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「ニード・フォー・スピード ライバルズ」プロデューサーインタビュー

これが次世代のレースゲームだ!と自信たっぷりの画期的機能とは?

9月19日~22日 開催(一般開催日:21日~22日)

会場:幕張メッセ 1ホール~9ホール

入場料:1,000円(中学生以上・前売)

1,200円(中学生以上・当日)

入場無料(小学生以下)

 エレクトロニック・アーツからPS3/Xbox 360向けに11月21日に発売予定の新作「ニード・フォー・スピード ライバルズ(以下『NFS: Rivals』)」。アクションレースゲームシリーズとしての基本に立ち返り警察VSレーサーのバトルをフィーチャーする本作では、次世代感のあるゲーム性を実現するための挑戦的な開発が行なわれている。

 広大なオープンワールド、そして従来の方法論とは異質な、シングルプレイとマルチプレイの垣根の排除。世界の幅と奥行きの双方が“シームレス”になった本作について、TGS 2013の会場にて詳しく話を聞くことができた。

 インタビューに答えてくれたのは、本作を開発するEA傘下のゲームスタジオ、Ghost Gamesのエグゼクティブ・プロデューサー、マーカス・ニールソン氏。PS4、Xbox Oneといった次世代機版も楽しみな本作が、何を目指して開発されたかをつぶさに語ってくれた。

 TGS 2013のEAブースでは本作の対戦プレイが楽しめる試遊台が用意されているので、来場する皆さんもぜひいちど体験してみてほしい。

EAブース内、「NFS Rivals」コーナー
EAブースでは6台の試遊台を用意。3台が警察チーム、3台がレーサーチームとなっていて、本作ならではの対戦&協力型のプレイを確かめることができる。ちなみにレーシングシート仕様の環境だが、コントロールはゲームパッドだ。

Frostbiteエンジンをレース向けにカスタムして実現した「NFS: Rivals」

Ghost Gamesのマーカス・ニールソン氏
本作の風景はFrostbiteエンジンで緻密に描かえる
オープンワールドシステムを採用し、シームレスに様々な風景を楽しめるようになった

ニールソン氏:本作のエグゼクティブ・プロデューサーです。本作は我々、Ghost Gamesのスタジオで開発されています。次世代の「NFS」を開発するために設立された新しいスタジオなんですよ。

──Ghostスタジオに「NFS」シリーズの開発経験があるスタッフはいますか?

ニールソン氏:はい。スタジオは2011年に設立されたのですが、その直前、ちょうど私達は「NFS SHIFT 2」を製作していました。その頃「NFS」シリーズにもっと新機軸で高品質な体験をもらしたいと考えていて、ゲームエンジンとしてFrostbiteが出てきたこともあり、これを活用するための新たな組織を作ったというわけです。

── FrostbiteエンジンといえばEA DICEの「BF」シリーズで生まれたエンジンですね。

ニールソン氏:そうです。Frostbiteを使った始めてのゲームは2007年の「Battlefield: Bad Company」でした。そして「Bad Company 2」、その他のゲームもたくさん。1番大きいのは「BF3」です。

──Frostbiteを使ったレースゲームといえば2011年の「Need for Speed: RUN」が最初でしたよね。

ニールソン氏:ええ、そうです。ですが、「NFS: RUN」で使われたFrostbiteは、まだFPS専用という感じの構成だったんですよ。しかし今回、我々が本作を開発するために使ったバージョンのFrostbiteは、いわばレースゲームのためにカスタムチューンしたものになっています。

──ほう、レースゲーム向けのバージョンですか。それはどのへんが違うんですか?

ニールソン氏:映像のレンダリングから細かい部分まで多岐にわたるため、非常に答えるのが複雑な質問になりますね。かいつまんで言うなら、例えば「BF」では300キロで走る車はありませんので、流れる風景をスムーズに見せられるようにストリーミングロードのシステムを改良していたり、ネットワーク機能の設計を変更して、サーバークライアント方式だけでなく、ピアツーピア方式にも対応するようになっています。

──なるほど。

ニールソン氏:さらに、本作はFrostbiteエンジンを使った始めてのオープンワールドのゲームになっています。

──どれくらいの広さがあるんでしょうか?

ニールソン氏:およそ16×16キロメートルです。プレーヤー同士に出会ってもらうため、その全てをくまなく動けるわけではないのですが、前作の「NFS: MOST WANTED」を大幅に超えるほどの広さですよ。

──なにか実際の地形を再現したものではない?

ニールソン氏:それはありませんが、カルフォルニアの様々な風景に触発されて、世界が創られています。このワールドはいくつかの特徴的な環境にわかれた島になっていて、海岸があり、山岳地帯、砂漠地帯、あるいは都市、郊外のように多彩な環境を見ることができますよ。そのおかげで、ハイスピードなレースから、オフロードも交えたレースまで、ひとつの世界でいろいろなレーススタイルを提供することができるようになりました。

シームレスマルチプレイ機能、レースゲームの“次世代”がここにある

警察とレーサーの激しいバトルが展開していく
ダイナミックに変化する天候もレース状況を左右しそうだ
レベル差のあるマッチングも排除せず、ユニークな面白さを提供するという

──本作のためにカスタムされたというネットワーク機能も気になる点ですね。シームレスなマルチプレイをアピールされていますが、これは具体的にどういうものなのでしょうか?MMOみたいなものですか?

ニールソン氏:MMOとは違いますね。昔のオンライン機能の作り方では、シングルプレイとマルチプレイの間にゲームモードの壁がありましたが、それを完全に取り払ったということです。本作では、ひとりで遊んでいる最中に、フレンドと近くの地域にいくと、バックグラウンドで自動的に接続が行なわれます。そこで、協力や対戦を始めたければ、そのままマルチプレイセッションに入ることができるのです。

──ひとりで遊んでいたと思っていたら、いつのまにか敵車が人間になっていたり?

ニールソン氏:いえ、そういうことはないんですが、互いに近づくと、それぞれ別のレースを戦っていたり、ドライブしている様子を見ることができるんですよ。そこから互いの準備ができたら、自動的に新しいレースセッションが始まります。一方が警察で、一方がレーサーだとしたら、対戦になりますし、両方が警察だったり、レーサーだったら、協力プレイ的なマッチングになりますね。

──特定の友だちと遊びたい場合は、示し合わせて同じ場所にいけば遊べるわけですね。

ニールソン氏:そうです。ボイスチャットなどいろいろなツールで連絡して近くまでドライブしてもいいですし、プレイを開始する際に、島内のどこに出現するか選ぶこともできますので、友だちと同じ場所を選んだら最初から一緒にプレイできます。

──邪魔されずひとりでプレイしたい人にも何か機能は用意されていますか?

ニールソン氏:もちろん、オンラインマッチングをオフにするオプションも用意されています。その場合はコンピューター制御の車両とのプレイだけになりますよ。

──なるほど。このシームレスマルチプレイの存在が、本作の最大のポイントと見ていいですか?

ニールソン氏:そのとおりですね。そもそも、シングルプレイとマルチプレイが別の世界になっていることに疑問を感じていたのが開発した理由です。そろそろPS4やXbox Oneといった次世代機が出てきますし、レースゲームも次世代になるなら、不要な垣根は取り除くべきだと思いました。

 また、もうひとつ付け加えたいことは、本作はシリーズ最高の映像美を楽しめる「NFS」であるということです。その上で、本当の次世代感とはなにか、という答えがシームレスマルチプレイの要素というわけです。

──ちなみに、このシステムではかなりレベル差があるプレーヤー同士もマッチングされそうなんですが、そのあたり何か特別なことをしていますか?

ニールソン氏:はい、レベルの向上で新しい車両をアンロックしたり、装備を獲得できるというシステムもありますので、レベル差のあるマッチングも行なわれることになりますね。ただ、それがよくないこととは言えないですよね。協力プレイなら高レベルのプレーヤーが大いに助けてくれますし、対戦になるなら、低レベルのプレーヤーに先の目標を見せることができますから。それがさらなるプレイへのモチベーションにつながるはずです。

──手応えがありそうなゲームになってそうですね。最後に、シリーズのファンにメッセージをお願いします。

ニールソン氏:本作は我々Ghost Gamesにとって始めての作品であり、レースゲームの未来を作り出すことを目標に力を注ぎました。特にシームレスマルチプレイの機能で次世代感のある体験をしていただけると思います。ぜひこの、時代の転換点を目撃していただけると嬉しいです。

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(佐藤カフジ)