Wii U「NINJA GAIDEN 3: Razor's Edge」ファーストインプレッション

前作との違いを実感! ハードバイオレンスに生まれ変わったWii U版!


12月8日 発売予定

価格:7,140円

CEROレーティング:Z(18歳以上対象)



 コーエーテクモゲームスは、Wii U用アクションゲーム「NINJA GAIDEN 3: Razor's Edge(以下:NG3RE)を12月8日に発売する。価格は7,140円で、CEROレーティングはZ(18歳以上のみ対象)。今回は、コーエーテクモにおうかがいして「NG3RE」の一部を先行体験。そのファーストインプレッションをお届けする。

 「NG3RE」は、PS3/Xbox 360「NINJA GAIDEN 3」をブラッシュアップした作品で、国内外のファンから高い関心が寄せられている。同作で注目を集めているのは、早矢仕洋介プロデューサーの「新しいファンに向けすぎで、これまでのファン向けではなかった。このシリーズが、どう愛してもらっていたのかわかったので『NG3RE』で再挑戦したい」という発言と“バイオレンス表現”の復活。「NG3RE」では、「NINJA GAIDEN 2」を彷彿とさせる欠損表現が、それこそ息を吸い吐き出すかのごとき日常的光景となる。


首、手、足、胴体……どこだろうが容赦なくズバズバと斬り落とされていく。「NG3RE」のバイオレンス度は並ではない

 広報氏によれば、ゲーム全体のブラッシュアップだけでなく、新たな演出なども追加されているという。まず最初にプレイさせていただいたのは、ロンドンとドバイの一部ステージ。まだクリアしていないものの、「NINJA GAIDEN 3」プレイ経験がある筆者は一応ノーマルからスタート。ノーマルとヒーローのみ、プレイ中に難易度の変更が可能。ハード以上は途中から変更はできない。

 おなじみの滑空シーンから一撃で敵兵士をしとめると、早速地上戦……が、この時点で既にやばい空気がビンビン伝わってくる。敵のアグレッシブさが尋常ではなく、かつて命乞いをしていた敵の面影はどこにもない……というか、どれだけ瀕死の重傷を負わせても命乞いをしてこない! それどころか、足を寸断された敵が地面をはいつくばりながらリュウ・ハヤブサの命を狙ってくる!! 「死兵」という表現があるが、「NG3RE」に登場する敵は、末端に至るまでまさにこの状態。

 象徴的なのは、爆弾特攻を仕掛けてくる敵兵士の素早い動作。突然「お前も道連れだぁ!」と叫んだかと思うと、リュウ・ハヤブサに抱きつきもろともに散華。精神を研ぎ澄ましていれば叫んでからアクションを起こすまでに反応できなくもないが、これがまぁ非常に心臓に悪い。最初に食らったときはあまりの早さに完全に意表を突かれ、思わず大きな悲鳴を上げてしまったほどだ。


ゲームを開始した直後から、尋常ならざる敵の圧力を実感。あまりの苛烈さに、横にいた広報氏に「ちょっと、こいつら士気が高すぎますよ!」と泣き言をいってしまったほど

 賛否両論あった断骨アクションは、ランダムではなく“意図的”に狙えるようになった。戦闘中、敵兵が黒光りする一瞬を狙ったりカウンターを決めると断骨が発生。それも前作のように「見得」を切るようなタメやカメラワークがなくなり、飛躍的に爽快感が増した。断骨の連鎖を決めたときの“手ごたえ”と“爽快感”は、もはや前作とは完全に別物といっていい。全体のアクションスピードが増している一方、それでいて個々の重さは一切損なわれていない。

 欠損表現は最初から最後までエンジン全開フルブースト状態。リュウ・ハヤブサの斬撃により、敵の首、手、足、胴体などが容赦なく分断されていく。体験プレイの時間が限られていたため刀と鉤爪しか試せなかったが、武器それぞれで異なる“えげつない倒し方”が堪能できそうだ。


断骨が意識して狙えるようになるなど、戦闘の爽快感がアップ! 凄まじい疾走感とともに戦闘シーンが展開されていく

 ステージを進んでいくと、前作で登場したクナイクライムのシーンが、ジャンプボタンで両壁を蹴りながら登っていくふうに変更されていた。クナイクライムは完全になくなったわけではなく先々で登場するのだが、やり方は同じでも登っていくスピードが信じられないほど早くなっている。言葉で表現するなら、前作が「ザクッ! ザクッ!」なら「NG3RE」は「ザザザザザザッ!」という感じ。

 このほか、ゆっくり歩いてステルスキルを仕掛けるシーンでは、前作の「SHADOWS OF THE WORLD」に登場した自身が透明になる演出が加えられている。ステージ内にも、前作になかったルートが新たに設定されていたりと、パワーアップ移植と呼ぶにふさわしい手間が加えられている。

 公開可能な新技として教えていただいたのが「四方輪」と「空蝉」のふたつ。前者は手裏剣を全周に向かって同時に投げる技で、敵に囲まれたときに重宝しそう。後者は敵のあらゆる攻撃を回避するというもの。「空蝉」をタイミングよく発動させると、敵の背後に瞬間移動してカウンターが取りやすくなる。これらの技は最初から使えるわけではなく、獲得したカルマで購入する仕組みになっている。購入が必要なのは、技だけでなく武器、忍法、コスチュームについても同様だ。


ユーザーの意見を取り入れ、生まれ変わったといっても過言ではない「NG3RE」。改良点は枚挙にいとまがないほど

 参戦が決定しているあやねは、まず新たに追加されたデモシーンを拝見。全裸でマッサージを受けているあやねに襲い掛かる暗殺者の魔手。当然ながら肝心の部分は隠れているが、それでも相当攻めている(公式サイトなどで見られるムービーは、その一部)。広報氏に「これ大丈夫なんですか?」と確認すると「バイオレンスだけでなく、セクシーさも『NG3RE』の魅力です!」と力説され瞬時に納得。「もういっそ(全部)見せちゃってもいいじゃないすかね?」と水を向けると「さすがにそれはダメです」とバッサリ。筆者のエスカレートした欲望が部位欠損した格好だ。

 あやねのアクションは華麗かつ俊敏な動作が大きな魅力だが、部位欠損によるバイオレンス性が強烈なエッセンスとなって、ある種の“怖さ”さえ感じられるようになった。凄まじい勢いで敵を物言わぬ肉塊に変えていく様子は、可憐な容姿と背中合わせの妖艶さと冷酷さを一層際立たせる。


プレイアブルキャラクタとして「あやね」が参戦。新たに追加されたデモシーンではセクシーな姿を披露してくれる

Wii U GamePad画面

 今回の体験では、Wii U GamePadでプレイさせていただいた。タッチスクリーン四方には武器選択、忍法発動、スキルなどのアイコンが配置され、中央にはリュウ・ハヤブサもしくはあやねの技表が表示される。技表はTV画面にも表示できるので、このあたりはユーザーの好みで使いわけられそうだ。余談ながら、Wii U GamePadは見た目からは信じられないほど軽く、1時間弱ほど連続でプレイしても疲労感などは覚えなかった。

 限られた時間ではあったが、体験プレイを終えた筆者の素直な感想は「『NINJA GAIDEN 3』からずいぶん変わったというか、もはや別物だなぁ」というもの。スピードアップした戦闘は爽快感重視ながら、敵のAIが賢くなっていることもあり、プレイスタイル「HERO」でも相当な歯ごたえがある。念のため「スコア狙いとかコアユーザー的な攻略になると、やはりイズナということになりませんか?」と質問したところ「今回は断骨を意図的に狙えるという点で、攻略の選択肢が広がっている。もちろんイズナも強力な技なので、どちらがいいとはいえない」とのこと。

 「NG3RE」は、前作に否定的だった人ほど、恐らく「なんだこれは!」と驚かれることだろう。それは部位欠損というグラフィカルな要素以上に、コアユーザーを意識した“手触り”の部分で特に顕著だ。見た目以上に“中身”もバイオレンスになった「NG3RE」。ハードコアなアクションゲームを求めている人の“餓え”を、必ずや満たしてくれるはずだ。


(C)コーエーテクモゲームス Team NINJA All rights reserved.
Amazonで購入

(2012年 10月 20日)

[Reported by 豊臣和孝]