EA、PS3/Xbox 360「マスエフェクト 3」先行体験会を開催
敵に襲われ崩壊する地球。序盤シーンと新要素に注目
エレクトロニック・アーツ株式会社は、2月27日本社にて、プレイステーション 3/Xbox 360用アクションRPG「マスエフェクト 3」の先行体験会を開催した。
「マスエフェクト 3」は、米Biowareの開発するSFRPGで、3月15日に発売を予定している。価格は7,665円で、CEROレーティングはD(17歳以上対象)。銀河を舞台に壮大な物語が展開する作品だ。今作「マスエフェクト 3」は、シリーズ第3作であり、“最終章”となるという。
この体験会では序盤のシングルプレイをプレイすることができた。今作ではいきなり地球が侵略を受けるというショッキングな展開からゲームがスタートする。序盤のストーリーと合わせて、基本的なゲームシステムを紹介していきたい。
また、この体験会に合わせて来日した、BioWare「マスエフェクト 3」アソシエイトプロジェクトマネージャーのロビン・デベルジュ氏に、インタビューを行なうこともできた。こちらも後日掲載するので、お楽しみに。
【スクリーンショット】 | |
---|---|
地球の崩壊や、ステージが壊れる演出、青い肌をした仲間リアラなど、今回体験した部分のスクリーンショット |
■ アクション重視、ストーリー重視の新モードも搭載。格闘など新要素も
エレクトロニック・アーツ本社の会議室が体験会の会場となった |
選べる3つのモード。プレイ感は大きく変わってきそうだ |
1作目から登場しているリアラ。輪郭が柔らかく、より美人に |
「マスエフェクト 3」は、これまでの「マスエフェクト」、「マスエフェクト 2」からストーリーが引き継がれている。本作だけでもプレイできるが、シリーズを通してプレイすると、さらに思い入れたっぷりでプレイできるだろう。シリーズでデータが引き継がれるのが特徴で、主人公の外見や名前はもちろん、仲間キャラクターの生死や、関係などもゲームの展開に影響を及ぼしていく。
プレーヤーキャラクターであるシェパードは、前作「マスエフェクト 2」において、地球人類の幸福だけを目指すシンジケート「サーベラス」に命を救われ、彼らの協力のもと、この銀河宇宙全体が、「リーパー」という古代から存在が伝えられるエイリアン種族の脅威にさらされているのを知る。様々な種族の仲間を得て、リーパーの脅威に立ち向かうものの、シェパードは、地球をはじめとした銀河の人々にその脅威を伝えられずにいた。シェパードは、サーベラスとの関係を疑われ、自分の船「ノルマンディー SR-2」や、クルー、そして仲間達からも離され、軟禁に近い状態にされてしまうのだ。
「マスエフェクト 3」の冒頭で、シェパードは、地球の連合評議会から呼び出しを受ける。地球の植民惑星すべてから連絡が途絶えたというのだ。このような事態になって、地球の政治家達は初めてシェパードの話を聞く姿勢を見せた。しかし、全てが遅すぎた。空から無数の巨大なリーパーの兵器が降下し、侵略を開始したのだ……。
今回はXbox 360版を使って、チュートリアルを兼ねた地球のシーンと、次の惑星のところをプレイできた。ゲームの展開は後で詳しく紹介するとして、まず、「マスエフェクト 3」ならではのポイントを紹介したい。今作のシングルプレイは3つのモードが用意されている。1つ目が「RPGモード」、2つ目が「アクション」、そして3つ目が「ストーリー」である。RPGモードはこれまでと同じプレーヤーは様々なことを決断しながら、物語を進めるモードだ。
アクションは、本作の選択要素を大幅に削り、会話での選択は無し。ストーリーの大筋だけ選択する。プレーヤーはTPSを遊んでいる感覚で戦闘に集中できる。ストーリーは反対に、物語に集中したいプレーヤー向け。戦闘は簡単になり、プレーヤーは物語の中の選択に集中できる。つまり、従来のRPGモードを中心に、アクションシューティングを好むユーザー向けにアクション、ストーリー重視派向けにストーリーという新しいモードを用意したのだ。
今回はRPGモードと、ストーリーを比較してみた。RPGモードではちゃんと遮蔽物に隠れ、敵が飛び出す時を狙って射撃しなくてはならなかったが、ストーリーでは敵が姿をさらしている場合が多く、こちらも遮蔽物に隠れずバンバン撃てる感じで、かなり難易度が下がっているように感じた。ただし、戦闘が起こる場所など、イベントの数の削減は行なっていないようだった。
RPGモードでも、これまでの作品よりも戦いやすく感じた。操作は前作より軽快に、よりTPSに近い感覚で銃撃戦を行なえるようになった。また、アビリティの使い所もわかりやすかった。地球の次の惑星からは、盾を持つ敵が出てくる。この敵は正面の攻撃を跳ね返す強敵だが、仲間になる「リアラ」が最初から、ダークエネルギーのパワーで敵を空中に浮かす「シンギュラリティ」というアビリティを持っており、浮かすと簡単に倒せる。よりアビリティと戦い方が明確になっていると感じた。
さらに、「接近戦」もアナウンスされていた要素だ。接近戦ボタンであるBボタンを短く押すと、持っている銃器で殴るが、一定時間押し込んでいるとアビリティを使うときに現われる「オムニツール」で攻撃を行なう。今作から登場した新兵器で、使うと爽快だった。主人公のキャラクタータイプは様々なものがあるが、接近戦に特化した「ヴァンガード」にすると、ダッシュで敵に突っ込む「バイオテックチャージ」と、通常のオムニツールとは違う特殊な接近技が使え、接近戦特化のプレイができた。今作は接近戦も注目だと感じた。
この他気がついた要素は、キャラクターが美しくなったことだ。「女ゴリラ」とゲーム中にも言われていたアシュリーが髪を伸ばしさわやかな美女になっているし、リアラも美しい。「マスエフェクト 3」の恋要素はさらに楽しいものになりそうである。
■ 地球を救うための脱出。グッと引き込まれる演出とアクション要素
フィールドそのものが崩壊する。派手な演出だ |
地球人類を守るため、あえて残るアンダーソン。彼らを救えるのはシェパードだけだ |
ここからは、序盤の展開を細かく紹介していこう。最初にいきなり敵の攻撃で評議員のいる部屋そのものが崩壊する。シェパードは彼(彼女)の数少ない理解者であるアンダースンと共に、脱出を決意する。目指すはシェパードの船「ノルマンディー SR-2」だ。
シェパードたちは窓の外から、建物の外壁を伝って、船との接触を試みる。彼らの前に広がるのは、巨大な兵器に蹂躙される街だ。この光景は圧倒的で、「とても人類は適わない」と感じられる。恐怖の表現だけでなく、街や敵兵器の作り込みにも感心させられる。グラフィックス表現の進化を確かに感じられるシーンである。
最初のシーンはチュートリアルを兼ねている。ここではアンダースンの後ろをついていきながら敵と戦うことになるのだが、現役を引退したアンダースンが活躍する姿を見ることができるのは、ちょっと嬉しい。彼とシェパードのやりとりから、彼らの絆の強さがわかる。また地球では1人の少年との出会いがある。この演出もプレーヤーに「守るべきもの」を強く意識させる演出となっている。
敵と味方の戦闘機が目の前で空中戦を行なったり、敵の攻撃で建物の形が変わったり、足場が大きく崩れたりと、リアルタイムで様々な演出があり、フィールドそのものが変化していくのは驚かされる。また、ムービーシーンとアクションシーンの質感がほとんど変わらないのも感心させられた。
敵の攻撃から逃げるシェパードとアンダースンの前に、ノルマンディー SR-2が現われる。船に飛び乗るシェパードだが、アンダースンは地上に残るという。シェパードに銀河評議会のある「シタデル」にいき、他の種族に助けを求めることを命じ、アンダースン自身は地球の仲間を助けるために戻っていく。シェパードは船に出発を命じる。地球人類の希望は、シェパードだけなのだ。
次の惑星がどこなのかについては、まだ明かすことができないが、ここでは驚きが待っている。特に前作のプレーヤーにとって、大きな秘密が明らかになり、ぐっと引き込まれるだろう。「マスエフェクト 3」は最終章ということもあり、「マスエフェクト」や、「マスエフェクト 2」で提示されていた謎や秘密が一気に明らかになり、大きな流れを生んでいきそうである。早く本編をプレイしたい。
次の惑星では、「アクション要素」が多数盛り込まれていた。ゴンドラで移動中、もう1台のゴンドラが追い付いてきて銃撃戦になったり、レーザー砲台が見張る中、物陰から物陰に移動したり、走っている敵を追いかけたり、これまでにないアクション要素を体験できた。パズル要素などもあり、これまで以上に多彩なゲーム性を盛り込んでいるようで、こちらも注目である。
「マスエフェクト 3」はこれまでの伏線を回収するストーリーと、強化されたグラフィックス、アクション要素と、最終章にふさわしい作品となりそうだ。今回は体験できなかったが、マルチプレイモードも搭載しており、こちらでは最大4人の協力プレイが楽しめるという。「マスエフェクト 3」の要素を見ていると、このマルチプレイも大いに期待できそうだ。弊誌では今後さらに「マスエフェクト 3」を取り上げていく予定だ。期待して欲しい。
崩壊していく地球。襲いかかってくるリーパー。少年との一瞬の出会いが、シェパードに守るべきものを教える | ||
地球全土を埋め尽くしていくリーパーの兵器。地球を救うため、今は背を向ける | ||
次の惑星ではリアラと出会いがある。大きな秘密の1つが明かされ、物語にグッと引き込まれる | ||
アクション要素。砲台トラップを、物陰を移動してかわしていく。移動するゴンドラでの戦い。敵を待ち伏せするために、部下を配置する |
【スクリーンショット】 | ||
---|---|---|
こちらは戦闘部分のスクリーンショット。激しい戦いを予感させられる |
(2012年 2月 27日)