E3 2012 モバイルゲームレポート

iOS「スト×鉄」や「アスファルト7」など配信前のタイトルが登場


6月5日~7日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 E3 2012の会場で見られるゲームは、ハイエンドなコンシューマーゲームのタイトルが中心だ。ただ日本からグリーがブースを出展しているのを始めとして、各社のブースでも時折モバイルゲームを目にすることがあった。

 グリーのブースの様子はすでにお伝えしているので、ここではそれ以外のブースで見かけた新作モバイルゲームをお伝えする。




■ CAPCOMブースにiOS版「ストリートファイター×鉄拳」を発見!

 表向きには「RESIDENT EVIL 6(バイオハザード6)」と「LOST PLANET 3(ロストプラネット3)」を展開していたCAPCOMブース。メディア関係者などを入れるクローズドコーナーには、その他の新作ゲームも展示されていた。

 その中に、さりげなく置かれているiPod touchとiPadが。よく見てみると、「ストリートファイター×鉄拳 MOBILE」が動いていた。まだ配信に関する情報は公式には一切出されていないが、担当者によると来週にも改めて正式に発表するとしている。

 とはいえ端末では既に実物がプレイ可能な状態だった。既に「ストリートファイターIV」などでハイクオリティな格闘ゲームのiOS版を提供しているカプコンだえに、今回もクオリティは抜群。操作系はこれまでのiOS向け格闘ゲームを踏襲して一部簡略化されたものだが、操作感やレスポンスは今回も文句なしによくできている。

 会場には本作のプロデューサーを務める手塚武氏の姿もあった。本作について聞いてみたところ、オンライン対戦は今回も搭載されるという。さらに今回はその他にも、色々と新しいことにチャレンジしているそうだ。カプコンは最近ソーシャルゲームにも力を入れているので、そういった経験も活かしていくのかもしれない。


iOS用「ストリートファイター×鉄拳 MOBILE」。正式な発表は来週以降の予定だが、ゲームはほぼ完成しているように見えた

 またブース内には、子会社のBeeline Interactiveのタイトルも置かれていた。Beeline Interactive海外で人気のIPを使ったタイトルが得意で、「Smurfs' Village」は北米で大ヒットした。今回は新作として、「シュレック」を題材にしたiOS向けタイトル「Shrek's Fairytale Kingdom」を出展していた。


Beeline Interactiveの「Shrek's Fairytale Kingdom」も出展



■ Gameloftは「Asphalt」や「SpiderMan」の新作を出展

 フランスに本社を置くモバイルゲーム会社のGameloftは、今年のE3も例年通りの小さなクローズドブースを出展。今回はその中で、メディア関係者向けにいくつかの新作タイトルを見せていた。

 まずは日本でも人気のレースゲーム「アスファルト」シリーズの最新作「Asphalt 7」。グラフィックスの美しさには定評があるシリーズだが、今回もさらに磨きをかけており、路面の光の照り返し表現が加わるなどしてリアリティが増している。実際にプレイさせてもらったところ、グラフィックスの表現もさることながら解像度の高さも気になった。新しいiPadのネイティブ解像度である2,048×1,536ドットで描画しているのだという。

 操作はジャイロセンサーとバーチャルパッドの両方に対応。コースは東京やパリなど15種類を収録。車種はデロリアンなどを含む60車種を収録し、カラーやデカールを変更できる。同社のオンラインサービス「Gameloft Live!」により、最大6人でのオンラインプレイにも対応。各種アチーブメント機能も用意されている。今回も隙のないハイエンドなモバイルレースゲームに仕上げてきている。

 プラットフォームはiOSとAndroidで、配信は今夏の予定。


端末の性能向上にいち早くついていくのが「アスファルト」シリーズ。今回もしっかり新しいiPadに対応してきた

【プロモーションムービー】

 続いては、日本では6月30日から公開される映画「アメイジング・スパイダーマン」を題材にした「The Amazing Spider-Man」。3Dグラフィックスで描かれたニューヨークを舞台にした、オープンワールドのアクションゲームとなっている。

 プレーヤーキャラクターはもちろんスパイダーマン。プレーヤーは街中で発生するミッションをこなしていく。メインのストーリーを進めるミッションのほか、サブのミッションも用意されており、マップ上でポイントを確認しながらミッションをこなしていく。

 本作の特徴はなんと言っても、糸を使った移動アクションだ。高層ビルが立ち並ぶニューヨークの街を、上空に放った長い糸を使ってターザンのごとく高速移動する。ビルより高い位置に投げられた糸はどこに繋がれているのか、などと考えるのは無粋というものだ。地面に立っていた数秒後には地上数百メートルの高さまで跳び上がる気持ちよさは、目的なくニューヨークを跳びまわっているだけで楽しくさせてくれる。

 バトルシーンでは、攻撃ボタンを連打すると近くの敵にパンチの連打を浴びせる。当てた数だけコンボ数が表示されてなかなか爽快。さらに糸を使ったアクションもあり、敵を糸で絡め取って動けなくしたり、いったん街灯の上に糸を使って飛び乗ってから蹴りを浴びせたりと、スパイダーマンならではのアクションも披露する。

 こちらはiOSとAndroid向けに、6月28日より配信予定。


ほぼ映画公開に合わせての配信となる。単なるプロモーション用のゲームではなく、オープンワールドでストーリーも展開する本格的なゲームになっている

【プロモーションムービー】



【その他のブース】
Microsoftブースには、Windows Phoneコーナーが設けられた。ひっそりした雰囲気だが、Windows Phone 8が出ているはずの来年にはもっと端末が並ぶだろうか?
WeMadeのブースには、7月配信予定のiOS用タワーディフェンス「Chaos&Defence Online」など多数のモバイルタイトルが出展されていた

(2012年 6月 10日)

[Reported by 石田賀津男]