやアッシュに加えて、今作では個性豊かなキャラクターたちが登場する

 また、「ファントム・ブレイブ」シリーズの魅力は、恵まれない少女の成長記にあると城花氏はいう。前作では主人公のマローネがその役割を果たしていた。今作でその役目を果たすのが、海賊たちが縄張りをはっている「ドクロ島」でマローネが出会うキャラクターのアプリコだ。見た目はかわいらしいが、剣の腕前はピカイチという意外性を持っており、今回の冒険ではマローネの力強い味方となってくれる。

 アプリコの声を演じた声優の戸田めぐみさんは、繊細な性格の持ち主で長い間孤独であったことから、なかなか心を開くことができないキャラクターであると彼女を紹介。しかし、冒険を通して色々な人と出会っていくことで、主人公のマローネだけではなくアプリコ自身も成長していくので、そこにも注目してほしいとアピールしていた。

今作から登場する新キャラクターのアプリコ
イベントで初公開されたアプリコの設定資料だ
アプリコの声を演じた声優の戸田めぐみさん

 もうひとり、マローネたちが出会う注目のキャラクターが一年中有雪が降り続く極寒のシラユキ島に暮らすファントムの少年ウルミだ。瞳が赤いことからもわかるように、一見かわいらしく見えるが怪物的な一面を持っている。ウルミの声を演じた声優の寺井らんさんは、自分の中に眠る怪物を呼び起こしてこのキャラクターにぶつけていきながら演じたと、収録時のエピソードを披露していた。

二面性を持つキャラクターとして登場するウルミ
こちらもイベントで初公開されたウルミの設定資料
ウルミの声を演じた、声優の寺井らん。今回のプレスカンファレンスではMCも担当していた

新要素の「絆コンファイン」でマローネの見た目が変化!

 シナリオ面では前作のファンも新規のファンも楽しめるようにしているという話が出たが、ゲームのシステムとしても前作でできた部分は基本的に引き継がれている。そのひとつが、「コンファイン」だ。主人公のマローネは、死者の魂である「ファントム」を見る能力を持っている。その力を活かして、「ファントム」をアイテムに憑依させて戦闘で操れるユニットとして登場させるためのシステムが「コンファイン」だ。

 本作の戦闘はターン制のシミュレーションRPGなのだが、マローネがフィールド上に落ちているアイテムに仲間のファントムたちを「コンファイン」することで、呼び出していきながら戦っていくことになる。それぞれのファントムたちは、あらかじめ装備させたアイテムによっても使えるスキルが変化するのだが、それに加えて戦闘でどのアイテムに「コンファイン」するかによってもステータスが変化するというのが、「ファントム・ブレイブ」シリーズの特徴となっている。

フィールドに落ちているアイテムにマローネが「コンファイン」した後で、呼び出すファントムを選択する
選んだキャラクターがフィールド上に登場し、戦闘に参加する

 ここまでは前作と同じなのだが、今作で新たに追加された要素が「絆コンファイン」だ。こちらは絆を深めたファントムとマローネが合体するという能力である。「絆コンファイン」した相手によって、マローネ自身の見た目が大きく変化。それに加えて、強力な威力を持つ「絆コンファイン」技が使えるようになるなどステータスも大幅にアップすることで、気持ちよく敵を撃破していくことができるようになるのだ。

 もうひとつ、「絆コンファイン」では特定の条件を満たすことで「ワンモア」と呼ばれる連続行動ができるようになる。この「ワンモア」は、「絆コンファイン」した相手との絆が深いほど長く続くようになっている。

「絆コンファイン」した相手によりマローネの見た目もいろいろと変化する

 「ファントム・ブレイブ」シリーズは、マローネと死者の魂である「ファントム」との絆を描いた物語だ。しかし、前作では相棒のアッシュ以外のファントムたちとの繋がりが希薄になっていた。そのため、「ファントム」という設定自体も死に設定になってしまっていた部分があったのである。そこで絆という部分を強く押し出したいことから、この「絆コンファイン」が生まれている。

 それに加えて、見た目的に映える要素がほしかったというのも「絆コンファイン」が追加されることになった理由のひとつだ。シナリオを担当した城花氏は、元々営業の出身だ。ゲームが記事になったときにより映えるものにしたいと思って考えたのが、マローネがいろいろな姿になることであった。そこで変身する要素を入れた方がいいと提案したことから、新要素の「絆コンファイン」として実現している。

「絆コンファイン」できる相手は現時点で15体ほどだ

 ちなみにこの後本作を試遊することができたのだが、残念ながら本作のウリであるこの「絆コンファイン」は試すことができなかった。「絆コンファイン」を使用するには、あらかじめファントムたちとの絆を深めておく必要があるのだ。しかし、用意されていたデータではそちらが足らなかったため使うことができなかった。だが、製品版では絆自体は簡単に上げられるようになっており、極端な例でいうと1度出撃して途中でギブアップして拠点に戻るといった程度でも上げることが可能となっている。

シリーズ初見で極寒の島「シラユキ島」の攻略に挑戦!

 プレスカンファレンスが終わった後、実際にこの「ファントム・ブレイブ 幽霊船団と消えた英雄」を試遊する機会がもらえた。プレイしたのは製品版というよりも試遊用に調整されたものとなっており、拠点となる「ドクロ島」から始まり、実際にバトルが行われる3つの島のひとつを選んで挑戦していくというものだ。どの島を攻略するかはメディアごとに割り振られていたのだが、今回は「シラユキ島」と呼ばれる極寒の島に挑戦することができた。

 拠点の「ドクロ島」では、それぞれのファントムたちと挨拶を交わしたり、あるいは装備など冒険に出かけるための準備が行えるようになっている。この島自体は歩き回っても特に何もなく、あくまでも編成を行うための場所といった印象だ。

拠点となる「ドクロ島」では、一部のキャラクターとは会話も楽しめた
拠点ではそれぞれのファントムの装備も変更できる。装備を変えるだけで、戦闘中に使えるスキルも変化するのは面白い

 拠点でワールドマップを開くと、船がポインターのように自由に動かせるようになる。ここで、どの島を冒険するか選ぶことができるといった仕組みだ。移動する島を選ぶと会話シーンが始まり、その後場面が転換してターン制バトルのステージに切り替わるといった流れになっている。

拠点でワールドマップを開き、今回の冒険地である「シラユキ島」を選択
「シラユキ島」とステージを選ぶと、会話シーンが始まる
その後戦闘が行われるフィールドに場面が転換される

 戦闘に突入した時点では、フィールド上に敵が配置されているほか、味方のキャラクターはマローネひとりだけという状況である。そこで最初にやらなければいけないのが、落ちているアイテムを「コンファイン」して、味方のファントムを呼び出すことだ。とはいえ、マローネが動ける範囲はそれほど広くないため、最初は身の回りにあるものを利用することになる。

 「コンファイン」では、出撃コストの分だけフィールドにキャラクターを呼び出すことができる。しかし、キャラクターごとにフィールドに止まっておけるターン数が決められており、そちらが過ぎると帰ってしまう。例をあげると、ものすごく強いけど1ターンしかいられないものや、ザコキャラに近いけど長くいられるものがいるといった感じだ。そのため、それぞれのキャラクターの特性を活かして、「コンファイン」するタイミングや数を決めていくことが重要となるのである。

マローネひとりでは多数の敵と戦うことはできないので、落ちているアイテムに「コンファイン」して仲間を呼び出そう

 「コンファイン」で呼び出したキャラクターは、次のターンから行動が可能になる。順番が来て行動ができるようになってから、敵に向かって移動させていくことになる。このときに黄色い円が表示されるのだが、こちらはそのターン内で移動できる範囲を表している。

「コンファイン」した次のターンでアプリコが行動可能に。黄色い円は範囲が移動可能な範囲を表している

 敵に近づくことができたら、コマンドで「アクションスキル」を選んで、攻撃するスキルを選択しよう。スキルによって攻撃範囲が異なるので、敵に当たるものを選ぶのがいいだろう。スキルを選ぶと、実際にどの位置を狙うか決めることができる。ここで敵が攻撃範囲に入っていることを確認してスキルを繰り出すことでダメージを与えることができる。

アクションスキルで使用するスキルを選択。今回は「海賊砲」を選んでみた
攻撃するポイントが選べるようになるので、敵が入るように調整
見事的に「海賊砲」が命中し撃破することができた

 今回挑戦した「シラユキ島」の第1ステージは、マップの端っこに陣取ったクリオーが超遠距離から攻撃を仕掛けてくる。筆者の場合、前作はプレイしておらず今回が初挑戦だったため少々難易度が高く感じられたマップであった。それもそのはずで、製品版では4章あたりに登場するため、そこそこクセのある作りになっていたのだ。城花氏にその点をお聞きしたところ、本来はここに来るまでにステップを積んでゲームの特徴を学んでいけるようになっているので、製品版でプレイするときはそこまで難しく感じないかもしれないとのことだった。

 プレイしていて面白く感じた部分は、「コンファイン」で呼び出せるキャラクターたちの特徴だ。仲間を癒やすヒーラータイプもいれば、率先して敵陣に切り込んでいくタイプのキャラクターなどもいる。どのキャラクターがどのような能力を持っているのか把握していくことで、より戦闘の効率も上げていける印象であった。

マップの端っこから攻撃を仕掛けてくるクリオー。キャラクターの移動範囲は広くないため、そこにたどり着くまでにダメージをくらってしまう
仲間を癒やす能力を持つヘレン

 今回が初見プレイということもあったが、途中からはとにかく「コンファイン」で呼び出せるだけキャラクターをフィールド上に召喚して、ほぼ力技で敵をなんとか最後の敵を撃破することができた。慣れてきたらもう少しスマートで、時間的にも短く攻略していくことができそうである。

ようやくマップの端っこにいる敵にたどり付くことができたので、一気に撃破!
少々手間取ったものの無事ステージをクリアすることができた

DLCのリリースも決定! 12月には体験版も配信開始

 今回のプレスカンファレンスでは、最新のプロモーションムービー第2弾が会場内に流されたあと、本作が2025年2025年1月30日で日本・北米欧州同時発売されることが発表された。来春には、アジアとSteam版の配信が行なわれることも決定している。

 初回限定版にはサウンドトラックや設定資料集、限定アクリルコースター、三方背BOXが付いているほか、アッシュとマローネのおばけ島衣装のダウンロードコードが付属している。また、初回生産限定として、パティの限定衣装のダウンロードコードが付属していることも合わせて発表された。

【『ファントム・ブレイブ 幽霊船団と消えた英雄』プロモーションムービー第2弾】
発売日が1月30日に決定!
初回限定版に付属しているダウンロードコード
初回生産限定としてパティ限定衣装のダウンロードコードが付属

 また、ソフト自体もまだ発売されていない状況ではあるが、早くも発売日以降のDLC配信も決定している。今回公開されたのは「BAR ステラアビス」からサマヨイと「嘘つき姫と盲目王子」より姫のふたりだ。こちらは現在鋭意作成中ということだが、これ以外にも複数のキャラクターがDLCで配信されていく予定である。

DLCとしてリリースが予定されている「BAR ステラアビス」のサマヨイ
こちらもDLCとして配信される「嘘つき姫と盲目王子」の姫だ

 今後の予定としては、10月19日と20日には「全国エンタメまつり」に出展。11月に体験イベントを東京で開催した後、12月には体験版が配信開始される予定だ。この体験版のデータは製品版にも引き継ぐことができる。ちなみに同社のユーザーは体験版でレベルを9999まで上げるなど、かなりやり込む人がいるそうだが、そうした人でも長く楽しめるように用意されているのがエンドコンテンツの「後日談」だ。

 ゲームを普通にクリアするだけでも、早くて20~30時間ほど掛かるのだが、この「後日談」を含めると80時間ほど掛かるという。たとえ体験版でレベルを上げておいたとしても、それだけでは「後日談」は簡単にクリアすることができないそうだ。また、この「後日談」には「魔界戦記ディスガイア」の主人公ラハールが登場するそうなので、そちらも合わせて楽しみにしよう!

今後のロードマップも合わせて公開された