カプコン、Xbox 360「モンスターハンター フロンティア オンライン」CBT体験レポート
コンシューマーでシリーズ初のHD対応。Xbox 360向けの変更点も


5月13日~27日 クローズドベータテスト実施

6月24日 「ビギナーズパッケージ」発売、オープンベータテスト開始予定

7月7日より 正式サービス開始予定


 株式会社カプコンは、Xbox 360用オンラインハンティングアクション「モンスターハンター フロンティア オンライン」(以下、「MHF」)において、クローズドベータテスト(以下、CBT)を5月13日から27日まで実施した。

 「MHF」は、2007年7月からWindows PC向けに正式サービスを開始したオンラインタイトル。今回、Xbox 360への展開が決定し、そのCBTが行なわれた。CBTには、メディアからの募集枠での当選者や、Xbox LIVE ゴールド メンバーシップの会員などが参加できた。

 Xbox 360版の内容はWindows版と同じだが、Xbox 360で快適に遊べるよう、インターフェイスなどに変更が加えられている。またコンシューマゲーム機の「モンスターハンター」シリーズで初めてHD表示で遊べるタイトルでもある。本稿では、Windows版との違いを探りつつ、Xbox 360版の内容をお伝えしていく。




■ コンシューマ機の「モンスターハンター」シリーズでは初となるHD表示をサポート

 Xbox 360版ではWindows版のグラフィックスが忠実に再現されている。試しにWindows版のモニターを横に並べてプレイしてみたところ、ほぼ同じクオリティの映像となっていた。

 解像度は、480i(640×480ドット)から720p(1,280×720)まで対応している。1080p/1080i(1,920×1,080ドット)での画面出力では、720pの画面を引き伸ばした表示となる。HD表示を前提に設計されているため、480p以下のSD表示では、単純な画質で劣るだけでなく、チャットウインドウが画面いっぱいに表示されるなど、一部の視認性に問題がある。ここは今後のアップデートでの対応に期待したい。

 HD表示では、チャットウインドウも適正なサイズで表示され、無理なくチャットできる。またHD表示では16:9のワイド画面となり、左右の表示範囲が広がる。できればワイド画面で遊びたいところだ。


【スクリーンショット】
D2(640×480ドット)で出力した場合D4(1,280×720ドット)で出力した場合D3(1,920×1,080ドット)で出力した場合



■ Xbox 360用ゲームパッドに最適化された操作性

ゲームパッドの操作方法は、右スティックか、ボタンで攻撃する2タイプから選べる

 ゲームシステムについては、基本的にWindows版と同じだが、操作方法がXbox 360 コントローラー向けに変更されている。ボタンの個別設定はできないが、2種類のコントローラータイプから選べる。左スティックで移動するのは共通で、違いは攻撃方法。1つは、ボタンを押して攻撃するタイプ。もう1つは、右スティックを動かして攻撃するタイプとなっている。視点操作はどちらも方向ボタンで操作できるが、ボタンで攻撃するタイプでは、右スティックでも視点を操作できる。

 これまでにコンシューマ版の「モンスターハンター」シリーズを遊んだことのある人に注意しておきたいのが、Xbox 360専用ゲームパッドでは、左上に左スティックがあり、左下に方向ボタンが配置されているということだ。このため、左人差し指を使ったカメラ操作、いわゆる“モンハン持ち”はできないので、この持ち方に慣れている人は違和感があるかもしれない。ただFPSなどで右スティックによる視点操作に慣れた人には、むしろ親しみやすい操作方法といえる。




■ Xbox 360でも遊びやすいよう改良されたインターフェイス

 コミュニケーション機能については、キーボードを持っていなくてもチャットができるように、ソフトウェアキーボードが実装されている。50音順に並んで表示されている文字を1文字ずつ選択していく方式で、漢字への変換もできる。過去の発言を履歴から選んで再び発言したり、定型文を呼び出したりできるので、キーボードなしでもクエスト中に困ることがなかった。ただ頻繁にチャットしたい人は、別途USBキーボードを用意したほうがいいだろう。

 チャットはシステム面でも改良されている。Windows版では新たな発言があるとチャットウインドウが自動的にスクロールしていたのだが、Xbox 360版にはスクロールをオフにする機能もついている。Windows版であればマウスでスクロールできたが、マウスを使えないXbox 360版ではその手間がないように考えられているようだ。

 このほか、キーワードを強調する機能もついている。事前にモンスター名などをキーワードとして設定しておけば、そのキーワードがチャット欄に表示された際に音が鳴り、他のチャットと色分けされて表示される。この機能を使うことで、特定のモンスターやクエストに関する発言を見つけやすくなる。


【スクリーンショット】
Xbox 360用のチャットシステム。キーボードやマウスを用意しなくても、コントローラーから様々な操作ができるチャットウインドウの上に表示されているのがソフトウェアキーボード。メニューから「ログの一時停止」を選択すればチャットのスクロールを止められるキーワードを設定しておけば、キーワードの入った文章が流れた瞬間に音が鳴り、文字が強調される。画像は「クック」をキーワードに設定してみたところ


 ボイスチャットについては、CBTの段階ではサポートされておらず、現在も対応未定となっている。ただXbox LIVEの機能を使えば可能なので、ゲーム内の広場などでキャラクターを選択し、表示されたメニューからゲーマー カードを確認した後、ボイスチャットを申請すればいい。事前に確認が必要なので、見知らぬ人に直接ボイスチャットで話しかけることはできない。主に知人と遊ぶ際に利用するといいだろう。


【スクリーンショット】
キャラクターを選択すればゲーマー カードが確認できるゲーマー カードからボイスチャットが利用できる



 本作をプレイするのに必要なものは、Xbox 360本体とXbox 360用HDD(両方がセットになった「Xbox 360 エリート」は29,800円)、「モンスターハンター フロンティア オンライン ビギナーズパッケージ」(6,090円)。Windows版をプレイするためにPCを購入するよりも割安に済むのも魅力といえる。なお本作はインターネット接続必須となっている。オフラインではプレイできないので、その点は注意していただきたい。

 パッケージには、「MHF」のゲームディスクや、ゲーム内の武器や防具、そして「Xbox 360用 MHFハンターライフコース 30日利用クーポン」、「Xbox LIVE 12カ月 ゴールド メンバーシップ」の利用コードなどが同梱されている。プレイを始めてから2カ月目以降は、ハンターライフコースの利用料として月額1,400円が必要だ。

 残念なのは、今のところXbox 360版は専用のサーバーになっているため、Windows版とXbox 360版で相互に遊べないということ。ただそのおかげで、Xbox 360版のサーバーには初めて「MHF」を遊ぶ人が多くなると思われる。まっさらの状態のサーバーなので、新たに「MHF」を始めるにはいい環境といえるだろう。


【スクリーンショット】
Windows版と遜色ないクオリティでありながら、Xbox 360に合わせた工夫が施されていて遊びやすい。HDにも対応しているので、大きなテレビに出力して、迫力ある狩りを楽しんでいただきたい


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(2010年 5月 28日)

[Reported by 日高文典]