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感動のフルオーケストラで「FF」サウンド25周年の締めくくり!
初日公演後の5人にインタビュー!
(2012/12/28 00:00)
初日公演後の5人にインタビュー!
公演終了後に、植松伸夫氏、水田直志氏、アーニー・ロス氏、クリスタル・ケイさん、スーザン・キャロウェイさんの5人に伺ったインタビューの模様をお伝えしよう。
――まずは皆さんから一言ずつ、日本公演初日を終えた今の感想を頂けますか?
アーニー・ロス氏:日本で「FF」の25周年を祝えた事がとても嬉しいです。今回の公演はロンドン、シカゴでもやりましたが、やはりこの日本でできたということが、すごく嬉しいですね。
植松伸夫氏:「FF」っていうタイトルに長い事関わってきて、ずっとそばにあったので、25年というのも実はピンと来なかったりもします。昔のドット絵時代の映像も今回たくさん流れていたけど、さすがに「歴史のあるゲームだなぁ」とは思いますね。25年だもんね。あっという間でした。生きてて良かった。
水田直志氏:すごくたくさんのお客さんが早くから行列を作っていて。植松さんが積み上げてきた歴史というものを感じました。これが25年の重みなんだなぁと心に刻んで、明日から曲を作り続けていきたいと思いましたね。
クリスタル・ケイさん:凄く緊張してました。ロンドンでもものすごく緊張していたんですけども……。25周年という、こんなに歴史があって世界中の人が愛しているゲームの曲を歌わせてもらえるということで、すごく嬉しくてビックリしたんです。でも、プレッシャーもすごく感じていたんですよね。オリジナルのイメージがみんなの中にありますから。植松さんからは「クリスタル・ケイのVer.でお願いします」と言ってもらえて、自分のフレーバーを出しつつ、「Eyes On Me」の良さを壊さないように頑張りました。オーケストラで歌うという機会もなかなか無いですから。1つひとつの瞬間を大事にしています。あと2回(大阪・東京公演)ですね(笑)。
植松氏:クリスタル・ケイさんって演る度にアレンジがどんどん自分流に変わっていってるんで、全公演が終わってからアルバムの録音をすれば良かったね(笑)。
クリスタル・ケイさん:えー!(笑)でも、それはありますね。凄く楽しくて、このメンバーでもっとやりたいです。もうすぐ終わっちゃうと思うと寂しいですね。
植松氏:来年もやりますか(笑)。
スーザン・キャロウェイさん:この日本での公演に参加できて、心から嬉しく光栄だと思っています。植松さんが作り、アーニー・ロスさんが指揮した中で歌える事は本当に素晴らしいです。これからもこういった機会をいただきたいなと思いますね。
――今回はクリスタル・ケイさん、スーザン・キャロウェイさん、そしてオペラとボーカル曲もふんだんにありましたね。そのあたりはいかがでしたか?
植松氏:そうですね。みんなそれぞれに面白みが違っていて、嬉しかったですね。全部、歌いりの曲でコンサートをやりたいぐらい。「Melody of Life」とか、「Kiss Me Good-Bye」とか、「素敵だね」とか。ずらーっと一気にやってみたいね。できると思うんですよね。歌入りのみの構成でも。スクウェア・エニックスさんをつついてみます(笑)。
――今回のコンサートでの選曲では、どんなところにこだわられたのでしょう?
植松氏:例えば「片翼の天使」はやらないとガッカリっていう人がいると思うので。あとはもちろん「プレリュード」もそうですよね。あと、「オペラ」は凄く盛り上がるので。そういう省けないものは入れています。
あと、今回は25周年だから、やはり「FFI」から並べてみたいっていうのがありましたね。皆さん思い入れのある曲は違うだろうから、「このタイトルからはこの曲なの?」というのもあるかもしれないけど、どれもそのタイトルを代表する曲には違いないですから。
――クリスタル・ケイさんとスーザン・キャロウェイさんのお2人に伺います。それぞれが歌われた曲については、どんな感想をお持ちですか?
スーザン・キャロウェイさん:「Answers」は自分にとってとても思い出深い曲になっていて、最初に歌った時から大切に思っています。そして、この曲がゲームを遊んでいる人に大事にされているということを知って、ますます「大切に歌わないといけないな」と思うようになりました。
曲の中にはストーリー性もあります。それは戦いであり“世界の終わりから次の世界への始まり”を象徴する曲でもあります。そのあたりも大事にして、100%のパフォーマンスを常に発揮しなければならないと、全力で歌っています。
クリスタル・ケイさん:私もスーザンさんと同じです。「Eyes On Me」は、本当に“純粋なラブソング”なんだなぁって思うんですね。私がその気持ちを持ったキャラクターになりきって、歌って届けるという事を大事にしています。
ロンドン公演ではじめて歌った時、オーケストラが流れて、歴代の映像が流れて、それを見ているお客さんを見ていると、その空間から長年のゲームに対しての情熱や愛情をすごく感じたんですね。1曲1曲、聴いている人たちの中にも物語があって、大切に思っていると思うんです。私もパフォーマンスしている内に、その気持ちに届くよう、その人の中にある暖かさを取り入れて届けたいと考えています。
――今後にもっとチャレンジしたい事というのはありますか?
植松氏:やっぱり、海外で公演するともっと自由な盛り上がりができるんですよ。それをなんとか日本でもやりたいですね。例えばシカゴでは「ハッピーバースデイ」を急遽歌ったりしたんですけど。
アーニー・ロス氏:休憩中に突然決めたりして、それを本当にやってしまう事がありますね。
植松氏:そういうことを日本でもやりたいんですよ。ハプニングとか、突発性のある面白さ。日本でコンサートやるのって何年かに1回っていう頻度だから、そういったことがやりづらいところが、まだあるんですね。そういうことを突然やっても、来てくれているお客さんは許してくれるかなぁ?
――きっと大丈夫です。むしろ、何かやってくれるのを待っていると思いますよ。
アーニー・ロス氏:オーケストラコンサートでも、スクリーンに歌詞を表示してみんなで歌ったりとか。毎日違う内容でやってみたりとか。色々とアイデアがありますよ。やってみたいですね。
――もっと自由なスタイルをということですね。水田さんからは、植松さんという先輩を見て感じるものはありますか?
水田氏:ありますね。僕は今40歳なんですが、植松さんが40歳の時には「Eyes On Me」を作曲して大ヒットになっていたそうです。僕は同じ年齢ながらまだまだと、プレッシャーを感じるところがありますよね。遠くにある背中ですけど、がんばって追いかけたいです。
植松氏:ふふふ、俺って文字通り先輩だからね(笑)。水田さんは同じ高校の後輩なんですよ。
――えー! それはまた凄い。本当に先輩の背中を追いかけている状態なんですね。
水田氏:がんばります(笑)。
――後輩というお話がでましたが、ゲームミュージックが好きで自分でも音楽活動をしているような若い方に聞くと、「FF」のバトル曲に影響されているという人もたくさんいるようです。植松さんから、そういう若い人へ、何かアドバイスをもらえますか?
植松氏:そんな人がいるんですね。ろくな大人にならないよ?(笑)。「FF」の音楽以外にも良い音楽はたくさんありますから。ゲームミュージックに限らず、ジャズもロックもクラシックも、プロを目指すなら色々と聴いた方がいいと思いますね。
あと、若い音楽家を目指している人にいつも言う言葉があるんですけど、自分の作った曲が100%高く評価されるということは無くて、必ず誰かに何かを言われる。例えば、「この曲って○○に似てるよな」みたいなこととか。そういう時、何を言われても心が折れてしまってはダメ。何を言われてもへこたれない、強い自分を持たないと。意外と、才能よりも図太い精神というほうが大事かもしれない。絶対に諦めないでもらいたいですね。
――ありがとうございました。
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