Microsoft、「Best of Xbox Showcase」レポート

「Forza Horizon」と「Gears of War Judgement」を一足先に触ってみた


6月4日開催(現地時間)

会場:The Conga Room



 米Microsoftは現地時間の6月4日の夜、「Best of Xbox Showcase」を実施した。「Best of Xbox Showcase」は、「Xbox 360 E312 Media Briefing」が実施された日の夜に実施されるMicrosoft主催のナイトパーティーで、ナイトクラブを会場に、新規タイトルの試遊台を設置して、「Xbox 360 E312 Media Briefing」で発表されたタイトルがE3に先駆けて楽しめるというもの。

 自社タイトルのプレゼンテーションの場というよりは、サードパーティーに対する支援、あるいは会場では目立たせにくいXbox LIVEアーケードタイトルの出展の場といった印象だが、それほど広くもない会場内に30タイトル以上がひしめき、来場したメディアはドリンクを片手に最新タイトルを楽しむことができた。本稿では、有力ファーストパーティータイトルとなる「Forza Horizon」と「Gears of War Judgement」を実際にプレイすることができたので、その簡単なインプレッションをお届けしよう。

【Xbox 360 E312 Media Briefing】




■ 「Forza」エンジンを使った“危険”な公道/オフロードレースゲーム「Forza Horizon」

「Forza Horizon」試遊コーナー
基本的なオプション設定は「Forza 4」と同じ
木の柵を突破していく「2013 SRT Viper」。優等生の「Forza」シリーズの中ではかなりのじゃじゃ馬タイトルになりそうだ

 今年のMicrosoftのラインナップでちょっとしたサプライズが「Forza Horizon」だ。「Forza Motorsports」は2年に1度のサイクルをキッカリ守ってきたフランチャイズだけに、通例なら今年は「5」に向けて開発に集中する年だったはずだが、「Forza 4」の発売翌年に早くも新作の登場と言うことで、「Forza」ファンやレースゲームファンを喜ばせてくれた。日本でも2012年秋の発売が予定されている。

 「Forza Horizon」は、レースゲームのゲームエンジンとして世界最高峰の水準にある「Forza Motorsport 4」のゲームエンジン、いわゆる「Forza4エンジン」を採用しており、この時点でレースゲームとしての完成度は半ば約束された格好となる。あとは、このゲームエンジンを使って、「Forza 4」とは異なるレーシングをいかに実現していくかになる。

 「Forza Horizon」がモチーフとしているレースは、イリーガルな公道レースとなる。今回の試遊では、フェスティバル会場にほど近い位置にある片田舎のダイナーで、フェスティバル会場までの即席レースがスタートする。前後にどのようないきさつがあるのかは不明だが、「Forza Horizon」のイメージカーとなっている「2013 SRT Viper」ら、スーパーカーが一斉に走り出していく。

 難易度設定や視点を切り替えながら2度プレイしてみたが、このあたりのカスタマイズは「Forza」シリーズと完全に同一となる。アシスト機能をオンにすれば簡単に走れる代わりに、走行ボーナスが少なくなり、オフにすればよりリアルな走りと、上位入賞によるクレジットのボーナスがたっぷり貰えるという寸法だ。

 ドライビングフィールに関しても「Forza 4」と同一といっていい。最初はやや軽めで若干ピーキーかという気もしたが、それは乗った車の車体特性で、キビキビとした動きはまさに「Forza 4」そのものだ。とおもったら上空を走るヘリの振動がビリビリ伝わってきてこれが違うゲームであることを思い起こさせてくれた。

 「Forza 4」との最大の違いはイリーガルな公道レースというところだ。車道には当然巡航速度で走行している車がいて、交差点もあれば、形として行く手をふさぐ車もたくさんいる。これを「Forza 4」のスピード感でプレイするため、ゲーム性はまったく違うものとなっている。ライバルカーだけ気にしていると、前方を走る車や対向車にガンガン当たってしまうし、左目でカーブの方向ばかりを気にする走り方をしてると、交差点を真横に突っ切ってくる車を避けられない。交差点では、別の方角から車体の上に名前が表示されたライバルカーが増えたりして非常にカオスで、大クラッシュが発生しやすい。こうした中でいかに高速を維持するかがレースで上位入賞を果たす上で重要なポイントとなりそうだ。

 開発元のPlayground Gamesは、Xboxフランチャイズの黎明期を支えた名作レースゲーム「Project Gotham Racing(PGR)」シリーズを手がけたBizarre Creationsの元スタッフが在籍しているため、スペックを見る限りでは形を変えた「PGR」最新作なのかと思っていたが、実際はかなり違う印象で、EAの「Need for Speed The Run」や、Rockstar Gamesの「Midnight Club Los Angeles」のほうが近い印象だ。

 ただ、慌てて補足しておくと、これらのタイトルにあったようなニトロや特殊スキルのような要素は存在しない。「Forza」シリーズお馴染みのリワインド機能が存在するだけで、そこはあくまでストイックなレースがメインとなる。また、対向車をすれすれですり抜けたり、高速で駆け抜けたり、危険走行を維持することで、「PGR」シリーズのKUDOSのようにカリカリポイントが貯まっていく。「Forza」シリーズの難点を強いて挙げれば、優等生過ぎるところだが、「Forza Horizon」はまさに外伝にふさわしい非常に“ワイルド”なレースゲームだ。

 ゲームには数多くのステージが存在し、「Forza」シリーズのように、さまざまな切り方をして1つのステージで何十通りものコースを切り出して走ることができるという。マルチプレイは最大で8人。昼夜の概念があり、シリーズ初となる夜間走行も楽しめる。それ以上のディテールについては、例によって収録車種やメーカー数、ステージ、モードなど細かい話はまだ発表していない」とガードが堅かったが、E3でのインタビューや追加の取材で、明らかにしていきたい。


【Forza Horizon】




■ 「Gears of War Judgement」は新マルチプレイモード「OverRun」を初体験

「Gears of War Judgement」試遊コーナー
COG軍兵士の若々しさが印象的なゲーム画面

 「Gears of War Judgement」は、昨年3部作が完結した「Gears of War」シリーズの外伝的エピソードを収録したタイトルとなる。3部作より前の時代を舞台に、シングルプレイモードとマルチプレイモードを搭載し、「Gears of War」ファンを中心としたFPSユーザーに、新しい楽しみとストーリーを提供する。リリース時期は少し先の2013年を予定しており、日本での発売も決定している。

 「Best of Xbox Showcase」では、新マルチプレイモード「OverRun(オーバーラン)」を体験することができた。会場には5対5の試遊台が設置され、絶え間なく対戦が行なわれていた。

 「OverRun」は特に説明を受けることもなくプレイを始めたが、わずか数分でルールを理解することができた。COG (統一連合政府)軍とローカスト軍に分かれ、片方が攻撃、片方が防衛となり、ステージの中央にあるジェネレーターを破壊する/守りきるのが目的となる。制限時間は5分。

 「OverRun」が「GOW」シリーズのマルチプレイとして新しいのは、COGを例に説明するとSOLDIER、ENGINEER、SCOUT、MEDICといった具合に兵科が用意され、そのロールに従ってプレイするようになっているところだ。この兵科はリスポーンする度に選び直すことができ、兵科ごとに違ったゲームプレイが楽しめる。

 「OverRun」を遊んでいて楽しかったのは、ゲーム内で一定の条件を満たすことで、各兵科の上位クラスがアンロックされ、ゲーム内で敵を倒したり、障害物を破壊することで得られるポイントを消費することで、リスポーン時にその上位クラスになれるところだ。

 このシステムにより、ゲーム後半はいかにもクライマックス的な盛り上がりのある派手なバトルが展開され、多くの場合で、ジェネレーターが破壊される結果となっていた。つまり後半戦では上位クラスの投入により、攻撃側がかなり有利になる。防衛側はチーム間で連携しながら防衛に望む必要がありそうで、クラン戦などが盛り上がりそうだ。


(2012年 6月 5日)

[Reported by 中村聖司]