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マウスコンピューター、NEXTGEARブランド初のフルタワー型ゲーミングPCを発売

「高性能を手の届く価格で」のニーズに応える。刷新版ミニタワー型も同時発売

【NEXTGEAR フルタワー型デスクトップ】
9月11日発売
価格:17万9,800円~
【NEXTGEAR ミニタワー型デスクトップ】
9月11日発売
価格:11万4,800円~

 マウスコンピューターは9月11日、同社が展開するコスパ重視のゲーミングPCブランド「NEXTGEAR」において、同ブランド初となるフルタワー型ゲーミングデスクトップPCを新たに発売する。パーツのカスタマイズも可能で、価格は179,800円から。また、ミニタワー型もデザインなどをリニューアルした新モデルを同日より発売。価格は114,800円から。

 2モデルともフロントパネルをメッシュ構造とした新デザインを採用してエアフローを向上。サイドパネルは「NEXTGEAR」ロゴ入りのガラスパネルを採用。フロント部には全10種類のカラーパターンが選択できるRGBファンを備える。本体カラーはホワイトとブラックの2色展開となる。

 最小構成の主な仕様は、フルタワー型の「HD-A5G60」(179,800円)ではCPUにRyzen 5 7500F、GPUにGeForce RTX 5060を搭載する。また、ミニタワー型「JG-A5G5A」(114,800円)はCPUにRyzen 5 4500、GPUはGeForce RTX 3050 6GBを搭載。

 これらパーツはカスタマイズで変更も可能となっており、フルタワー型はCPUにAMD Ryzen 7 9800X3D、GPUにはAMD RADEON RX 9070などが選択できる。ミニタワー型はCPUにRyzen 7 5700X、GPUはNVIDIA GeForce RTX 5060などが選択可能だ。各モデルの価格は下記に掲載した表をご確認いただきたい。

 本稿ではメディア向け内覧会において、これら2製品について実際に製品に触れたり、外観をチェックできたので、その模様を紹介する。

デザインを刷新したNEXTGEAR。メッシュ構造のフロントパネルが特徴
内部には全10種類のカラーパターンが選択できるRGBファンを計6基(フロント3基、天面2基、背面1基)備える
フルタワー型モデルの価格表
ミニタワー型モデルの価格表

立体的なフロントデザインが特徴のフルタワー型デスクトップ

 NEXTGEARブランドでは、フルタワーケースが採用されるのは初。ケースには、これまでも同社と協業してきた台湾Linkworld Electronicがデザインする新ケースが採用された。フロント部はクロスデザインによる立体的なビジュアルが特徴。また、ケースの一部にはピンク色のアクセントが入っており、同社ではこのカラーを「スパークマゼンタ」と命名した。ゲームプレイ時の一瞬の閃きやインスピレーションをイメージしたという。

 フロントパネルをメッシュ構造としてエアフローを向上。中央には「NEXTGEAR」のロゴマークが浮き彫りになるようなエンボス加工が施される。フロント部に3基内蔵するRGBファンは全10種類のカラーパターンが選択可能。フロント以外にも背面側に1基、天面側に2基の計6個のRGBファンを内蔵する。冷却には水冷ユニットを採用しており、天面側のファンで排熱する仕組み。

 これらのファンについてはエアフローが向上したため、再度制御部を見直し、高い静音性を実現。従来モデルと比較してゲームプレイ時で15%、アイドル時は16%の騒音をカットできるようになったとしている。

内覧会の会場にはCPUにRyzen 7 9700Xを搭載、GPUがGeForce RTX 5070Ti搭載の「NEXTGEAR HD-A7G7T」が展示されていた
ケース内部はゆとりのある作りで、側面のガラスパネルから中が丸見えデザインなのも魅力の1つ

 サイドパネルは「NEXTGEAR」ロゴ入りのガラスパネルを採用。フロント部には全10種類のカラーパターンが選択できるRGBファンを備える。内部は拡張性を重視した設計となっており、より大型のGPUが搭載可能な作りとなっており、後からGPUを入れ替えたい場合などでも対応できる。

 また、本体下部にはHDDが搭載可能なスペースも用意されており、SSDと比べて低価格でも大容量が確保できるHDDを追加できるようになっている。

 カスタマイズの元となるベースモデルとしては、前述のRyzen 5 7500F搭載の最小構成以外に、CPUはRyzen 7 9700XとRyzen 7 9800X3Dの2種類を用意。GPUはAMD Radeon RX 9070XT、Radeon RX 9070、Radeon RX 9060 XT(16GB)搭載モデル及び、GeForce RTX 5070Ti、GeForce RTX 5070、GeForce 5060 Ti(16GB)、GeForce RTX 5060搭載モデルを揃える。マザーボードはB850チップセット採用、メモリ容量は16GB、または32GB、ストレージは容量1TBのSSDが標準搭載となる。

 これらベースモデルを元にBTOのカスタマイズではメモリ容量を最大128GBまで増加できるほか、前述のスペースを使ってHDDを追加したり、2本目のM.2 SSDの追加なども行なえる。

 本体カラーはブラックとホワイトの2色展開。これまではブラックがベースでホワイトはオプションモデルとなっていたが、今回から2色ともベースモデルとなった。

フロント部にはインターフェイスはなく、頻繁に着脱するような主要なインターフェイス類は全て天面部の前面側に集中して配置する
天面部にもファンを2基搭載。水冷ユニットが内蔵されており、ここで冷却が行なわれている
本体カラーはホワイトとブラックの2色展開

コンパクトなサイズにゆとりのケース内レイアウトが魅力のミニタワー型デスクトップ

 ミニタワー型モデルも新たなデザインを採用したモデルが発売開始となる。フロントのメッシュ構造や「NEXTGEAR」ロゴのエンボス加工、サイドのガラスパネル、スパークマゼンタのアクセントなどはフルタワー型と同様のデザインとなっている。ケースサイズが小さいながらも、冷却ファンなどは同じく6基を内蔵。

 ベースモデルはCPUがRyzen 5 4500やRyzen 7 9800X3Dなどの7種類、GPUはRadeon RX 9070 XTやGeForce RTX 3050 8GBなどを搭載する。GPUについてはCPUによって組み合わせ可否が存在するため、購入前の確認が必要だ。

 マザーボードはコスパに優れたSocket AM4モデルとSocket AM5モデルが選択可能。標準搭載のメモリ容量は16GB、ストレージ容量は1TBのSSD。BTOによるカスタマイズにも対応し、メモリについては最大64GBまで増設が可能で、SSD容量も最大8TBまで搭載できる。

内覧会場にはCPUにRyzen 7 9800X3D、GPUにRadeon RX 9070 XT搭載の「NEXTGEAR JG-A7A7X」が展示されていた
フロントのメッシュ部分はフルタワー型と比べると面積が控えめながら、ファンは同じく3基搭載。ロゴのエンボス加工も施されている
天面のインターフェイスは上部右側に並べられている
ミニタワー型ながらケース内はかなり余裕が感じられ、エアフローもかなり確保できているようだ

セットモデルや割引クーポンも用意

 新デザインのゲーミングデスクトップPC2製品の発売に際して、同社では本製品の購入時に税込1万1,000円分割引するクーポンを用意する。利用可能な期間は9月30日まで。

 また、ゲーミングデスクトップ本体に加えて、iiyama製のディスプレイや、Logicool製のキーボード、マウス、ヘッドセットをセットにしたセットモデルも4モデル用意。モデルのうちの1つは、ミニタワー型「NEXTGEAR JG-A7G6T」にiiyama製の液晶ディスプレイ「G-MASTER GB2470HSU-W6」、Logicoolのマウス「Logicool G304rWH」、キーボード「Logicool G515-WL-LNWH」、ヘッドセット「Logicool G435WH」をセットにして21万4,800円。こうした周辺機器類はBTOでも選択可能だが、BTOで買う場合と比べるとセットの方が割引されているという。

発売を記念して、9月30日まで限定ながら、税込1万1,000円が割引されるクーポンが用意される
キーボードやマウス、ディスプレイ、ヘッドセットがセットになったセットモデルも4種類用意
セットモデルを購入して実際に部屋に配置したイメージ。ディスプレイはセットモデルでは1枚だけなので、デュアルディスプレイで使う場合は追加でもう1台買う必要がある点には注意が必要だ

「高性能を手の届く価格」で提供。NEXTGEARブランドの成長を狙う

 発表会では、マウスコンピューターの代表取締役社長の軣 秀樹氏より新製品登場の背景などについてプレゼンテーションがあった。マウスコンピューターではゲーミングブランドとして今回の「NEXTGEAR」と「G TUNE」の2種類を展開しているが、両ブランドの差別化について「NEXTGEAR」ブランドは、よりライトユーザー向けを想定していると説明。販売チャネルもEC/ダイレクトショップに限定し、ブランドイメージは白を基調とした上で、より幅広い層にゲーミングPCを楽しんでもらう事をイメージしているとした。

 2023年より開始した「NEXTGEAR」ブランドは年々販売台数が増加しており、2024年度は前年から5倍、2025年度は前年比110%成長を実現しているという。比率を見るとノートPCよりもデスクトップが売れているが、ゲーミングPCの場合、高性能なGPUが求められるため、ノートPCよりもデスクトップの比率が高くなる傾向にあるという。

 今回のフルタワー型デスクトップについては、これまでECのみの取り扱いだった「NEXTGEAR」ブランドの製品が実際に手に触れて実機が確認できるようにとダイレクトショップを開設。ダイレクトショップで製品を取り扱うことで、リアルユーザーからの要望などの声がより届きやすくなったという。

 そんな要望の中で、より高いスペックを求める声が急増していることから、「高性能を手の届く価格」で提供したいという狙いから今回のフルタワー型デスクトップを投入することにしたと経緯について説明した。

 「NEXTGEAR」ブランドはライトユーザーをはじめとして幅広い層をターゲットしているが、その一方で販売窓口は直販(EC)とダイレクトショップに限定されている。この点について開発・購買本部 製品部 プロダクトマネージャーの林田奈美氏は「直販による受注生産に限定することで、より低価格な製品の販売を実現しているので、今後も価格面で幅広い層にアピールしていきたい」とした。

 また、発売日についてはあくまでも受注生産開始の意味合いのため、実際に製品が手元に届くのは注文を受け付けてから最短で6営業日、製品によっては10営業日かかる場合もあるという。ここについては、状況に応じてなるべく即納できるようにしていきたいと思いを語った。

マウスコンピューター代表取締役社長、軣 秀樹氏
NEXTGEARの売上は年々増加。一般的なPC市場とは逆で、ゲーミング市場ではより高性能GPUが求められるため、デスクトップが圧倒的シェアとなっている
質疑応答では、マウスコンピューターの開発・購買本部 製品部 プロダクトマネージャーの林田奈美氏が対応した。ホワイトモデルの出来がいいので、ホワイトモデルが伸びてほしいと思いを語っていた
今回の発表会にゲストで登壇したAMDのJackie Kwon氏、軣 秀樹氏、ケースを手掛けた台湾Linkworld ElectronicのJefferson Lin氏による3人のフォトセッション