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攻殻機動隊史上最大の展覧会「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」レポート

膨大な原画をARでさらに深掘り、制作背景をより深く理解できる!

【攻殻機動隊展 Ghost and the Shell】
会期:2026年1月30日~4月5日
会場:TOKYO NODE GALLERY A/B/C(虎ノ門ヒルズ ステーションタワー 45F
入場料:
一般2,700円
高校・中学生1,900円
小学生1,200円

 攻殻機動隊展 Ghost and the Shell 製作委員会は東京・虎ノ門にあるTOKYO NODEにおいて、展覧会「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」を開催する。開催期間は1月30日から4月5日。入場料は一般2,700円、高校・中学生1,900円、小学生1,200円。オンラインチケットや、グッズ付きチケットなども用意される。

 本イベントは30年にわたるProduction I.Gによる映像化された「攻殻機動隊」の作品群の膨大な資料を活用した展覧会。シリーズを応じた様々な原画を見るだけでなく、多彩なコンテンツ、期間中開催されるイベントを楽しむことができる。今回、メディア向け内覧会が開催され、スタッフによるイベントの主旨が説明され、一足先に展示を見ることができた。

 「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」は30年にわたるProduction I.Gの原画をメインコンテンツとして、作品世界を掘り下げる多彩なコンテンツ、今後開催されるイベントなどそのボリュームに圧倒される展覧会だ。今回はその魅力の一端を紹介していきたい。

これまでの映像化された「攻殻機動隊」を様々な形で網羅した大展示会

 内覧会では講談社ライツ・メディアビジネス局ライツMD部兼アニメゲーム事業部に所属し、「攻殻機動隊展」制作幹事/「攻殻機動隊」講談社プロデューサーである笹大地氏から本展がスタートする経緯が語られた。2025年は押井守氏が監督を務めた劇場アニメ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」公開の30周年に当たり、何かできないかと考えていたという。その中で「攻殻機動隊」のアニメを手がけ続けているProduction I.Gから30年にわたる膨大な資料があることが明らかになった。

「攻殻機動隊展」制作幹事/「攻殻機動隊」講談社プロデューサーである笹大地氏

 この資料を何らかの形で紹介できないか、ということとなり、本展のグローバル・ライセンスプロデューサーを務める、KDDI事業創造本部のシニアエキスパート兼マーケティングリードの三浦伊知郎氏に「KDDIの最新技術を活用して30年の『攻殻機動隊』のコンテンツを紹介しよう」というのがこのイベントのきっかけになったという。

 そして会場は虎ノ門ヒルズ ステーションタワー高層部のイベントホール「TOKYO NODE」が選出された。TOKYO NODEでは様々な先進的な展示を行っており、優れた展示技術をKDDIの技術と組み合わせ、「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」を実施しよう、となったとのこと。

本展のグローバル・ライセンスプロデューサーを務める三浦伊知郎氏
「攻殻機動隊展」統括ディレクターであり、TOKYO NODE運営室の桑名功氏

 「攻殻機動隊展」統括ディレクターであり、TOKYO NODE運営室の桑名功氏は「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」っというタイトルに対し、「攻殻機動隊」の劇中で"公安9課"が2029年に設立される、現在の我々の時間から3年後にまで近づいていることに対し、過去にはSFの中にしかなかったネット社会やAIといったものが現実になっている。

 イベントの準備を進めていく中で桑名氏は、純粋に作品世界を楽しむだけでなく、我々がこれからをどう生きるかも考えたい、というテーマが見えてきたという。「僕らはこれから何にゴースト(魂)を感じ、何にシェル(肉体/義体)を感じるかを考えてくれたら素敵だな」と言う想いでこのタイトルをつけたという。

 そしてイベントで展示される膨大な原画、それは作り手のゴーストのこもったものすごい力を感じさせる。それはアニメ作品という「完成形」を作り上げるための過程でもある。原画はシェルなのか、アニメーションとして完成したものがそれにあたるのか、そういった者も感じて欲しいと桑名氏は語った。

後述するARグラスコンテンツ「電脳VISION」開発者のKDDIの砂原哲氏

そのボリュームに圧倒される原画展示、ARグラスでさらなる情報も

 ここからは実際のイベントの会場を見ていこう。来場者が最初に訪れるのは「NODE(接点)」と呼ばれる広大な空間。ここではプロジェクションマッピングで「攻殻機動隊」の世界が映し出されるだけでなく、端末で作品のこまかいシーンを検索、登場人物や物事を知ることができる。

プロジェクションマッピングで「攻殻機動隊」の世界が映し出されるだけでなく、端末で作品のシーンを検索できる「NODE」

 そして次の展示こそが本展のメインとなる空間だ。ここでは1,600展を超える制作資料を見ることができる。広大な空間に展示された原画はまさに圧巻の一言。これまでの「攻殻機動隊」の映像作品すべての作品の原画を見ることができる。

【圧倒的な数の原画】
圧倒的な数の原画が展示されている
様々な作品の原画を見ることができる

 仕掛けもたくさんある。映画「イノセンス」で印象的に描写される"人形"の立体物。通路を歩く人の顔が「笑い男」のマークで隠される「AI 監視社会のカモフラージュ」。貸し出されるシャツを体にあてがうことでカメラから認識されず、まるで光学迷彩を使ったように見える「SCREEN」。他にも「攻殻機動隊」にインスパイアされたクリエイター達の作品などもある。

 さらに作中に登場する思考戦車「タチコマ」、「フチコマ」の巨大立像、原画を細かく見ることができるインターフェース。さらにコピーされた原画を、実際のトレス台に乗せて見ることもできる。

【様々な仕掛け】
「イノセンス」の人形
原画を細かく見ることができる
写った人が笑い男に
シャツを胸に当てると透明になる
アーティスト作品も展示
巨大タチコマ立像

 この原画をさらに面白く楽しめるのがARグラス「電脳VISION」。こちらは事前予約制の有料体験コンテンツ。料金を払った来場者は端末に接続されたARグラスにより会場でさらなる情報を得ることができる。会場に配置されたマークを読み込むことでタチコマを呼び出すことができ、様々な情報を得ることができる。

 この情報が最大限に活かされるのが原画展示。いくつかのアクセスポイントが設定されていて、そこでは原画がいかにアニメで使用されたかアニメのシーンがタチコマの解説的で見ることができる。「この格闘シーンは押井氏が当時はまっていた『バーチャファイター』のイメージが盛り込まれている」など意外な裏話も聞ける。この原画を掘り下げるコンテンツはもちろん各作品に用意されているので、全部聞くだけでも40分以上かかるとのことだ。

【ARグラス】
サングラス型のARグラスをかけるとさらに多彩な情報を入手できる。原画をキーに、実際のアニメーションとその背景が解説されるのだ
床のタチコマがAR映像の始動キーになっている

 ARコンテンツのラストが「バトーに別れを告げる草薙素子だ」。まるで来場者に別れを告げるように後ろ姿で別れを語り、そして電脳の海へその身を投げる素子。この姿は会場が夜の時、一層効果的になるという。会場は昼間は日差しを遮っているが、夜はこの幕が解放されまさに映画のような都会の明かりが眼下に広がる。この"海"にダイブする素子が見られるという。夜にもう一度見に来たくなってしまう。

夜に会場を訪れれば、この風景の夜景に飛び込む素子を見ることができる

 もう1つが美術家・空山基氏による「攻殻機動隊」の草薙素子をモデルに下新作彫像「Sexy Robot_The Ghost in the Shell type1」。映画「攻殻機動隊」のケーブルに接続された草薙素子を思わせる構図に、空山氏ならではの硬質さとなまめかしさをロボットの姿、圧倒される質感と細部の描写、「攻殻機動隊」のファンだけでなく、異なる世界を垣間見せる非常に魅力的な作品となっている。

空山基氏による「攻殻機動隊」の草薙素子をモデルに下新作彫像「Sexy Robot_The Ghost in the Shell type1」

 また、物販コーナーも注目。アニメ原画を描いたオリジナルグッズ、貴重なイラストや構図を活用したアパレル、ホビー商品、ポスター、原画のコピーなど150種類を超える商品が販売される。内覧会でも一部が販売していた。1/1スケールの草薙素子フィギュア、屏風など驚きのアイテムも販売している。作品のファンならずとも興味が惹かれる商品がそろっていた。

【物販】
非常に充実している物販
シャツの絵柄などは今回のために許可を取ったものもあるとのこと
屏風や実物大フィギュアなどのユニークアイテムも

 このほか、「攻殻機動隊展 Ghost and the Shell」ではトークやライブイベントも予定されている。90名以上のアーティストが参加、会期ごとに対談やトークライブ、音楽ライブ、パフォーマンスなどが予定されている。

【物販】
多彩なイベントも開催予定

 非常に魅力的で何回も会場に足を運びたくなるイベントだ。特にARコンテンツはコンテンツを見た腕で原画を見るもよし、その逆もよし、最低2回は見たくなる。その上でライブなどのコンテンツ、グッズなど楽しい仕掛けがたくさんだ。筆者も今度は夜に来て、街にダイブする素子が見たい。非常に印象的なイベントだ。