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謎のアイドルVRデモ「IDOL UNIVERSE VR」の先にあるものとは?
アイドルとの“チャンチャンチャン”を教育分野に活用!?
(2015/11/14 00:56)
韓国のコンテンツ産業の育成を行なう公共機関 韓国コンテンツ振興院(KOCCA)は、G-STARにブース出展し、独立系のゲームメーカーに対して出展の機会を提供していた。そこに先日紹介したSkonecもVRメーカーとして参加しており、「MORTAL BLITZ VR」の正式バージョン「MORTAL BLITZ VR Episode 1」をプレイアブル出展していたほか、ステージではVRでチャンチャンチャン(韓国版あっち向いてほい)が遊べる「VRチャンチャンチャン」を用いたイベントを実施していた。
「VRチャンチャンチャン」は、Skonecの新作タイトルではなく、テクニカルデモとして開発した「IDOL UNIVERSE VR」から、チャンチャンチャンのパートだけを抜き出したものだ。「IDOL UNIVERSE VR」は、VRタイトルとして2つの特徴がある。1つは、GEAR VRやOculus VRではなく、Googleの紙製VRデバイスCardboard向けのVRコンテンツであること、もうひとつは「サマーレッスン」と同様、目の前に出現するアイドルとのインタラクションを楽しむゲームであることだ。今回、「IDOL UNIVERSE VR」および「VRチャンチャンチャン」の開発意図と、その先にある狙いについて取材してきたのでまとめておきたい。
「VRチャンチャンチャン」を使ったステージイベントは、Skonecが企画したCardboard“Skoneculus”(SkonecにOculusを組み合わせたネタ的名称)を使って行なわれた。ステージ上のモニタに接続されたSkoneculusを、ステージに上がったユーザーに手渡し、VR上でチャンチャンチャンをしてもらう。アイドルに2回勝てば勝利で、組み立て前の新品のSkoneculusをゲットできるという内容だ。
「VRチャンチャンチャン」で行なっている処理は非常にシンプルだ。目に前にしゃがみ込んだアイドルがいて、彼女を正面にするとチャンチャンチャンがスタートする。この際、正面以外の方向を向いていると、準備が出来ていないと判定され、アイドルが嘆き、ゲームが始まらない。
いざゲームが始まると、タイミングを合わせて左右いずれかの方向を向く。彼女が手を向けた方向と同じなら負け、違っていれば勝ちだ。プレーヤーが勝てば、スカートの下に覗く白いブルマを丸出しにして嘆き悲しみ、プレーヤーが負ければ無邪気にはしゃぐ。
ここでようやく本題となるわけだが、Skonecはこのテクニカルデモから何を学び、どう活かそうとしているのか。答えは、8月に韓国Hanbitと共同発表した新作タイトル「Audition English VR」に投入するのだという。「Audition English VR」(邦題:ちょいトレ英会話)は、T3 Entertainmentの大ヒットオンラインダンスゲーム「Audition」のキャラクターを活かした英語教育ゲーム。「Audition English VR」は文字通りそのVR版となる。
「Audition English VR」では、「IDOL UNIVERSE VR」で培ったアイドルとのインタラクション要素をすべて盛り込むという。具体的にはアイドルの顔をキチンと見ているのかどうか、逆にずっと見過ぎてないかどうかをチェックし、「顔を見て話してね」、「顔に何か付いているの?」といったリアクションを返すなど、アイドルとのインタラクションを楽しめる内容にするということだ。
意思の疎通は、「IDOL UNIVERSE VR」と同様に、顔を動かしたり、視点をダイアログに合わせたりすることで行なえるだけでなく、英語学習アプリとして、独自の音声認識システムも導入するため、音声でも行なえる。VR世界でアイドルと自然に会話するように学習できるというのが「Audition English VR」の最終目標ということだ。
そして「Audition English VR」は、SkoneculusをはじめとしたCardboard向けのVRコンテンツにする。これは教育ツールになるため、誰でも簡単に手に入れて使えるようにするためだという。現時点ではまだ開発中ということで、ゲーム画面を見ることはできなかったが、韓国に加えて、日本、中国でのサービスに向けて現在開発を進めている段階だという。正式発表が楽しみなタイトルだ。