SCEJ、PSP「THE EYE OF JUDGMENT 神託のウィザード」
公式オンライン大会第3回「GAME Watch杯」序盤レポート
~TCG未体験の人も、この機会にぜひチャレンジ!~


4月9日~19日 開催

【THE EYE OF JUDGMENT 神託のウィザード】

発売中(3月4日)

価格:4,980円(UMD版)、3,800円(ダウンロード版)

CEROレーティング:A(全年齢対象)


弊誌経由で配布中のプロモーションカード「大導師ガリアン」

 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントが3月4日に発売したPSP用3Dカードバトル「THE EYE OF JUDGMENT 神託のウィザード(以下、EOJ)」。本作のオンライン公式大会の第3回となる「GAME Watch杯」が4月9日から19日の日程で開催中だ。今回は、オンライン大会のインプレッション記事をお届けする。

 先週の記事などでお知らせしてあるとおり、「GAME Watch杯」のルールはシングルデュエル、デッキの総マナコストは50以下、制限時間は120秒。属性やレアリティに制限はない。これまでの大会との違いは、なんといっても総マナコストの制限。新規ゲーム開始時にサンプルで与えられるデッキよりも総マナコストが少ないため、わずかなお小遣いのやりくりに通じる“買い物上手”的な手腕が求められる。

 今回は「せっかく『GAME Watch杯』と冠がついてるんだから」ということで、弊誌経由で配布中のプロモーションカード「大導師ガリアン」をデッキに必ず入れること、さらには「新規ユーザーにもチャレンジ意欲が沸きそうなデッキ作りを心がける」を自己ルールに設定した。第1条件の「大導師ガリアン」は、できればデッキ内に2積みしたいところ。だが、総マナコスト50のなかで「大導師ガリアン」の4マナコストはかなり重い。 1積みだと1試合で1度も見ることなく終わるケースも珍しくないが、バランス型のデッキ寄りにすればなんとかなるし、引いたときの「よっしゃきたぁー!!」というタメの効いたカタルシス(?)も楽しめるので、あえて1枚としておきたい(編集部注:本来ルールでは1枚しかデッキに 組み込めません)。「このカード、あんまり好きじゃないなぁ」という人は、何か他の特徴的な“フックとして楽しめる”カードと差し替えてもいいだろう。

 第2条件は「プレーヤー人口が少しでも増えて欲しいなぁ」という僭越な願いに基づく。筆者も仕事柄色々なTCGに触れるが、「EOJ」はそうしたカードゲームのなかでもゲームバランスが抜群にいいと感じている。プレイステーション 3版のときは、発売時期、周辺機器の使い勝手、ブースターパックの入手難易度など低くないハードル設定により振るわない結果に終わったが、PSP版はソフトを買うだけですぐ遊べる“圧倒的な手軽さ”が秀逸。友だちを無理に巻き込まなくてもいいし、大会にわざわざでかけなくてもいいし、ルール解釈で揉めることもない。「今までTCGはやったことがない」という人にも迷わずオススメしたい逸品で、ゆえに「『大会なんて、結局やりこんでる人しか楽しめないんでしょ?』と思われたら嫌だなあ」という考えから、試しに序盤で入手できるカードメインのサンプルデッキを組んでみた。カードの相互作用はシンプルなものにとどめ、そうした応用に気づいたときは後から修正しやすい点も考慮したつもりだ。

 

    【序盤で容易に入手できるカードを中心とした、総マナコスト50以下サンプルデッキ】
  • 火に仕えた魔道師×3、嘆きの見習い僧×2、群れなすウォーハウンド×1、グランブルの警護兵×2、火を練る修験者×3、大導師ガリアン×1、三咆の巨獅子×1、トリトナの氷兵×2、アルージアの修道女×1、セ・ホーリンの不敗砦×2、森跳び蛙の盗賊×3、迷い弓の女エルフ×1、緑の侍 柳楽衆×2、パルマス教の聖宴×1、迷いの羅針盤×1、ティノアの動秘術、エルフの道標×2、ゴーリの地割れ×1
ゲームバランスは秀逸のひとこと。ゆえにバリエーションに富んだデッキ構築が楽しめる

 デッキ構築は、本当はイチからすべて自分で考えるのがベストなのだが、“今まで1度もTCGのプレイ経験がない”人は、たった30枚のデッキでも「なにがなにやら」と混乱してしまいがち。「スターターデッキを数枚入れ替えるのも面倒だし、なんかうまくいかない気がして」という人もいそうだが、マナコストが制限されているケースは“何でもアリ”に比べると筋道がつけやすいという点で、ある意味「もっとも初心者向き」だと思う。本大会などは、「EOJ」を初めてプレイするには丁度いいシチュエーションで、「なんかこういうの面倒くさそう……」という人も、ぜひ1度お試しいただきたい。「EOJ」のシンプルで、それでいて懐の深い練り込まれたシステムは、すべてのプレーヤーに等しく“TCGならではの楽しさ”を伝えてくれるはずだ。

 オンライン大会は、夜ならほぼ待ち時間ゼロでマッチングされる。制限時間が120秒ということもあるが、どの対戦も適度なテンポで展開されていく。ここでも改めて実感したのは、「EOJ」のゲームバランスの良さ。世間一般のTCGでは、大会参加者の大半が“特定の強カードを中心としたテンプレート的なデッキ”というケースが少なくないが、「EOJ」にはそれがなく、参加者のデッキはバラエティに富んでいる。ここで「よく考えられているなぁ」とうならされた対戦相手のデッキを真似するのもいいが、誰もが同等の強さを発揮できるかといえば、さにあらず、よく練られたデッキは、必ず“相応のプレイ経験と腕前”に支えられており、そうした“気づき”の数々が次のプレイングの糧となっていく。慣れてくれば「アレとコレを出してきたってことは、次は○×を狙ってるな」と予想がつくし、にも関わらず相手が〆のカードを切れないでいると「……あぁ、まだ引けてないんだ」となったり、色々なやりとりが味わえて実に楽しい時間が過ごせる。

 サンプルデッキは、筆者のプレイングが激甘ということもあって(テンション上がりすぎて、麻雀でいうフリテンに近いことをよくやる。そこに置くと逆属性で即トラッシュされるカードを慌てて切ったり……)勝率はかなりションボリ気味。だが、状況によっては上位ランカーに「あと1歩」もしくは「(心底つくづく)運よく勝てた!」なんてこともたま~にある。ちなみに、大会開始から3日間が過ぎた現在、残りカード15枚以下になるまでに、テーマのひとつに掲げた「大導師ガリアン」を引けた回数は、片手で数えられる程度。「お前、本当に引き弱いよな……」と友人知人にガチで同情される筆者の引き運では、恐らく最終日までずっとそんな感じかと推察される。いくら「引けたとき凄く嬉しいから」といっても、やはり「コレ!」といったカードは最低でも2枚は入れておくべき。そんな身を切るようなアドバイスをもって、本稿の〆とさせていただきたい。自他共に認める“引き運サイアク”の筆者でも、1度始めたらヤミツキの「EOJ」は、本当に完成度が高い素晴らしいゲームなのだ。


オンライン大会の参加方法はとても簡単。インフラストラクチャー→オンライン大会を選択するだけ。デッキ修正もオンライン大会のメニュー内に用意されている
時間帯にもよるが、夜ならすぐマッチングされる。使うデッキを決めたら、手番ジャンケン開始。勝ったほうが先攻後攻、好きなほうを選べる
オンライン対戦では、さまざまなバリエーションのデッキと遭遇する。対戦のたびに新たな発見があり、それが楽しくて仕方がない



(C)2007 Sony Computer Entertainment Inc.

(2010年 4月 12日)

[Reported by 豊臣孝和]