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MicroProse復活! そして「Falcon 5.0」の登場!? 超本格的なフライトシムを出展したRAZBAN JAPAN/MicroProseブース【TGS2025】

【東京ゲームショウ2025】
会期:9月25日~9月28日
ビジネスデイ 9月25日10時~17時/9月26日10時~17時
一般公開日 9月27日9時30分~17時/9月28日9時30分~16時30分
会場:幕張メッセ

 東京ゲームショウ2025のRAZBAN JAPAN/MicroProseブースでは非常に豪華なフライトシミュレータが出展されている。まずここに目が惹かれるが、往年のPCゲーマーは次の瞬間ブースのある文字に釘付けになるだろう。「MicroProse(マイクロプローズ)」の文字である。

 MicroProseは、シド・マイヤー氏が立ち上げたゲームメーカーであり、「レイルロードタイクーン」、「シヴィライゼーション」シリーズなどもこのメーカーから生まれたのだ。日本ではこの時代、メディアクエスト(マイピック)がパブリッシングを行っており、プレイしていたユーザーも多いだろう。

ブースに輝くMicroProseの文字。往年のPCゲームファンにはぐっとくるロゴだ

 人類の文明の発生と対立をテーマに、戦うだけでない方法で影響力を広めていく勝利条件のある「シヴィライゼーション」。西部開拓時代や、ヨーロッパなど、当時の歴史背景を知ればさらに面白くなる「レイルロードタイクーン」など、斬新な視点と練られたゲームシステムは、「国内のゲームとはまた違った面白さがある!」と夢中になった"洋ゲーファン"も多かった。

 MicroProseは1998年にはハズブロが買収し、さらには2001年にインフォグラムの買収でMicroProseという名前のゲームメーカーは消失した。しかし、2020年にオーストラリア在住のシミュレーション製作者がMicroProseブランドを取得、かつてのMicroProseのタイトルをIPとして復活させ展開している。

 今回、ブース取材で衝撃の情報を得た。「Falcon 5.0」を開発中だというのだ。MicroProseの「Falcon 4.0」に続くコンバットフライトシミュレーターである。MicroProseは「コンバットフライトシミュレータ」が強かった。その中でも「Falcon 4.0」は多くのファンを獲得したコンバットフライトシミュレータだ。1998年に登場した本作は、本当にF-16にのっているかのような非常に細かい操作、米軍パイロットの教官の協力によるリアルな考証、さらに朝鮮半島を舞台としたキャンペーンなどで、非常に魅力的な作品だった。

新生MicroProseは、これまでのMicroProseのIPを活用し展開していく。現在、「Falcon 5.0」を開発しているという。今回の出展は、日本でのMicroProseのゲームの展開も視野に入れてのもの
新生MicroProseのページ
MicroProseの最新タイトルも紹介
ちなみに「Falcon 4.0」などMicroProseのフライトシミュレータは現在もSteamで購入可能
当時販売された「Falcon 4.0 完全日本語版」のマニュアル。本物の戦闘機のフライトマニュアルのような情報量だ

 当時、マイピック(ゲームブランド・メディアクエスト)からは「Falcon 4.0 完全日本語版」が発売された。単独でも書籍になりそうな分厚いマニュアルが同梱、ゲームのマニュアルとしてだけでなく、F-16の非常に詳しい資料として価値があった。2000年代前半、最もリアルな軍事フライトシムとして、現在でもコアファンの間で語られる作品である。ちなみに「Falcon 4.0」などMicroProseのフライトシミュレータは現在もSteamで購入可能だ(日本語はサポートされていない)。

 RAZBAN JAPANは企業や組織向けに本格的なフライトシミュレータを開発するメーカーだが、今回、MicroProseと共にブースを出展したのは、来るべき「Falcon 5.0」を日本で展開するという狙いもあるという。RAZBAN JAPANはMicroProseの日本での展開をサポート、パブリッシャーとしてMicroProse JAPANの設立も計画しているとのこと。今回もできれば、「Falcon 5.0」を出展したかったが、鋭意開発中とのことだ。名作の名を受け継ぐ軍事フライトシミュレータの復活は、胸が熱くなるニュースだ。続報には強く期待したいし、応援していきたい。

超本格的なフライトシミュレータ。RAZBAN JAPAN/MicroProseブースで体験可能だ
特にVRヘッドセットが非常に高性能なものだという。各機器も訓練用のシミュレーターのノウハウが活かされている
実際の機体の訓練に使用できる本格的な機器
使用ソフトは「Falcon 4.0」をベースに有志が開発元からソースコードを受け継ぎ、アップデートを行った「Falcon BMS」に訓練用のカスタマイズを行ったもの

 今回出展されたRAZBAN JAPANのフライトシミュレータでは、「Falcon 4.0」をベースに有志が開発元からソースコードを受け継ぎ、アップデートを行った「Falcon BMS」を使用している。会場ではF-15Cを操縦することが可能だ。もう一台では「MSFS2024」の「Miltech Simulations MH60」でヘリコプターの操縦が可能である。

 RAZBAN JAPANのフライトシミュレータはイベント出展や、軍などのシミュレータに活用する本格的なもので、特に今回の「Falcon BMS」が動くシミュレーターは個人で購入しようとすれば2000万円ほどの高価なもの。特にVRヘッドセットの性能が非常に高いとのことだ。MicroProseの復活、そして超本格的なフライトシミュレータを体験できるコーナーとして、ぜひRAZBAN JAPAN/MicroProseブースを訪れてほしい。

もう一台のシミュレーターでは「MSFS2024」の「Miltech Simulations MH60」でヘリコプターの操縦が可能
Thrustmasterの米国空軍公式ライセンスのレプリカコントローラ「Viper tqs」も紹介