NHN Japan、WIN「スペシャルフォース2」メディア向け体験会を開催

グラフィックスが大きく進化した新世代FPS。CBT募集とユーザー先行体験会の日程も発表


4月2日 先行体験会事前登録開始予定
4月14日、15日 先行体験会開催予定

4月9日 CBT募集開始


 NHN Japan株式会社は4月2日、新作オンラインFPS「スペシャルフォース2」のクローズドβテスト(CBT)を4月9日より募集開始すると発表した。CBTの実施スケジュールについては、4月9日に発表される予定。正式サービス開始時期やビジネスモデルは未定となっている。

 また本作のユーザー向け先行体験会を4月14日に東京、4月15日に兵庫で行なうことも発表された。先行体験会については、4月2日より事前登録を開始している。この事前登録については、こちらのページから応募できる。

 「スペシャルフォース2」は、現在NHN Japanよりサービスされている「スペシャルフォース」の後継作で、ゲームエンジンに「Unreal Engine 3」を採用したオンラインFPS。主にグラフィックスが刷新され、新世代のFPSとして大きく期待されているタイトルとなる。
 
 今回の発表に先立ち、メディア向けに体験会が行なわれたので、プレイの様子や感触などをお伝えする。またNHN Japan「スペシャルフォース2」プロデューサーの佐野亘氏より本作の概要についても説明があったので、その模様もご紹介する。



■ 初心者から上級者まで幅広くターゲットを見据えた新世代FPS

NHN Japan「スペシャルフォース2」プロデューサーの佐野亘氏
佐野氏は、前作との違いを「グラフィックスの進化によってプレイ感覚すら異なる」と最初に説明した

 佐野氏は本作について、「『スペシャルフォース』を開発した韓国Dragonflyのチームが、前作でできなかったこと、やりたかったことを実現するために再結成して、初心者から上級者まで楽しめるFPSを目指した」と説明した。

 中でも佐野氏が示した最も大きな変化は、グラフィックスの改善だ。佐野氏は前作と今作の両方を通して登場するマップ「デザートマップ」の同じ箇所のスクリーンショットを比べながら、燃え上がる車、建物の造形、砂埃が舞う様子や、太陽の光などの表現がよりリアルになり、それによって「臨場感が増し、プレイ感覚が全く変わった」と話した。

 佐野氏は「グラフィックスがリアルになるほど敵がオブジェクトと一体化して見えにくくなる」という問題についても触れ、これは敵の姿を白っぽい服装にして目立たせることで解消していると述べた。敵が自分を見た場合も同様になっているので、競技性についても配慮されているそうだ。

 また操作についても変化があり、「スペシャルフォース」の特徴だった“斜め走り”や、しゃがみキーを一定間隔で押すことで足音を消せる“屈伸”がなくなり、代わりにダッシュと全ての銃でスコープできるようになった。特にダッシュが加わったことで、1回の戦闘時間が短くなったそうだ。

 ゲーム内容では、武器や対戦モードにも追加や変更がある。武器では特に、新しく「クロスボウ」と「ククリ」と呼ばれる投げナイフが加わっている。「クロスボウ」は当てるのが難しい分、体のどこに当たっても即死となる特殊武器。「ククリ」は弧を描くような軌道で投げられるので、上空から敵を襲うようなトリッキーな攻撃ができる。両方の武器は共に投擲武器の代わりにセットするものなので、武器の選択はこれまで以上に個性が出やすくなった。

 ゲームモードには、これまでにあった「爆破モード」や「チームデスマッチ」などに加えて、新しく「突破モード」と呼ばれるモードがあると佐野氏は話した。これらのモードについては詳しく説明されなかったが、「突破モード」のほかにも初心者から上級者まで楽しめる多彩なモードの用意を目指しているそうだ。

 またプレイ中の機能としては、新しく「キルカメラ」が加わった。「キルカメラ」は、自分が倒された際、そのシーンを相手の目線から再体験できるというもの。これにより、どういう状況で自分が倒されたかがわかり、立ち回りに対する学習効果が見込めるようになった。

 このほか、戦場にはエレベーターなどの移動できる乗り物が備わっていたり、爆破することで新しく通路が作れたりと、戦場自体が変化していくようなギミックもある。

 ユーザー向け先行体験会に向けて佐野氏は、「日本で『スペシャルフォース2』に初めて触れられる機会なので、ぜひ足をお運びください。東京の会場はALIENWARE ARENA in アイ・カフェ AKIBA PLACEになるので、ハイクオリティなグラフィックスを体験していただけると思います」と述べた。


臨場感にこだわったという本作では、銃の発射音も実際のものを録音したそうだ。またその際に、銃器の扱い方についてもアドバイスをもらったという

【デザートキャンプ】
太陽が照りつけ砂埃が舞う戦場。「スペシャルフォース」にも登場したシリーズの定番マップと言える
【ファームハウス】
荒れた農場が舞台のマップ。障害物があり、建物の2階に上がったりもできるが、マップ全体は狭く、見通しも比較的いいので混戦になること必至
【アナコンダ】
雨の降りしきる船上での戦い。内部は入り組んでおり、複雑なマップとなる。エレベーターで階層を移動できる特徴を持つ


■ リアルさを高めながらも、オンラインFPSの基本はしっかりと踏襲

「スペシャルフォース2」を始めると、1人の青年が軍に所属するというストーリーがほんの少しだけ語られる

 佐野氏の概要説明の後、体験会が開催された。体験会では、チュートリアルモードを体験した後、「デザートキャンプ」や「ファームハウス」などのマップで「爆破モード」や「奪取モード」などのチーム対戦を行なった。

 「スペシャルフォース2」を始めると、佐野氏が言っていたグラフィックスの変化がすぐに感じられた。前作と比べ、「スペシャルフォース2」ではコンソール機でのFPSと比べても遜色ないくらいに、地面や草、建物など、オブジェクトがそれぞれに持つ質感がしっかりと表現されており、戦場の雰囲気をよりリアルに感じられた。

 特に比較として最適だったのは、「デザートキャンプ」でのプレイだ。前述の通り、「デザートキャンプ」は前作に続いての登場となるが、「スペシャルフォース2」では、太陽光がギラギラと差し込み、砂埃が舞うようなステージへと進化していた。フィールドに置かれている車に射撃を続ければ爆破が起きるギミックをはじめとして、フィールドに置かれている数々のドラム缶などのオブジェクトは撃つと爆発することもあるので、障害物だからといってうかうか隠れていられない。「スペシャルフォース2」では、臨場感に加えて緊張感も高まっていた。

 だからと言って、「スペシャルフォース」を踏襲したオンラインFPSの基本システムはいい意味で何も変わっていない。相手が見つかるまでは感覚を研ぎ澄ませながら進み、撃ち合いが始まる敵との出会い頭が最もエキサイティングな瞬間となる。操作に多少の違いはあるが、「爆破モード」や「チームデスマッチ」なども、「スペシャルフォース」と全く同じ感覚で臨める。

 体験会で最も人気が高かった武器は、新登場となる「クロスボウ」だった。当たれば即死の一撃必殺となる「クロスボウ」だが、装填は1発ごとに行なわれるので、一撃を外した時のロスが致命傷になることが多くあった。この特徴から使い始めはスナイパーライフルの亜種のように思っていたが、スコープモードにしても倍率は低く、さらに発射してみれば弾道の速度も遅いため、遠くの敵になればなるほど当てるのは難しい。どちらかと言うと、近から中距離で威力を発揮するタイプだ。デメリットはあるが、当てられればかなり爽快なので、その扱いづらさがクセになるという面白い武器だった。

チュートリアルモード1つをとっても十分にやり込める要素が詰まっている

 またシステム面で特徴的だったのは、チュートリアルモードだ。このチュートリアルモードは、最初にログインした時に始まるミニゲームのようなもの。フィールドを移動すると敵の姿をした板が跳ね上がるので、それを撃ち倒して先へ進んでいく。クリアすれば、最後にプレイに応じた点数が表示される。ここでは基本的な操作が説明され、全くFPSに触れたことのないプレーヤーでもゲームの流れを一通り理解できる。

 面白いのは、クリアそのものは簡単になっているものの、撃つと得点がマイナスになる“子供の板”が飛び出してきたり、人質を取った敵はよく狙って撃たないと減点になるといったギミックもあることだ。さらに途中で登場するかぼちゃや動き回るネズミなどを撃った場合は点数が上がるという仕掛けも用意されているので、高い点数を求めればとことんまでやり込めそうな要素も詰まっている。チュートリアルモードは、クリア後は「ミニゲーム」として楽しめるので、「初心者から上級者まで」という意思を初めに感じられるモードだ。

 体験会は1時間ほどだったが、オンラインFPSの基本をしっかりと踏まえつつ、その他の臨場感、緊張感、プレイの幅といったところを突き詰めたタイトルに仕上がっていることを感じた。このほかにも、チーム戦で負けた場合、ホーム画面のプレーヤーキャラクターが壁を叩いて悔しがる演出があり、思わず笑みがこぼれてしまうと同時に、そういった細やかな気配りに感心させられた。「スペシャルフォース2」は、韓国ではすでにe-Sports協会に正式タイトルと認定され、プロリーグが開催されている。日本版の登場まで、もうしばらくお待ちいただきたい。


【スクリーンショット】
UIも刷新。インベントリやアイテムショップは、情報の整理という点でも見やすくなっている
前作との違いを端的に知りたいなら「デザートキャンプ」でのプレイがお勧め。建物やオブジェクトに重さが感じられて臨場感はたっぷり。太陽の光、砂埃、オブジェクトの1つ1つがリアルで、オンラインFPSの新世代を体感できる
ほかにも、舞台となるマップは様々
「キルカメラ」機能では、自分の不用意な飛び出しやミスを相手の視点で確認できるので、プレイの何がいけなかったのかが理解しやすかったチーム戦に勝利すれば特別な演出を見られる敗戦すると悔しがるキャラクターはキュート

Published by NHN Japan Corp.
(c) Dragonfly GF Co.,Ltd. (c) 2011 NHN Japan Corp.

(2012年 4月 2日)

[Reported by 安田俊亮]