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ドワンゴ、総視聴者数70万人を誇る「ニコニコゲームマスター」シリーズ

コメント数は31万件。ゲームの生中継はますます盛んに

 ドワンゴが運営する動画サービス「ニコニコ動画」。多彩なジャンルの動画が配信されており、これまでにないムーブメントを生み出している。それこそ先の選挙では党首会談なども放送されており、すでに社会的な認知度も高まっている。弊誌読者も、多くの人が日常的にご覧になっていることだろう。しかし、それらの番組の人気傾向や、実際の視聴者数を改めて知ることは少ないのではないだろうか?

 同社によれば「ニコニコ動画」で1番人気のあるジャンルは、実はゲーム関連なのだという。初音ミク関連のコンテンツなどもっと耳目を集めるコンテンツがあるようにも感じるが、これには若干理由があるようだ。

 ゲーム関連のコンテンツで圧倒的に人気を集めているコンテンツが、言わずもがなの実況動画だ。ゲームプレイを実況していくという者で、放送時間もかなりの長時間に及ぶ。もちろん、全てにつきあう視聴者の方もいらっしゃるかと思うが、ちょこちょこアクセスして盛り上がる人が多いため、放送が長時間に及ぶゲームであればアクセス数もそれに従って増えていく傾向があるという。

 たとえば11月に行なわれた「ニコニコゲームマスター presents 『Call of Duty』シリーズ 35時間ぶっ通しゲーム実況!」だが、11月22日から11月24日まで行なわれ、11月28日時点で実に708,481人、コメント数が311,164件まで達していた。この件数はまだ途中のもので、タイムシフト期間が1カ月と設定されているため、その間は伸び続けるという。延べ数だが70万人が視聴し、31万件以上のコメントが付くのは地上波などのテレビの理論では計り知れないパワーだ。

 これまでニコニコ生放送で最も視聴者数の多かった番組もゲーム関連のコンテンツだという。それは、8月10日に放送された「SIRENシリーズ+人気ホラーゲーム81時間ぶっ通し!実況これを見ないと夏休みは終わらない生放送」で、来場者数が2,702,493人でコメント数が3,416,034件と凄まじい。ちなみに2番目に多かったのもゲーム関連のコンテンツで、1月3日に放送された「60時間ぶっ通し!ゲーム『ダークソウル』を全部クリアするまでお正月は終わらないぞ生放送!」で、来場者数が2,386,904人、コメント数が3,161,259件となっている。実際にこういった数字を見てみると、その規模が実感されるだろう。

 こういったことから、メーカー側としてもゲーム関連コンテンツを強化する方向性にある。先日「ニコニコ超会議2」の特別協賛として任天堂が参加することが発表されたのは記憶に新しいところだろう。

 最も人気の高いこれら実況中継はメーカーを巻き込んでオフィシャルの形でシリーズ化される留ある。その1つが前述のスクウェア・エニックスも参加した「ニコニコゲームマスター presents 『Call of Duty』シリーズ 35時間ぶっ通しゲーム実況!」だ。ゲームの新たな宣伝手法の1つとして各社注目しているようで、こういった放送が今後も増えることだろう。今回はスクウェア・エニックスで宣伝部宣伝プロデューサーを務める井上和則氏のコメントを得たので掲載する。

【メーカーコメント】

スクウェア・エニックス 宣伝部宣伝プロデューサー
井上和則氏

 ニコニコさんの生放送、動画を通じて、まずはより多くの方にタイトルを知っていただくこと、そして、次のステップとして、コール オブ デューティシリーズの醍醐味であるマルチプレーヤーの楽しさを、番組を通じてお伝えし、より多くの人がオンラインに参加してみたくなるような番組作りを、昨年の「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア3」の時から試みてきました。

 今年の「コール オブ デューティ ブラックオプスII」でも、引き続き生放送などを行なうことができ、昨年よりもより多くの人に視聴いただいていることから、ニコニコをご覧の方々にも少しずつ認知されてきていると感じています。

 今後も視聴者参加型の番組である情報局、全国大学対抗戦、そしてニコニコさんが行なうゲームマスターを通じて、より多くの人がマルチプレイヤーに参加したくなるような展開をできるよう、番組作りをしていきたいと思います。

 「Call of Duty」シリーズにおける、ニコニコ動画との番組展開などについて紹介すると、2013年2月2日に「ニコニコゲームマスターwith Call of Duty: BLACK OPS 2 WEB予選」が実施される。ニコニコユーザー生放送の放送枠を使い、ニコニコ生放送を行ないながら「Call of Duty: BLACK OPS 2」を挑戦者が一斉にプレイし、勝利を競いあう。

 さらに2013年2月16日には「ニコニコゲームマスター with  Call of Duty: BLACK OPS 2 ニコファーレ本選」が東京・ニコファーレで開催される。前述のWEB予選に参加し、優秀な成績を残したユーザーによる「Call of Duty: BLACK OPS 2」決勝戦。もちろん、ニコニコ生放送での生中継が行なわれる。ニコファーレのLEDパネルをフルに用い、「フリーフォーオール」ルールで複数回の対戦を繰り返し優勝者を決定する。

(船津稔)