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無慈悲なシステムが燃えるMMORPG「DARK FALL:UNHOLY WARS」CBTレポート
ではどう生き残るのか? サバイバーが集まる共同体、それが「クラン」
(2013/10/28 00:00)
ではどう生き残るのか? サバイバーが集まる共同体、それが「クラン」
瞬殺されて悲しい思いをした筆者の様にならないために、重要になってくるのが「クラン」だ。他のゲームでいうギルドの様な存在で、プレーヤー同士で形成された1つの集団となっている。
1人で危険地帯に行くと他のプレーヤーに襲われる可能性が高いが、他のプレーヤーとパーティを組んでいけば殺される可能性はグッと下がる。その逆もしかりだ。プレーヤーキラーの心理としても、「クラン」に所属しているプレーヤーに手を出すと「クラン」単位で報復を受ける可能性がある……と思いとどまらせる効果もある。
「クラン」はただのプレーヤーの集まりといった役割だけではない。「DARK FALL:UNHOLY WARS」の世界には「クランシティ」と呼ばれる「クラン」単位で専有できるエリアがある。「クランシティ」には最初は何の建築物もない、だだっ広いエリアだが、メンバーと協力し資源を集めることで商店や各種アイテムの制作に使用する作業台などを建築できる。
「クランシティ」はセーフエリアではないものの、普通のシティに比べると生産速度が上がるなどの様々なメリットがあるので、「クランシティ」の保有はプレーヤーの1つの目標となりえるだろう。他のクランが所持している「クランシティ」でもそのメリットを享受することができるので、大手クランにゴマをすって街の施設を使わせてもらうという生き方もできる。
ちなみにクローズドβテスト中は運営側が用意した、完成された「クランシティ」が用意されており、一部のプレーヤーはその街を拠点に冒険していた。
華はクラン同士の争いから生まれる大規模PvP。砦や街を奪え、そして守れ!
こうして多くのクランが台頭してくると発生するのが“勢力争い”だ。世界にある「クランシティ」の数は限られており、「クラン」同士で取り合いが起こることは必須だし、もっとシンプルに狩場争いや、PKに対する報復など様々な理由で抗争が発生する“はず”だ。
というのも、エリアを奪う条件として相手クランに「宣戦布告」が必要で、「宣戦布告」から戦争が開始される(=エリアが奪えるようになる)まで20時間ほど必要になる。普段はこの時間も駆け引きに使われていくが、クローズドβテストの期間は約4日と短く、プレーヤー同士による「クランシティ」の奪い合いや「クラン」同士の抗争は筆者が知る範囲では起こっていなかった。韓国側のプレーヤーの状況まではわからないが、日本側では巨大な2クランが同盟を結んでいて、実質日本連合の1枚岩という様な状況だった。
そのような状況も考慮して、今回は運営側によって2つの大規模戦が用意されていた。
1つが「海上砦」の争奪戦だ。これは文字通り海上にそびえ立つ巨大な砦の所有権をクラン同士で奪い合うというもの。今回の争奪戦では日本と韓国が争うような様相を呈しており、日本側はいくつかの帆船に分かれて「海上砦」を目指していった。参加者は数十名程度で、かなり大規模な編成だ。
韓国側は日本側に押され気味で、筆者が見た範囲では「海上砦」付近に韓国プレーヤーの船は見当たらないまま日本の勝利となった。この大規模戦では帆船の砲台から発射される大量の砲弾や「海上砦」に攻めて行く兵士(プレーヤー)の姿が印象的で、まるで戦争映画のワンシーンを見ているようでゾクゾクするほど格好良かった。
もう1つが「クランシティ」の争奪戦だ。先ほど運営側によって「クランシティ」が用意されたと書いたが、日本クランの「クランシティ」を韓国クランのプレーヤーが奪いに行くという「争奪戦」が引き起こされた。今回の「争奪戦」は事前に時間が発表されていたので、日本のプレーヤーは早めに自陣の「クランシティ」に到着し、防衛の準備を進めていたのだが、「争奪戦」開始時刻の前に韓国クランの帆船が現われ砲弾の嵐を浴びせ、砲弾を受けた城壁はダメージを受けて徐々に破壊されていった。
日本のプレーヤーはこの奇襲に戸惑いつつも、破壊された城壁を修理するプレーヤーと、迎撃に向かうプレーヤーに分かれた。筆者は船に乗り迎撃する方に回ったのだが、まごついている間に韓国クランの砲撃により船が轟沈するなど韓国側のプレーヤーに押される展開になった。
しかし日本側のプレーヤーは数が多い上士気も高く、帆船による砲撃と、船に乗り込んでの白兵戦を展開した。特に本作の甲板はかなり広く、両国の数十名のプレーヤーが甲板上で白兵戦が展開していた。船から落ちたプレーヤーは海面でも戦闘を繰り広げ、死亡したプレーヤー達の墓が大量に発生していた。そして日本側のプレーヤーはそのままの勢いで韓国のクランを押し返し、争奪戦の前哨戦に勝利した。韓国のクランは前哨戦で消耗したせいか「クランシティ」の争奪戦の本番には現われず、日本のクランの防衛成功という形で幕を閉じた。
今回はあくまでも運営側によって用意された大規模戦闘であったが、正式サービス以降日本、韓国問わず多くのクランが台頭してくると、様々な集団戦が発生するはずだ。小規模な戦闘も面白いが、大規模戦闘こそ本作の華と言えるだろう。
この様に本作のゲームプレイではPvPにの比重が大きい上、倒されると全てのアイテムを落とすというのは昨今のMMORPGにはなかった“ハードコア”さがある。生き延びるために仲間を作り、時には他のプレーヤーから資産を奪いながら自分の富としていくのは、まさにサバイバルだ。
筆者も含め、昨今のMMORPGは“ヌルい”と感じていたユーザーはぜひこの殺伐とした世界に飛び込んでみて欲しい。そこにはドロドロの勢力争いと、血で血を洗う戦場が待っているはずだ。