あのゲームセンターの人気者が28年の時を経て奇跡の復活!

トライアングル・サービス&セガ、「ペンゴ!」のロケテスト実施を記念をしたメディア対抗戦を開催


ロケテスト期間:7月29日~8月6日

会場:クラブセガ秋葉原(新館)



左が通常のペンゴ、右が1度やられてしまい天使の輪っかが乗った「おばけペンゴ」。どちらもかわいい

 有限会社トライアングル・サービスは、同社開発のアーケードゲーム最新作「ペンゴ!」の期間限定ロケテストを7月29日(木)より東京・秋葉原のクラブセガ秋葉原(新館)の5階にて開始。また7月30日には報道関係8社を招待した本作のメディア対抗ゲーム大会を同店舗にて開催した。

 「ペンゴ!」は、1982年にセガが発売して人気を博したアーケードゲームの名作「ペンゴ」をリメイクした作品。プレーヤーはペンギンをモチーフにした主人公のペンゴを操作して、敵キャラクターのスノービーや相手プレーヤーにめがけてアイスブロックをぶつけて倒し、制限時間の60秒以内に獲得した得点で勝敗を競う対戦アクションゲームとなっている。対戦は最大8人まで同時プレイが可能で、1プレイごとに得点が下位のプレーヤー(※8人の場合は成績下位の4人が対象)が手持ちの「★マーク」を1個ずつ失い、★マークがすべてなくなるとゲームオーバーとなる。操作方法は4方向レバーとアイスブロックを飛ばす(または壊す)ためのボタン1個という簡単操作で、各キャラクターのグラフィックスも1キャラあたりわずか3色の2Dドットで描かれており、元祖「ペンゴ」と同様いたってシンプルな構成だ。


「ペンゴ!」のゲーム説明をするトライアングル・サービス藤野社長。「以前に開発した『シューティングラブ。2007』の稼働開始から今月でちょうど3年が過ぎましたが、ようやく最新作のロケテスト実施までこぎつけることができました」とのこと

 本作の開発を担当したのは、「シューティングラブ。」シリーズでおなじみのトライアングル・サービスの藤野俊昭社長。「今までにシューティング好きな人向けの作品をいろいろ作ってイベントも開催してきましたが、今度はシューティング好きではない人にも楽しんでもらうにはどうしたらいいのかと考えまして、セガさんにぜひ『ペンゴ』の新作を作らせてほしいとお願いしました。正直まさかオーケーが出るとは思わなかったですが(笑)」と制作開始までの逸話を披露した。

 メディア対抗戦は、1対1での2人対戦によるトーナメント戦と8人同時対戦の2種類の形式で実施された。筆者は少年時代に「ペンゴ」がかなりのお気に入りでよく遊んでいたこともあり、他のお若い参加者の皆さんよりも経験がある分の「年の功効果」(?)でトーナメント戦では幸運にも準優勝をいただくことができた。相手よりも早く、片っ端からスノービーをどんどん倒して先に得点を稼いで逃げ切る作戦が功を奏したものと思われる。

 しかし、8人同時対戦(生き残りの1人を決める「LAST MAN STANDING モード」)ではプレーヤーたちが投げたアイスブロックが四方から一斉に飛んできたためまるで避けられず、こちらはあっという間に★マークがゼロとなり早々に脱落してしまった。スノービー退治を優先していたため、他のプレーヤーのペンゴの存在をついつい見落としてしまい、遠方から飛んできたアイスブロックに気付かずにいたのが敗因だろう。また本作は16:9のワイド型のモニタにも対応しており、マップがオリジナル版に比べて格段に広くなっているので以前よりも周囲の状況をちゃんとみながらプレーしないと勝利は覚束ない、と痛感した次第である。

 さて、筆者が「ペンゴ!」をプレーしてみた率直な印象は、やはり1人で遊ぶよりも大人数で対戦したほうが断然面白いこと。個人的には、1人で黙々と攻略パターンを作ってハイスコアを追求するタイプのゲームが好みだが、こと本作に関しては多くのプレーヤーが入れ替わり立ち代わり乱入しての対戦プレーで楽しむことを大いに推奨したい。

 もし途中で相手にやられてしまっても制限時間内であれば何度でも再挑戦が可能で、また敵のスノービーに触れてもミスにはならない(※ただし、数秒間しびれて動けなくなる)ので、初めて遊んだ人でも必ず最後まで楽しめる配慮もきちんとされていた。1度やられたペンゴが復活すると頭上に天使の輪が描かれた「おばけペンゴ」となり、飛んできたアイスブロックに触れてもミスにはならなくなるのも面白い仕掛け。「おばけペンゴ」のプレーヤーが他のペンゴを倒した場合は、通常よりも得点が1.5倍にアップするようになっているので、途中まで劣勢のプレーヤーでも最後まで逆転の可能性が残るシステムになっているところも好印象であった。

 また、オリジナル版の「ペンゴ」では画面内に散在するダイヤモンドブロックを3個並べるとボーナス得点が入る仕組みになっていたが、本作ではボーナスに加えて相手プレーヤーがしばらくの間しびれて動けなくなるメリットも追加されている。3個並べるためには、短時間のうちにブロックをどう運べば完成するのかを考えるパズル的思考も要求されるという前作の面白さもきちんと継承されていた。

 ちなみに、プレイ中にスタートボタンを押すとペンゴがお尻を振る懐かしのポーズで対戦相手を挑発できるお遊びも入っており、藤野氏の並々ならぬ「『ペンゴ』ラブ!」な姿勢もこれまた◎であった(笑)。

 なお、「ペンゴ!」のロケテストは8月6日(金)までの実施予定となっているので、本作に興味を持った人はぜひお店に足を運んでプレイしてみていただきたい。

これが当日使用された筐体とポスター。見ただけでピンときた人もいるかもしれないが、タイトルロゴやキャッチコピーの文字は藤野社長の直筆(ご本人談)とのこと
28年ぶりに復活した新生「ペンゴ!」最大の特徴は対戦プレイができること。1枚の基板で、ご覧の通り4台の筐体×2コンパネで8人まで同時に対戦が可能となっているこちらが対抗戦のトーナメント表。決勝戦で負けてしまいました。最後にちょっと欲をかいたのが敗因。でもそこが如実に結果に表われるというのは、良いゲームと言えるのではなかろうか
対戦トーナメントでプレイ中の様子。敵のスノービーを相手よりもたくさん倒して得点を稼ぐか、それとも直接相手のペンゴをつぶして一気に差をつけるのかがプレーヤーとしては考えどころ
ダイヤモンドブロックを3個並べるとボーナス点の獲得に加え、相手をしばらく動けなくすることも可能となる
勝利したプレーヤーには王冠が授与され、さらにペンゴがお尻フリフリダンスで祝福してくれる。元祖「ペンゴ」ではコーヒーブレイクのシーンで登場した懐かしのパフォーマンスには、オールドファンなら泣いて喜ぶことウケアイだ
【スクリーンショット】
16:9のワイド型のモニタにも対応しておりかなり広い。8人対戦ともなるとかなりのカオスっぷりに、自分のことだけ考えてコツコツと倒しているとあらぬ方向から氷が飛んできてつぶされてしまうことに!!
とにかく愛嬌たっぷりのペンゴ。クラシックにしてまさに完成形と言える
今回のロケテスト会場に多数貼ってあったポスター。藤野社長の手書きの題字も目を引く

(C)SEGA/TRIANGL SERVICE

(2010年 7月 30日)

[Reported by 鴫原盛之]