ニュース
「BEYOND: Two Souls」はここまでスゴイ! 開発者によるデモプレイ
エイデンの力による大破壊。爆風に吹き飛ぶ状況をリアルタイムで再現
(2013/9/2 00:00)
エイデンの力による大破壊。爆風に吹き飛ぶ状況をリアルタイムで再現
警官達の追跡はさらにジョディを追い詰める。ジョディは街にたどり着くが、ここはすでに警官達に包囲されていた。バイクを打ち抜かれ、道に投げ出されてしまうジョディ。足を引きずるジョディに、警官達の包囲の輪が狭まっていく。ジョディは叫ぶ「好きにしてエイデン!」。
ここではエイデンのすさまじい力が発揮されるシーンを見ることができた。エイデンの視点ではアクセスできるところがハイライトされている。時計塔を崩壊させたり、ガソリンスタンドの給油機を引っこ抜きガソリンをまき散らせ、電気の看板を落として大爆発を起こさせることも可能だ。
憑依できる人間はオレンジ色のオーラで覆われて描画されている。彼らに憑依すると装甲車やヘリコプターを暴走させることができる。エイデンの活躍によりあたりは火の海となり、ジョディを囲んでいた警官達は壊滅してしまう。ジョディを追い続けている政府機関のリーダーは道路に打ち付けられ、倒れたままうめいている。彼に近づきジョディは絞り出すような声で言う。「もう私のことは放っておいて。じゃなきゃ次は……皆殺しにする!」。
デバッグモードで確認すると、爆発なども全てリアルタイムで描画されており、爆風に様々なオブジェクトが影響されているのがわかった。近づいてくる警官や、車の様子など、たとえカメラに写っていなくても周囲の状況が刻々と変化していること、それをきちんと再現していることが確認できた。
「逃亡」のデモプレイはここで終わった。このデバッグモードはかなり楽しく、ゲームをより細かく確認できた。「ゲームのクリア時などでデバッグモードは使えたりするのか?」と質問してみたが、デバッグモードはあくまで開発ツールであり、開発側としてはゲームこそが表現したいものであり、デバッグモードは開発の意図とは異なるため、ユーザーが使える様にはしないという。
ストーリーの分岐に関しては、プレーヤーのプレイの結果によってストーリー展開が変わり、見られなくなるシーンなどが出てきたりするとのこと。最終的には20以上のエピローグに繋がっていくという。エピローグは1つ1つが“エンディング”ではなく、「このプレイだとAとCのエピローグが見られる」というように、エピローグの要素が変化するとのこと。
デバッグモードの存在で、カメラの外もきちんと表現していることが改めて明らかになったが、その分処理もかなり重くなりそうだ。開発チームは少しでも処理を軽くするための努力を重ねたという。圧縮・展開技術に加え、オーディオはmp3形式にした。大量のデータをストリーミングで処理し、レンダリングなどはSPUで行ない、GPUへの負荷をできるだけ抑え余力を持たせ他の要素を取り組ませるなど、様々な技術が投入されているという。
苦労の多いタイトルであるが、最も時間をかけたのはやはりグラフィックスの処理だとCastelltort氏は語った。前作「ヘビーレイン」からハードを変えずに様々な新しいことを盛り込んでいるとのこと。「BEYOND: Two Souls」では前作と違い視点が自由に変えられる存在がいるので、カメラの制限がないところで処理が大変だったという。
ちなみに、役者達のモーションキャプチャーは合計で8カ月掛かったとのこと。スタントマン達のスタントもモーションキャプチャーで収録している。このためスケジュール管理もとても苦労した。
「Castelltort氏の担当分野で、アピールしたいところはどこか?」という質問をしたのだが、Castelltort氏は、今回はあえてデバッグモードで技術のすごさをアピールしたが、やはり「全体」を見て欲しいと答えた。通常のゲームプレイとして、作品としてカメラからの映像を見て欲しいとCastelltort氏は語った。「BEYOND: Two Souls」はストーリーを見せ、ジョディの人生を描くゲームである。Castelltort氏はプログラマーであり、作品に様々な技術を注ぎ込んでいるが、やはり細部だけに目を向けるのではなく、作品の完成度を見てもらい、技術を感じるのは一瞬で良く、あくまで全体を味わって欲しいとのことだ。