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【E3 2014】海軍ファン待望の「World of Warships」詳細が明らかに!

日米による太平洋の激闘をフィーチャー。今年中のオープンβを目指す!

6月10日~6月12日開催(現地時間)



会場:Los Angeles Convention Center

Wargaming.netのブース。「WoT」のライブイベントなども実施していた
ブース内に飾られていた「大和」のスケールモデル。ゲームにも実装済み!

 「World of Tanks」の世界的人気で勢いをつけるWargaming.netは、今年もE3の会場に大型ブースを出展。今年の注目は何と言っても、年内のオープンβ化を目指す「World of Warships」だろう。

 本作は「World of Tanks」、「World of Warplanes」に続く、Wargaming.netユニバースにおける3作目の作品。第二次世界大戦時の戦闘艦による海戦をゲーム化するという、海軍ファン垂涎の基本プレイ無料タイトルだ。

 本作は現在、ロシア・欧州にて限定的なクローズドβテストを続けており、ドラスティックな仕様追加・改善の途上にある。今回、Wargaming.netブースにてライブプレゼンテーションを受けることができ、本作のゲーム詳細が明らかになったのでご報告しよう。

【「World of Warships」 E3 2014スペシャルトレイラー】

日米両軍の代表的艦船がズラリ。海戦ならではの戦略性がソソる!

巨体を揺るがす海上の戦いをフィーチャー
遮るもののない海上では接敵前の機動が極めて重要となる

 戦車戦を描く「World of Tanks」と同じく、「World of Warships」は基本プレイ無料のオンラインバトルゲームとしてデザインされている。試合を通じて経験値を溜め、兵器のTierを上げ、各種モジュールを開発し、よりハイレベルな戦場に挑む……という点は全く共通だ。

 だが海戦をテーマとするだけに、本作でメインフィーチャーされるのは、大日本帝国海軍とアメリカ合衆国海軍だ。「World of Tanks」におけるドイツ&ソ連と同じくらい、「World of Warships」における日米海軍は重厚に再現される。

 本作の広報窓口を務めるIvan Moroz氏によれば、オープンβ開始時点ではまず日米海軍を重点的に実装。しかるのちに、ロシア、ドイツ、イギリスあたりにも手を伸ばしていくつもりではあるようだが、それらの国における計画倒れの艦を含めても日米両海軍の艦船バリエーションが圧倒的になることは織り込み済み。

 さて、基本的なゲームシステムに話を進めよう。本作に登場する艦船は4つのクラスに分類される。駆逐艦、巡洋艦、戦艦、そして空母だ(以前のプランには存在した潜水艦は、現在未定とのこと)。

 駆逐艦は機動力が高く、魚雷を装備しているため、鈍重な戦艦への攻撃に優れる。巡洋艦は万能型といえるタイプだが、そこそこの砲とそこそこの機動性にて駆逐艦狩りに最適。戦艦は鈍重だが強力な砲を装備し、巡洋艦を容易に撃破する。基本はこの、駆逐艦→戦艦、巡洋艦→駆逐艦、戦艦→巡洋艦という、ジャンケン的な強弱関係が本作の骨格となる。

 それらに対して特殊なのが空母だ。無いも同然の装甲と対艦攻撃力のせいで砲戦となれば一方的にやられる立場だが、戦闘機・爆撃機・雷撃機・観測機と4種の艦載機を搭載し、他の艦には真似のできない索敵能力とアウトレンジ攻撃能力を持つ。

 これら4つの艦級が入り乱れるのが「World of Warships」の戦場だ。基本ルールは「World of Tanks」と同じく、相手チームの全滅か、戦略拠点の占領を目指すもの。今回見たライブデモでは10分弱で勝負が決まっていたので、各試合の所要時間もおおむね「World of Tanks」と同様になるようだ。

 そこで面白いのが、海戦ならではの様々なガジェットがもたらす戦略性である。今回見ることができたのは、重巡洋艦「高雄」でのプレイ。そこそこの主砲に、魚雷発射管、水上観測機も備えたマルチロールな艦種だ。

 まずは観測機を飛ばしての索敵。マップ画面をクリックして行き先を指定すると、あとは自動制御だ。遮るものののない水上での戦闘ではあるが、肉眼での視界範囲は限られているため、航空偵察の効果は大きい。いったん敵を視界に捉えることさえできれば、主砲の射程は非常に長大であるため一方的な攻撃も可能となる。

 敵駆逐艦に対しては主砲で対応。各砲門の照準が収束するまでずいぶん時間がかかるが、射撃を命中させるたび敵艦のモジュールが次々に破壊され、火災を起こし、瞬く間に戦闘能力を失って沈没していく。

 続いて戦艦を発見。主砲を命中させてもほとんどダメージが入らないため、肉薄して魚雷攻撃に切り替えだ。魚雷の照準は特殊で、側舷の海面上に半透明で散布界が表示される。これを広げたり、縮めたりして敵艦の予測位置を広くカバーしたり、ピンポイントで狙うかを決める感じだ。

 見事魚雷が命中すると、戦艦も1発で沈没寸前の状態に。2射目が命中すると、戦艦アイオワは海中に沈んでいった。このように、本作における戦闘は1発の打撃が重く、しかも海上でありコソコソ隠れながら戦うというのは不可能であるため、互いに砲戦に入る前に、もう勝負が決まっているような感じだ。

 このため、本作では味方との連携や、陣形の維持が非常に重要な要素になっている。それが最も現われるのが、空母の運用になるようだ。空母の真骨頂は爆撃機・雷撃機による超ロングレンジの対艦攻撃だが、受ける側が密集隊形をとり、濃密な対空砲射撃を展開することで撃退が可能であるという。

 逆に空母が攻撃を受けた場合は、航空攻撃であれ砲撃であれ、あっけなく戦闘能力を失い沈没となるため、こちらもチーム全体での防護が必要。となれば、空母を中心とした輪形陣が基本のフォーメーションとなるだろうか。

練習艦から超弩級戦艦まで幅広い艦船が各Tierに実装されている

日本は本作のメインマーケット。

米国内のイベントだったためか、提供された画像も米艦船となった。こちらはアイオワ級戦艦
細部まで緻密な再現を試みている

 開発チームでは、本作の開発のために設計図レベルの各種資料を収集し、艦船の正確な再現にも務めているとのこと。現時点では、Tier 1の練習艦に始まり、駆逐艦、軽巡、重巡を経て、高Tierに各戦艦が位置する形で開発ツリーが構成されている。

 今回、ツリー構成はチラリとしか確認できなかったが(撮影も禁止されていた)、帝国海軍の空母としては「瑞鳳」「蒼龍」など、戦艦としては「大和」がTier 10に配置されていることも確認できた。これら日本の艦船については、ウォーゲーミングジャパンで軍事アドバイザーを務める宮永忠将氏からの資料提供も受けつつ、開発を進めているとのことだ。

 本作のデモを見せてくれたIvan Moroz氏は、本作のメインマーケットは日本である、と明言してくれた。そもそも本作では日本の艦船こそが主役。「World of Tanks」の膝元といえるロシア圏でも日本の海軍はとてもメジャーな存在だそうで、日米海軍の再現を皮切りに、世界的に楽しまれるゲームになることを期待しているようだ。

 特に戦史を共有するアジアのマーケットでどう受け入れられるかはとても慎重に考えているとのことで、可能な限り完成度を高めた状態でを提供したい、と語っていた。まずは年内にオープンβ、そして来年にはさらに艦船バリエーションを増やして正式サービスを目指す。本作を広く遊べるようになる日を楽しみに待ちたい。

史料に忠実なビジュアル再現を重視するWargaming.netのこと、本作では歴史的な艦船の威容を緻密に楽しめるようになることだろう

(佐藤カフジ)